結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年10月26日(月曜日)

万代トップマネジメントセミナーの「明日のための今日」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㊸]

2020年第44週。
10月第5週に入った。

今日は㈱万代のトップマネジメントセミナー。

万代の役員、執行役員、部長総勢31名が、
会議棟の大ホールに集まった。DSCN9364-1

結城義晴が朝9時から夕方4時まで
終日語りつくす、トップ向けセミナーだ。 DSCN9371-1

セミナーの第1章はまず、
現在の結城義晴の問題意識が主題。
「コロナは時間を早める」
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コロナ禍でスーパーマーケットの業績は好調だ。
もちろん万代も絶好調。

しかし、百貨店や総合スーパー、
専門店チェーンなどは、
大きく影響を受けている。

コンビニエンスストア、
ドラッグストア、ホームセンターは、
それぞれに異なった影響を受けている。

コロナ禍によって、
業態地殻変動が生じている。
マーケットはどう変わっていくのか。

そして時間軸が短縮化されることで、
何が起こるのか。

そうした問題意識を共有する。
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最後列には、
阿部秀行社長、不破栄副社長、
芝純常務、そして加藤徹さん。
加藤さんは㈱万代ホールディングス社長。DSCN9370-1

セミナーは5章に分けて語った。
第1章が「コロナは時間を早める」
第2章は「データ・マーケティング」
第3章は「日米経営データ分析」
第4章が「アメリカ小売業動向解説」
そして第5章が「マネジメント問題」
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午前中は主に、スライドを投影して
競争環境の変化から、
フォーマット・ポジショニング戦略、
商品問題までを整理した。

コロナ禍は、
私の持論の現象化を早めさせる。
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昼は役員の皆さんと、
情報交換を兼ねてランチ。DSCN9375-1

午後はデータドリブン経営から
コロナ禍のアメリカ情勢まで
一気に、語った。

ウォルマートはこのCOVID-19禍で、
大変革を目指している。

驚くべき勇気だ。

そして最後は、
マネジメント問題。

ロジカルシンキングから、
意思決定とコミュニケーション、
そして品質管理のマネジメントまで。

6時間ほどのセミナー時間だったが、
私にとってはまだ足りないくらいだった。DSCN9376.-1

セミナーの最後は、
阿部秀行社長の講話。
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関西のマーケットにも、
変化が起こっている。
万代は変わっていかなければならない。

阿部さん自身、
「決意新た」の心境のように見えた。

1日のセミナーを終えて、
疲労困憊だが、満足感一杯。DSCN9384-1

万代ホールディングスの加藤徹さんと、
ツーショット。
いつもいつも加藤さんは、
私の講義を聞いてくださる。
心から感謝。
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その後は慰労会。
万代が経営する料亭久恵。

私のテーブルの言葉。
「まあいいかは
よくないことが多い」
納得。
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乾杯の音頭は、
人事部マネジャーの石川慎也さん。
万代知識商人大学第1期生。IMG_93070

そのあと、ゆっくりと懇談。IMG_93100

そして記念写真。
阿部秀行社長(右)、不破栄専務(左)。
司馬純常務(後左)、石川マネジャー(後右)。IMG_93140

最後はホテルまで、
阿部さんに送っていただいて、
ツーショット。
IMG_93200
ありがとうございました。

今、コロナ禍が続くなか、
トップマネジメントや幹部の、
意思一致や意思統一は必須だ。

万代は今日、それをやった。
結城義晴は触媒に過ぎない。

今日のセミナーのエピローグ。
未来を築くために
初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを
決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを
決めることである。
〈ピーター・ドラッカー〉

では、みなさん、今週も、
「明日のために今日を決めよ」

Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年10月25日(日曜日)

秋の「丹沢と富士」を眺めながら「消費喚起」を考える

丹沢(たんざわ)山地。
一番高く見えるのが大山(おおやま)。DSCN92750
神奈川県の面積の6分の1を占める。
東西約50km、南北約30kmに、
あまたの山が連なる。

新横浜から東海道新幹線に乗ると、
一番先に見えてくる山だ。

それからすぐに富士山。DSCN92800

あたまをくもの上に出し
四方の山を見おろして
かみなりさまを下に聞く
富士は日本一の山

青空高くそびえたち
からだに雪の着物着て
かすみのすそを遠くひく
富士は日本一の山
(文部省唱歌「ふじのやま」)
厳谷小波作詞。
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今日は見事な秋の富士。
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雄大なその姿。
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今年は頂のあたりの雪が少ない。DSCN92880

