結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年07月03日(土曜日)

伊勢丹府中店退店跡「ミッテン」のヤオコー府中フォーリス店

東海・関東地方の記録的大雨。

とくに静岡県熱海市。
伊豆山付近の「土石流」。

あのあたりは、
商人舎ミドルマネジメント研修会で、
湯河原に行くときに車で通る。

ひどいことになった。

静岡県御殿場市で24時間に385ミリ、
箱根町では540ミリも降った。

亡くなられた方々のご冥福を祈り、
その遺族の方々にはお見舞い申し上げたい。

私はその雨の中、
京王線の府中駅へ。

それほどひどい降りではなかった。

北口の甲州街道沿いには、
オオゼキ府中店がある。IMG_43941
2018年に東証に上場し、
2019年に創業50周年を迎えた。

その年にオープンさせた店舗だ。
IMG_44001

今年5月の決算で年商1025億円、
営業利益75億6050万円、
経常利益76億2247万円。
営業利益・経常利益ともに7.4%。
すごい会社だ。

鮮魚部門では朝から、
4品よりどり1000円セールを展開。
1品なら299円のパックが、
4品買えば1000円。
IMG_43971
生本マグロなどのパックをつくって、
大人気を博している。

府中駅南口の改札を出ると、
そのまま2階部分のデッキで、
ミッテンにつながる。

伊勢丹府中店が2019年9月末に撤退して、
そのあとに入った商業集積。IMG_44241

1996年4月にオープンした伊勢丹府中店は、
開店初年度の売上高261億円。

しかし初年度がピークで、
あとは減少に次ぐ減少で、
経常損失が恒常化した。

2003年度以降は合計約34億円の赤字を積み重ねた。

初年度がピークの商売は、
成り立たない。

郊外型百貨店のコンセプトそのものが、
ダメだった。

私は言い続けている。
百貨店の商圏人口は最低100万人。

府中市の人口は26万人。
周辺人口を集めても100万人に至らない。
しかも府中市民も周辺の人々も、
電車で25分足らずの新宿に行けば、
日本一の伊勢丹本店がある。

結局、現場の努力は無駄となった。

そこで家電のノジマが名乗りを上げて、
この物件を運営するとともに、
5階フロアに店舗を出店。

各フロアにはユニクロやGU、
ホームセンターコーナン、
ニトリのデコホーム、ダイソーなどが入居。

簡単に言えば、
郊外ショッピングセンターのテナント構成を、
一つの館で展開したのがミッテン。

そのミッテンの小規模専門店街が、
フォーリス。
IMG_44011

そしてそのフォーリスの地下1階に、
ヤオコー府中フォーリス店が開業。IMG_44041

府中駅前商店街に沿って、
鼠の「忠助」像。
IMG_44051
須佐之男命(すさのおのみこと)を助けた鼠。

商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
785坪・年商45億の「府中フォーリス店」5/25出店

5月25日にオープンしたのが、
ヤオコーマーケットプレース。
府中フォーリス店。IMG_44071
私はヤオコーの旗艦店だと想像していた。
しかし旗艦店ではあるものの、
これまでとは違っていた。

