結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年02月02日(土曜日)

アマゾン2018年度決算の「再生想像と創作創造」

2月に入って、
今日の2日は土曜日。

しかし会社でも家でも仕事仕事。

自分の原稿を書き、
執筆者の原稿を直し、
ブログも書く。
ウィークデーはそれに、
商人舎流通Supernewsの原稿手直し。
IMG_19539

コーヒーはブラックに変えた。
コーヒーのクロロゲン酸は、
ポリフェノールの一種で、
脂肪燃焼効果がある。
ブラックで飲むと余計にいい。
IMG_19559
1日数杯のコーヒーを飲む人の方が、
糖尿病の発症リスクが低下する。

私はそれを1日、何杯飲むのだろう。

商人舎流通Supernews。

おかげさまで、
セッション数、ページビュー数、
ともに依然として増加中です。

ご愛読、感謝します。

昨日のSupernewsの中では、
アマゾンnews|
通期売上高31%増2329億ドル/純利益232%増の絶好調
nyu-su

アマゾン・コムの2018年度通算決算。
売上高が2328億8700万ドル。
商人舎では1ドル100円換算しているから、
23兆2887億円。
これは前年比30.9%のプラス。

このまま年間3割ずつ増えると仮定すると、
2019年度は3027億5310万ドル、
2020年度は3935億7903万ドル、
2021年度は5116億5274万ドルで、
3年後に5000億ドルの大台を超える。
そして2022年度は6651億4856万ドル。
DSCN01129

一方、ウォルマートは、
昨年1月末決算で5003億4300万ドル、
50兆343億円と大台は超えているが、
伸び率は3.0%だった。
DSCN00639

この5年間は3%以上の成長はなかった。
だからこちらは3%増で計算すると、
2018年度は5153億5329万ドル、
2019年度は5308億1389万ドル、
2020年度は5467億3831万ドル、
2021年度は5631億4045万ドル、
そして2022年度は5800億3467万ドル。

このままアマゾン3割、
ウォルマート3%で伸びると、
4年後にはアマゾンが、
ウォルマートを抜いてしまう。

恐ろしいことが起こりつつある。

このアメリカの小売業2社で、
日本の国家予算一般会計を上回る。

アマゾンの2018年度営業利益は、
202.5%増の124億2100万ドル、
純利益は232.1%増の100億7300万ドル。

ウォルマートの昨年度の純利益は、
27.7%減の98億6200万ドルだったから、
もう利益レベルでは肩を並べ、
抜き去っている。

こんなことが起こるなんて、
とても想像できなかった。

しかし、流通Supernewsに、
【結城義晴の述懐】を書いておいた。

アマゾンの決算にも2つの問題がある。

第1に、先ほどの計算ができなくなるが、
eコマース事業の成長性に鈍化がみられる。

理由は、既存リアル小売業の急追。
ウォルマートの第3四半期は、
eコマース部門が43%の大幅増加だった。

米国内小売業2位のクローガーは、
ドラッグストア国内1位ウォルグリーンと、
24兆円規模のeコマースの協業をする。
これは明らかにアマゾン対策だ。

CVSヘルスとターゲットも同盟を組む。

さらにあのマイクロソフトが、
アンチ・アマゾンでリアル店舗小売業と、
次々にコラボレーションをする。

「アマゾン・エフェクト」は結果として、
アマゾンの囲い込み同盟を生んだ。

アマゾンの問題点の第2は、
創業者兼CEOジェフ・ベゾスの離婚問題。

彼らが居住するワシントン州には、
夫婦共有財産法がある。

離婚するとベゾスの個人資産の半分は、
マッケンジー夫人のものとなる。
DSCN00539

そのジェフ・ベゾスの個人資産は、
約1370億ドル(13兆7000億円)。

しかも財産の多くは、
アマゾンの株式である。

アマゾンの時価総額は、
約7840億ドル(78兆4000億円)で、
発行済み株式は約4億4700万株。
ベゾスはそのうちの16%弱を保有する。
すなわち約7900万株。

もし半分をマッケンジー夫人がとって、
それをキャッシュで要求するとなると、
ベゾスは自分の株式の半分を、
売却しなければならない。

マッケンジー夫人が、
株式で受け取るとしても、
それを、たとえばウォルマートに、
高く売却する可能性すらある。

果たしてアマゾンの今後はいかに。

2010年7月に亡くなられた渥美俊一先生、
2013年5月永眠の杉山昭次郎先生、
同2013年12月逝去の倉本初夫主幹、
2015年5月に逝った緒方知行さん。
みんな、こんなアマゾンのことは、
「想像」できなかったに違いない。

