結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年04月28日(木曜日)

過去に例のない「熊本地震」と全商業の自治体連携協定

明日からいよいよ、
2016Golden Week。

しかし今日は、
東京・横浜をはじめ、
全国的に雨模様。

九州も熊本も、雨なんだろう。

その平成28年熊本地震。
14日の震度7の前震以来2週間。

この間、今日正午現在まで、
震度1以上の地震は、
なんと1006回。

1日あたりの地震回数のピークは、
16日の本震の日の202回。

だんだん減ってはいるが、
先週末23日から26日までは1日30回以下。
しかし昨日の27日は49回。

今日は未明と昼過ぎに、
また熊本市周辺で震度4。

お見舞い申し上げたい。

2004年の新潟県中越地震は、
余震活動が活発で、難儀した。
しかし1000回を超えたのは、
1年以上経過した後だった。

直下型地震で最大なのは、
1995年の阪神淡路大震災だった。
マグニチュード3.5以上の地震発生も、
今回はそれ以降、最多ペース。

気象庁の見解は、
「広域で活発な活動が続く、
過去に例のない地震」

政府は今日の午前中に、
「熊本地震を特定非常災害に指定する」と、
政令を閣議決定した。

再び、心から、
お見舞い申し上げたい。

一方、今日の東京株式市場。
日経平均株価が急落。
終値は前日比3.61%安。
624円44銭のマイナスで終わった。

さらに今日のDaily商人舎で伝えたが、
3月の家計調査は食品まで減少。

このまま、黄金週間に突入すると、
とても黄金の消費環境とは言い難い。

明日からの三連休は前哨戦。
来週の3・4・5日の三連休が、
山場商戦となるだろう。

つまり、こどもの日から母の日まで、
温かくて、やや質素・倹約の、
例年にない飛び石連休だと心得たい。

それでも、成果はその中で、
最大化したい。

さて、一昨日の日経新聞に載ったが、
イオンの自治体との災害時連携は、
16年度中に100カ所に拡大される。

日本第一の小売流通業として、
とてもいいことだ。

東日本大震災は2011年3月11に発生したが、
以降、地域との包括協定は広がっている。

イオンの地域貢献協定は、
11 年2月末に13件だったが、
今2016年3月までに87件に増加。
これまで年間10カ所強の地方自治体と、
新規に協定を締結しているが、
16年度中に100カ所に達する。

もちろん、熊本県とは、
2013年に災害時支援と地域振興などで、
包括協定を結んでいる。

今回、イオンは県の要請に基づいて、
いち早く支援物資を供給した。

さらに、連携している日本航空と組み、
閉鎖中だった熊本空港に物資を空輸。

協定により輸送の手続きがスムーズに進むほか、
避難所の情報が共有できることから
被災者に物資が届きやすくなる。

日経記事には、
セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、
さらに全国の生協の地域協定の内容が、
簡単に報告されている。

こういったナショナルチェーンだけでなく、
リージョナルチェーンやローカルチェーンも、
それぞれの地方自治体と、
より強い絆を結び、連携を図ってほしい。

ナショナルチェーンができること、
リージョナルチェーンがなすべきこと、
ローカルチェーンがやれること。
そして、できうればそれらの連携。

私は2011年3月11日のブログに書いた。
「例えば、セブン&アイとイオンとが、
勝手に動いて先陣争いしたり、
ましてや反目したりではなく、
がっちりと手を握って補完し合い、
全面共闘態勢を敷くくらいの、
商業人としての心意気を見せたい」

全商業を挙げた取り組みが、
今、熊本や九州にも必要だ。

無私と利他の考え方で。

その面でも心して、
Golden Weekに臨みたい。

最後に今日、
AJSネットワーク5月号が届いた。
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連載は第101回。
スーパーマーケット応援団長の辛口時評。

タイトルは、
「セブン&アイ鈴木敏文退任に思う」

私の結論が最後に書かれている。
「真のコーポレートガバナンスは、
人の心の安らかさをベースに
構築されていなければなりません」

ご愛読をお願いしておきます。

明日からのゴールデンウィーク商戦。
心して取り組もう。

〈結城義晴〉

2016年04月27日(水曜日)

