楽こそ恐ろしい
(村田喜代子の小説『飛族(ひぞく)』から)

編著者は鷲田清一さん。
「90前後の女性が
二人きりで暮らす西の離島」

「今後のことを相談しようと
里帰りした娘」

「今も海に潜る母の連れに
ウェットスーツとフィンの装着を勧めると、
こう返された」

楽こそ恐ろしい

「体が冷える、息が切れる
という苦痛があるから、
耳を壊したり、命を落としたりする前に
引き返せる」

苦しいから命を守れる。

仕事も同じだ。

苦しいこと、辛いことを、
体験し、乗り越えねばならない。

楽こそ恐ろしい。

健闘を祈る。
〈結城義晴〉