天高し富士の伸びゆく天の余地
(佐々木敏光句集「富士・まぼろしの鷹」から) 
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芭蕉も富士の句をつくっている。
霧しぐれ富士をみぬ日ぞ面白き

今日は霧がかかって富士が見えない。
それもよし。

河東碧梧桐の句。
この道の富士になり行く芒かな 

水原秋桜子(みずはら しゅうおうし)。
秋耕や富士をさへぎる山もなく

「秋耕」(しゅうこう)は、
秋の収穫が終わった後に田畑を耕すこと。DSCN92970

最後は、富士川と富士。DSCN93000
今日は大阪へ入る。

日経新聞「大機小機」
コラムニストは魔笛さん。
「消費喚起こそ改革の本丸に」

「菅義偉内閣が発足し、
自助共助公助を打ち出した」

その意味は、
「まず、自分の努力で
経済競争力を身につける。
競争に負けて生活に困窮する人には、
財政や社会保障で最低限の支援を行う」

コラムニストは学者だろう。
「これは、古くからの厚生経済学の発想だ」

つまり旧い学説。

「個人も企業も個々に
自分の利益だけを考えて頑張れば、
努力が積み重なって
経済全体も豊かになる」

「過剰な支援は努力への意欲をそぐから
最低限に抑えるべきだ」

ある種の競争原理だ。

「日本に旺盛な需要があるなら、
個々が努力して生産を伸ばせば、
すべて売れて所得増に直結する」

菅義偉が育った高度成長時代の発想。

しかし現実は、
バブル崩壊以降30年間、消費は低迷し、
それにコロナ禍が追い打ちかけている。

コラムニスト。
「こんな状況での競争力強化策は
逆効果を生む」

菅政権の具体策。
「地方銀行や中小企業の統合再編」。

私もこれは仕方がないと思う。
欧米はその道を歩んだ。

「それにより競争力をつけた企業では、
業績が改善し、
従業員の賃金も上がるであろう」

「しかし、総需要が増えない中、
生産面で効率化すれば必ず人が余る」

昨日のブログで書いたが、
日経新聞一面トップ記事。
「ミニミニストップ」の完全無人化。

生産性は上がるが、雇用は減る。
ポストコロナ時代の難題が横たわる。

「倒産や失業が増えて消費意欲が減退し、
かえって景気は悪化する」

これこそ、
マクロ経済学の「合成の誤謬(ごびゅう)