「鈴木の後に鈴木無し」と三菱自動車の「処事光明」

月刊商人舎5月号の編集・入稿、
真っただ中。

横浜商人舎オフィスの裏の遊歩道。DSCN8494-6

新緑が気持ちいい。
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葉書が二通、届いた。
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平和堂の東海事業部部長・冨岡勇夫さんと、
アルプラザ茨木支配人の三田村勝彦さん。

先週、帰国した視察団の団長・副団長。

熱の入ったメッセージ。
ありがとう。

成果を出そうよ。
応援します。

しかし先週、木曜日に帰ってきたんだ。
まだ、1週間経っていない。

ああ。

月刊コンビニ5月号が届いた。DSCN8496-6
1998年8月に㈱商業界『食品商業』誌から、
臨時増刊号の季刊誌として創刊。
私は取締役編集統括兼食品商業編集長で、
鈴木由紀夫さんに編集長になってもらって、
二人で創刊した。

その後、2002年8月、
商業界6番目のメディアとして月刊化。
私がちょうど専務取締役に就任した時だ。

しかし昨年、
㈱アール・アイ・シーに売却され、
その社長の毛利英昭さんが、
オーナー兼編集長。

実質的な編集業務は、
元商業界取締役編集担当の梅澤聡さんが、
編集委員として担当している。

そして毛利・梅澤コンビによって、
このメディアは、
現経営陣の時代の内容よりも、
ずっと良くなった。

毛利編集長が、
巻頭の「今月の視点」を書いている。

タイトルは「経営史に残る瞬間」
そう、鈴木敏文さん退任のこと。

「合理化というと、大抵は
自分の会社のことばかりを考える。
私たちはお客様の便利を優先してきた」
毛利編集長は引用する。

「お客様の生活の合理化を優先すれば、
自分たちの会社の仕事は増え非効率になる。
それを、業務改革やシステム化によって、
自分たちの合理化を果たす。
そんなことを発想し実践できる会社は
そうはない」
毛利編集長は感銘する。

まったく同感だ。

鈴木敏文退陣するも、
鈴木の前に鈴木無し、
鈴木の後に鈴木無し。

セブン-イレブンに関して、
鈴木敏文のこの点は、
なんぴとも否定できない。

そしてこれからのセブン&アイは、
それを前提に革新されねばならない。

さて、三菱自動車のデータ改ざん問題。
軽自動車4車種で燃費試験のデータを、
不正に操作していた。
対象台数は62万5000台。

2013年発売の「eKワゴン」の開発では、
11年2月から13年2月までの2年間に、
燃費目標を5回、上方修正。

日経新聞の記事では、
「同時期に競合他社から
燃費性能を高めた車両が発売されたため、
これを意識して目標を上げていたとみられる」

相川哲郎社長の発言。
「自浄作用がはたらかなかった」

今日の『私の履歴書』で、
三菱地所の福澤武さんは書いている。

こちらも1997年の「海の家事件」で、
総会屋への利益供与を摘発され、
その直後に、企業行動倫理憲章をつくる。

その基礎になったのが、
三菱第4代社長岩崎小弥太の『三綱領』
1.所期奉公
2.処事光明
3.立業貿易

福澤さんは、それを英語に読み替える。
①パブリック
②フェア
③グローバル

「この憲章は今も社内の事務室や
会議室、応接室に掲げてある。
何より、我々一人一人が肝に銘じている」

残念ながら、三菱自動車という会社には、
小弥太の「三綱領」が生きてはいないようだ。

相川社長は「生え抜きエース」で、
「技術屋魂」を持った経営者と言われた。

皮肉にも「eKワゴン」の新車開発は、
相川氏の手によるものだった。

ただし父親の相川賢太郎氏は、
三菱重工の社長、会長を歴任。
三菱グループの重鎮だった。

「自浄作用」などと、
無責任な言葉を漏らす前に、
「処事光明」である。

三菱グループのホームページにある。
「処事光明」=「フェアープレイに徹する」

「公明正大で品格のある行動を旨とし、
活動の公開性、透明性を堅持する」

さらに丁寧に書かれている。

「競争に熱中し、数字を上げるために、
手段や方法を選ばないというようなことが
…あってはならない」
(1920年、小弥太のスピーチ)

