結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年12月19日(木曜日)

伊藤園陳列コンテストと「進歩も成長も”変化”のひとつ」

寒くなったり暖かくなったり。
冬季の現象を三寒四温と言うけれど、
いまや二寒三温や一寒二温の感じで変わる。

しかし「温暖化」していることは確かだ。
東京大学の木本昌秀教授が言う通り。

「頻発する極端気象」の中に、
私たちは生活している。

さて今日は午後から、
東京・清水橋。

伊藤園本社。
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毎年4回くらい行われる、
伊藤園陳列コンテスト最終審査会。

始まってからもう十数年になる。
私はずっと審査委員長。

審査員が集まったら、
早速、選考に入る。DSCN97639

今回はお盆が終わってから、
消費税導入の直後までの期間、
全国の店舗に参加してもらって、
陳列コンテストが行われた。

売場は緊張に包まれていた。
その緊張感がプレゼンテーションに、
くっきりと表れていたといっていい。

今回は3つのコースが用意された。
お~いお茶コース、
創意工夫コース、
地域密着コース。

それぞれに5人の審査員が、
自分の判断で付箋を貼っていく。DSCN97669

全部終わったら、
推薦票の多い作品を集めて、
大賞(最優秀賞)と優秀賞を決めていく。DSCN97729

コースごとの最優秀賞は、
甲乙つけがたい場合もあれば、
全員一致で決まる場合もある。

その時の議論が面白い。DSCN97769

しかししっかり吟味して、
一番素晴らしい作品を選ぶ。DSCN97799

そして、決まりました。
楽しみにしてください。

あなたの会社が、
大賞をとったかもしれません。

偶然だが今回は、各コースとも、
私がよく知る企業が受賞した。
おめでとう。
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コースごとの賞を決めたら、
最後に企業ごとの全体の力を表彰する、
「企業賞」の選考。

これも大賞と優秀賞。

そして全体の総括。
全審査員がコメントを述べて終わる。DSCN97839
10月の消費増税後、
安売り合戦、ポイント合戦が、
激しく展開されている。

しかし、だからこそ逆に、
プレゼンテーションは重要になる。

ヤオコーは、
「10月は既存店売上高が4.0%増、
11月も3.1%増と健闘した」
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Discount競争は、
必ず同質化を促進させる。

そして同質化の中では、
規模が大きな者が勝つ。
これは必定の掟。

しかしコンテスト競争の今日、
それだけではいけない。

個性が必要だ。

現代化とは多様化である。

先月の石原靖曠先生との対談で、
このことは明らかにした。
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その有力な武器のひとつが、
店舗におけるプレゼンテーションだ。

ヤオコーがそれを示している。

私はそんなことを強調して、
今後の奮起を喚起した。

すべてが終わってから、
雑誌掲載用の写真撮影。DSCN97869
真ん中が伊藤園社長の本庄大介さん、
その右が副社長の本庄周介さん、
そして営業本部副本部長の 唐沢進治さん。
私の左隣は竹下浩一郎君。
月刊食品商業編集長。

私が採用した新人も、
今や立派な編集長となった。

伊藤園専務の神谷茂さんと、
商人舎の松井康彦は欠席。

最後の最後に、
参加スタッフも交えて、
全員写真。

ブログ用です。
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審査会が終了すると、
これも恒例行事となったが、
江島祥仁特別顧問の部屋を訪れて、
審査員全員で抹茶をいただく。

これも私の楽しみの一つだ。DSCN97929
江島さんも大変お元気で、
子会社の会長職などをいろいろ務めて、
伊藤園の重鎮として存在感を示す。

来年のことを語らい合って、
あっという間に時間は過ぎた。

そしてブログ用写真。
前列右が江島さん。DSCN97949
ありがとうございました。

さて、糸井重里さん。
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1999年6月6日の創刊以来一日も休まず、
「ほぼ日刊イトイ新聞」のトップページに
書き続けている「今日のダーリン」。