コラムニストは小泉純一郎時代を振り返る。
「生産効率化を推し進め、
完全失業率は5%を超えた」

安倍晋三時代は、
「女性活躍や若者雇用拡大をうたい、
雇用は改善したが、
労働生産性の低い非正規雇用が
大幅に拡大した」

いずれにしても需要は増えず、
消費も国内総生産も低迷したまま。

選択肢は2つしかない。

「一部の効率的な企業や人材が
限られた需要を独占し残りは失業するか、
非効率な生産を続けて
需要を皆で分け合うかだ」

「前者は所得格差と社会の分断」を生む。
これはアメリカの状態。

「後者は低労働生産性と低賃金を生む」

「いずれも経済拡大効果はない」

菅内閣はいまのところ、
前者寄りの政策を選択をしている。
「それでは地方を中心に失業率が上がり、
格差が拡大して消費を抑えてしまう」

ただし私の意見。
競争の結果、経営が苦しくなるのは、
マーケットフォロワーだ。

ニッチャーは小さくとも生き残って、
大いに輝く。

フィリップ・コトラー先生。

そのフォロワーの衰退は、
廃業や失業を生むばかりではない。
経営統合すれば店は存続するし、
健全な企業に吸収されれば、
雇用は安定し、賃金は上がる。

コラムニストの主張。
「経済拡大には生産面の改革ではなく、
消費喚起を目指すしかない」

これには同感だ。

「金融緩和や大幅な赤字財政で
お金を増やしても
消費が増えないことは、
アベノミクスで実証済みだ」

菅政権の目玉の一つは、
携帯料金引き下げ。

しかし、すでに十分普及した携帯電話。
「需要増は期待できず、
赤字財政でお金を渡すことと同じだ」

つまりこれは、
大衆の人気取りに過ぎない。

結論は、
「地道に新需要を掘り起こすしかない」

富士をさへぎる山もなく
富士の伸びゆく天の余地

富士はある意味で「独占」状態。
丹沢は多数の山の競争状態。

富士は完成した霊峰だが、
丹沢は今でも、
徐々に隆起を続けている。

丹沢の状態のほうが、
成長は望める。

しかしすべては消費喚起だ。
税金のバラマキでは消費は生まれない。

こっちを押したらあっちが動く。
これを考える。
これしかない。

商業・サービス業の地道な努力。
日本経済全体にとっても貴重だ。

〈結城義晴〉

2020年10月24日(土曜日)

「ピノキオ」トランプと「ミニミニストップ」の完全無人化

ジョンズ・ホプキンス大学の集計。
米国のCOVID-19新規感染者数。
23日だけで約8万3700人。

過去最多を更新。
感染拡大ペースは急加速、
収束の兆候は全くない。

アメリカは病んでいる。C

大統領選挙のディベートで、
ドナルド・トランプ大統領は発言した。
「感染拡大は峠を越えた」
「収束は近い」
無題
まったくの口から出まかせ。
CNNによれば「ピノキオ」のごとし。
悲しい嘘つき。

累計感染者数約849万人。
累計死者数約22万4000人。

10月に入ってからずっと右肩上がり。

いったい、どうなるのか。
アメリカには何とか、
早く蘇ってほしいものだ。

商人舎流通SuperNews。
セブン-イレブンnews|
仕分け業務の「デイリートランスポート」で40名感染

デイリートランスポート習志野物流センター。
店舗向け商品の仕分け業務を行う施設。
22日に所管保健所から認定された。
「感染者クラスター」

23日時点で40名の陽性者が確認された。

センターを運営するのは、
(株)デイリートランスポート。

職場および共有部分の消毒作業を行い、
全従業員へのPCR検査を実施した。

しかし仕分け機能が低下して、
首都圏のセブン‐イレブン店舗には、
一部商品の納品が予定通り行われない。

北海道では60人の新規感染者。
これは過去最大。

まだまだ、油断してはならない。

さて日経新聞一面トップ。
「ミニストップが完全無人店」

イオン傘下のコンビニ。
ミニストップが、
完全無人店舗を展開する。
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ニュースリリースは未発表だから、
日経新聞のスクープで、
だから土曜日の一面トップとなったか。

売場面積は3~10㎡。
ゴンドラを2~3台程度並べた小型店。
立地は企業のオフィスの一画など。

店舗というより、
ラックジョバーのような機能だ。
あるいはオープンな自動販売機か。

もちろん店員は置かない。
顧客は商品のバーコードをスキャンし、
セルフレジでICカードなどを使って、
キャッシュレスで決済する。

品揃えは飲料や菓子、カップ麺など、
食品・雑貨類の100品目程度。
おにぎりや弁当は扱わない。

売上げはどのくらいなのだろう。
立地によって大きく異なるはずだ。

出店コストは数十万円で、
通常のコンビニが、
5000万~1億円だから、
100分の1から200分の1。

ミニストップの平均日版が、
42万7000円だから、
勝手に推測すると、
投資額と同じ比率で100分の1ならば、
日販4000円超か。

人件費もかからないし、
ロスも出ないから、
2000円でも3000円でもいけるか。
いや日販1万円はほしい。

100円の商品が20個、30個売れれば、
2000円、3000円。
100個ならば1万円。
でも100品目程度。

どのくらいなら採算に乗るのだろうか。

出店スピードは速くて、
11月にスタートして、
早期に首都圏で1000店体制にする。

1000店と言っても、
1店のスケールが100分の1と仮定すれば、
コンビニ10店分だ。

このニュースが日経の一面トップ。
あ~あ。

しかし他のコンビニも無人化を模索する。
ローソンの無人店舗は、
生体認証とスマホアプリの組み合わせ。
事前登録したクレジットカードで、
レジを通さず支払いを済ませる。
今年2月から期間限定で実証実験も行った。