小弥太は100年近くも前に、
今回のようなことを、
予見し、警告を与えていた。

「…われわれは常に
社会正義とは何かということを
念頭において行動しなければならない」

「不正には正義を、
権謀には正直をもって、
われわれは行動すべきである…」

いま、三菱自動車、
いや、三菱グループがなすべきことは、
「正義と正直」の貫徹である。

それしかない。
自浄作用ではない。

〈結城義晴〉

2016年04月26日(火曜日)

福澤武「バブル崩壊」とラリー・ボシディ「実行の企業文化」

ゴールデンウィークを控えた4月下旬。
さわやかな季節。

「今月」の東京タワー。
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愛宕ヒルズのツインビル。
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そしてお地蔵様。
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木の枝もトリミング。
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そしてTRUE DATA。
Customer Communications㈱。
略称CCL。
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ウレコンを発信している。

今朝は恒例の取締役会。
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3月末で決算を終え、
今期のスローガンは「飛躍」

私は、膨張ではなく、
成長による「飛躍」を祈念する、と発言した。

昼までの会議が終わり、
ランチミーティングをしてから、
芝公園を歩く。
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「滔々たる荒川のほとり、
万緑の河畔あくまで緑。
その緑の中に一点紅を点ずる者あり。
その名をお袖といふ」

『人生劇場』二番の前口上を思い出した。
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地下鉄都営三田線から都営浅草線、
さらに京浜急行に乗り継いで横浜。

西口の新田間川沿いをぶらぶら。
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あんなに見事に咲いていた桜が散って、
ああ、新緑の河畔あくまで緑。
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さて日経新聞『私の履歴書』
今月は福澤武さん。
三菱地所名誉顧問で、
あの福澤諭吉のひ孫。

誕生から幼少期、青年期、
そして結核を患って養生。
その後、三菱地所に就職して、
遅ればせながら社会に出る。

このあたり、はっきり言って、
あんまりおもしろくない。

しかし第23回はリアリティがあるし、
不動産業の意外さが面白い。

タイトルは「バブル崩壊」

営業部長として、
競争の最前線に立ったときは、
バブル経済の真っただ中。

「戦後、日本の地価はずっと
右肩上がりを続けてきた」

「多少の高値で取引しても、
将来は上がるはずだ――」

「そんな土地神話を信じ切っていたし、
ライバルの存在が拍車をかけた」

バブルに浮かれた不動産業。

しかし1990年春、政府は、
「総量規制」をスタートさせた。

「バブルはあっけなくしぼんだ。
甘かった」

93年完成の「横浜ランドマークタワー」
「テナント集めに困り果てた」

そして、「とうとう減収減益に陥った」
役職は営業統括専務で、
ビル営業の陣頭指揮をとっていた。

福澤さんは部下に収益予測を調べさせた。
そのときの部下の返答に絶句。

「ウチの情報システムは
値上げしか想定しません。
値下げのときは計算できません。
手作業になります」

これには私も、
思わず笑った。

福澤さんも、
「苦笑いしか浮かべられなかった」

「それまでの常識が
バブル崩壊とともに
崩れ去った」

翌94年5月の連休明けに、
社長に昇格。
年齢は60歳を超えていた。

「不適材不適所。
あるいは、経営者として
特筆すべきことなし。
そう思われたのか、
次期社長の人となりを紹介する記事は
『福澤諭吉のひ孫』という話に
焦点が当たっていた」

この辺りは、実におもしろい。

しかし福澤さんはこのとき、
経営者として、試練をくぐる。

この後はお決まりの成功談だろう。
それもあまりおもしろくはないはず。

ふと、今、試練の中にいる、
井阪隆一さんを思い浮かべた。
現セブン-イレブン・ジャパン社長で、
セブン&アイ・ホールディングス社長に、
就任することが決まっている。