地下1階では食品専門店と競合している。
昔の生鮮カテゴリーキラー。
青果の九州屋、
精肉の明治屋産業の「壱丁田」、
鮮魚の魚力、
そしてグロサリーの北野エース。

ヤオコーにとって、
これもいい競争で、
そのおかげもあってか、
新しいフォーマットになった。

それは次の月刊商人舎に書こう。
実に面白い。

日経新聞スポーツ欄。
昨日のコラム執筆は、
三浦知良。
「サッカー人として」
三浦知良
「サッカー選手には毎週、
ベンチ入り18人という名の
選考が待っている」

「東京五輪が迫り、様々な競技で
選考に道を阻まれる選手がいることだろう」

多くの五輪種目で、
そんなニュースが次々に発せられる。

「4年に1度、あるいは最後の
チャンスかもしれない舞台から
脱落するのは、つらい」

「でも、落選からが
人生は山場なんじゃないのかな」

カズは、これが言いたい。

「選考に人生を左右されたと感じて
投げ出してしまうのなら、
結局、自分で人生を棒に振ることになる」

「そうでなく、諦めず、
ちゃんと人生を組み立てていく。
きつい作業だけど、はい上がれるか」

人生を組み立てて、はい上がる。

「敗れた。老いた。別れた。
そこからなんだ、勝負どころは」

「過去に起こったことは変えられない。
でも起こったことの意味なら変えられる」

「負でしかない出来事も、
頑張りようでその意味を、
ダイヤモンドのように
光らせることができる」

54歳で現役を続ける三浦知良だから、
言えることだ。

伊勢丹府中店跡のミッテンも同じだ。

ヤオコーはその一員となって、
一翼を担っているし、
それに応えていると思う。

〈結城義晴〉

2021年07月02日(金曜日)

ポストコロナ時代の「消費ブーム」と「デフレ懸念」

パオロ・ジョルダーノではないが、
ふたたび、みたび、数え始めている。
1107090553_1_sub1_l

新規感染者数。
重症患者数、死者数。

東京オリンピックを、
ちょうど3週間後に控えた東京都。
一昨日の新規感染者は714人で、
1週間前と比べると95人増。
昨日は673人で先週から103人増、
今日は660人で98人増。

一方でワクチン接種が進むが、
各国選手団も続々と来日。

与党内からも、
「無観客開催」の声が出てきた。

自然な反応だろう。

オリンピックを、
お祭りとは捉えずに、
記録会と考える。

そんな視点はずっとあった。

COVID-19パンデミックのなかで、
世界から集まったアスリートが、
偉大な記録に挑戦する。

大衆は映像でそれを堪能する。

それでも十分だ。

今日は激しい雨のなか、
第一屋製パン㈱の鎌田恒雄さんが、
横浜商人舎オフィスに来てくれた。

現在は大阪に単身赴任して、
関西統括本部副本部長兼西日本営業部長。IMG_E43911
持ってきてくれたのが、
大阪空港工場でつくったばかりの商品。

「万代あんぱん」IMG_E43711

そして「素敵なメロンパン」。IMG_E43741
よほど自信があるのだろう。
第一屋製パンの加藤万由子さんが、
万代のバイヤーと共同で開発した。

「万代あんぱん」は、
㈱万代のプライベートブランド。
特別な売り方をするが、
このたび力を込めて、
何度も試作を繰り返して、
大リニューアルをした。IMG_43721

メロンパンは第一パンのブランド。IMG_43751
バターマーガリンが挟んであって、
ちょっと塩味がはいっているのがいい。

そのあんぱんをいただいてみます。IMG_E43801

あんこが大量に入っている。IMG_43831
私は子どものころから、
甘いものはあまり食べない。
いわゆる辛党。

しかし年をとって、
還暦を過ぎてから、
美味しく食べるようになった。IMG_43841

この顔が物語っている。IMG_E43851

最後に鎌田さんとツーショット。IMG_E43881

さて、日経新聞のコラム、
「大機小機」

今、一番気になることを考察。
コラムニストは甲虫さん。
「コロナ後デフレ」拭えぬ懸念

「ポストコロナ時代の日本経済」だ。
つまりキャズム期間が終わって、
そのあとの時代の経済がどうなるか。
経済によって、消費も生活も変わる。

大きく分けて2つの異なる視点が示される。

第1は、
「大きな消費ブームが起こる」。

楽観的な見方。

「ウィズコロナ時代」と甲虫さんは言う。
私は「大きな断絶」だから「キャズム」と呼ぶ。
??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????
この期間は定額給付金など、
「政府の支援策が所得を下支えした結果、
人々の貯蓄が大幅に増加した」