100年時代を生き抜かねばならない。
どんなことが起こるか、
この目で確かめたい。

北海道新聞の巻頭コラム
「卓上四季」

「”想像”とは目の前にないことを
心に思い描くこと」

その「想像」は二つの意味を持つ。
日本国語大辞典からの引用。

過去の経験を再生するのが、
「再生想像」。
過去の経験を材料に、
新しい心象をつくるのが、
「創作想像」。

「”あのときは楽しかった”と、
過去を思い返すのが再生想像」。

「”これをしたらどうなるか”と、
未来を思い浮かべるのが創作想像」

ウォルマートは「再生想像」の領域だが、
アマゾンはやることなすこと「創作創造」。

ベゾス夫妻の離婚問題は明らかに、
「再生想像」に問題が生じたからだろうが。

〈結城義晴〉

2019年02月01日(金曜日)

2月の「行かふ年も又旅人也」と梅原猛の「志ある者」

一月、往ヌル、
二月、逃ゲル。

2019年の2月に入った。

ああ、今年も1カ月が終わった。

「月日は百代の過客にして
行かふ年も又旅人也」

松尾芭蕉の「奥の細道」の始まりの一文。

「百代」は「はくたい」と読んで、
「何代にもわたる」こと。
「永遠」を意味する。

「過客」は「かかく」あるいは「かきゃく」。
「旅人」あるいは「通り過ぎてゆく人」。

月日は永遠の旅人であって、
行き来する年も、
また同じような旅人である。

中学だったか、
古文の教科書に出てきた。

文章を味わうことは、
人生を豊かにすると思う。

インターネットが普及して、
その味わいなどが軽視されてきた。

さて、1月が往ってしまって、
2月に入る。

今年の2月は28日間。
来年はオリンピック年のうるう年。

今年の2月は、
来週月曜日の4日が立春。
「冬が極まり春の気配が立ち始める」

その前日の3日の日曜日は節分。
恵方巻販売は佳境。

その後、9日から18日まで、
極寒のニューヨークに滞在。

帰国すると翌日の19日は、
二十四節気の「雨水」
「空から降るものが雪から雨に変わり、
雪が溶け始めるころ」

月日の行き交いを、
大切に感じ続けねばならない。

さて、2月最初の日に、
川勝利一さん来社。
IMG_17949

現在、商人舎Executive Coordinator。
商人舎スペシャルメンバーの一人。

包材業界に「この人あり」と言われる。

私の商業界食品商業編集部員時代。
「トレー」特集を企画して、
ある若い精肉コンサルタントに、
原稿を依頼した。

すると、
驚くほど秀逸な原稿が上がってきた。

「あなたが書いたものではないでしょう」

そう言ったら、「ハイ」という。

ゴーストライターとして、
その原稿を書いたのが川勝利一だった。

それ以来の付き合いだ。

オール日本スーパーマーケット協会で、
かつて講演会が開催された。

私が基調講演で、
業務改革提案講演が川勝さんだった。

その時、控室で、
故北野祐次さんに対して、
川勝さんは自分の生き方を語った。

「散歩のついでに富士山に登っちゃう。
私はそんな生き方をしています」

そうしたら北野さんは言った。
「それはダメです。
目標を定めて、心を高揚させて、
何かを達成することが大事です」

もちろん関西スーパーの創業者。

もともと川勝さんは、
学生時代には、
プロのミュージシャンだった。
ジャズバンドでドラムを叩いていた。

それから毎日新聞東京本社に入り、
さらに包材製造の中央化学㈱に転籍し、
スーパーマンのような活躍。

中央化学を退社してからも、
営業開発、マーケティング、販促企画で、
Coordinatorとして無類の成果を上げる。

そんな川勝利一は、
故上田惇生先生から、
最も信頼された人物の一人だ。

そのドラッカーの分身の先生のことを、
二人して語り合った。
IMG_18109

川勝さんとランチをして、
午後からはサミットストアへ。
商人舎オフィスから10分ほどの、
横浜岡野町店。
IMG_19419

9年前にオープンして、
現在は114店舗のチェーンストアの中で、
「限りなく3番手に近い4番手」。

平均日販1100万円のすごい店。