試練こそが経営者を育てる。

ラリー・ボシディ/ラム・チャラン著、
『経営は「実行」』を思い出した。

2002年の米国ベストセラーにランクイン。
日本語訳は2003年に、
日経新聞から発刊された。

私は㈱商業界の社長に就任した時に読んで、
感銘を受けた。

ラリー・ボシディは、
元ゼネラルエレクトリックの副社長兼COO。
あのジャック・ウェルチの右腕と言われた。

そのボシディは「Execusion(実行)」のために、
経営者の七つの行動要件を挙げている。
①自社の人材や事業を知る。
②常に現実を直視するよう求める。
③明確な目標を設定し、
優先順位をはっきりさせる。
④最後までフォローする。
⑤成果を上げた者に報いる。
⑥社員の能力を伸ばす。
⑦己を知る。

まあ、当たり前のことばかりだが、
ボシディが指摘するから説得力がある。

この七つの行動要件のもと、
二つの行動提起がなされる。

第1に、実行を可能にする企業文化が必須だ。
その変革のための枠組みをつくる。

第2に適材を適所に充てる。

福澤武さんは、
『私の履歴書』に登場するくらいだから、
「Execusion」を成し遂げたのだろう。

井阪さんの本当の試練は、これからだ。

そういえば、
CCL社長の米倉裕之さんは、
ゼネラルエレクトリック出身だった。

「実行」することは別の言葉で言えば、
「徹底」である。

私は、徹底を、こう定義している。
「細かく、厳しく、続けること」
詳細に、厳密に、継続する。

ボシディは「実行の企業文化」をつくれ、
組織風土を変革せよ、と説く。

私も最近は、
大和言葉でこう表現する。
こまかく、きびしく、
しつこく、なかよく。

「なかよく競争する」企業文化が、
私のイメージだ。

井阪さんも、米倉さんも、
その他の経営者やリーダーたちも、
それぞれに試練を受け止めて、
実行の企業文化をつくってほしいものだ。

〈結城義晴〉

2016年04月25日(月曜日)

トーマス-セドラチェクの「自由」と「売上げは全てを癒す」

Everybody! Good Monday!
[2016vol17]

2016年第17週。
4月第5週で、今週金曜日から、
ゴールデンウィーク。

こんな連休間近の時こそ、
月曜朝一・2週間販促企画。
Daily商人舎日替わり連載。

丁寧にこの2週間を見通しています。

花粉症はないし、
じめじめしてもいないし、
ゴールデンウィーク前の、
一番いい季節です。

久しぶりに日経俳壇にいい句があった。
それつきり雲になりたる揚雲雀
〈 うきは市・江藤哲男〉
「揚雲雀(あげひばり)」は、
空高く舞い上がってさえずるヒバリ。
声を限りに鳴きながら登ってゆくヒバリ。
雲の中に消えていって、
雲になってしまったのではないか。

春は空に昇っていくイメージが強い季節。

我先に浮力の中へ石鹼玉
〈朝日俳壇 東村山市・盥日央鶴〉
シャボン玉が浮き上がってゆく様が、
春らしい。

アカペラで唄ひ出したる蛙かな  

〈朝日俳壇 南足柄市・海野優〉

「筑波山麓合唱団」は、
アカペラだったか。
永六輔作詞、いずみたく作曲、
歌ったのはデューク・エイセス。
ダークダックスやボニージャックスではない。
ちょいと話は古すぎるか。

今日は松井康彦さんが、
ランチミーティングに登場。
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商人舎エグゼクティブプロデューサー。