だから、
「ポストコロナ時代には、
コロナ禍で抑圧されてきた消費が
感染終息とともに
一気に爆発する可能性がある」

「回復が遅れていた
対面サービスを伴う業種の一部で、
ワクチン接種が進展するとの見通しから
株価が上昇基調を見せているのは
このためだ」

一方、第2は悲観的な見方。
キャズムの期間には、
「日本が直面するさまざまな
構造的な問題が浮き彫りになった」

デジタル化の遅れ、
脱炭素社会に向けた対策の遅れなど。

「コロナ禍の以前から顕在化していた
少子化や財政赤字の累積といった問題も、
ウィズコロナ時代を経て
従来以上に深刻になっている」

これが「コロナは時間を早める」現象の一つ。

「経済活動が落ち込むなかで
賃金が大きく下落したのは、
主要な先進国では日本だけである」

ここが深刻だ。

エコノミストの平均的な予測値。
「今年のインフレ率は日本が
米国やユーロ圏に比べて極端に低くなる」

「しかも、足元の公表値では、
米国やユーロ圏の予想インフレ率が
軒並み大きく上方修正されたのに対し、
日本の予想インフレ率は
低いままであった」

日本経済は置いてけぼり。

「本格的な経済回復を実現していく過程で、
これら”デフレ懸念”を
どのように克服していくのか」

つまり第2は、
「デフレ懸念」である。

コラムニストは注文を付ける。
「日本政府には、これまで以上に
改革に真剣に取り組む姿勢が求められている」

ん~。

この面は、心もとない。
??????????????????????
しかし楽観的な「消費ブーム」と、
悲観的な「デフレ懸念」は、
どちらも起こると、私は思う。

だから小売業・サービス業は、
ちいさな「消費の変化」をしっかりとらえる。
それを「ブーム」と言われるものに育てる。

最近の食品業界で言えば、
群馬のツルヤや関西のロピア。
もちろんベニマルやヤオコー、サミット。

決して楽観的態度ではないが、
「ブーム」を巻き起こしている。

そしてそのうえで、
「デフレ」から脱却できない状況にも、
備えつつ仕事をしなければならない。

「ポストコロナ時代」の主役は、
リスクマネジメントである。

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

悲観的でありつつ、
楽観的であれ。

その両方のトレード・オンである。

〈結城義晴〉

2021年07月01日(木曜日)

「ぬくもりやビジョンのないDXはご免である」同感!!

7月に入った。
大変な7月だ。

コロナ禍キャズムの年、
2021年の折り返しである。

7月23日(金曜日)から、
東京オリンピックが始まる。
1964年以来、57年ぶり。
国民の期待は高まる。

しかし新型コロナウイルス感染は、
インド型のデルタ株から、
ペルー型のラムダ株まで登場して、
それらがオリンピック関連の「人流」拡大で、
第五波を生み出す危険性もある。

大変な7月だ。

私自身は7月8日に、
第2回ワクチン接種をする。
私のような高齢者だけではなく、
年齢幅も広がりつつ、
ワクチン接種も進む。

それが唯一といっていい希望だろう。

それでも大変な7月である。

7月の結城義晴は、
それでも動く。

ワクチン接種の翌日、
7月9日から大阪出張。
今回は4日間。

横浜にもどって13日は、
竹林舎の講義。
DSCN99871
立教大学大学院と飯能信用金庫が共同して、
経営塾を開催している。

その塾で「マーケティング」を講義する。

翌週の20日も竹林舎講義。

昨年は休講となったが、
今年は開催される。

グループワークなどを組み込んで、
3時間の講義。

今年はDXやビッグデータなども織り込んで、
新しい内容にしようと思っている。

そして23日から東京五輪。
いったい、結末はどうなるのだろう。

しかしどんなときにも、
「前向き・上向き・外向き」
で、生きていきたい。

「下向き・内向き・後ろ向き」は、いやだ。

さて、朝日新聞のコラム。
「経済気象台」
このコラムは社外筆者が執筆している。
「第一線で活躍する経済人、学者ら」とある。
日経新聞の「大機小機」と同じだ。

今日のコラムニストは山猫さん。
ルキノ・ヴィスコンティが好きなのだろう。

そして今日のタイトルは、
「DXと将来ビジョン」

「いまの世の中、
猫もしゃくしもDXでかまびすしい」

同感。

ここでいうDXはもちろん、
“Digital Transformation”

月刊商人舎3月号。
商人舎3月号DX
こちらはRetailのDXの話だが、
バックナンバーを持っている人は、
読み返してほしいな。

コラムニスト山猫さんはDXを、
「デジタル化による改革」と説明する。

「政府も9月のデジタル庁発足に向けて、
重点計画の内容を明らかにした」

デジタル庁は菅政権の目玉政策だが、
1年後の9月の発足とは、ちと遅い。

拙速(せっそく)はいけないけれど、
巧遅(こうち)も決してよろしくはない。

「巧遅拙速」という四字熟語は、
いくら上手でも遅いよりは、
たとえ下手でも速いほうがよい、
という意味。

ましてや「コロナは時間を早める」。
結城義晴の持論。
??????????????????????????????????????????????????????????????????????

