結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年12月12日(火曜日)

大谷翔平の「あれもこれも」とイオン岡田元也の「2020年計画」

朝日新聞「天声人語」と、
毎日新聞「余録」。

今日の朝刊のネタでカブった。
それでもどちらも、
なぜか恥ずかしそうに見えない。

大リーグの本塁打王、
ベーブ・ルース。
打者との「二刀流」だった。

天声人語は、
「結局、ルースは打者に軸足を移す。
二兎を追うのは、
いかに困難な道であることか」

余録は、そのルースの記録を記す。
「1918年の投手成績13勝7敗と、
11本塁打の打撃成績」

「メジャー唯一の2けた勝利・本塁打記録」

もちろん大谷翔平のこと。
アナハイムエンゼルス入団が決まった。

天声人語。
「多くの人にとって成長するとは、
『あれか、これか』を選んでいくことだ」

「この仕事に就くから、
あの夢はあきらめる」

「日々の忙しさゆえ、
好きなことから遠ざかる」

「今はこれに打ち込むのがいいのだ
と自分に言い聞かせながら」

「だからこそ『あれもこれも』を貫く
大谷選手がまぶしく見える」

あれか、これか。
あれも、これも。

大抵は「あれか、これか」。
ドラッカーとジャック・ウェルチの、
「選択と集中」。

だから「あれも、これも」ができる者は、
まぶしく見える。

選手生命が終わるときに、
大谷にとっての「選択と集中」は、
証明される。

ベーブ・ルースは、
やはりドラッカー派だったのだが。

さて、今日は、朝から、
横浜商人舎オフィスに来客。

イオンリテール㈱吉田元さん、
人材育成グループマネージャーと、
イオンコンパス㈱の、
三好智さん、細川みゆきさん。DSCN1977.JPG7
来年の研修の打ち合わせ。

吉田さんが新しい構想を考えてくれた。
私も同じようなことを考えていた。

最後に私の著書にサイン。
吉田さんがずいぶん読み込んでくれた本、
うれしかった。
DSCN1960.JPG7

その後、今度は、
ベルサール東京日本橋。

二つの説明会。

第1部は「イオンのサステナブル経営」説明会。DSCN1988.JPG7

会場いっぱいにマスコミが参集。
ジャーナリストとアナリスト。DSCN1987.JPG7

まず、イオン(株)の三宅香さん。
執行役 環境・社会貢献・PR・IR担当。DSCN1968.JPG7

「AEON Report 2017」が発刊された。
d7505-1300-549935-1
第一章 イントロダクション
-イオンの基本理念
-価値創造モデル
-経営の特徴
-事業概要
-財務・非財務ハイライト
第二章 イオンの戦略
-トップメッセージ
-CFOメッセージ
-イオングループ中期経営計画
(2017~2019年度)
-コーポレート・ガバナンス
第三章 イオンのサステナビリティ
-特集1 ステークホルダー・ダイアログ
-特集2 バリューチェーンにおけるCSRの推進
-イオングループのCSR
第四章 2016年度の取り組み報告
-環境活動報告
-社会活動報告
第五章 会社データ

よくできていて、私などとても便利だ。

この中の第三章と第四章を、
三宅さんは丁寧に説明した。

そのあとは、高橋丈晴さん。
執行役 人事・管理担当。DSCN1996.JPG7

高橋さんはミニストップ(株)出身だが、
今やイオン全体の人事・管理を統括する。
つまりヒューマンリソースマネジメント担当。

したがって、高橋さんは、
多様な人材を活用した経営と、
コーポレートガバナンス体制を説明した。DSCN1997.JPG7
とてもよく分かった。

その後、30分の休憩。DSCN2002.JPG7

今日は本当にたくさんの、
マスコミ関係者が集まった。DSCN2003.JPG7

そのあと第2部は、
岡田元也さん、登場。
イオン(株)取締役代表執行役社長。DSCN2017.JPG7

テーマは、
「イオングループ2020年に向けて」DSCN2005

先の「AEON Report 2017」には、
2017年から2019年までの、
中期3カ年計画が載っている。

岡田さんはそのあとを語った。
つまり2020年の計画目標。DSCN2040.JPG7

マスコミ各社が速報を書いている。
しかしこの説明会の内容は、
切れ切れの記事を読んでもわからない。
つまり全体像、全体構想が、
議論の中核にある。

もっともっと深く読み込まねば、
岡田さんの真意はつかめないと思う。DSCN2072.JPG7
岡田さんは、
「マーケットプレイス」構築を示唆した。
その内実は、
これまでの商売の否定であろう。

さらにスーパーマーケット業態を、
ずいぶん重視している。

イオンの2020年戦略の詳細と、
その解説などは、
月刊商人舎1月号で展開しよう。

ご期待いただきたい。

この1年半ほど、
イオンの将来について、
社内で議論されてきた。

私はシステムズアプローチだと思った。
しかしそれは大変に困難な仕事だ。

「あれも、これも」である。

「あちらも立てて、
こちらも立てる」である。

それは20世紀的な発想の、
「トレード・オフ」の否定である。

それが商業の現代化である。

イオンの中にも、
トレード・オフのような、
古い思考回路が残っているのだろう。

それが悩みの根幹にある。

大谷翔平は迷いなく、
「あれも、これも」を選んだ。

しかしイオンは日本最大の小売業であり、
2020年度に掲げる数値目標は、
「売上高10兆円・営業利益3400億円」だ。

23歳の大谷翔平ほどおおらかな判断は、
下せないのである。

しかし生みの苦しみこそ、
今のイオンには必要なものだと思う。

〈結城義晴〉


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