さて昨日のうれしいニュース。
フジサンケイレディースクラシック。
女子プロゴルフトーナメント。
あの川奈ホテルゴルフクラブで開催。

宮崎県出身の大山志保プロが、
通算11アンダー、205で逆転優勝。

大山は熊本中央女子高校時代から7年間、
熊本でゴルフ修業した。

だから今トーナメントでも、
「メンタル面が良かった」
その理由は、「熊本です」

そして優勝賞金1440万円全額を、
熊本地震被災地に寄付する。

素晴らしい。

第2位タイに終わった笠りつ子は、
熊本出身でこちらも健闘。

スポーツウーマンたちも、
自分の仕事を全うして、
被災地を激励する。

私たちも。

さて日経新聞の『グローバルオピニオン』
トーマス・セドラチェクが、
「成長至上主義と決別」と説く。
東欧チェコ共和国の経済学者。

これがいい。

「経済学者たちは常に
不況に目を向けて治療を促してきた」

コモディティ化現象をとらえて、
脱コモディティの処方箋をのみ探るごとし。

「金融緩和政策や財政支出など
経済を覚醒させる即効薬を投入すれば、
一時的には経済成長のスピードを
速められるかもしれない。
しかし、もはや限界だ」

主流派経済学に、
真っ向から異議を唱える。

「現在の主流派経済学は、
成長至上主義が前提だ」

「日本でも、安倍政権は
財政・金融政策を通じて
需要を人工的に作り出そうとしている」

それも、なかなかうまくはいかないけれど。

「需要創出を目指す政策を否定はしないが、
仮に経済が不況から脱出して
好況になったとき、
ブレーキをかける手段がない。
そんな危うい財政・金融政策に
頼り続けるべきではない」

アベノミクスの根本に切り込む。

「日本経済は過去30年にわたって
政府や中央銀行から
薬を飲まされてきた」

安倍政権に限らない。

「その結果が、国内総生産の
200%を超える政府債務である」

「マイナス金利政策はこうした政策が
底をついたことを象徴している」
黒田日銀総裁の政策も批判。

「経済は良くなるときも悪くなるときもあり、
長い目でみれば不況と好況が
繰り返されるのだから、
不況にだけ注目するのをやめよう」

悲観ばかりしていても始まらない。

「薬の投入を控えれば、
経済は全体として安定するだろう」

やや楽観主義かというと、
そうではない。

「日本の社会は、
私たちの地球の中で
最も豊かに見える。
さらに経済成長しなければならない理由は
見当たらない」

元共産圏の国の住人から見るから、
日本は「豊かな国」なのだろうか。

「黄金の天井に頭が届いてしまったのだ、
資本主義は私たちにすべてを与えきった、
もらえるものはもうない、
と考えたらどうか」

「これからは、
安定した社会の富を分け合えばよい」

そして日本を評価してくれる。

「日本で問題となっている少子高齢化は
おそらくこれから他の国でも進む。
日本は先駆的に多くの対策を打ち出しており、
よい前例になるのではないか」

このあとのコメントがいい。

「資本主義と民主主義の価値は
『自由』であり、『成長』ではない。
成長は私たちを喜ばせる特典だが、
必然ではない」

成長か、自由か。
二大政党制の二大コンセプトたりうる分析だ。

小売業界の言葉。
「売上げはすべてを癒す」
これは典型的な成長至上主義。

では、小売サービス業における
「自由」とは何か。

「成長だけがすべて」の価値観から、
完全に自由になることだ。

そして政治に目を向ける。
「政治のパフォーマンスを
経済成長率で評価するのではなく、
国の予算をどう使ったかを測定し、
財政を安定させたかどうかを
評価の対象とすべきだ」

さらに主流派経済学者にも。
「天気が毎日良ければと願い、
成長に魅入られている経済学者たちの
ポケットの中は空っぽだ」

強烈。

「そこから処方箋は出てこない」

Tomas Sedlacec、39歳。
大学在学中の24歳のとき、
ヴァーツラフ・ハヴェル初代大統領の下で、
経済アドバイザーを務める。
著書『善と悪の経済学』はおすすめ。

主流派経済学が切り捨てたもの。
「倫理と道徳」そして「物語」

それを解き明かしつつ経済を論じる。
倉本長治を彷彿させてくれる。

平成28年熊本地震は続く。
東日本大震災後の福島原発問題も、
いまだ片付いていない。

成長至上主義もあってよい。
しかし、それだけが、
唯一の価値観ではない。

それつきり雲になりたる揚雲雀

では、みなさん、
今週も、元気を出して、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年04月24日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その1】カモメ 

猫の目は、
暗いところでも、ものを見る。
全体視野は280度で、
斜め後ろも見える。
両眼視野は130度で、
距離感を正確につかむ。

そんな目で見る博物誌――。
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アメリカ合衆国カリフォルニア州。
サンフランシスコ市の観光地が、
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サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島。DSCN8296-6
面積7万6000㎡の小島。
初めは灯台、それから軍事要塞、軍事監獄。
1963年まで連邦刑務所。

「ザ・ロック」あるいは「監獄島」と呼ばれた。

海鳥の生息地に夕焼けが映える。
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岸壁にカモメが一羽。
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カモメが二羽。
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「Danger」だよ。

飛ぶか?