この数日、「変わる」をテーマに書く。
どうしてだろうか、私、
糸井さんと同期し続けている。

「小さい変化を、
数多く重ねること」

これが趣旨。

吉本隆明さんが言った。
「どんなことでも、毎日欠かさずに
10年続けたらかならず一丁前になる」

マルコム・グラッドウェルも紹介した。
「ある分野で
プロのレベルで活躍するためには、
総計で1万時間の練習が必要である」

これも私、自分の経験で、
同じことを言い続けている。

一方、横尾忠則さん。
「ぼくは時間の分量よりも、
回数が重要だと思うよ」

糸井は読み解く。
「小さい変化を数多く重ねることだ!」

このほうが、総時間量で考えるよりも
「変わる=変化」の回数が多くなるのだ。

ここで糸井重里のコピー。
「喧嘩は買ってでもしろ」は、
だーめだーめ!
「変化は買ってでもしろ」こそが、
正解なんだよねー。

「ぼくはもう知ってしまったよ、
変化がすべてだ。
いいかい?
進化だって
変化だろう?」

「進歩も変化だ。
発展も変化だ。
成果も変化のおかげだ。
成長も変化だ。
驚きも変化だ。
うれしいと感じることも変化だ。
生まれるも変化だ。
申し訳ないけど死ぬも変化だ。
出会いも変化で、
別れも変化だ。
強くなるのも、おもしろくなるのも、
上手になるのも、おいしくなるのも、
金持ちになるのも、貧乏になるのも、
ネガティヴだと思われていることも含めて、
みんな変化!」

「生きていれば、変化する。
そして、それらの変化を
経験した人生になっていく」

「じぶんの変化が、
人を変化させたりもするし、
だれかの変化が、
じぶんを変化させもする」

だから、私は言い続ける。
自ら、変われ。
Tðy*g-Šš[-

「ぼくらは、
変化しようとさえ思っていたら、
毎日のように、いくらでも
変化する可塑性を持っている」

「進歩も成長も、
“変化”のひとつの表現形態
ってことです」

来年も再来年も、
そして10年後も、
一生、変化です。

〈結城義晴〉

2019年12月18日(水曜日)

Eddie Jones「長時間労働とハードワークは似て非なるものだ」

令和元年の今年。
新しい象徴天皇が誕生し、
元号が令和に変わったこと以外に、
国民を沸かせたのは、
やはりラグビーワールドカップだった。

日本代表の躍進は、
これ以上ない勇気を与えてくれた。

しかしその陰で、
イングランドの闘いぶりは、
特筆に値するものだった。

そのチームを率いたのが、
エディー・ジョーンズ監督だ。
エディージョーンズ
しかもジョーンズ監督は、
前日本代表監督でもあって、
4年前のワールドカップでは、
南アフリカから金星を獲得させてくれた。

そのジョーンズ監督に、
日経新聞がインタビューした。

エディー・ジョーンズはまず、
「素晴らしい大会になった」と、
日本開催を褒めてくれた。

自分の仕事に関しては悔恨の念が深い。
「決勝で南アフリカに敗れたのは痛恨だ。
イングランドは常に優勝を期待され、
優勝のみを目指していた」
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一方、日本代表への評価は高い。
「日本の躍進は素晴らしかった。
日本はさらに強くなっていた」
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「私が日本代表監督に就いた2012年、
“ローリスク・ハイリターン”の
プロジェクトだと感じた」

「勝利という明確な目標を設定し
ハードワークを徹底する。
そのうえで、
創造的な戦略や戦術を落とし込めば、
成功の道は開けると確信していた」
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明確な目標とハードワーク、
そして創造的な戦略・戦術。
そうすれば成功は間違いない。

素晴らしい。

「ラグビーで主将の重要性は
圧倒的に大きい」

リーチ・マイケルがそれだった。
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これはまったくもって、
店長の役割と同じだ。

「試合が始まったら監督は指示が出せない。
現場責任者のキャプテンが戦術を判断し、
チームをけん引する」

「監督業25年だが、
人材配置が最も難しく、
いつも苦悩する」

これはチームの人事であり、
たとえば店長の配置である。
不思議なことに、
米国のトレーダー・ジョーでは、
店長を「キャプテン」と呼ぶ。

日本代表は、
国籍の異なる混成チームだった。

ジョーンズの見解。
「ダイバーシティー(多様性)の大切さを
端的に示していると思う」

「異なる意見や経験を尊重し、
受け入れること。
そのことがチームや組織、
そして社会を、
確実に強くし、良くする」

同感だ。

「ラグビーは1チームに15人いる
複雑なスポーツだ。
様々なポジションと
それぞれに果たすべき役割がある。
その力をどう結集し最大化するか。
経営につながる面があるかもしれない」