そしてコロナによって、
一番早まるのは、
Digitalの世界だ。

山猫さん。
「マイナンバーカードがその中心だが、
コンビニで住民票を受け取れたり、
個人の健康情報を
全国の医療機関で確認できたりと、
お題目が並ぶ」

「だが住民票は役所に行けばとれるし、
健康情報はプライバシーの問題だ。
もしデータを盗まれたら
どうしてくれるのか」

コラムニストの体験談。
固定資産税を払おうと銀行に行った。

「現金での納付は窓口ではやっていない」

そこで、
「見慣れない機械の前に連れていかれた。
年配の女性客が係員の介添えで
何とか手続きを終え、
やっと順番が回ってきた」

「わたしも
係員の手を借りないとできなかった」

ちょっと情けなさそうだ。

「人員削減を目的に機械化し、
客もそのうち慣れるだろう。
そんな魂胆なのかもしれないが、
年に何度もしない操作を
老人が覚えられるとも思えない」

そして警告。
「効率化すなわち人員削減に
DXのねらいがあるとしたら、
どんなに便利になっても、
人間のクビが切られてしまう
冷たい社会になるだろう」

効率化や生産性の向上は、
人員削減のためではない。

「DXはそれ自体が目的ではなく、
ビジョンを実現するための手段である」

これが本質だ。

「将来ありたい社会の姿についての
議論がないまま、デジタル化だけが
先行することは避けたい」

単行本でも書いたが、
「将来ありたい社会の姿」が根本にあって、
そこから逆算して現在を決める。

大切なのは「ブレイクスルー思考」である。

最後に山猫さん。
「ぬくもりやビジョンのないDXは
ご免である」

[Message of March]
アナログとデジタルを融合させよ。
202103_message
小売りの仕事はアナログだ。
サービスの業務もアナログだ。
近代化はそれをデジタルに変えた。

アナログは次々にデジタルとなった。
そしてデジタルが世の中を高速化させた。
デジタルが世界を爆発的に膨張させた。

アナログのデジタル化はこれからも加速する。
だから逆にデジタルのアナログ化が必須となる。
かくてアナログとデジタルの融合が進む。

それがDXの本質だ。
それがポスト・コロナの仕事の態度だ。
ポスト・モダンの商売の在り方だ。

〈結城義晴〉

2021年06月30日(水曜日)

将棋お~いお茶王位戦第1局と「世界ブランド100」の上位寡占

今日の東京都の新規感染者は714人。

何度目だろうか。
またまた数を数えねばならない。
202006_message
1日の陽性者数が700人を超えたのは、
先の5月26日以来。

東京都の1日当たり最大新規感染者は、
今年1月7日の2447人だ。

それから比べると31.4%と、
3割に減ってはいるが、
もうすでに第四波は明らかで、
第五波が見え始めた。
〈NHKの国内の感染者数グラフ〉koronadaiyonnha

インドで最初に確認されたデルタ株が、
世界中で増えつつあるし、
そのあとはペルーのラムダ株も続いている。

何とも不気味な印象だ。

さて、将棋王位戦。
㈱伊藤園が特別共催して、
「お~いお茶王位戦」となった。
ouisen22
昨年度に藤井聡太がタイトルを奪取して、
今年度は注目度が飛躍的に高まった。