かもめのジョナサンよ!
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学名はLarus canus。
動物界脊索動物門鳥綱、
そしてチドリ目カモメ科カモメ属。
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漢字で「鴎」、
英語でgull
ロシア語でчайка

英語のgullという言葉、
名詞は「だまされやすい人、まぬけ」、
動詞は「だます」の意味がある。

カモメはCommon gull、Mew gull、
あるいはSea gullともいう。

リチャード・バック『かもめのジョナサン』は
Jonathan Livingston Seagull。
つまり三番目のSea gull。
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「カモメのみなさん」は、
食うために飛んだ。

しかし「かもめのジョナサン」は、
飛ぶことそのものに価値を見つける。
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そして仲間から外れていく。

一方、ロシア語のЧайка「チャイカ」
アントン・チェーホフの戯曲『かもめ』
シェークスピアと並ぶ世界の劇作家、
その代表作。

第四幕で、若き女優ニーナが、
劇作家トレープレフに語る。

どうして、わたしの歩いた地面に
口づけをした、なんてことを言うの?
わたしなんか、殺されても仕方ないのよ。
(テーブルにもたれかかる)
疲れた! 休みたい…
休めたらいいのに!
(頭を上げる) 
わたしはカモメ…。
そうじゃない、わたしは女優、
そういうこと!
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1963年、人類史上、
初めて宇宙を飛んだ女性は、
ソ連のヴァレンチナ・テレシコワさん。

宇宙船ヴォストーク6号から、
第一声を発した。
「Я Чайка
「わたしはカモメ。」

~なんてことを、
この観光地のカモメは考えない。

メキシコ人観光客の差し出すアイスクリームを
口ばしで素早く掠め取って、
飛び去って行った。
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ああ、こいつも、
ジョナサンではなかった。

カモメの食性は雑食。
主に魚類、動物の死骸などを食べる。
観光客のアイスクリームも。

ゴールデンゲートブリッジに夕日が沈む。
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飛ぶこと、生きること、
それらに意義を見出すこと。

猫の目は、それを見ている。
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〈『猫の目博物誌』(未刊)より by yuuki〉

2016年04月23日(土曜日)

笑顔を届ける「Red Nose Day」キャンペーンのススメ

RED NOSE DAY。
「赤鼻の日」
サンフランシスコのウォルグリーンが、
キャンペーンをやっていた。
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本家本元はイギリス。
3月第2または第3金曜日に、
盛大なチャリティイベントが展開される。

「レッド・ノーズ」と呼ばれる、
スポンジやプラスチックの赤い鼻を、
自分の鼻につける。
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スーパーマーケットやドラッグストアで販売する。
その収益金は慈善団体に寄付される。

WalgreenのRed Noseは、
Made in China。
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その趣旨。
「笑いを通して、
世界の真実に触れる。
人々を笑顔に変え、
同時にチャリティする」

イギリスの一大イベント。

きっかけは1983~1985年の、
「エチオピア大飢饉」
旱魃などによって数十万人が餓死した。
そこで1985年、イギリスに設立されたのが、
慈善団体「コミック・リリーフ(Comic Relief)」

中心になったのは脚本家リチャード・カーティス。
映画にもなったが「ノッティングヒルの恋人」や、
「戦火の馬」を書いた。

アメリカでは昨2015年5月20日が、
第1回レッド・ノーズ・デー。

ウォルグリーンは、
その第2回に向けた「早仕掛け」

日本では毎年8月7日。
鼻(ハナ)=8・7という日本だけのごろ合わせ。

日本クリニクラウン協会が主導する。

だから入院している子どもたちや家族に、
笑顔を届ける活動。
入院中の子どもたちと一緒に、
笑顔を贈りあうイベントとして、
2009年8月7日からスタート。

今年は8月7日(日曜日)。
1か月前の7月7日の七夕が終わったら、
あるいは7月18日の海の日が過ぎたら、
赤鼻のキャンペーンを展開するのもいいだろう。

私たちはフィッシャーマンズワーフで、
そのキャンペーンに加わった。
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さて日経新聞の『大機小機』
「課題山積も世界の株価は堅調に」