セブン-イレブンも夜間のみの、
自動販売機だけの実験店を始める。

記事は海外に目を向ける。
「海外では中国が無人化で先行する」
「ビンゴボックス」が火付け役。
システム先行で無人コンビニは増えている。
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私も上海で見た。

もちろんアメリカでは、
レジレス店舗のAmazon Go。
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しかしそれはきちんとした店舗だ。
ラックジョバーや自動販売機とは違う。

記事は日本の小売業やサービス業が、
生産性が低いという話題に持っていく。

経済産業省調査の2017年度。
小売業の労働生産性は501万円。
全産業は894万円で、
小売業は大きく下回る。

記事の表現。
「労働集約的だった店舗ビジネスで
無人化が進めば
日本経済全体の生産性向上にもつながる」

しかしこのラックジョバーのような店で、
小売業全体の生産性を語るのは、
ちょっと無理がある。

もちろんミニストップの試みを、
否定したり貶めたりするつもりはない。

商人舎流通SuperNews。
イオンnews|
小型DSのビッグ・エーとアコレ経営統合

ドイツのアルディやリドルのような、
ボックスストアの経営統合。
現在、344店。

標準型小型店のまいばすけっと、
ディスカウント小型店のアコレ・ビッグA。

イオンはコンビニとは異なる小型店を、
戦略的に展開する。

こちらの首都圏1000店体制は、
いずれもインパクトがある。

そこにスポットを当てれば、
まだまだいい記事になったかもしれない。

ちなみに店名はどうなるのか。
「ミニミニストップ」(?)

あんまりよくないか。

〈結城義晴〉

2020年10月23日(金曜日)

フルックス黒田久一さんの「惣菜のわかる八百屋塾」と「言葉」

今日は商人舎オフィスに来客。
黒田久一さん。
フルックスグループ代表。
㈱フルックスホールディングス社長。
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奈良からやって来てくれた。

青果物流通事業の㈱フルックス、
青果物加工事業の㈱フルックス東海、
そして惣菜事業の㈱味の大和路。
それらをマネジメントするのが、
㈱フルックスホールディングス。

先代の故黒田一郎氏が、
青果物仲卸として創業した、
いまや青果と惣菜における、
バーティカルインテグレーターを目指す。

グループのミッションは、
「食と農のかけ橋になる」
そして、
「余すところなく使い切る、売り切る」

実にいい。

黒田さんは2016年から2020年を、
第二創業発展期と位置付け、
ミールソリューション事業を充実させている。

その黒田久一さんは、
実によく勉強する。

私も、何度も欧米や中国にご一緒した。

その黒田さんは2007年から、
「惣菜のわかる八百屋塾」を主催している。
毎年数回、奈良の本社で、
講演とパネルディスカッションが行われ、
取引先や地域の人々が参集して、学ぶ。

私は2012年1月に講演した。

そして来年2月の第77回に、
再び講師としてお招きいただいた。

今日はその打ち合わせ。
日程は2月10日と決まった。

フルックスのお取引先の皆さん、
それ以外の方も大丈夫かもしれない。
どうぞお越しください。

黒田さんと話していて、
今日も私は、
触発されることが多かった。

素晴らしい。

もちろん私なりのアドバイスもした。

いや~、いいなあ。
黒田久一さんと会っていると、
コロナも吹き飛んでしまいそうだ。

そこで二人で、
Go! Go! ポーズ。IMG_92020

朝日新聞「折々のことば」
第1972回。

我々は、
迷い、ためらうことを
可能にする言語を
贈られているのである。
(古田徹也)

「ある言葉にふれた時の、
しっくりこない、どうも違う
といった違和感は、
“常套句(じょうとうく)の催眠術”をかわし
覚醒へと向かう起点であり、
むしろ言葉の豊饒(ほうじょう)さの
(たまもの)なのだ」

そう、
「しっくりこない、
どうも違う」
の、この違和感は実に重要だ。

言葉に限らない。
音楽でも絵画でも、
店でも売場でも商品でも、
「しっくりこない、
どうも違う」
違和感を覚えるときがある。

言葉の場合は、
「常套句の催眠術」。
店や売場の場合は、
「創意のない物真似」。

「しっくりこない、
どうも違う」
その違和感。

古田さん。
「”リツイート”や”シェア”といった
“他者の言葉に対する
何の留保もない相乗りと反復”には、
言葉の勢いと熱量が
明澄な意識を押しのける、
そんな危うさがある」