副店長の榎本貴彦さんに、
丁寧に対応してもらった。
IMG_19289

バレンタインコーナーも充実。  IMG_19209

榎本副店長がチーフと打ち合わせ。IMG_18829

冷蔵平ケースの棚割り替え。IMG_18849

チーフの意図を聞いて、
二人で考える。
IMG_18879
サミットでは、
「MEチェーン」の考え方が、
組織のDNAとなっている。

細谷泰雄先生が打ち立てた理論で、
荒井伸也元社長・会長が定着させた。

ちなみに私は販売革新編集部時代、
細谷泰雄担当としてそれを勉強した。

Mは「means」、Eは「end」。

meansは手段や方法、endは結果。

手段と結果を、鎖のように論理化し、
樹形図のように構築して、
仕事や業務を改善改革していく。

この副店長とチーフの会話や考察は、
MEチェーンで行われていたに違いない。

サミットの強みは、
この因果関係を突き詰める論理性にある。

川勝さんはかつて、
ものつくり大学を訪れた。

上田惇生先生が教授をしていた。
その学長は故梅原猛先生だった。

上田先生は今年1月10日に亡くなり、
奇しくも梅原先生は、
1月12日に亡くなった。

その梅原先生に初めて会ったとき、
川勝さんはいきなり質問された。

力のある者は、
知恵のある者に使われる。

知恵のある者は、
金のある者に使われる。

では金のある者は、
誰に使われるか。

川勝さんはぐっと考えて答えた。
「夢ですか?
志ですか?

大正解。

金のある者は、
志あるものに従う。

それ以来、梅原先生にも、
かわいがられた。

「行かふ年も又旅人也」

上田惇生、梅原猛、北野祐次。

逝ってしまった人たちに敬意を払いつつ、
短い2月を真摯に過ごしていこう。

〈結城義晴〉

2019年01月31日(木曜日)

お年玉はがき2等当選と「ともに泣きともに笑ってくれる人」

一月、往ぬる。
最後の日です。

株式会社商人舎を発足させて、
11年が過ぎようとしています。

明日から12年目。
おかげさまで、
ありがたいことです。

英語で”decade”。
10年ひと昔。

それを超えて、
20年を目指す。

2008年の正月から、
1000枚ほどの年賀状を出している。

今年2019年は12回目となる。
したがって1万2000枚ほど。

同じようにご返事もいただく。
こちらはちょっと少ないから、
1万枚弱になるか。

その12回のお年玉はがきの中で、
今年初めて2等が当たった。

当選番号は、下4桁が1763。
1万本に1本。

お目出度いというか、
運がないというか。

しかし、12年間にいただいた、
年賀はがきの枚数から考えると、
妥当な当選かもしれない。

それでも私は、
こんなところで運を使いたいとは、
全然、思わない。

しかし今年の2等賞。
送ってくださったのは、
磯田雅人さん。
㈱アドバンス代表取締役社長。

磯田さん、ありがとうございます。
IMG_17909
商人舎や私よりも、
磯田さんとアドバンスに、
今年はいいことがあるに違いない。

日経新聞の最終面連載『私の履歴書』
2019年1月は、
石原邦夫さん。
東京海上日動火災保険相談役。
日本最大の保険業のトップ。
photo

その人生はそれこそ、
カルロス・ゴーンほどではないけれど、
「山あり谷あり」

しかし成功物語であることは間違いない。

今日の最終回に、
その人生が凝縮した話が出てくる。

石原さんが北海道本部長になったとき、
ある代理店のトップに聞いてみた。
「どんな社員が頼りになりますか」

答えは、
「ともに泣き、
ともに笑ってくれる人」

石原さん。
「苦楽をともにしたもの同士の共感が
勇気を与えてくれた」

石原邦夫さんも、
フェルメールが好きで、
全作品を見て回った。

ヨハネス・フェルメール。
現存する作品は世界に三十数点。
それも各地の美術館に、
点在している。

だから朽木ゆり子さんが、
こんな本を書いている。
フェルメール全点踏破の旅』
51knOHEsKbL._SX305_BO1,204,203,200_
実にスリリングで面白い。