欧米では、
グローバリゼーションが格差を広げ、
それに激しく国民の反発が起こる。

アメリカの大統領選。
「排他的な保護主義を掲げる
反グローバリゼーション候補が勢いを増す」

イギリスでは、
ヨーロッパ連合(EU)離脱を問う国民投票が、
6月23日に行われる。

結果次第では金融市場に大波乱が起こる。

世界の主要銀行の収益は落ち込み、
株価が大きく下落している。

欧州大手銀行は、
日本に先行したマイナス金利によって、
利ざやが縮小し、不良債権処理も遅滞。

ドイツ銀行ですら、
株価は30年来の最安値。

さらにギリシャ国債23億ユーロの償還は、
7月20日が満期。

欧州金融危機のリスクは、
一気に高まりそうだ。

一方、世界の株式市場は、
「年初来の嵐が収まり、ドル安を契機に、
再び上昇を始めている」

ドル安の好影響は多岐にわたる。
「中国経済もやや落ち着き、
世界の株価は波乱要因を抱えながら
上昇基調を保つだろう」

さて、日本。
「円高で日本株は出遅れているが
一方的な円高が続く可能性は低い」

焦点は7月10日と予想される参議院選挙。
その前に政府の景気対策が期待される。

10兆円程度の景気刺激策、
さらに消費増税の再延期。
そんな対策が決まれば、
株価回復の起爆剤となる。

コラムニスト逗子さんは、
世界株価の堅調ぶりを指摘し、
その裏で、注意を促す。
「市場の先行きには
多くの不安材料が待ち受ける」

結語は、ヨーロッパの言い伝え。
「危機は今そこにある。
常に丘の上に
逃げる用意をしておきなさい」

私の言葉では、
「最悪を覚悟して、
最善を尽くす」

7月7日の七夕、
7月10日の参議院選、
7月18日の海の日。
そして8月7日のRed Nose Day。

熊本地震はまだ予断を許さない。

最悪を覚悟して、
最善を尽くしつつ、
笑顔を届けたい。

〈結城義晴〉

【お詫び】
疲労と時差ぼけで、
ウェストコースト時差公開です。
すみません。

2016年04月22日(金曜日)

サンフランの厳選4店WFM・TJ・バークレーB・ナゲット

昨日、帰国して、
さまざまな映像を見た。
熊本地震の凄さ、不気味さ。
あらためて実感した。

心からお見舞いします。

セブン&アイ・ホールディングスも、
ずいぶん多くのメディアが書きたい放題。

気の毒になるほどだ。

何よりも考えねばならないことは、
そこで働く人たちと顧客たち。

マスメディアも、
「人を残すは上なり」に対しては、
協力しなければいけない。

㈱ロック・フィールドの岩田弘三さん。
会長兼最高経営責任者のCEOだが、
会長兼社長に就任して一言。
「流通を取り巻く状況は激変しており、
有事の時は創業者の私が
引っ張っていきたい」

有事の時。
創業者。

セブン&アイの鈴木敏文さんは、
もう戻ってくることはない。

さて、今日は㈱シジシージャパン本部へ。
日本最大のコーぺラティブチェーン。

野崎博延さんと面談。
執行役員商品本部副本部長。
DSCN2672-2
協業チェーンとしての方針や哲学を聞いて、
私も意見を言った。

CGCプロパーには、人材がいる。

さて、話は戻る。
平和堂第11回USA研修会の最終視察日。
サンフランシスコでの店舗視察は、
実質半日になってしまった。
そこで厳選に厳選を重ねた4店舗。
時間がない時にはこの4店。

