結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年02月29日(水曜日)

TSIホールディングス社長解任劇とセブン&アイの電子書店参入

朝、横浜の家を出る時、
雪は深々と降っていた。
20120229133529.jpg

東京に着くと、
霙が混じった雪になっていた。

関東甲信越に積雪。

私の生まれ故郷の福岡でも、
雪は積もったらしい。

東海道新幹線に乗って、
静岡に入ると雪は少なくなって、
名古屋では快晴。

日本は広い。

昨年は確か2月の11日と14日に、
東京・横浜に大雪が降った。

建国記念日とバレンタインデー。
今年はうるう年のうるう日。

パラパラッという雪ではなく、
まとまった雪は、
記念日に降る。

何の根拠もないけれど。

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る…」
月日の流れの早いことをたとえた言葉ですが、
本当にあっという間に
2月も最後の日を迎えてしまいました。

㈱足利屋洋品店社長の松﨑靖さんからメール。
毎月、月末にいただく。

「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る…」
上手い言い回しで、江戸時代からあるそうだ。

「い」ちがつは「い」く。
「に」がつは「に」げる。
「さ」んがつは「さ」る。

私の好きな「頭韻」を踏んでいるわけですね。

松崎さんのおっしゃるとおり、
逃げるように過ぎてしまった2月。

そして明日から3月です。

松﨑さんのメールは続きます。
今日は、坂口安吾が桐生に引っ越してきて
60年目の記念日です。

4年に一度、「安吾の引越し記念日」があり、
安吾にゆかりのある人が集まり、
講演会を開いています。

前にも書いたが、
私は大学生の頃、安吾に凝ったことがある。
だからこんな催しが行われていること自体、喜ばしい。
それでも「引っ越し記念日」とは、
著名な作家はすごい。

松﨑さんのメール。
大事なことを忘れないためにも、
記念日は大切に守り続けたいですね。

記念日が雪というのは、
だから、いいですね。

松﨑さんは毎月、店のチラシの代わりに、
『虹の架橋』という新聞を発行している。
これがすばらしい。
そして3月号はその第199号

4月でめでたく200号。
おめでたい。

199号の「小耳にはさんだいい話」。
松﨑さんのエッセイ。
みなさんも、読んでみてください。

作家・下村湖人の短編からとった「無償の愛」。
これも私が小学生の頃にはまった『次郎物語』の著者。

この物語の最後に、松﨑さんは、
湖人の言葉を引く。
おたがいに助けあわないと生きてゆけないところに、
人間の最大の弱味があり、
その弱味のゆえにおたがいに助けあうところに、
人間の最大の強味があるのである

さて今日は、電通の土井弘さんの引退の日。
43年間の電通生活。
大電通きっての流通専門家。

私も、ずいぶん、いろいろなことを教えていただいた。
20120229104112.jpg
心から感謝しつつ、
「土井さんの引退記念日」としたい。

これからもよろしくお願いします。

日経MJトップ面に、
TSIホールディングス社長解任劇が、
生々しく報じられている。

まるで、1982年の三越社長・岡田茂解任劇のごとし。
「何故だ!」との岡田の言葉が流行語のようにもなった。

「三越事件」と報じられたが、
この事件のあと、三越は徐々にその力を失っていく。

TSIとは、東京スタイルのTと、
サンエー・インターナショナルのSIからとられたネーミング。

2010年の10月に、
両者が経営統合して、
純粋持ち株会社が誕生。

その中島芳樹社長が、
23日の取締役会で、
「突然の動議」によって、
5対2で解任された。

「27分の解任劇」とMJは報じる。

三越事件のように、
解任した者たちもマーケットから裁かれて、
やがて会社は衰退していく。

同じ日経MJの「消費見所カン所」に、
㈱セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さん登場。
こちらには解任劇などありえないし、
想像すらできない。

「時間はかかったが、
グループの相乗効果が出始めた」

相乗効果とは、
グループ内に多業態を抱えるが、
そのマルチ業態間のシナジー効果が出始めたということ。

今日で終了する2011年度の連結経常利益は、
過去最高の2840億円。
2010年度対比17%増を見込む。

コンビニのセブン‐イレブンが圧倒的に高収益で、
この面ではイオンとは全く異なる体質。
しかしイトーヨーカ堂の総合スーパー、そごう・西武の百貨店も、
利益が出るようになった。

マルチ業態戦略は、
それぞれの業態がそれぞれに利益を出さねばならない。
短期間利益が出ないことはあるが、
長期間お荷物になることは許されない。

だから「相乗効果が出始めた」のは、
鈴木さんにとって、セブン&アイホールディングスにとって、
率直に喜ばしいことに違いない。

それでも鈴木さんは、持論を展開することを忘れない。
「価格だけでなく
価値を重視する消費者が増えている」

この面でもイオンとは反対の考え方。

「両雄」と称してかまわないと思うが、
セブン&アイとイオンが、異なる戦略を掲げていることは、
日本の小売流通業界にとって幸いである。

しかし両者に一致した時代観がある。
インターネット事業の将来性である。

「13年2月期に力を入れるのは
実際の店舗とインターネット販売の相乗効果の強化」

そのために、「今夏をめどにグループのネット事業を一本化」する。
これはイオンも同じ。

「消費者はどちらか一方で満足はしない。
ネットとリアルの融合が重要になる」

常に「消費者は」という言葉が出てくるところが、
鈴木敏文さんの真骨頂。

日経新聞本紙に、
「セブン&アイ、電子書店参入」の記事。

通販子会社のセブンネットショッピングが、
3月1日からネットを通じて、
小説・マンガなど4万5000冊の販売を開始。

「年内には国内最大規模となる10万冊に増やす」

仕入れ先は、凸版印刷の電子書籍事業子会社ビットウェイ。

当然ながらセブン-イレブンの連携が中核となる。
電子書籍購入に応じて電子マネー「ナナコ」のポイントを付ける。

そごう・西武のギフトカタログも配信し、
こちらもリアル店舗との相乗効果を狙う。

現在のネット会員は1000万人。
電子書籍1冊購入すれば、
スマートフォンやタブレット、パソコンなど、
最大3つの端末にダウンロードできる。

初年度は1億円の売り上げを見込み、
早期に10億円に引き上げる。

セブン&アイはネット事業の売上高を現在の2000億円から、
2014年度5000億円に増やす計画。

このあたりはイオンと同じ見方だ。

セブン&アイとイオンの戦略の差異と同一。
このあたりに時代が映し出されている。

<結城義晴>


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