結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年08月30日(土曜日)

結城義晴「ギリギリ主義・コツコツ主義」と丸山眞男「精神の惑溺」

暑いあつい8月末の土曜日。
横浜の最高気温は36℃。

ああ。
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午後から車で商人舎オフィスに出社。
やっぱり原稿執筆には、
ここが一番いい。

着いたらすぐに、
熱い珈琲を淹れる。
いや淹れてもらう。
商人舎オフィスの豆は、
問屋から直接、買ってくる。
酸味が強いのが好きだ。

月刊商人舎9月号の原稿執筆と編集業務。

月曜日から9月。
学校の新学期が始まる。

私は子どものころから、
なぜかギリギリ主義だった。
どうしてだろう。

父も母も何でも着々と進めるタイプだった。
妹もコツコツ宿題をやっていた。

私だけギリギリまで先延ばしにした。

小学生、中学生、高校生。
だからいつもこの時期は宿題に勤しんでいた。

高校3年の時だけは夏休みの宿題はなかった。
大学受験の時期だったからだと思う。
なんだか嬉しかった。

社会人になると、
どういうわけか、
毎月〆切のある仕事に就いた。

それ以来、もう50年近くになる。

さらに商人舎を設立する直前から、
毎日〆切のある生活になった。

このブログを始めたからだ。

私は神を信じる者ではない。
けれど運命のようなものは、
ご都合主義で持ち出してくる。

ウォルマート創業者のサム・ウォルトンの言葉。
“Retail is Detail”などは、
「小売りの神は細部に宿る」と訳したりする。

そんな風に神がいるとしたら、
結城義晴のような怠け者には、
〆切を与えねばならないと決めたのだろう。

子どものころからギリギリ主義でも、
一日いちにち、〆切が来れば、
それは日々のコツコツ主義になる。

うまくできている。

それにも感謝しておこう。

さて、朝日新聞「折々のことば」

編著者の鷲田清一さんには、
本当に感謝している。

第3467回。
自由と専制との

抵抗闘争関係そのもののうちに
自由があるのであって、
自由の単一支配は
もはや自由ではない。
(丸山眞男)

「明治の思想家・福沢諭吉が、
生涯説き続けたことの一つが、
価値の多元的存立が自由の基盤をなす
ということだった」

政治学者の丸山眞男はそう言った。
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「たえず変化する状況の中で、
各人が一つの価値規準に呑(の)み込まれ、
主体的な判断を放棄する、
そんな精神の『惑溺(わくでき)』から
社会の停滞が起こる」

丸山眞男らしい。
あえて「惑溺」という言葉を使った。

「耽溺(たんでき)」と言う言葉もある。

惑溺も耽溺も、
「あることに夢中になり、
それ以外考えられなくなること」

「耽」は一つの物事に熱中することだが、
「惑」は正しい判断ができなくなること。

だから「惑溺」には、
心を奪われて判断力を失うというニュアンスがある。

正しい判断ができなくなるほど、
一つの価値基準に吞み込まれてしまう。
多くの人がそうなると、
社会は停滞する。

だから丸山は言う。
「自由は“多事争論”の中で育つ」

専制主義やポピュリズムは、
そこが危うい。

丸山著『福沢諭吉の哲学』から。
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昨日の玉置泰さんの「人間発見」で、
伊丹十三さんが亡くなったあと、
宮本信子さんが詩を教えてくれる。

三好達治の「涙をぬぐって働こう」

とてもいい。

みんなで希望をとりもどして
涙をぬぐって働こう

忘れがたい悲しみは
忘れがたいままにしておこう
苦しい心は苦しいままに
けれどもその心を
今日は一たび寛(くつろ)ごう

みんなで元気をとりもどして
涙をぬぐって働こう

あんまりいい感じのしない世の中でも、
お客さんに喜んでもらう。
商売はとても明るい。

みんなでげんきをとりもどして、
涙をぬぐって働きたい。

〈結城義晴〉


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