高市早苗首相の「所信表明演説」と自由の女神クルーズの顛末

高市早苗首相の所信表明演説。
新聞各紙の巻頭コラムがそれぞれに書いた。
「オールドメディア」などと呼ばれていて、
敬遠する向きもあるが、
一応、事実の裏取りや検証はするし、
校閲部もしっかりしている。
ネット上の発言や情報には、
ほとんどそれがない。
巻頭コラムにはたまに事実誤認があって、
それを指摘されたら必ずお詫びと訂正をする。
ネット上の発言などには、
ほとんどそれがない。
かといって私が、
SNS情報を信じないわけではない。
私は是々非々で眺めて、
自分で判断している。
海外メディアもできるだけ目を通す。
日経新聞の「春秋」の高市演説評。
十七条憲法の一節をひいて、
「日本は古来、衆議が重視される国であったと
締めくくっていた」
「和をもって貴しとし」で始まる十七条憲法。
その生誕の寺に行ったことがあるが、
質素な普通の構えに驚かされた。
高市さんは奈良県奈良市の生まれだから、
「太子の地元」をアピールする意味もあるのだろう。
第一条は、
「人には党派の心があり、
俯瞰的に悟っている者は少ない、
それで争うわけだが、話し合えば、
ことはおのずと道理にかなってくるのだ」
これは大事なことだ。
高市首相が引用したのは第十七条。
「事独り断(さだ)む可(べ)からず。
必ず衆(もろとも)と与(とも)に、
宜(よろ)しく論(あげつら)ふ可し」
独善を戒めるという意味。
コラム子。
「十七条憲法の基底にあるのは、
人は誰もが自分が正しいと考えるが、
それは間違いだという人間と社会への洞察」
正しさとは何か。
それが問題だ。
十七条憲法の第八条。
「官吏は朝早く出勤して遅くに帰れ]とある。
コラム子。
「これは例の話かと思ったが、
意識してのことだろうか」
「働いて働いて働く」の発言。
国会議員も会社の取締役も、
ジャーナリストも、
24時間働くことは当たり前だ。
私はそう思っている。
高市氏の父は設備機械メーカーの東久㈱社員だった。
母は奈良県警察に勤めていた。
小学校に入る前から、
「教育勅語」を繰り返し教えられて育った。
これは『財界』2000年10月号に書かれた。
なるほど。
朝日新聞「天声人語」
英国のマーガレット・サッチャー元首相を引いた。
「強者を弱くすることによって、
弱者を強くすることはできない」
みずからは新自由主義を唱え、
規制緩和を進めた。
高市首相は「強い」という言葉を繰り返した。
鉄の女・サッチャーが念頭にあったのか。

女性トップが「強い」を強調すると、
その違和感が人々の心に残って、
ある種のポジショニングが形成される。
高市さんの政治家としての特徴は、
ここにあるのだと思う。
本物の鉄の女の言葉。
「国家が支出を増やすなら、
国民の蓄えから借りるか、
増税かしかない」
「『公のお金』などはなく、
あるのは『納税者のお金』だけだ」
天声人語子。
「国民に希望を抱かせるのと同時に、
苦い現実を示すのも、首相の役割だろう」
朝日らしい、皮肉の一言。
ここが嫌われるのだろうが、
私もサッチャー元首相の言葉は、
信頼している。
さて商人舎US研修スペシャル編。
夜の部・New York最終回。
自由の女神クルーズに行った。
マンハッタンのチェルシー。
「アートミュージアム」もある。

BATEAUXは「バトウ」と発音して、
フランス語の「ボート」のこと。
フランス・パリのセーヌ川には、
「BATEAUX MOUCHE」のクルーズがある。
MOUCHEは蠅のことだが、
フランスのムーシュ地区の意味。
この地では小型のボートがつくられる。
だから「バトウ・ムーシュ」
パリオリンピックの入場式は、
セーヌ川で行われて、
これらのバトウが使われた。
私はパリの国際食品見本市シアルで、
ヒット商品コンクールの国際委員をやっていた。
そのシアルドールの28カ国の委員たちと一緒に、
バトウ・ムーシュを楽しんだ。
マンハッタンのクルーズは、
以前に三井物産のツアーで、
一度、経験していた。
6時前に到着して、少し待った。
時間が来たらバトウに乗り込む。
まだ停泊しているうちに、
シャンパンで乾杯。
こちらもOICのお二人と一緒。
右端が寿司職人の浜野仁志さん、
左端が金谷裕文さん。
ハドソン川に乗り出すと、
すでに空は暗くなっていて、
高層ビルが美しい。
一番高いのがワンワールドトレードセンター。
9・11の後に建築された最高ビルディング。
バトウはハドソン川を回遊して、
イースト川を上る。
料理はフルコースで、
ワインに変わる。
夜景を見ながらディナーを楽しむ。
マンハッタンブリッジの下を通って、
バトウは反転。
自由の女神に向かう。
デッキに出てワインを楽しむ。
真ん中は現地コーディネーターの富澤由紀子さん。
食事がほとんど終わって、
デザートを残すだけといったころ、
自由の女神像が見えてくる。
一般的には「Statue of Liberty」
すなわち「自由の像」
正式名称は「世界を照らす自由」。
「Liberty Enlightening the World」。
フランスから贈呈されて1886年に完成。
アメリカ合衆国の独立100周年を記念していた。
アメリカの自由と民主主義の象徴。
銅製の像だが緑青が覆って緑色に見える。
頭の部分までの高さは33.86m。
台座部分が結構高くて全体で93m、
総重量225トン。
顔や姿をよく見ると、
女神ではない。
フランス語の「自由」は”la Liberté”と記す。
この言葉が女性名詞なので、
「自由の女神」という。
右手には炎を象徴するトーチを掲げ、
左手には「1776年7月4日」と印された銘板を持つ。
足元には引きちぎられた鎖と足かせがある。
かぶっている冠には七つの突起がある。
七つの大陸と七つの海に、
自由が広がるという意味である。
そんなことを思いながら、
揺れるバトウの上から自由の像を見ていた。
アルフレッド・ヒッチコック監督は、
1942年『逃走迷路』のクライマックスで、
この自由の女神像の場面を演出した。
『猿の惑星』第1作のラストシーンでも、
自由の像は象徴的な役割を果たした。
バトウの中で福島さんとツーショット。
今回のツアーでもずいぶんお世話になった。
私も真似をしてみた。
8日間の商人舎US研修スペシャル編、
最後の夜だった。
ありがとうございました。
これにて、終幕。
〈結城義晴〉




