そう、「何の留保もない相乗りと反復」。
ブログなどでもよくある。

古田さんは1979年、熊本生まれの、
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。
2019年、『言葉の魂の哲学』で、
サントリー学芸賞受賞。
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その著作から鷲田清一さんが引用。

古田徹也さんは返礼をツイートした。
「大変光栄です。
その一文の脈絡を、
これほど狭い紙幅のなかで
鮮やかに表現される手腕に、
改めて感服しました」

そこで私も拙著「Message」より。
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「言葉」

瞬間、言葉を失う。
言語シンドロームか。
会話イップスか。

言いたいことが言えない。
私にもある。
だからこれは許そう。

しかし、商売に言葉は欠かせない。
仕事に専門用語は不可欠だ。
取引き・取組みに会話の手はぬけない。

難しいけれど、
それでしか表わせない
深い意味。

そのまま英語だが、
新しい魅力的な概念を込めた用語。
記号だけれど、何度も使うに便利なもの。

商品という単語。
売場という文章。
店という思想。

半面、疲れ果てた古い言葉。
心のこもらない接客七大用語。
口先だけのマニュアル常套句。

独り善がりのひけらかし修飾語。
売り言葉に買い言葉。
体系のない借りもののカタカナ羅列語。

はじめに言葉あり
言葉は神とともにあり
言葉はすなわち神なりき(ヨハネ福音書)

言葉で仕事し、
言葉で思索し、
言葉で成長する。

新人諸君、先輩諸氏。
社長も部長も店長も。
モノを言わぬ者は、去れ。

評論家も、コンサルタントも。
識者も、学者も、編集者も。
考えぬ者は滅びることを知れ。

tairon toranpubaiden
それにしても今日の、
米国大統領選挙の第2回ディベート。
第1回よりずいぶんましになったとはいえ、
とくにドナルド・トランプはひどい。

「しっくりこない、
どうも違う」
違和感どころか、大嘘八百。

大統領がこのデタラメ。
それを聞いている、
アメリカの若者や子どもたちは、
いったい、どう育つのだろう。

フルックスの黒田一郎さんも、
黒田久一さんも、
「言葉をもった商人」だ。

〈結城義晴〉

2020年10月22日(木曜日)

日本食糧新聞社「食品経営者フォーラム」で90分の講演と懇親

今日は東京・赤坂。
ホテルニューオータニ。

日本食糧新聞社主催、
「食品経営者フォーラム」
第376回の講演会。DSCN9972-1

講師は結城義晴。
テーマは、
「コロナは時間を早める」
COVID-19禍の日本商戦の行方

参加される方々の名簿が、
事前に送られてきたが、
それを見て、驚いた。

食品業界の重鎮の皆さんの名前があった。
歌田勝弘さん、
廣田正さん、
垣添直也さん。

歌田さんは味の素㈱元社長・会長。
1925年のお生まれだから95歳。
イオン㈱名誉会長の岡田卓也さんと同年。

廣田さんは元㈱菱食の社長・会長。
食品卸売業界の大御所。
垣添さんは日本水産㈱元社長・会長。
水産業界の重鎮。

お二人ともに、
コーネル大学ジャパンでは、
講師をお願いした。

そんな重鎮の皆さんの前での講演。
もちろんこのコロナ禍。
実際にご参加いただけなくてもしかたない。

しかし会場に到着すると、
廣田正さんにばったり。

商業界時代から大変にお世話になったし、
商人舎発足の会では、
発起人になっていただいた。

そんなこともあって、
ひどく緊張して臨んだ。
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月刊商人舎5月号の特集テーマ。
それを今回の講演でも使った。
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話しているうちにどんどん乗って来て、
後半は私の持論を力を込めて語ることとなった。

「大阪寝屋川の陣」に関しては、
講演に入れる予定はなかったが、
話しているうちに話題が飛んで、
新時代の競争論やフォーマット論を論じることとなった。

メーカーの皆さんには、
コモディティ化現象の話が受けた。

しかしコロナ禍によって、
コモディティ化も進む。

私のさまざまな考えは、
コロナ禍によって実現が早まる。
私はそれを確信している。

皆さん、メモを取って
真剣に聞いてくださった。DSCN9987-1

業態地殻変動のキーワードは、
「ティファニーで朝食を」。
つまり食を中心にした変革が起こる。
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そして最後はポストコロナの作法。DSCN9990-1

