結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年10月11日(土曜日)

ダラス2日目のオーガニック御三家と最強のHEBの実力

商人舎US研修会スペシャル編。

コートヤード・バイ・マリオット ダラス アディソン。
ここがダラスの滞在先。

自室の部屋から見える日の出の気配。IMG_6667

ダラスに来て2日目。
会議室で8時から結城義晴の講義。IMG_0097

長い旅をしてから一晩熟睡。
それでも疲れは残っている。

朝の3時間講義。IMG_0101

まずアメリカ視察研修の目的。

それからダラス都市圏の基本情報。
企業別のマーケットシェア順位。
1位ウォルマート34.3%
2位クローガー18.5%
3位アルバートソン11.6%
4位ターゲット7.2%

このランキングが米国全体のシェア順位と、
相似している。

いわばダラスはアメリカを象徴する地域なのだ。

それから初日に訪れた企業の戦略や最新動向。
ウォルマート、ターゲット、
クローガー、そしてHEB。

その合間に店舗のイノベーションの方法を語る。
Combineは重要な考え方だ。

ここからコンビネーションストアが生まれた。IMG_0109

途中休憩をとって、
オーガニックについてのガイダンス。
それからプライベートブランドの知識。IMG_0106

コンコース(主通路)の種類と、
店舗視察のポイント。IMG_0110

講義が終わると、
11時に専用バスに乗り込む。

すぐに今日の行程の確認と、
視察先の情報を簡潔に説明する。IMG_9651

最初の訪問店は、
HEBセントラルマーケット。
HEBの都市型アップスケールスーパーマーケット。
IMG_9652

入口のハロウィンのプロモーション。
色とりどりのカボチャが顧客を出迎える。
IMG_6668

セントラルマーケットは、
完全ワンウェイコントロールで顧客を誘導する。

導入部は果物ではなくて野菜。
左手は氷を敷き詰めたアイスウォールで、
鮮度感を演出。
IMG_9665

トマトの平台。
さまざまな品種のトマトが、
腰高の平台でばら売りされる。
まるでトマト畑。IMG_6669

こちらは菌床栽培の装置。
インストアでマッシュルームを栽培する。
そのプロセスを顧客に見せる。IMG_9654

リンゴは朝食や昼食に必須のアイテム。
多様な調理材料としても使われる。

だから多品種が揃えられる。
小ぶりのリンゴはフィンガーフードでもある。IMG_9670

カットフルーツのコーナーのSKUが多い。IMG_9668

腰高の什器は見やすく取りやすい。
IMG_9672

青果売場を抜けると、
シーフードとミートの売場。
主通路を挟んで両サイドの対面売場で展開する。
右がシーフード、左がミート。
これがとてもいい。
IMG_9673

圧巻のワイン売場から、
デアリー(乳製品)の売場へ。
これはチーズのカッティング工房。IMG_6670

飲料はリーチインと多段ケースで顧客を誘導する。IMG_6671

一気に視界に広がるベーカリー売場。
さまざまなパンや焼き菓子を揃える。IMG_6673

作業場を見せるつくり。
パン工房のようだ。IMG_6674

最後に惣菜デリ売場。
まずオリーブのコーナー。
品種、品目が多い。
それらを量り売りとパック売りで提供。IMG_9677

最後はデリカテッセンの対面売場。IMG_6679

バイオーダーのサンドイッチ、
ピザや洋惣菜が並ぶ。IMG_9678

私はスープバーのスープと、
焼き立てピザでランチ。IMG_9664 (002)

完全ワンウェイコントロール方式は、
魅力的な売場を次々に配置して、
顧客を誘導する。

顧客にほとんどすべてのカテゴリーを見てもらう。

しかしそのためには商品力がなければならない。
HEBのセントラルマーケットはそれを実現している。

HEBのフード&ドラッグ。
同社のレギュラーフォーマットで、
店舗面積は3000坪。IMG_9682

スケルトンの天井は、
店舗の開放性を担保する。IMG_9684

レストラン「BBQ」で少し仕事をこなす。
最近の店舗にはBBQのファストフードが併設される。IMG_9683

入口の「ミールシンプル」コーナー。
簡便即食のミールキットなどを集積する。IMG_6699

基本的に、昨日視察したHEBプラスと、
食品売場は変わらない。
こちらはコの字型のゾー二ング。

青果が導入部。
テキサスのローカル野菜がメイン。IMG_9687 (002)

南アジアの野菜も揃える。
地域にアジア系住民が多いのだろう。IMG_9688 (002)