そして日本の経営者にエールを贈る。
「日本の経営者には明確なビジョンを掲げ、
その実現へ旧態依然にとどまらない
大胆な戦略を打ち出してほしい」

「かつてほど元気がないように見える。
社長や部長の目を気にしたような、
日本の会社員の長時間労働には
違和感があった」

「ラグビーの練習も同じだが、
問われるのは時間の長さでなく
中身と成果」

最後がいい。

「長時間労働と
ハードワークは

似て非なるものだ」
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あのラグビー日本代表も、
全員が例外なく口にした。

「ハードワークはきつかった」

しかしそれは決して、
長時間の練習ではなかった。

決められた時間内のハードワークは、
労基法違反ではない。

ただしそのハードワークで、
一定時間以内に大きな成果をあげたら、
それを正しく評価して、
それに報いる給与体系を用意する。

米国のウェグマンズ。
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Fortune誌の「働きがいのある企業100」で、
いつもベスト3に入る会社である。

インディペンデントのファミリービジネス。
全米をリードするスーパーマーケット。
ミールソリューションを生み出した組織。
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ダニエル・ウェグマンを中心に、
左がコリーン・ウェグマン、
右がニコール・ウェグマン。

ダニエルが会長、コリーンが社長。

現在、101店舗で年商92億ドル。
1ドル100円換算で9200億円、
現在の為替レートならば1兆83億円。
4万9000人の従業員を雇用する。
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このウェグマンズは、
仕事が楽で、給料が高いから、
「働きがいのある企業」なのではない。

ウェグマンズのピープルは、
例外なくハードワークする。
社内の競争も激しい。
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しかしそこに、
やり甲斐や働き甲斐が生まれる。

もちろんサービス残業などはない。

エディー・ジョーンズの、
「長時間労働とハードワークは
似て非なるものだ」

経営者もミドルマネジメントも、
そしてユニオンも、
ここを勘違いしてはならない。

しかしそれにしても、
今夜のサッカーE1の日本代表。
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日本対韓国戦は決勝戦。

1対0でいいところなく惨敗。

若い選手ばかりとは言え、
ひどくふがいなかった。

ラグビー日本代表と比べると、
かわいそうなくらいに、幼かった。

ハードワークの本質を知るには、
いい意味で「大人になる」ということだ。

いや、ハードワークの中から、
人間は少しずつ、一歩ずつ、
大人になっていくのだろう。

このときハードワークは、
はじめから、
ロングワークとは、
次元が異なるものなのだ。

〈結城義晴〉

2019年12月17日(火曜日)

「リスクを負って計画せよ!」とヤオコー川野澄人社長発言

今週の日曜日が冬至。
1年で一番昼が短い日。

しかし冬至が1年で一番、
日没が早い日ではない。

12月6日。

しかし今日あたりが、
一番早く日が沈む気がする。

今日は朝から東京・小平。
横浜よりもちょっと寒いか。

第一屋製パン㈱取締役会。
2019年は元号が変わったし、
消費増税があった。
大変な年だった。

今年はまだ2週間ほど残っているが、
現場はみんな、頑張っている。

取締役会の間、私はずっと、
商人舎 2017年10月号を思い出していた。

[Message of October]
リスクを負って計画せよ!

今日と昨日は異なる。
そして明日も、今日とは異なる。
どんな計画も、どんな中計も、
この差異を前提としてスタートする。

より良い明日を迎えようと思えば、
昨日、今日との差異を、
意図しなければならない。
違いのある明日をつくらねばならない。

そしてその違いこそ、
新しい価値そのものである。
すなわち経済行為の本質は、
この新たな価値を生み出すことにある。

だが、この新しい価値は、
リスクによってしか生じない。
リスクから生まれる成果こそが、
経済活動の目的である。

だからどんな計画も、
リスクを冒すと決意することから始まる。
リスクを負うことこそ、
計画の本質である。

逆に言えば計画は、
リスクを回避する術(すべ)ではない。
計画はリスクを創造し、
積極的にリスクを引き受けるものだ。

したがって計画は、
願望であるはずはない。
そのうえ計画は、仕事として、
具現化されなければならない。

最善の計画でさえ、
仕事としての実行なしには、
良き意図に過ぎないし、
単なる願望と失望に終わる。
(Inspired by Peter Ferdinand Drucker)