私も行く先々で、
時間を見つけてはフェルメールを観る。

ニューヨークのフリックコレクション。
「婦人と召使」
800px-Vermeer_Lady_Maidservant_Holding_Letter

メトロポリタン美術館。
「水差しを持つ女」
DSCN99367_

そして「真珠の首飾りの少女」
ただし大塚国際美術館。
20110816202400

私はこんな作品も好きだ。
「デルフトの小路」
20110816202335

同じ趣味を持つけれど、
それでも石原さんの物語は、
保険業界の成功者のそれだった。

典型的な成功物語。

ピーター・ドラッカーの言葉。
一人の力で成功することは
絶対にない。

一人の力が他人の協力を得たとき、
初めて事業は成功する」

ともに泣き、
ともに笑ってくれる人を、
いかにつくれるか。

お年玉年賀はがき2等では、
ともに笑ってくれはしない。

しかし事業の成功者の話をしていると、
説教臭くなってしまうのはなぜだろう。

ドラッカーの言葉まで、
説教じみて聞こえてくるから不思議だ。

フェルメールは、
たった一人で描き続けた。
そして43歳で亡くなった。

フェルメールは、
自己を探究し続けた。

組織人の石原邦夫さんは、だから、
フェルメールに魅せられるのだろう。

それが人間だ。

〈結城義晴〉

2019年01月30日(水曜日)

川野幸夫「中小企業線引き」発言とDMS新春政策セミナー講演

日経新聞が単独インタビュー。
カルロス・ゴーン容疑者。
日産自動車元会長。

〈徳間書店刊『ゴーン・ショック!』〉
51+yZ0eBgcL._SX331_BO1,204,203,200_
勾留先の東京拘置所。
約20分間の英語でのやり取りは、
逮捕後初のマスコミ発言だった。

ちょっと意外な気がするが裁判所は、
家族や事件関係者の面会を禁じているが、
それ以外の一般の面会は禁止していない。
日経は本人の同意を得て面会した。

「なぜ勾留が続いているのか理解できない」
「証拠は日産がすべて持っている。
どうやって証拠隠滅できるのか」

「私は逃げない。
しっかりと(法廷で)自分を弁護する」

日産の社内調査に対しては、
「策略で反逆だ」

健康状態は、「大丈夫だ」

現在の自らの状況について、
「人生山あり谷ありだ」

同感。

一方、朝日新聞は、今日、
川野幸夫さんの単独インタビュー。
日本スーパーマーケット協会会長、
㈱ヤオコー会長。
201808_kawano
消費増税の際に、
政府が進めるポイント還元策に対して、
川野さんは懸念を表明した。
「流通業界も消費者も混乱に陥る」

ポイント還元策に反対する姿勢は、
すでに明らかにされている。
「対象になる中小企業の範囲を
限定的にするよう経済産業省に求めていく」

この「ポイント還元策」は増税後9カ月間、
キャッシュレス決済で購買すると、
中小小売業の買物客には、
国の負担で還元される。
⑴独立系中小小売店では購入額の原則5%分
⑵コンビニ加盟などの中小小売店では2%分

だが大手小売業の直営店は還元策の対象外。

日本スーパーマーケット協会と、
日本チェーンストア協会、
日本チェーンドラッグストア協会。
3団体は昨年末、経産省に要望した。
「ポイント還元策の撤回」を含めた見直し。

特に「中小企業の線引き」を、
問題視する。

ここで基準になるのが、
中小企業基本法だ。

同法が小売業の中小企業を規定する。
「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下
又は従業員50人以下」