2日制のタイトル戦7番勝負。
挑戦者は豊島将之、31歳。
現在、竜王と叡王の二冠。

18歳の藤井聡太は現在、
王位と棋聖の二冠。

二冠同士の激烈な闘い。

しかも豊島は愛知県一宮市出身、
藤井も愛知県瀬戸市出身。

つまり愛知県民同士の激闘。

そこで昨日と今日の第一局は、
対局場が名古屋能楽堂。

条件はすべて整って、
「相掛(あいが)かり」という戦型。
後手の豊島が終始リードして、
104手目を見て、藤井が投了。
王位戦3
将棋では「会心譜」と称する。
「会心の棋譜」を残したという意味。

対して藤井聡太は、
まったく良いところなく完敗。
かといって藤井に悪手はなかった。

今、将棋界は面白い頂上決戦が続く。

今日の王位戦を闘った豊島と藤井は、
豊島が優勢だ。

しかし名人位の渡辺に対して、
藤井は妙に強い。

その渡辺は豊島に対して分がいい。

つまり三つ巴の関係にある。

藤井がいかに豊島を攻略するか。
今回の先手番の指し手は、
豊島から相当、研究された。

逆に藤井王位がいかに豊島竜王を研究するか。
それが第二局からの焦点となった。

その第二局は7月13、14日。
北海道旭川市の花月会館。

実に、実に面白い。
ワクワクする。

今日も私は1日、商人舎オフィス。
月刊商人舎7月号の執筆。

商人舎裏の遊歩道。
IMG_4367 (002)1

梅雨の間に緑はどんどん深まる。IMG_4368 (002)1

さて、カンターの「ブランドZ」。
kanta-1

コンサルティング会社カンターが毎年、
世界のブランド100傑を調査・選考する。
「Top 100 Most Valuable Global Brands」
brandz-global-2021_cover-image-new_1500x1000
その2021年版が発表された。

100ブランド全体の価値は、
金額に換算して7兆710億ドル(約780兆円)。

世界的に上位寡占が進むが、
この100ブランド合計は前年比で42%増。
つまり上位ブランドの価値が高まっている。

1位 アマゾン
6839億ドルと推定され、前年比64%増。

2位 アップル6120億ドル
3位 グーグル4580億ドル
4位 マイクロソフト4103億ドル
5位 テンセント2409億ドル
6位 フェースブック2267億ドル
7位 アリババ1969億ドル
8位 VISA1913億ドル
9位 マクドナルド1549億ドル
10位  マスターカード1129億ドル
無題
7位までがGAFAやマイクロソフト、
そして中国のテンセントとアリババ。

世界のブランドの7位までが、
ITの超巨大企業だ。

小売業では、
25位 ホーム・デポ
30位 ウォルマート
55位 コストコ
84位 イケア
86位 ロウズ

外食では、
9位のマクドナルドに続いて、
29位 スターバックス

日本のブランドでは、
64位 トヨタ
88位 NTT

[価値が急増したブランド]の調査では、
7位 ユニクロ

ブランド価値の小計では、
小売業が約1兆2884億ドル。

メディアとエンターテインメントが、
合計1兆2844億ドル。

ビジネスソリューションとテクノロジープロバイダー。
トータル1兆2508億ドル。

いずれも1兆ドル(100兆円)を超えた。

かつてのブランドは、
自動車だったり、
ファッションだったり、
ジュエリーだったり、
はたまた食品だったり、
ホテルや娯楽だったりした。

それがGAFAをはじめとするITに、
完全にとってかわられた。

チェーンストア大手が、
100位以内に5社入っているが、
世界一のアマゾンも間違いなく小売業だ。

そしてアマゾンを含め、
いずれもディスカウンターであることが、
現代を象徴している。

ブランドの大衆化である。

〈結城義晴〉

2021年06月29日(火曜日)

「ラムダ株」急拡大と「そうでもない」の「たいしたこと」

COVID-19パンデミックは、
まだまだおさまらない。
??????????????????????????????????????????????