役員会が終わると、
取締役、監査役、執行役全員で、
ささやかなランチ忘年会。IMG_33199

際コーポレーション㈱の「草門去来荘」 IMG_33189

門をくぐって敷地に入ると、
紅葉が美しい。
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竹林もこの店の売りだ。
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古民家を再生して、
シックな和風レストランが生まれた。
あの中島武さんのプロデュース。
際コーポレーション代表取締役。IMG_33129

入口には囲炉裏がある。IMG_33149

1年間、議論を重ねて、
一部上場企業を経営してきた。
お疲れ様でした。
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一方、同じ時間に、
埼玉県の川越市。

㈱ヤオコー。
恒例の年末社長記者会見。
川野澄人さんが、
爽やかに会見した。
DSCN99999

商人舎流通スーパーニュース。
ヤオコーnews|
川野澄人社長語る「10月既存店4.0%増/11月3.1%増と健闘」

上半期の4月~9月。
本体のヤオコーが苦戦し、
傘下の(株)エイヴイは好調。

川野さんの発言。
「生鮮が苦戦した。
そのうえ客数減少のトレンドに
いまだ歯止めがかからない」

月刊商人舎では、
2018年4月号で特集した。
「生鮮3部門クライシス!!」
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この現象がヤオコーに出現している。

しかしその一方、
増税後の営業成績はいい。

「10月は既存店売上高が4.0%増、
11月も3.1%増と健闘した。
客数はそれぞれ0.6%減、0.7%減と
前年を下回ったものの、
買上点数がそれぞれ伸びて、
客単価を押し上げている」

さすがヤオコー。

消費増税後は、
中小企業のポイント還元が始まった。
これに対抗してヤオコーでは、
10月にポイント5倍セールを実施した。

結果として、
顧客の購買意欲は増税後も落ちなかった。DSCN00039
ヤオコーの企業運営方針は、
「チェーンストアとしての個店経営」だ。

川野幸夫会長が社長の時代から、
変わらない戦略ともいえるものだ。

そのうえで高野保男さんの指導の下、
オペレーション改革を進めてきた。

学ぶことに対しても、
ヤオコーの幹部や社員は真摯である。

その結果、オペレーション改善が進んだ。
時間帯別マーチャンダイジングや、
夕方の売場充実が可能となった。

さらに「デリカ生鮮センター」の活用、
自動発注システムの構築。
現場の改善改革が進捗する。

そして2020年は、
ヤオコー創業130周年の年。

そこで、
次の10年を見据えた「長期ビジョン」を、
つくっていく。

これはまったく偶然にも、
今月号特集とシンクロした。
2020年代流通の投影図
During the Next Decade, You Must Change!
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中期計画も長期ビジョンも、
リスクを冒すことを避けてはいけない。

再び[Message of October]から。

――だからどんな計画も、
リスクを冒すと決意することから始まる。
リスクを負うことこそ、
計画の本質である。

逆に言えば計画は、
リスクを回避する術(すべ)ではない。
計画はリスクを創造し、
積極的にリスクを引き受けるものだ。

したがって計画は、
願望であるはずはない。
そのうえ計画は、仕事として、
具現化されなければならない。

最善の計画でさえ、
仕事としての実行なしには、
良き意図に過ぎないし、
単なる願望と失望に終わる。

〈結城義晴〉

2019年12月16日(月曜日)

日経社説の「幼さに物申す」と気象学の最高権威・木本昌秀教授対談

Everybody! Good Monday!
[2019vol50]

2019年第51週、12月第3週。
令和元年もあと2週間ちょっと。

今年はどういうわけか、
押し詰まった感じがしない。

商人舎webコンテンツ。
月曜朝一/2週間販促企画。

「先週10日(火)には、
多くの企業でボーナスが支払われ、
13日(金)には年金が支給された」

本格的な年末商戦が始まった。

今回は年末年始9連休。
月刊商人舎10月号掲載、
紀文食品年末商戦戦略委員会作成。
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毎年、とくに年末商戦で繰り返すのが、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」

さて、今朝の日経新聞社説。
12月の日銀短観を取り上げた。
「日銀企業短期経済観測調査」

10月消費税引き上げ後の調査で、
大いに注目された。

「企業の景況感が非製造業を中心に
何とか持ちこたえていることを示した」

そうか?