経産省の現時点の説明。
「同法の定義を基本に、
ほかの要件を設けるかどうか検討中。
年度内の早い段階で決めたい」

同法の定義のままならば、
資本金5千万円以下の大企業が対象に入る。
ヨドバシカメラ、スギ薬局、
さらにファーストリテイリングのGUなど。

ポリティカル・マーチャントの川野さん。
「中小企業とは呼べないような企業まで
対象となり健全な競争環境が破壊される。
年間売上高を要件に加えるべきだ」

「個人的には」と断ったうえで、
「10億円以下での線引きが
現実に即していると思う」

さらに「価格競争が激しくなり、
結果的に中小の小売業者が
困ることになりかねない」

「混乱が商品を納入するメーカーを含む
サプライチェーン全体に広がる」

「メーカーに
価格を下げるよう求める圧力が
一部で出てくるだろう」

これはポリティカルな発言だ。

川野さんのヤオコーも対抗策を検討中。
5%の割り引きセールやポイント還元など。
結局は自社が原資を負担して、
こういった対抗策を実施することになる。

消費増税に絡んで、
さまざまな弥縫策が出される。
まさに弥縫策で、
ほころびだらけだ。

これでは公正な競争原理が働かず、
日本経済全体にとっても、
混乱は極まるばかりだ。

消費税10%への引き上げはいいと思う。
きっぱりと、それだけでいい。

消費増税を政治や選挙対策に、
利用すべきではない。

あくまでも、
全体最適を目指すべきだ。

さて今日は、東京・九段下。
ホテルグランドパレス。Hotel_Grand_Palace_019

第185回DMS定例会。
ドラッグストアMD研究会。
新春政策セミナー。DSCN74269

ドラッグストア業界の老舗の研究会。
DSCN73709

冒頭に研究会会長の挨拶。DSCN73729

石田岳彦さん。
ウエルシア薬局㈱取締役副社長。DSCN73739

その後、特別講演。DSCN73769

まず、
結城義晴。
テーマは、
「流通業のすでに起こった未来」
それをドラッグストアに向けて語る。DSCN73799

ピーター・ドラッカーは言う。
「すでに起こった未来は、
体系的に見つけることができる」DSCN73879

アメリカのドラッグストアは、
2社によってリードされている。
すなわち「複占」状態だ。
ウォルグリーンブーツアライアンスと、
CVSヘルス。

ウォルグリーンはクローガーと、
ネットビジネスで協業し、
CVSヘルスはターゲットと同盟する。
さらにCVSケアマークは、
ウォルマートのPBMを担当する。
PBMは薬剤給付管理会社のこと。

アメリカでは巨大チェーンが、
業態ごとに複占となり、
その巨大チェーン同士が同盟を結ぶ。

もちろん、時間を経て、
この現象が起こってきた。

それを日本における、
「すでに起こった未来」と考えるか。DSCN74009

今、絶好調のドラッグストア業界だけに、
こういったものの見方に応じて、
さまざまな考察をしてくれるかどうか。

それでも私は「すでに起こった未来」を、
多角的に例証していった。DSCN74169
ご清聴を感謝したい。

私の後の講演は、
今西信幸さん。
チェーンドラッグストア協会事務総長。
そう、故宗像守さんの後任。DSCN74219
テーマは、
「ドラッグストア業界、
10兆円産業化への道」

さらに「ドラッグストアに期待される役割」DSCN74229

椎名敏也さんが講演。
㈱日本リテイル研究所代表。
椎名さんも宗像守さんの後任。DSCN74249

この後、AとBに分かれて、
分科会が開催され、
最後に意見交換会。

「宗像守お別れの会」は、
昨年7月31日に同じホテルで開催された。DSCN74259
私は自分の講演の始まりと終わりに、
宗像さんへの哀悼の意を表した。

合掌して、1日を終えた。

〈結城義晴〉

2019年01月29日(火曜日)

嵐の解散/夏目漱石の転職と協同組合ジェプラでの記念講演

朝刊は「嵐」に関するコラムばかり。
朝日新聞は一面記事で取り上げた。

その中で「産経抄」。
新聞そのものの主張とは相いれないが、
コラムには時々、いいものがある。

作家の故水上勉。
「9歳のときに京都の寺に預けられた。
やがて寺を飛び出し42歳で、
直木賞を受賞して流行作家になるまで、
職を転々とする」

エッセーに書く。
「天職はもっと…人によろこばれ、
自分もよろこびを見出すことも出来、
そうして、そのなすところのことが
人のためになっている」ものだ。

コラムニスト。
「”アイドル”という職業は、
十分天職の条件を満たしている」

嵐のことだ。

活動休止まで約2年の猶予を設けた。
メンバーの桜井翔の発言。
「時間をかけて、
ファンや関係者、スポンサーに、
感謝の気持ちを伝えていきたい」

アイドルとしての配慮とプライド。

再来年以降、4人がソロ活動をする。
リーダーの大野智は、
芸能界から一旦距離を置く。

夏目漱石も40歳のとき、
東京帝大の教授の座を目前にしながら、
創作に専念するため朝日新聞に転職。

「休(や)めた翌日から急に
脊中(せなか)が軽くなって、
肺臓に未曾有の多量な空気が這入って来た」

大野智もそんな気分だろう。

私は54歳の時に、
30年働いた㈱商業界を辞した。

ずいぶん遅かったとは思うが、
背中が軽くなって、肺臓に、
未曾有の多量な空気が入った気がした。

不安もあったけれど。

さて、今日は朝9時から、
東京・小平。

第一屋製パン㈱の取締役会。

前川智徳前社長が、
昨年末をもって、社長を退任。
3月の株主総会で会社を辞する。

新たに細貝正統社長が登板。
com_greeting_image_20190107
期待しよう。

その後、一度、
横浜商人舎オフィスに戻る。

さらに午後には東京プリンスホテルへ。
久しぶりに訪れたら、改装していた。DSCN73699

協同組合ジェプラ新春懇親会。DSCN73149
ジェプラは包装資材協同組合。

1981年に創設され、
初代理事長は大木賢次氏。
二代目理事長は川和弘行氏で、
現在は三代目の大木勝志理事長。

第一部は新春講演会。

初めにその大木理事長の挨拶。DSCN73179

挨拶の冒頭で、
私の1月元旦のブログから、
文章を引用してくださった。

「日本社会は大きく変容していく。
消費も商売も、商品も売場も店も
大きく変質する。
想像を絶するスピードで変革されていく。
背景に世界的ポピュリズムの進行もある。