90分のご清聴に感謝したい。DSCN9992-1

事務局がやって来て、
広報用の写真を撮影してくれた。DSCN9993-1

ブログ用にも講演後の満足顔。DSCN9996-1

講演が終わってから、
垣添直也さんと写真。
本当に久しぶりだった。DSCN9998-1

その後、部屋を移して交流会。DSCN0010-1

まず今野正義さんが開会のあいさつ。
日本食糧新聞社代表取締役会長CEO
今野さんも商人舎発足の会の発起人のお一人。DSCN0006-1

それから中野勘治さんは、
三菱食品㈱元社長、会長。
中野さんも食品産業の世界で、
「この人あり」と言われた辣腕の経営者。
現在はオフィスKを立ち上げてご活躍中。DSCN0021-1

参加の方々ほぼ全員と名刺交換した。
さまざまな質問も受けたが、
その質問に答えるうちに、
引き出しからアイデアが浮かんで、
私の考え方がまた革新された。

ありがとうございます。
交流こそイノベーションの苗床です。

それからワインを飲みながら、
食事をしながら、懇親。

内田宗司さんは、
㈱ニップンインターナショナル元社長。
現在は㈱銀座木村屋の顧問。DSCN0012-1

高城宏一さんは㈱スズキヤ取締役。
営業本部SM事業部店舗運営部長。
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商人舎主催の米国研修会に参加してくれた。
トレーダー・ジョーやホールフーズ、
ウォルマートに刺激を受けた。
そんな話をしてくれた。

もちろん今野会長とは、
大いに情報交換した。
コラボレーションできることがあれば、
よろしくお願いします。DSCN0019-1

そして中締めは平山勝己さん。
日本食糧新聞社副社長。
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平山さんから呼ばれて、
講師の私が異例のあいさつ。DSCN0024-1

しかし私はもう、
十分に語らせていただいたので、
締めはこの方にお願いした。DSCN0029-1

中野勘治さん。
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ずいぶんとお褒めの言葉をいただいて、
恐縮。

最後に能美芳祐さんとツーショット。
オフィスのうみ代表で、
アース環境サービス㈱顧問。DSCN0041-1
あくまでも、
ソーシャルディスタンシング。
そして講演会と懇親会。

やはりリアルの講演はいい。
受講者の皆さんの反応がわかる。

だから要望が強いところを、
詳しく、深く説明できる。

そしてそれが、
講演者自身の勉強にもなる。

少しずつリアルの講演が増えてきた。
それも少人数の講演会。

私は大好きだし、
ありがたいことだ。

商業界を辞して、
商人舎をつくったころ、
辻説法や立ち合い演説のようなことを、
どんどんやろうと考えた。

今、コロナ禍で、
そんな時代が来たのかとも思う。

〈結城義晴〉

2020年10月21日(水曜日)

万代知識商人大学第5期講義のサプライチェーンと作業システム

万代知識商人大学。
Mandai Knowledge Merchant College。
2016年に開校して今年第5期。

企業内大学として、
日本のスーパーマーケットで初のものだった。

世界で初めて、
企業内大学が創設されたのは、
1956年。

米国ゼネラルエレクトリック(GE)。

通称「クロントンビル」。
現在の名称は、
「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」。

幹部教育と次世代のリーダー教育。
端的に言えば、次の社長や取締役をつくる教育。

毎年、全米から選抜された30人ほどが、
毎月、クロントンビルに参集して、
トップマネジメントや超一流の講師から、
様々な講義を受け、ディスカッションし、
互いに研鑽し合う。

「Big Thinker」を育てる。
これがクロントンビルのコンセプト。

万代もそれをスタートさせて、
毎年30人が修了した。

今年の30人でおよそ150人。

その知識商人大学の講義が行われるのは、
万代本社横の会議棟。
IMG_75210

大ホールでソーシャルディスタンシング。IMG_91970

朝9時、いよいよ開講。
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津田睦人事部マネジャー。
津田さんは第一期の級長。
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今日のテーマは、
サプライチェーンマネジメントと、
オペレーションマネジメント。DSCN98850