世界で変異ウイルス(VOC)が生まれ、
それらがよりによって、
ますます感染力を強めている。

そして「ラムダ株」まで登場した。
南米のペルーを起源とする変異種だ。

世界保健機関(WHO)が5月31日に、
変異株の命名システムを発表している。

それはギリシャ文字を使って区別するというものだ。

イギリスで最初に特定された変異株は、
「B.1.1.7」系統だが、それが「アルファ」。

南アフリカの「B.​1.351」系統は「ベータ」、
ブラジルの「P.1」系統は「ガンマ」、
インドの「B.1.617.2」系統は「デルタ」。

そしてペルー系統が「ラムダ」。

ペルーでは新規感染の80%以上がラムダ株だ。
中南米は世界の新規感染者の4割を占めるが、
このエリアで広がるのがラムダ株だ。

この命名システムは議論を簡易化させる。
同時に名前による偏見や風評被害をなくす。

世界の新規感染者のピークは4月下旬だった。
ジョンズ・ホプキンズ大学の調査。

それが6月中旬に下げ止まって、
また拡大の傾向が見えた。

その最大の要因は変異ウイルスだ。

一方、ワクチン接種は、
全世界の人口100人当たり約38回。

急速に接種比率は上がっている。

ワクチンの普及と変異型の多様化と拡大。
まだまだCOVID-19パンデミックは続く。

さて今日は夕方4時半に、
鈴木國朗さん、来社。
静岡出張の帰りに寄ってくれた。IMG_42701

先週土曜日の群馬クリニックの総括対談。IMG_43201

ツルヤとトライアル、ベイシア。
フレッセイととりせん。
そして、やましろや。
IMG_42731

話は盛り上がって、
3時間を超えた。
IMG_43111

終わりのころは笑いが絶えない。IMG_43101

月刊商人舎7月号で掲載する。IMG_43251

ご期待ください。
IMG_43271
この対談の最後に出たのが、
ツルヤの商品はすべてうまいかということ。

鈴木さんも商人舎も、
大量に商品を購買して、
それを試食した。

実際に食べてみた結果は、
両者ともに、見解が一致した。

「ほぼ日」の糸井重里さん。
先週の巻頭言「今日のダーリン」
img_message-448x484

「無意識でなにかを評価していることが多い」

食べたり、見たり、聞いたり。
「よかったなぁ」とか、
「また行くかと言われたら、
行くかもと答えるかな」とか、
「店の雰囲気まで含めてだけど、
うまかったぁ」とか。

評価的な感想のなかで、
このごろ多くなっている糸井の感想が、
「そうでもない、かな」ということ。

「じぶんで言ってるんだけど、
なんとも妙な言い方だ」

この感じ方が糸井流。

「うまかった?」
「よかった?」
「どうだった?」

「どう訊かれても、
“そうでもない”で答えられる」

あえて「日日辞典」みたいに言い換える。
「期待していたほど、よくはなかった」
「期待してなかったけど、ましだった」

「上でも下でもない、
けっこう広いその間の範囲にあるのが、
“そうでもない”ということになるのかな」

そして糸井の感覚。
「”そうでもない”と
思うことは多いのだけれど、
どうやら、ぼくは
“そうでもない”を否定していない」

うん、うん。わかる、わかる。

「過剰に期待しなければ、
あるいは見くびらないで
まっすぐ見たら、
その”そうでもない”は、
オッケーなのだと思う」

「”そうでもない”の質が
ある程度以上だったら、
それはとてもよろこぶべきこと
なんじゃないだろうか」

「どこもかしこも、
あらゆるものごとが、
“そうでもない”になったら、
そりゃぁサミシイだろうが、
“そうでもない”ものって、
害悪はないのだし、
ほんとうにいいものを
引き立ててくれる」

そして自分の体験を披露。
「サブスクの映画やドラマって
“そうでもない”の宝庫だよ」

「よく考えたら、それは
“たいしたこと”なんだろう」

同感だ。

そしてこれは、
ツルヤやヨークベニマル、
ヤオコーやサミット、そしてロピア。
最近盛んにFacebookにアップされる、
マルトのアイテム群。
さらにユニクロやニトリまで。
彼らのマーチャンダイジングにつながるものだ。

それらが普段の生活を支える。

「”世界一素晴らしいものを、お安く”は、
基本、ありえない」

チェーンストアやスーパーマーケット。
本質はここにある。

〈結城義晴〉

2021年06月28日(月曜日)

