結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年08月18日(金曜日)

マンデラ&オバマの「差別との闘い」と丸井「試着品だけの売場」

全国高校野球選手権。
通称「夏の甲子園大会」の第99回。

ベスト16が出揃って、今日明日、
ベスト8に絞り込まれる。

16チームは、
東日本から8チーム、
西日本からも8チーム。
東西均衡。

東北から4校、関東からも4校、
近畿が3校、中国・四国も3校、
九州から2校。

北海道と中部は姿を消した。

そして今日は3回戦の4戦。
香川の三本松高校と、
東東京の二松学舎大学付属高校。
三つの松と二つの松の対決。

面白い組み合わせだが、
唯一の公立高校の三本の松が、
5対2で勝利。

それ以外にも、
見ごたえのある組み合わせばかり。
夏本番です。

さて、今日も毎日新聞「余禄」
故ネルソン・マンデラ氏の言葉を引用。
南アフリカ共和国元大統領。
「われわれは自問する。
自分ごときが賢く、優雅で美しく、
才能ある素晴らしい人物で
あるはずがなかろう。だが、
そうあってはなぜいけないのか」

アパルトヘイトと闘った。
27年間、獄中で耐えた。
そしてその撤廃を勝ち取った。

その言葉は重い。

いま、世界最大最強の国の大統領が、
人種差別的な発言を繰り返す。
DSCN7885-7

8月12日、米国南部バージニア州で、
白人至上主義を掲げるグループと、
これに抗議するグループが衝突。
30人余りが死傷。
反対派のデモに参加していた女性が、
車でひき殺されてしまった。

事件後の3度目の記者会見。
トランプ大統領は繰り返した。
「白人至上主義者らと反対派の
双方に非がある」

米国ニュースではこんな意見も。
「放火犯とそれを捕まえようとしている人に
どっちも悪い、喧嘩してはダメだ、
というのは、放火犯に加担することだ」

これに対して、
バラク・オバマ前大統領。
ツイッターでつぶやいた。
「生まれた時から、
肌の色や育ち、
宗教で、
他人を憎む人などいない」
President_Barack_Obama

もちろんオバマ氏は、
アフリカ系アメリカ人。

「人は憎むことを学ぶのだ。
もし憎しみを学べるのなら、
愛を教えることもできる。
愛は憎しみよりも、
人の心に
自然に生まれる」

このつぶやきが、
Twitter史上最多の「like」を集めた。
つまり史上最多の「いいね」

私のパソコン画面に、
ずっと張り付けてあるもの。

「差別語のための
私家版憲法十一箇条」

〈井上ひさし〉

第一条
人は生まれながらにして不平等である。

第二条
本人に責任のないことをからかったり、
笑ったりするのは無意味な上に、
卑劣な行為でもある。

第三条
そこでなによりもまず本人に
責任があるか、ないか、
それを確かめるべきである。

第四条
自分と違うという理由だけで、
人を笑い者にする権利は誰にもない。

第五条
人が表現することを止める権利は
なんぴとにもない。
人は社会的資源であることばを存分に使い
書きたいことを書く権利を保有する。

第六条
人は誰も、他人の為した表現にたいして
抗議を行う権利を保有する。

第七条
ことばを抹殺したからと云って、
また、たとえそれを、
どう言い換えたからと云って、
そのことばが示していた差別が
なくなったわけではない。

第八条
差別語には差別語の歴史があり、
わたしたちはその歴史と
勇気を出して向き合わなければならない。
そうする人間の数が
ふえることによってのみ、
歴史の暗部や秘部を
乗り越えることができるだろう。
つまりその差別語を作り出している
歴史的状況を大勢で意識的に
変えなければならない。

第九条
抗議は表現者へ直接に
行われるべきである。

第十条
人間でありながら
人間扱いされることのない
制度的差別はまだまだあるはず。
これからはそれらについて
じっくり考えることにしよう。

第十一条
抗議と、それに付随するやりとりは
すべて公開で行わなければならない。
井上ひさし516cEOVDVSL._SX353_BO1,204,203,200_
井上ひさしは差別と闘い続けた。

「本人に責任が
あるか、ないか」

私もこれを差別の基準と鉄則にしている。

さて日経新聞の記事。
「丸井 試着品だけの売場」
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(株)丸井グループ。
2017年3月期売上収益2370億円、
全31店舗。

試着用の衣料品と靴だけを置く売場を、
来春までに10店舗超に導入。

ちょうど月刊商人舎8月号特集。
「おためし」のおすゝめ
試食・試着・試用の
経験価値Marketing

偶然にもシンクロした。

丸井の試着だけの売場の対象は、
プライベートブランド商品。
靴とパンツのPB「ラクチン」シリーズ。

しかも今のところ、
女性向けの試着品だけを置いた売場。

来店客のニーズの一つは、
荷物を持ち帰りたくないこと。
それに応える。

顧客は売場でサイズや色を確認し、
店頭のタブレットを使って注文する。

店頭でサイズや色合いを確認できれば、
自分のスマートフォンで後日、
注文することも可能。
次回は同じ商品を、
ネット通販で購入することもできる。

丸井は注文を受けてから最短2日で、
顧客が指定した場所に配送する。
送料に関しては、
靴は無料、アパレルは3000円以上で無料。
もちろん返品も受け付ける。

売場面積は約80㎡で、
従来より約3割減。
在庫負担がなくなるし、
納品作業などの運営費用が圧縮できる。

現在は3店で試験導入中。
東京・吉祥寺店、静岡店、千葉県柏店。
来春までに横浜市、さいたま市などの、
10店舗超に広げる。
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販売効果を検証して、店舗数を増やす。
紳士向け商品を加えていく。

「ショールーミング」は、
顧客が店をショールームとして使う現象。

丸井は初めから、
店をショールームとする。
それが新しい「おためし」

つまり実店舗とネット通販を、
組み合わせたサービスだ。

リアルとネットの融合。

こういった商売には、
顧客の差別はない。
それが商売の尊さであるし、
良さである。

〈結城義晴〉


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