第1にギルマンのホールフーズ。DSCN8262-6

月刊商人舎2015年1月号に掲載した店。DSCN8260-6

青果部門の壁は実に素晴らしい。DSCN8226-6

もちろん商品もプレゼンテーションも。
DSCN8231-6

カットフルーツも、
珍奇さを狙わず、
オーソドックス。
DSCN8237-6

プロデュースからチーズに続く。  DSCN8222-6

そしてブルワリーのコーナー形式。DSCN8221-6

バルクもコーナー形式。DSCN8215-6

オーガニック・グラノーラもこの品ぞろえ。DSCN8218-6

ミートとシーフードは対面売場。DSCN8213-6

奥壁面はリーチインケースの乳製品売場。DSCN8251-6

そして左翼が惣菜「ザ・グッド・スタッフ」DSCN8247-6

入口から左サイドは、
イートインカフェ。
DSCN8257-6

バリスタが配置されたコーヒーショップ。DSCN8259-6

光が差し込むカフェで、
人々がくつろいでいる。
DSCN8258-6
素晴らしい。

第2は市内中心部のトレーダー・ジョー。DSCN8075-6

サンフランシスコ中心部の商業施設なので、
入口は変形している。
DSCN8077-6

道路側にはトレーダー・ジョーの看板。DSCN8078-6

そしてご存知、斜めに切った青果部門。DSCN8070-6

トレーダー・ジョーが大きく変わりつつある。DSCN8072-6

店舗中央の冷凍食品コーナー。DSCN8073-6

そして強力な酒売場。
DSCN8064-6
アソートメントを絞り込んで、
フェーシングを広げている。

エンドはご覧の単品量販。DSCN8069-6

レジの背景壁面には、
サンフランシスコの名所のイラスト。DSCN8068-6
あんなに人気のトレーダー・ジョーも、
自ら変わろうとしている。

そして第3はバークレーボウル。DSCN8294-6

オーガニックだけの青果売場。
この部門が3割の伸び率。DSCN8274-6

しかしレギュラーの青果部門のパワーは、
相変わらず。

世界最大のベジタブル&フルーツ。DSCN8280-6

葉物にも珍しい商品が満載。DSCN8287-6

そして意外にも鮮魚と精肉がいい。
鮮度が良くて、品質が高くて、安い。
DSCN8289-6

ワインもグロサリーも、
ユニークな品揃え。
DSCN8290-6

「レジ部門には最も賢い人たちを配置する」 DSCN8291-6
世界最大最高の青果部門を持つが、
それでもオーガニックをさらに磨き上げる。
それが顧客に支持を得ている。

最後に、第4にナゲットマーケット。DSCN8163-6
3店舗を買収して改装した最新の店。

店舗面積は2万平方フィートで、
広くはないが、ナゲットの良さが満載。DSCN8109-6

オーガニックも堂々と展開。DSCN8111-6

このカラーコントロール。DSCN8113-6

黄色、緑色、白色。
籠を使って素晴らしい。
DSCN8117-6

青果担当者も笑顔で話しかけてくれる。DSCN8120-6

青果から右壁面にバルク売場。DSCN8122-6

奥はリーチンケースの乳製品から、
ミートの対面売場へ。
DSCN8129-6

ダンジネスクラブ。
DSCN8131-6

そして店舗左翼はサービスデリ。DSCN8147-6

レジ側ゴンドラエンドには、化粧品。DSCN8104-6
ナゲットの手にかかると、
美しい売場になる。

ゴンドラアイル1通路ごとに、
真上に白色照明を配す。
DSCN8125-6

それが磨き上げた床に、
映り込んで輝く。
DSCN8124-6
買収した不採算店舗だが、
見事に蘇った。

そのサービスデリ売場で、
朝のミーティング。
DSCN8097-6

店長を中心にハドルを組んで、
「チアーズ!」
DSCN8100-6

そのストアディレクターのチャスタンさん。DSCN8166-6

腰にハタキ。
DSCN8164-6
いつも率先垂範で、クレンリネスに努める。

ヒューマンリソースマネジメントを専攻。
それを実践するために、
ナゲットマーケットに入社。DSCN8170-6

「初日からこの会社の良さが、
わかりました」
DSCN8171-6
マーケット・ニッチャーのナゲット。
この店舗のポジショニング戦略は、
このチャスタンさん自身の魅力によっても、
支えられている。

私がサンフランシスコに住んでいたら、
この店に通うだろう。

そのチャスタンさんを囲んで、全員写真。
DSCN8188-6

心から感謝。
DSCN8190-6

金を残すは下なり、
仕事を残すは中なり、
人を残すは上なり。
〈後藤新平〉

国が変わっても、
この原理は変わらない。

ホールフーズもトレーダー・ジョーも、
バークレーボウルもナゲットも。

セブン&アイもロック・フィールドも。

激変の有事の時にも、
それを忘れてはならない。

〈結城義晴〉

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