時代が大きく変わるときに、
仕事にも経営にも求められるものがある。
それはリスクを恐れないことだ。
リスクを冒すことである」

聞いていて、不思議に納得した。

理事長のスピーチの後は、
百瀬恵夫先生の恒例の新春講演。
百瀬先生は明治大学名誉教授・経済学博士。

次いで結城義晴の記念講演。DSCN73249

テーマは、
「食が変わり流通が変わる」DSCN73279

包装資材業界の変容を背景に、
食品産業と流通産業の変化の方向性を、
90分にわたって多角的に語った。DSCN73349

講演会の後は、
会場を2階の鳳凰の間に移して、
新春懇親会。
DSCN73409

開会の挨拶は、
㈱ジェプラ社長の渡邉琢也さん。DSCN73449

メーカー代表の祝辞は井上雄次さん。
福助工業(株)専務。DSCN73529

そして乾杯。
DSCN73609

百瀬先生の隣の席で、
沖縄の泡盛古酒15年物などいただいて、
私も大いに懇親した。

中締めは川和利行さん。
㈱川和代表取締役社長。
協同組合ジェプラ副理事長。DSCN73639

万歳三唱で締めた。
DSCN73649

大木理事長は商業界同友会で、
山梨県の重鎮でもある。
最後に握手。
DSCN73679

夜の東京タワーは美しかった。
IMG_17819
日本の流通産業も食品産業も、
包装資材の業界も、
そして2019年の日本社会自体も、
背中を軽くして、
肺臓に未曾有の多量な空気を、
吸い込む時である、と思った。

〈結城義晴〉

2019年01月28日(月曜日)

「早くて賢いこと」の「それ以上でもそれ以下でもない」

Everybody! Good Monday!
[2019vol4]

2019年も第5週の最終週。
今週の金曜日から2月。

一月、往ぬる。
二月、逃げる、
三月、去る。

ああ、2019年の一月が往ってしまう。

㈱商人舎の決算は1月末日。
ウォルマートをはじめ、
米国企業にも1月決算は多い。

そんな企業には特に、
「一月、往ぬる」の実感が強い。

「ファストとスマート」
トーマス・フリードマンの主張。
早くて賢いこと。

「往ぬる、逃げる、去る」のこの時期。
ファストとスマートこそが重要になる。

さて、今日は「寒の土用丑の日」

立春、立夏、立秋、立冬の前日、
節分までの約18日間が「土用」

鰻でもいかが?

今年、インフルエンザが、
猛威を振るっている。

細菌は自ら分裂して増える。
ウイルスは自己増殖できず、
別の細胞に寄生して活動する。

インフルエンザは後者である。

したがってインフルエンザにかかったら、
⑴早く治すこと
⑵人にうつさないこと

アメリカでもインフルエンザの流行は、
ピークを迎えつつある。

米疾病予防管理センター(CDC)の発表。
米国内感染者数は累計800万〜950万人。
症状が悪化した入院者数は約10万人。

日本の厚生労働省健康局結核感染症課指導。
「インフルエンザにかかったら」

第1に、
早めに医療機関に受診して治療する。
38℃以上の急な発熱、咳やのどの痛み、
全身の倦怠感がある場合は、
内科・小児科を早めに受診する。

インフルエンザの治療薬は、
発症から48時間以内に服用を開始すれば、
発熱期間が通常1~2日短縮されるし、
鼻や喉からのウイルス排出量も減る。

48時間以降に服用を開始した場合は、
十分な効果は期待できない。

第2に、
十分な睡眠をとり、水分補給する。
安静にしてゆっくり休む。
特に睡眠をたっぷりとる。

発熱によって多くの水分が失われるから、
脱水症状の予防のために
こまめに水分を補給する。

第3に、
咳やくしゃみのある場合は、
マスクをする。
インフルエンザは飛沫感染する。
だから咳やくしゃみのある場合、
あるいは人と話したりする場合には、
不織布製マスクを着用する。