売場のセンターにチーズショップ。
そして、右サイドにミート、
左サイドにベーカリーとデリを配置。IMG_6690

デリは人気の「ボアーズヘッド」ブランドを導入。
切り立てのハムとチーズを提供する。IMG_9694

ミートのセルフ多段ケース売場。
1ポンド1~5ドル台のユニット単価で売る。IMG_9697

冷凍肉のコーナー。
大容量の畜肉を品揃えする。
テキサスは畜産が盛んだ。
IMG_6693

フローズン売場。
簡素な内装でもカラーリングで顧客を惹き付ける。IMG_9706

ビア&ワインの売場。
白木の什器でナチュラルさを演出。IMG_9698

最終コーナーのプロモーションは、
もちろんハロウィン。IMG_9704

そしてエンドは「SAVE!」の文字で、
お買い得商品を訴求。IMG_9705

HEBの売場には必ずクーポンが取り付けてあって、
顧客はそれをちぎってもっていく。
そしてレジで値引きしてもらう。

生鮮の強さとEDLP。
ウォルマートの戦略に真っ向から対峙して、
その上を行く。

もちろんネットスーパーにも力を入れる。
この奥にずらりとピッキングされた商品が、
カートにのせられて出荷を待つ。IMG_6696

ウォルマートのスーパーマーケット、
ネイバーフッドマーケット。IMG_9717

導入部は対面のデリ。IMG_6700

そしてベーカリーが続く。IMG_9720

この店はまだ最新のモデルに改装されていない。
IMG_9721

サインやPOPは黒をベースにした従来の仕様。IMG_6702

早くもレジ前ではクリスマスプロモーション。
IMG_6703

ウォルマートではコロナ期間中に、
ネットスーパーの需要が大幅に伸びた。
どの店でもピッキングする姿が目に付く。IMG_6701

派手ではないが、
催事・行事には適切に対応する。
IMG_6704

㈱ロピアの福島道夫さん。
夜にリッツの食べ比べを企画。
ウォルマートのクラッカーのPBを購入。IMG_9722

トレーダー・ジョー。
2023年にオープンした。
小型のリミテッドアソートメントが特徴。
IMG_9744

その前で全員で記念写真。IMG_9728

斜めに配置された平台で、
常温野菜や果物を品揃えする。
IMG_9739

多段ケースの野菜コーナーで、
気づいた優れものがこれ。IMG_9732

玉ネギ、ニンジン、ブロッコリをみじん切りした商品。
スープにも炒め物にも使える。
こんなカット野菜があってもいい。IMG_9735

壁面は地元にちなんだペインティング。
1店舗に2名ほどのアーティストがいる。IMG_9743

アーティストは壁面だけでなく、
エンドのトップボードやPOP、
プライスカードまで手書きする。IMG_9737

EDLPだからできる。
電子棚札もトレーダー・ジョーには関係ない。

スプラウツ・ファーマーズ・マーケット。
2024年9月にオープン。IMG_9745

入り口のガラスに、
20%オフのシールが貼られている。IMG_9747

右壁面のシーフード、ミート、デリの売場。
IMG_6722

売場の至る所で、
20%オフを謳う。IMG_9759

この店は最新の内装デザイン。
ただし、バルク売場や青果売場が縮小されている。IMG_9752

奥壁面に配置された青果売場。
青果の陳列ボリュームも少ない。IMG_9749

壁面の売場もシンプルになった。
以前のような「大型の八百屋」というイメージは薄れている。IMG_9756

各エンドでも20%オフ。IMG_6724

スタッフに聞くと、1周年のセールだそうだが、
苦戦している様子がありあり。

ホールフーズ・マーケット。
8月にオープンしたばかり。IMG_6752

ホールフーズらしいスケルトンの天井。
以前に比べて陳列在庫量が少ない、
しかしすっきりした印象。IMG_9760

ナチュラリーの壁面。
テキサス産の農産物を訴求する。
IMG_6728

バナナやリンゴなどを集積して
朝食のフルーツの提案。IMG_6729

「LAND+SEA」のサイン。
ミートとシーフードの対面売場だ。IMG_6731

奥主通路は広い通路幅。
グレーを基調にした洗練された店だ。IMG_6734

ただし陳列量も少ないし、
顧客も少ない。

奥主通路ではアパレルのセール。IMG_6736

デアリー売場の美しい壁面装飾。 IMG_6737

チーズショップの対面コーナー。IMG_6742

左翼のベーカリーとデリゾーン。
これらの売場も商品在庫数が少ない。IMG_9766

セルフデリのコーナー。
夕方に訪問したので、客数は少ない。
デリゾーンは昼食時には賑わうのだろう。IMG_6744

オープンして1カ月半ほど。
まだまだ知名度が低いのだろう。
あるいは、オンライン販売の比率が高いのか。IMG_6748

ホールフーズ、トレーダー・ジョー、
スプラウツのオーガニックスーパー御三家。
三者三様の売場づくりだが、
人気を博していたのはトレーダー・ジョー。

ただし背景にあるのは、
HEBのダラス北部への出店だ。
3000坪級の大型店ではオーガニックを強化する。
その影響がジワリと及んでいる。

クローガーのマーケットプレース。
今年1月にオープンした非食品強化型の大型店。IMG_9768

入口の華やかな花卉売場。
IMG_9770

桜の花と永楽通宝(えいらくつうほう)。
日本でも広く知られた渡来銭の一つ。
これをディスプレー。IMG_6754

ハロウィンのプロモーション。IMG_6756

スターバックス。
定番のテナント。IMG_6757

カラフルな青果売場。
もちろんオーガニックを強化する。IMG_6760 (003)

アボカド10個10ドル。
安い。
IMG_6755 (002)

スイカの売り方も訴求力抜群。IMG_6810

左翼のベーカリーとデリ。
IMG_6765

シーフードとミートの対面売場。
壁面の設えはホールフーズのよう。IMG_9787

日本のビールを島陳列。
日本の食品と飲料のプロモーションを仕掛けている。
桜の花と永楽通宝はその企画の一つだ。IMG_9773

ワン売場も紫を基調にして美しい。IMG_9786

非食品強化型で定番なのは、
調理器具などを集めた「キッチンプレース」。IMG_9802

奥主通路のデアリー売場。
IMG_9801

そしてレジ前ではアパレルの展開。IMG_9808

ベビー服も充実している。
だから子供連れ客が多い。IMG_6758

HEBのダラス進出で、
市場シェア2位のクローガーが変貌している。
そんな店だった。

最後にオプションでホームデポを訪問。IMG_9819

世界ナンバー1のホームセンターチェーン。
もちろん全米1位だ。
年商1595億1400万ドル。伸び率4.4%。IMG_6822

ハロウィン売場は最高だった。
IMG_6824 (002)

参加者たちは童心に帰って楽しんでいた。
IMG_6825 (002)

2日目の充実した視察と研修。
みんな、大満足。

ありがとう。
(つづきます)

〈結城義晴〉

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