冒頭の講義は、
学長の結城義晴。
DSCN98940

サプライチェーンの意義を説明し、
オペレーションマネジメントの重要性を説く。
店舗オペレーションは、
サプライチェーンの最終工程である。DSCN98880

会社組織の機能を図示して、
サプライチェーンの位置づけをする。DSCN98910

第1講座が終わると、
歩いて3分の渋川畜産プロセスセンターへ。DSCN98960

全員が参集。
DSCN98970

渋川センターは精肉の工場。
だから万代畜産部チーフバイヤーが説明。
吉田秀史さんは知識商人大学3期生。DSCN99000

第5期生が第3期生の解説を聞く。
DSCN99050

次に万代渋川センター長が全容を説明。DSCN99080

田村将吾さんは知識商人大学第2期生。IMG_91920

㈱日本アクセス渋川PTLセンター長は、
田中雅道さん。
同社西日本営業部門大阪支店所属で、
万代のセンター運営にコラボしている。IMG_91950
1時間半、2班に分かれて、
渋川畜産センターを見学。

店舗のバックヤードよりも、
断然、スピードのあるオペレーションを、
じっくり視察した。

講義会場に戻って、津田マネジャー。
津田さんも講義をつなぎつつ、
自分の経験や知見を話す。
それがまた、とても的確だ。
DSCN99100

そしてまた吉田チーフマネジャーの講義。
プロセスセンターの設立と投資、
オペレーションマネジメントとの関係性。
第3期生の先輩として、
いい講義をしてくれた。
DSCN99160

高野保男先生と一緒に講義を聴講。DSCN99110

午前中の講義が終わって、
渋川センターの三人と写真。
DSCN99240

ランチのあとは、特別講師。
高野保男先生。
サミット㈱取締役として、
同社の作業システムを構築した。
DSCN99260

テーマは作業システムとLSP。
商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
常連講師として、
このテーマで講義をお願いしている。
DSCN99290

オペレーションシステムに関して、
日本で一番のコンサルタント。
万代の店舗を視察して、
的確なアドバイスもしてくれた。DSCN99320

万代の阿部秀行社長と三人で写真。DSCN99360

今日の第5講義テーマは、
「店舗オペレーションの改善」
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講師は小宮秀友さん。
万代八尾曙川店店長。
小宮さんも万代大学第3期生。DSCN99390

運営部部長から店長に戻って、
売上高前年対比145%の実績を上げている。
その経験をもとに、
作業システムの改善提案をしてくれた。DSCN99440

いい講義だった。
DSCN99450
万代知識商人大学の修了生が、
次々に講師となって、
後輩に講義をする。

これこそ私の目指す理想の姿だ。

最後の結城義晴。
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全員が集中して受講している。DSCN99540

フレデリック・テイラーから、
ウォルター・アンドルー・シューハート、
ウィリアム・エドワーズ・デミング、
そしてトヨタの大野耐一まで。
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科学的管理法から、
品質管理と作業システム、
そしてトヨタかんばん方式まで、
スーパーマーケットのエッセンスを講義した。DSCN99500

作業システムの改善改革をするには、
その原理原則を知らねばならない。
津田さんも、吉田チーフバイヤーも、
田村センター長も、
そして小宮店長も、
みな、同じ講義を聴講している。
そこから万代の作業改善も生まれている。DSCN99520
原理原則から外れたイノベーションは、
存在しない。

講義が終わって、全員起立。
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礼。
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そして最後の最後の講義。
DSCN99590

いつも阿部秀行社長。
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コロナ禍中にも万代は絶好調だった。
しかしその今、さらなる改革を目指す。
阿部社長の講義はいつも以上に、
丁寧で熱が入った。
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最後のツーショット。
DSCN99690

お疲れ様、ありがとう。

万代知識商人大学。
やがては社内講師が中心となって、
カリキュラムを運営していくのがいい。

“政府”からも干渉を受けない、
“自立”した教育機関になってほしいものだ。

〈結城義晴〉

2020年10月20日(火曜日)