「しかし海外経済の減速など
先行きには不透明さが残る」

「内需を支えに、
緩やかながら日本経済が
回復を続けられるかの正念場である」

内需は支えにならねばならないが、
その内需への施策は杜撰だ。

日銀短観の「大企業・製造業」は、
業況判断指数がゼロ。
景況感が「良い」と回答した企業の割合と、
「悪い」とする企業の割合が拮抗。

前回調査の9月から5ポイント下がり、
4四半期連続で悪化。

半面、大企業非製造業の業況判断指数は、
プラス20。

前回から1ポイントの悪化。

「消費増税の影響で、
小売業や卸売業が低迷したが、
総じて高水準を保った」

「政府の消費増税対策もあり、
指数の悪化が2014年の増税時より
小幅にとどまったのは、
ひとまず安心材料だ」

日経の社説で、
こんな楽観的なことを書かれては、
困る。

小売業や卸売業の「大規模非製造業」は、
消費増税に対する反対意見を無視された。

無視しておいて、期待する。

なんということでしょう。

日経新聞の社説と言えば、
日曜日の「時代見失ったセブンの失態」

セブン-イレブン・ジャパンを叱る。

店舗従業員残業手当の一部未払い問題。
「意図的ではないとしても、
あってはならないことだ」

「働く人々を軽視してきた会社と
言われても仕方がない。
“そこまでやるのか”と
社内外に思われるぐらい徹底して、
過去に遡って未払い分を支払うべきだ」

支払うのは当然のことだ。

「今年はセブンイレブンの失態が相次いだ」

24時間営業を巡る加盟店との対立、
セブンペイの不正利用問題、
そして本部社員による無断発注問題。

これは私もずっと指摘してきた。
「一連の問題は、
セブン-イレブンの経営の土台に関わる」

「それが揺らいでいるのは
同社の成功体験が強く、
従来型の経営を見直さなかったからだ」

「社員教育をおろそかにしていなければ、
このような基本的な失敗も防げたはずだ」

本当の原因は、
マネジメントのカビのようなものにある。
それは社員教育では防げない。

トップマネジメントをはじめとする、
組織風土全体の問題である。

この業界の先輩として、
あえて言わせてもらえば、
この社説の叱り方、
とても、幼い。

整理部あたりが、
わかりやすくしようとして、
こうなってしまったかもしれないが。

「営業体制の見直しでは、
ファミリーマートやローソンの対応が早く
セブンは後手に回る。
セブンが成長したのは
創業者の鈴木敏文氏の口癖でもあった
“変化対応”が速かったからだ」

鈴木さんは口癖ではなく、
それが信念だった。

「業界トップのセブンが
信頼回復を急がないと
個人消費にも影響しかねない」

そこに結論を持ってくるか?

ん~。

さて、ぶつぶつ言いながら、
今日はつくばエクスプレスで、
柏の葉キャンパス駅。

駅前にららぽーと柏の葉。IMG_33029

1階には東急ストア。IMG_32999

その隣にわくわく広場。IMG_33019

タクシーで東京大学柏キャンパスへ。DSCN97569

広大な敷地にゆったりとした校舎。DSCN97549

本郷や駒場とは全く違う。IMG_33049

B4号棟へ。IMG_33039

カフェテリアもモダンな感じ。IMG_33059

キャンパスには、
様々な学問的成果が掲示されている。IMG_33069

都心の大学しか知らない者には、
別世界のように映る。IMG_33079

ここでインタビュー。
木本昌秀東京大学大気海洋研究所教授。DSCN96399
日本の気象研究の最高権威。

京都大学理学部地球物理学科で、
気象学を専攻した。
それから気象庁に入って、気象一筋。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学、
その大気科学部大学院において、
異例の速さで修士と博士をとって帰国。
気象庁気象研究所主任研究官から、
東京大学での研究者に転身。
そして現在に至る。
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2時間近くも木本先生から、
直接、レクチャーを受けた。DSCN97129