冷凍食品は初めて業務用を家庭用が逆転した。

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉖]

2021年第26週。
6月最終週で木曜日から7月。

1年は52週と言われるが、
厳密に言えば365日は52週プラス1日。

それでも26週は
1年のちょうど折り返し点だ。

あっという間に半年が過ぎた。
「コロナは時間を早める!!!」
1tannkoubonnhyousi

今週は月刊商人舎の原稿執筆と入稿。
だから1日中、横浜商人舎オフィス。

ランチは近くの「ルーフトップカフェ」。

私が注文したのが冷製パスタのセット。IMG_4262 (002)1

これがなかなか美味い。IMG_4263 (002)1

亀谷しづえと鈴木綾子。
IMG_42661

「すっぴんだから、いやです!!」
そうは言われても写真、出しました。IMG_4268 (002)1
マスク時代の女性はみんなすっぴん。

私はギターを抱えて。IMG_4255 (002)1

一曲、いかが?
IMG_4258 (002)1111

さて日経新聞夕刊一面トップ記事。
「冷凍食品、家庭向け”熱戦”」
IMG_4269 (002)1

「新型コロナウイルス下で、
家庭用冷凍食品の販売競争」激化。

理屈としてよくわかるし、
一面トップ記事になるニュースは、
もうどこでも当たり前になっている。

イオンリテール㈱の総合スーパー。
全店舗の9割の約350店で、
冷凍食品の売場を拡大。
最大1000品目を扱う。

冷食の代表はチャーハンやギョーザから、
トリの唐揚げなどまで、
メーカーの製品がずらりと揃う。

しかしイオンリテールでは、
鮮魚売場のウナギのかば焼き、
精肉売場の焼き鳥などが、
独自商品として冷凍食品化されている。

今年度に入って、
各売場での面積を1.5倍に広げる。
精肉関連では品目数を4割増やす。

約150店では専用の真空包装機も導入。

昨年度のイオンリテールは、
冷凍食品の売上高が前年比2桁増。

記事では七尾宣靖執行役員が語る。
「需要はさらに高まるとみているが、
顧客の取り込みには差異化が重要」

それがウナギかば焼きや焼き鳥などだが、
希少部位を使った味付け肉の冷食など、
新たな商品の開発にも注力していく。

七尾執行役員の指摘。
「店頭への来店頻度が減る一方で
まとめ買いが増え、
長期保存ができる冷凍食品は
家庭での存在感が高まっている」

イオンリテールでは、
業務用で売り先がない商品も扱う。

「新型コロナの懸念が続く中、
家庭用優位の状況は鮮明」

オーケーや業務スーパーなど、
もうずっと前からそれに取り組んできた。

イトーヨーカ堂も、
冷凍食品の売場を拡大。
ブロッコリーなどのカット野菜や、
ミールキットの冷凍商品を展開する。
フライパンで温めればそのまま食べられる。

ライフコーポレーションも、
新店や改装店、大型店では、
売場面積を従来の約2倍に広げ、
品ぞろえも2倍の約600品目まで拡充。

電子レンジで温めるだけのワンプレート商品、
専門店や世界のグルメの冷凍食品化。

メーカーも積極的な商品開発を続ける。

コロナ禍で買物頻度が低下している。
だから長期保存ができる冷凍食品は売れる。

日本冷凍食品協会の発表。
20年の工場出荷額(国内生産分)は、
業務用が前年比14%減の3278億円、
一方、家庭用は18%増の3748億円。
1981年の調査開始以来、初めて逆転した。

もちろんコロナ禍による、
外食産業の営業自粛が影響した。

冷凍食品の2割・3割・5割引きは、
もう当たり前の販促手段だが、
イオンリテール七尾氏が言うように、
ここでは「差異化」こそが求められる。

アメリカのトレーダー・ジョーを見よ。
??????????

いつもナンバー1のアイテムは、
マンダリン・チキン。
20200130_tj-award-no3-448x338

そして大人気のニョッキ。20200130_tj-award-no2-448x338

フランスのピカールに学べ。???????????????????????????????

フルラインの冷食専門店。???????????????????????????????