かかった人がマスクをする方が、
かかっていない人がマスクをするより、
感染予防効果が高い。

第4に、
熱が下がっても、
2日ほどは自宅療養する。
発症前日から発症後3~7日間は、
鼻やのどからウイルスを排出する。

排出するウイルスの量は、
熱が下がると減る。
しかし解熱後もウイルスを排出するため、
人にうつす可能性がある。

大変な病気だ。
風は万病の元。

気を付けるではなく、
予防と対処を、
早く、賢く。

ここでも、
ファストとスマート。

さて商人舎刊/鈴木哲男著。
『流通RE(リ・エンジニアリング)戦略』
EC時代の店舗と売場を科学する
表紙鈴木
ご好評をいただいています。
2019年1月10日発刊。
1800円(本体)+税。
ISBNコード ISBN978-4-9910649-0-6
四六判  261ページ

ご注文は商人舎へ
FAXでのご注文はコチラ。
Emailでのご注文はinfo@shoninsha.co.jp

もう一冊。
大久保恒夫著『AI流通革命3.0』
1月25日にビジネス社から発刊された。
books_kakuai
わが友、大久保恒夫の新刊。

ゲラの段階から送ってもらって、
中身に目を通した。

時代をとらえた本です。

「はじめに」には、
「ビッグデータ、AIで流通業に、
大きな変化が起きようとしている」

だから「小売業にはチャンスが多い」

「おわりに」には、
「流通革命3.0研究会」の発足が宣言され、
私の名前も書きこまれている。

ご一読をお勧めする。

さて今日、
通常国会が召集される。

新年度予算案は100兆円を超える。
その論議が展開される。
厚生労働省の毎月勤労統計の不正、
改正入管法の基本方針。
課題は山積。

それでも「論議」の内容には、
しっかりと耳を傾けておきたい。

それがPolitical Merchantの姿勢だ。

月曜朝一・2週間販促企画。
月刊商人舎webコンテンツ。

月刊商人舎購読者とその5人組の人しか、
開けません、読めません。
悪しからず。

その2週間販促企画。

2月1日(金)から日欧EPAが発効される。
Economic Partnership Agreement
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定。
この協定によって、
農産品や工業品の関税が撤廃される。
日本が約94%、EUが約99%の関税を、
やがてゼロにする。

すごいことだ。
国ごとの関税がなくなる。
すると物が移動しやすくなる。

移動させることこそが、
付加価値を生む。

歴史をさかのぼれば、
東インド会社がそれだった。

早速、日本では、
2月1日にワイン輸入関税が、
即時撤廃される。

だからイオンもセブン&アイも成城石井も
欧州産ワインの値下げを発表。

ここは各社とも、
出遅れるわけにはいかないだろう。

2019年は「日欧EPA」が目玉企画になる。

もう一方で、原料・物流費・人件費の高騰。
小麦粉やアイスクリームなどの値上げが、
次々と発表されていく。

それがマスコミで報道されるから、
顧客の購買心理は冷える。

まして今年は10月に消費税増税が控える。
日常生活用品において、
無駄な買物を控える傾向が強まる。

ファスト&スマート。
賢い消費である。

そうした顧客心理に対して各社は、
コモディティ商品の値下げを断行する。

日本チェーンストア協会の小濵裕正会長。
年頭あいさつで強調した。
「未曽有の人口減少、超高齢化社会が
現実のものとなってきた」

2019年は小売業にとって、
コモディティの「価格」対応が求められる。

しかし一方で、
ノンコモディティの「品質」対応も必須だ。

極めてドラッカー的に言えば、
「このふたつの話から言えることは、
そういう時代になったということだ」
Drucker5789
「それ以上でも、
それ以下でもない」

もちろん「そういう時代にはなった」
けれど、成功できるか否かは、
本人しだいである。

「それ以上でも、それ以下でもない」。
実にクールで手厳しい言い方だ。

では、みなさん。
そういうことで。
今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年01月27日(日曜日)

上田惇生先生の遺影に線香をあげ、ドラッカーに同期する。

1月10日、午前2時過ぎ。
上田惇生先生は亡くなられた。
81歳だった。
DSCN0262
ご家族によって、
ひっそりと葬儀が行われた。

今日、大宮のご自宅に、
焼香に行った。

遺影に手を合わせ、
お線香をあげた後、
奥様の上田栄子さんのお話を、
静かにお聞きした。

奥様は80歳。

「simpleという言葉が好きでした」

「だから本なども自分で整理して、
どんどん始末しました」

お宅の玄関の扉を開けると、
上田先生の書斎兼応接室がある。
掘りごたつが設けられていて、
ここでいつも集中的に仕事した。

後ろには壁一面に本棚があるが、
simpleを貫いて、どんどん処分した。
ずいぶんすっきりした本の並びだった。

Simple!