常盤勝美さんが一緒だった。
㈱True Data気象予報コンサルタント。DSCN97379

地球温暖化の問題から、
「頻発する極端気象」まで。
そしてそのためのゼロエミッションと、
リスクマネジメント。DSCN97389

私にとって至福の時間だった。DSCN97409

最後に木本先生と写真。DSCN97489
月刊商人舎2020年1月号で、
ご登場いただく。

50年後、100年後、
さらにその先まで見通す。
最高の科学者の知見をご紹介したい。

では、みなさん、
今週も、幼い仕事はいけません。
幼い商売も禁物です。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年12月15日(日曜日)

[Sunday Go! Go! Pose]自由が丘でポーズ!!

令和元年になっても、
クリスマスのシーズンは、
街中が洋風!!

東京・自由が丘。
毎月1回くらい訪れる。

東急東横線自由が丘駅南口。

monceau fleurs(モンソーフルール)。DSCN96179
フランスの中心パリ。
その17区にモンソー公園がある。

公園の一角のアパルトマン。
その地階に誕生した花屋。

だからモンソーフルール。

日本でフランチャイズ展開する。
その本店が自由が丘店。DSCN96219

クリスマスシーズンのプレゼンテーション。DSCN96199

クリスマスツリーとサンタクロース。DSCN96209

ツリーのうしろに、
美しい母と娘のイラスト。DSCN96309

店頭のテーブルには、
セット花。
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店内に入ると、
円形の中央ステージ。
その奥に2階への階段がある。DSCN96279

円形ステージの後ろ側は白系の花でまとめる。
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クリスマスらしい色使い。DSCN96249

クリスマスソングが聴こえてくるようだ。DSCN96259

雪だるまのセット商品。DSCN96239

自由が丘駅をぐるりと回って、
北側の正面口に出ると、
ロータリー広場がある。

そこにクリスマスイルミネーション。DSCN95939

つい近寄ってしまう。DSCN95959

そのわきに「蒼穹(あおそら)の像」。
昭和36年に建てられた通称「女神像」。DSCN95979

子どもたちは大はしゃぎ。DSCN95989

ステージで踊るような気分になる。DSCN95999

私も久しぶりに、
Go! Go! Pose!!
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影のように暗いので、
反対側からポーズ。
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足を上げて!!
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バランスをとって。DSCN96069

反対の足でも、しっかり立って。DSCN96089

昨年、シアトルのAmazon Goへ行って、
このポーズを始めた。
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今年になって、やめていた。

しかし最近、望まれて、
たまにやることもある。

するとすこしずつ、
むずむずしてきて、
やりたくなる。

大人げないけれど、
子どもじみているけれど。

クリスマスがやってくるのだから。

踏切を渡って、もう一度、
南口の方へ。

自由が丘トレインチ。
テーマフェスティバルセンター。
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一昨年、8月にリニューアルオープン。
コンセプトは「Walkability relax time」。DSCN96169

ここでも入口で、
Go! Go! ポーズ!!
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外は寒いけど、
体が温まる。
Go! Go! ポーズ。
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大人げないようにも見えるけど、
子どもじみているとも思うけど、
クリスマスだからやりましょう。

日本中のお店の商売繁盛を祈念して。
Go! Go! ポーズ。

〈結城義晴〉

2019年12月14日(土曜日)

糸井重里「やりたいことをする」と倉本長治「損得と善悪」

ほぼ日の糸井重里さん。
「今日のダーリン」

日々、同感することが多い。
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「山に登る人は、
山に登りたいんですよね。
山に登ることを
仕事にしている人もいるけれど、
ほとんどすべての山に登る人は、
山に登りたいんです」

私も中学や高校のころ、
よく山に登った。

2009年の8月には、
㈱エコス会長の平富郎さんと、
富士に登った。
このブログの「2009富士登山記」
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「頂上に立ったときの
達成感がたまらない。
どうやって攻略しようかと
考えを巡らせるのがたのしい。
じぶんの持っている力のすべてを
出せる機会がほしい」