商品パッケージも独自性がある。???????????????????????????????

日本ではツルヤがそれを実証する。
IMG_E42481

生鮮素材の冷食化から、
独自のメニュー開発、
そしてピザやベーカリーをはじめ、
デザートやスウィーツまで。

「美味い、安い、早い」
そして「鮮度がいい、相場に強い」

日本のピカールは、
「安い」が欠落しているが……。

夕刊と言えど日経の一面トップに、
こんな記事が出た。

今から取り組むのではもう遅い。
しかし「差異化・独自化」は、
1品からでもできる。

ひとつだけ重要なこと。
生鮮食品が強くて、
惣菜が魅力的な店でこそ、
冷凍食品はよく売れる。

ピーター・ドラッカー先生同様に、
実も蓋もない話だが。

では、みなさん、今週も、
差異化と独自化を目指そう。
物真似を抜け出して。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年06月27日(日曜日)

コロナ対策「バブル方式」の言葉に対する無感覚に怒る!

誰が名づけたか、
「バブル方式」
COVID-19感染拡大防止策として、
国際的なスポーツ大会で、
選手や運営関係者を隔離し、
外部と接触させない方式。

泡(つまりbubble)の膜でとり囲むように、
内部と外部を遮断することから命名された。

東京オリンピック・パラリンピックで、
このバブル方式が採用されている。

来日したウガンダ選手団の1人から、
空港検疫の陽性が判明した。
しかし、他の8人はそのまま、
濃厚接触者とは認定されないまま、
合宿地の大阪府まで貸し切りバスで移動。

その後、2人目の陽性者が判明した。
バスに同乗した自治体職員や運転手などにも、
濃厚接触者は広がっている。

バブルのなかに感染者が出て、
それが外部と接触している。

つまりバブルははじけた。

東京オリパラには、
約7万人が来日する。

どうなることか。

「バブル」と言えば、
1986年12月からのバブル景気を思い出す。
日本の株と土地の異常な上昇、
そしてその突然の下降現象である。

17世紀のオランダでは、
チューリップ・バブルが起こった。
ty-リップバブル

チューリップ球根の価格が、
異常高騰を見せ、また突然下落した。
記録に残された最初の投機バブルである。

そのバブルという言葉を、
コロナ防止の言葉に対して、
平気で流布させる無感覚さは、
大いに気になるところだ。

海外で使われているからと言って、
それを日本でも使う必要はない。

「人流」という言葉にも、
その無神経さが見える。

どうも、現政権は、
「言葉」に対して鈍感である。

それは私自身を含めて、
国民や社会が言葉に対して、
無感覚になっているからかもしれない。

マザー・テレサの言葉。

思考に気をつけなさい、
それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから――。
index
言葉は行動になり、
行動は習慣になり、
習慣は性格になり、
性格は運命となる。

そして言葉は思考から影響される。

言葉に鈍感であるということは、
思考が足りないのか、
思想がないのか。

残念なことだ。

[Message of April]
言葉
???????????????????
言葉は不思議だ。
人間が人間であること、
ヒトが他の生物と異なることを、
証明しているのが言葉だ。

たとえば日本語と英語・フランス語・ドイツ語。
「市場」と“Market・Marché・Markt”。
いずれにも狭義の「いちば」の意味があり、
広義の「しじょう」の意味をもつ――。

はじめに言葉ありき。
言葉は神とともにあり。
言葉はすなわち神なりき。
〈ヨハネ福音書〉

言葉で知覚し、
言葉で思索し、
言葉で伝達し、
言葉で議論する。

新人諸君、先輩諸氏。
社長も部長も店長も。
言葉に鈍感な者は退け。
言葉で考えぬ者は去れ。

評論家もコンサルタントも。
識者も学者も、編集者も。
言葉に愚鈍な者は衰えることを知れ。
考えぬ者は滅び去ることを悟れ。
???????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????
ここには抜けている項目があった。

首相も閣僚も官僚も。
与党も野党も、右派も左派も。
言葉に無感覚な者に、
権力が与えられてはならない。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

国内研修会
ミドルマネジメント研修会
商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年9月
« 8月  
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.