コロナ禍の「二極化景気」と「ここを押したら あっちが動く」

今日は朝から東京・小平。
第一屋製パン㈱の取締役会。

メーカーにこそポジショニングが必須だ。
そんな話をした。

それから新幹線のぞみ。
秋の日差しに丹沢山系が浮かび上がる。DSCN98680

しかし富士山は、
肝心なところに雲がかかって、
全然姿が見えなかった。DSCN98780

名古屋、京都といい天気。
そして新大阪に到着する。
加藤徹さんにお迎えいただいて恐縮。
㈱万代ホールディングス社長。

夕食は鉄板焼RIO。

セッティングには、
マスクケースが添えられている。IMG_91430

突き出し3品が絶品。
IMG_91440

カウンターで調理してくれる。
IMG_91460

アワビ。
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「磯の鮑の片思い」
アワビの話題になると、
亡くなった母が必ず口にした。

そのアワビを丁寧に料理してくれる。
IMG_91500

ちょっとカレー味でこれも絶品。
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それから神戸ビーフ。
テンダーロインとサーロイン。
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これを目の前で焼いてくれる。
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すごい炎。
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YouTubeで公開しました。

最後はチャーハン。これも絶品。
IMG_91600
サケとイクラをのせて、
これまた絶品。

私は生ビールとスペインの赤ワイン。
楽しみました。

全員満足。
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加藤徹さんとツーショット。
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ありがとうございました。
IMG_91800
明日は万代知識商人大学第5期の講義。

さて日経新聞「大機小機」
「二極化景気・対策は的絞れ」
コラムニストは追分さん。

「景気」変動を分析する。

日本の景気。
4~6月期に急激に落ち込み、
その後、持ち直したかに見える。

しかし、景気回復の足取りは重い。

日本に限らず、欧米主要国も、
「トレードオフ」に苦しんでいる。
つまり感染拡大抑制と経済活動再開。

景気回復のコースを提示する。
「当初想定されたV字型でも、
U字型でもなく、
ジグザグなW字型になっている」

そして「景気回復の中身も一様ではない」
つまりこれも二極化。

輸送機械や電子部品・デバイスなどは、
輸出が回復している。
だから製造業は、
緩やかながら持ち直しが続いている。

これに対して、
飲食、宿泊、観光など、
個人向けサービス中心の非製造業は、
やや持ち直しているとはいえ、
回復力は弱い。

小売業でも生活必需品の業種業態は、
売上げが伸びているが、
それこそ「不要不急」の業種業態は苦しい。

「米国では、こうした二極化を
“K字型”と呼ぶ識者もいる」

K字の上向きのグループは、
「デジタル関連や生活必需品に関連する企業
さらには富裕層や年金生活者が含まれる」

K字の下向きのグループ。
「人の集積で経済が回っていた地域、
中小企業、未熟練労働者や低所得層」。

「当面はこうした回復格差が
残存する可能性が高い」

コラムニストは悲観的だが、
私もそう思う。

「秋冬にコロナの感染が
大幅に拡大するようなことになれば、
格差はさらに拡大する」

これにも同感だ。

さらに
「下向きのグループへの打撃が強まれば、
いずれ雇用情勢の悪化、
個人消費の低迷や、
不良債権の増加などを通じて、
下向き圧力が経済全体に波及していく」

追分さんは多分、学者だ。
景気全体を見る。

「景気回復に
大きなばらつきがある状況下で
求められる経済政策は、
一律でばらまき型の景気浮揚策ではない」

これこそ、政治や行政に望みたいことだ。

「コロナ禍の打撃が大きい業種、分野を
重点的に支援する必要がある」

さらにその今後の支援にあたっては、
「企業への支援が長期化すれば、
人や資源の固定化を招きかねないことに留意し、
個人への支援を重視すべきであろう」

ここを押したら、
あっちが動く。

そういった発想が極めて重要だ。

ある業種業態を直接、支援しても、
それが長期化、固定化しては、
自律的な自立は果たせない。

日本の農業が長らく、
そんな状況にあった。

個人消費を動かせば、
競争原理がよりよく働いて、
成果が上がるし、景気も回復する。

最後にコラムニスト。
「経済全体の成長力低下を補うため、
デジタル化を推進すべきことは
いうまでもない」

しかし「デジタル庁」創設などでは、
全然、問題解決にならない。

これまた、
ここを押したら、
あっちが動くでなければ、
形だけのデジタル化だけで、
国際的に見れば、
遅れたままに終わってしまう。

〈結城義晴〉

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