「理由はいろんなふうに語れますが、
山に登ることそのものが
目的と言っていいと思います」
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走る人は、走りたいから走る。
泳ぐ人は、泳ぎたいから泳ぐ。
飛ぶ人は、飛びたいから飛ぶ。

投げる人は、投げたいから投げるし、
打つ人は、打ちたいから打つ。

売る人は、売りたいから売るし、
つくる人は、つくりたいからつくる。

経営する人は、経営したい。
運営する人は、運営したい。

政治する人は、政治したい。

考える人は、考えたい。
書く人は、書きたいし、
読む人は、読みたい。

実は革命家という人たちも、
革命するのが好きだから、
革命するという節(ふし)があった。

カール・マルクスも、
ウラジミール・レーニンも。
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ナポレオン・ボナパルトも、
ある意味、ルドルフ・ヒトラーも。
index

「流通革命」に広げて考えれば、
中内功も渥美俊一も。

「人は、
つらくても、
苦しくても、
お金がかかっても、
たくさんの時間をとられても、
危険があっても、
“やりたいことをする”のが
大好きなのである。
それは、そのことはわかるよね?」

わかる。

私は学びたい。
教えたい。

仕事でも、
ゴルフでも。
なんでも。

「金のためでもなく、
健康のためでもなく、
好きだから、
していることがある、
人間には」

「社会だと会社だとかでは、
大人同士の会話になると、
いくら儲かるのだとか、
ブランド価値がどうだとか、
どう得をするかを考えるのが
常識みたいになっている」

「だけどね、
しつこく言うようだけれど、
人は、やりたくてやることが
大好きなんだよ」

「得しようが損しようが、
辛かろうが、時間がかろうが、
関係ないんだよ、
やってることがうれしいんだ」

そして糸井の結論。

「損得を考えることが、
人生の50%を超えちゃ
だめだよね」

倉本長治。
「損得より先に善悪を考えよ」
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これは損得を考えなくてもいい、
という話ではない。

損得は考えよ。
損益計算書の商売は大事だし、
貸借対照表の経営も必須だ。

だから倉本は言っている。
「欠損は社会のためにも不善と悟れ」

損得は大事だけれどもそれよりも、
善悪を考えることが先に来るよ。

糸井流に言えば、
「損得が人生の5割を越えてはいけない」

51%以上は善悪でなければならない。
あるいは「やりたいことをやる」

したがって倉本の「善悪」の「善」には、
「その人がやりたいこと」も含まれてくる。

やりたいことをやるのが人間の善である。

有名な西田幾多郎の『善の研究』。
その第三篇の第十一章は「善の動機」だが、
そのなかに出てくる。
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「善とは自己の内面的要求を
満足する者をいうので、
自己の最大なる要求とは
意識の根本的統一力
即ち人格の要求であるから、
これを満足する事
即ち人格の実現というのが
我々に取りて絶対的善である」

糸井さんが言っているのは、
この西田の「善の動機」のことだが、
それは倉本の「善悪」ともつながる。

「損得を考えることが、
人生の50%を超えちゃ
だめだよね」

日々、やりたいことをやるのも、
仕事のやりがいも、
会社の経営も国の政治も、
この「善の動機」の外にはない。
あってはならない。

〈結城義晴〉

2019年12月13日(金曜日)

旧ダイエー21世紀への「フェニックスプラン」と「私の好きな人」

13日の金曜日。
英語圏とドイツ、フランスなどで、
不吉な日とされる。

最低でも1年に1回はやってくる。

私など「キリストの磔刑」の日と覚えた。
しかしこれは俗説で正しくないらしい。

それよりも13という数字が、
欧米で「忌(い)み数(かず)」だという。

日本では「4」の「死」や、
「49」の「死」「苦」が忌み数だ。

そんな13日の金曜日。
静かにしていよう。

一方、
今年の漢字は「令」。
「令和元年」の「令」。

昨年は「災」で、
一昨年は「北」。
その前の2016年は「金」。

年末恒例となっているが、
どれもあまり面白くはないし、
意外性と納得性が薄い。
こじつけも多い。

こんなことを書くなんて、
ちょっと年を取ってきたか。

さて今日、届いたのは、
「明治マーケティングレビュー」
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私の連載タイトルは、
「小売業のスーパーマーケティング」