私も見習っていきたいと思った。

上田先生とドラッカーとの出会い。
1T569260

1973年にドラッカーの代表作を、
何人かで翻訳する話が持ち上がった。
書名は『マネジメント』上下2冊。

上田先生は、
その翻訳チームへの参加を誘われた。
「そのケツっぺたに、
くっついてったんです」

訳し終えて、本が出版された。

上田惇生はドラッカーに手紙を書いた。
それをファックスで送った。

「だいたいあの本は厚すぎる」

原書は800ページ、
翻訳本は1300ページ。
内容がダブっている箇所もある。

そこで英語のまま、
省略して薄くしたものを送った。

そうしたらドラッカーから、
「やれっ」と返事が来た。

「できたのが『抄訳マネジメント』」
c6adf365

私も最初に読んだドラッカーが、
あの『抄訳マネジメント』だった。
1975年の発刊。

これが最大のベストセラーにつながった。
『【エッセンシャル版】マネジメント』
41AY8WEF74L._SX327_BO1,204,203,200_

「抄訳」こそ、simpleそのものだった。
つまり、ドラッカーのベストセラーは、
ドラッカーの代表作の、
上田惇生の翻訳兼シンプル化版だった。

「抄訳」を出版するにあたって、
上田惇生はわからないことを、
何でもかんでもどんどん聞いた。
ファックスのやり取りは700通になった。

ドラッカーは信頼を寄せた。
「このウエダってのは細かく見てくれるな」

「徹底」をシンプルに言えば、
細かく、厳しく、続けること。
つまり詳細に厳密に継続する。
これは結城義晴。

上田惇生は言う。
「わかんないから、聞いただけ」

これもシンプルだ。
「わからないまま、
自分の机の前を通さない」

上田惇生のモットー。

シンプルなうえに、
わからないことは、
わかるまで聞く。

翻訳本はたいてい、
つまらなくなってしまう。

「何を言ってるか
わかんなくなっちゃうことがある」

「最初は、ただ忠実に訳していた」

しかしそれがいつのまにか、
「ドラッカーの言ってることと、
私の言ってることが、
同じになってきちゃった」

融合であり、同期(シンクロ)である。
だから分身なのだ。

上田惇生が60歳の還暦になったとき。
ドラッカーからファックスが届いた。

“Happy birthday to you!”

そのあとに、
“Happy returns and best wishes
for healthy and productive additional‥‥”

「健康的で生産的なこれからの、
幸せな折り返しを祈る」

“You are now entering
what will probably be the most satisfied
third of your life‥‥”

「多分、もっとも満足のいく、
人生の残りの三分の一に、
あなたは今、差し掛かっている」

上田惇生のこの20年間は、
実に意欲的な仕事ぶりだった。

ドラッカー自身は95歳まで生きた。
そのウエダに対する予言も、
10年、長かったけれど。

上田先生は述懐している。
「30歳までが、人生の第1期。
60歳までが、第2期でしょ。
で、いちばんたのしい第3期が
これから始まるんだよ、ってね‥‥」

それを実践した第3期だった。

上田先生はドリス夫人のことを語る。
「ドラッカーの奥さんは、
科学者なんです」

ドラッカーが語るのを横で聞いていると、
ときどき聞こえなくなることがある。
そこでドリス夫人は発明した。

”しゃべってる人間が、
自分がどのくらいの大きさで
話しているのかわかるような装置”

80歳くらいで起業して、販売開始した。

そのドリス夫人への雑誌インタビュー。
質問。
「事業を起こし経営していくうえで
ご主人が有益なアドバイスを
くれたんじゃないんですか」

ドリス夫人。
「あの人は、実務的なことは、
全然ダメなの。
あの人は、何の役にも、
立たなかったのよ」

上田先生もまったく同じ。
キャベツとレタスの区別がつかなかった。

栄子夫人がそれを支え続けた。

心からご冥福を祈りつつ、
奥様のお幸せも願いたい。

合掌。

〈結城義晴〉
(『ほぼ日』「はじめてのドラッカー」を参照しました)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第2回 バイヤー研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年5月
« 4月  
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.