「食品小売業のマーケティングを
超級の現場感で展開したい。
それが”スーパーマーケティング”です」

㈱明治が発刊する季刊誌で、
私の執筆はもう46回目になる。
つまり11年半の長期連載。

ありがたいことです。

今回のテーマは、
「データをドライブする
マーケティング」

手に入る方は読んでみてください。

夕方、商人舎オフィスにお客様。
竹垣吉彦さん。DSCN95919
現在は㈱イオンファンタジー常勤監査役、
兼イオンエンターテインメント㈱監査役。

5月までは、
イオン北海道㈱の取締役常務執行役。
管理本部長や営業本部長を歴任。
北海道のこの業界で、
竹垣さんを知らぬ人はいない。

その前は、長崎屋、
その前は、ダイエー。

それも節目節目に、
それぞれの会社のキーマンとなって、
結果として貴重なキャリアを磨いてきた。

私も結構、長い知り合いとなるが、
最近はごく近いFacebook友達。

今日はわざわざ横浜まで来ていただいて、
商人舎オフィスで1時間ほど話し込んだ。
それから商人舎御用達の「魚盛」で、
また2時間半ほど懇談した。

この30年くらいの様々な出来事が、
次々に遡上に載せられ、
私もそれを堪能した。

タイトルすれば、
「流通業界の過去・現在・未来」

ダイエーでは中内功さんのこと、
長崎屋では岩田文明さんのこと、
ドン・キホーテの大原孝治さんのこと、
そして北海道の流通人のこと、
イオンの人々のこと。

私自身も最近は、
こんなに濃密に話し合える相手は少ない。

私が特に思い出したのは、
21世紀に入る前後の、
ダイエーの話。
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1999年にダイエーは、
中内㓛さんが会長に就任し、
味の素㈱社長だった鳥羽董(ただす)さんが、
副社長から社長に昇格した。

そしてダイエー再建3カ年計画を策定した。

私はこのとき㈱商業界で、
取締役編集担当兼販売革新編集長だった。
鳥羽さんのインタビューをして、
雑誌に載せた。

残念ながらこの再生計画は挫折した。
そして鳥羽さんは辞任し、
中内さんも2001年、
すべての職を辞してダイエーを去った。
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ダイエーは2000年11月に、
起死回生の「修正再生3カ年計画」を出した。
名づけて、
「フェニックスプラン」

竹垣さんはこのころ、
中間管理職ながら、
それを財務面から支えた。

実に現在までを見通した、
秀逸のプランだった。

このプランを実行するために、
高木邦夫さんが、
リクルートから戻って社長に就任し、
ニコニコ堂社長の平山さんも、
ダイエーに戻って副社長になった。

私はこの時も、
高木さんと平山さんにインタビューして、
このプランを応援した。

私もダイエーを再生させたかった。

しかしこの起死回生策も成就せず、
高木さん、平山さんもダイエーを去った。

もしも、フェニックスプランが、
成果をあげていたら、
現在の業界地図は変わっていた。

いろいろな人の話題に花が咲いたが、
いわゆる「悪口」は出ないし、
互いに下品にはならない。

その意味でも竹垣さんが、
小売りサービス業を愛していることが、
本当によくわかった。

13日の金曜日だが、
実にいい日だった。

ありがとうございました。

最後に拙著『Message』から、
私の好きな人

笑顔の人。
はっきりとした人。
晴れやかな人。

機敏な人。
元気な人。
清潔な人。

素直な人。
明るい人。
意欲ある人。

勇気ある人。
正義の人。
まっ正直な人。

優しい人。
耐える人。
辛抱強い人。

太っていても、やせていても。
大きくても、小さくても。
若くても、老いていても。

男でも、女でも。
日本人でも、外国人でも。
豊かでも、貧しくても。

心の力を持つ人。
頭の力のある人。
言葉の力を有する人。

私の好きな人。
ほんものの商人。
素晴らしい人間。

〈結城義晴〉

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