結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年11月04日(水曜日)

米国大統領選最後の「もつれ」と「睡眠改善宣言」

東京では木枯らし一号。
各地で雪が降り、
初冠雪の報告。

寒くなるごとに、
COVID-19感染が心配になる。

しかし4年に一度、
アメリカ大統領選挙。
第59期大統領を選出するための、
一般有権者による選挙人投票。 C
もつれに、もつれた。

バイデン224票vsトランプ213票。
ここで現地は深夜に入り、
集計は止まった。

激戦のテキサス州とフロリダ州、
それにペンシルベニア州を、
トランプが獲った。

しかし五大湖のミシガン湖両岸の州。
ウィスコンシン州とミシガン州。

両州においてわずかに郵便投票分で、
バイデンが逆転して、
勝利しそうだ。

270票獲れば勝利だが、
計算するとバイデンがちょうど270票か。

それでもトランプにはまだ、
いくつかの逆転の場外オプションがある。

これから4年間の世界情勢に、
大きく影響を与える。

世界から尊敬され、憧れられる。
そんなアメリカ合衆国になってもらいたいものだ。

少なくとも米国チェーンストアは、
今でも世界中から尊敬され、
モデルにされている。

今日は月刊商人舎の最終段階。
横浜商人舎オフィス。

「明治マーケティングレビュー」が届いた。IMG_95450

私の連載は、
「小売業のスーパーマーケティング」
第48回。
このタイトルは気に入っている。

季刊誌だから1年に4回ずつ、
12年以上も書いている。

今回のテーマは、
「コロナ禍のマーケティング」

それから、
日本食糧新聞も届けられた。IMG_95470
10月22日に講演した。
食品経営者フォーラム
主催は日本食糧新聞社。

その時の講演の要旨が、
記事になった。
IMG_95480

一方、日本の臨時国会では、
予算委員会で与野党の議論。

議論というよりも、
菅義偉首相に対する、
野党の追及。
000072379
「日本学術会議」問題。

現会長は梶田隆章理学博士。
東京大学卓越教授・特別栄誉教授。
2015年にノーベル物理学賞受賞、
ニュートリノ物理学が専門。

その梶田会長の学術会議が、
推薦した105人のうち、
6人の学者を菅首長が任命拒否した。

野党から追及される姿を、
客観的に見ていると、
菅さんはたじたじ。
言葉が出てこない。

しかし見ているほうも、
あまり気分のいいものではない。

早く切り上げて、
大事な議論をするべきだ。

余計なお世話かもしれないが、
引くところは引くのも、
「できる仕事師」の在り方だ。

さて、
「ほぼ日」の糸井重里さん。
昨日の巻頭エッセイ「今日のダーリン」
p_itoi-448x484
「睡眠改善宣言」を書く。

「ほぼ日」をはじめたころから、
眠りに着く時刻が遅くなった。
午前4時前にベッドに入ることはない。
4時半が平均、5時過ぎもよくある。

私も同じだ。

糸井さん。
「起きるのは幸い10時過ぎ」

「だいたい6時間を
睡眠時間に充てている勘定です」

私は3時間、4時間ということも多い。
寝溜めもするけれど。

しかし、糸井さん。
ショートスリーパーの浅生鴨さんに、
「9時間睡眠」の話を聞いた。

さらに写真家の幡野広志さん。
「ぼくも9時間睡眠です」

「睡眠時間を、
元気でいるためのコストとして、
しっかり確保している」

これ、いいなあ。

糸井さん。
「9時間はともかく、8時間にしたら、
人生変わりそうだなぁ」

同感です。

「睡眠時間は、
元気でいるためのコスト」

私も「睡眠改善」します。

トランプさんもバイデンさんも、
菅さんもみんな、
良く眠ることだ。

〈結城義晴〉

2020年11月03日(火曜日)

文化の日の「書物自体の物語」と米国の「フェイク」の価値観

文化の日の祝日。
DSCN92970

11月3日はもともと、
明治天皇の誕生日だった。
「天長節」あるいは「明治節」と呼ばれ、
祝日だった。

戦後の1946年11月3日に、
日本国憲法が公布された。

憲法が施行されたのは、
半年後の翌1947年5月3日。

この日が憲法記念日の祝日となった。
さらに翌1948年、
日本国憲法公布の日が、
文化の日となった。

祝日法が定めるその趣旨。
「自由と平和を愛し、
文化をすすめる」

今の世界では、
自由はちょっと危ういか。

世界中を見渡すと、
平和に関してもちょと心配だ。

それでもわが日本は、
いい国だ。

文化は日本独特のものがあって、
私たちにはそれを「すすめる」役目がある。

そんなことを思いながら、
一日を過ごしたい。

今日は商人舎オフィスに出て、
月刊商人舎11月号の仕事。
原稿書きと編集。

朝日新聞「折々のことば」
第1983回。

鷲田清一さん編著。

書物(紙の器)は
それ自体が物語なのだ。
(古書店主・エッセイストの内堀弘さん)

「どういう人たちの手を伝って
この本がここに……と
推し量りたくなる本が古書店にはある」

内堀弘著『古本の時間』から。
index
「造本に込めた思いや献辞など、
その一冊にしかない佇(たたず)まいに
こだわる愛書家の、
それを手放す際の心のもつれを
つい想像させる」

「グリーティングカードのように薄い冊子」
その一冊にも、
「書物文化の豊穣(ほうじょう)は映って」いる。

「豊穣」とは穀物が実り、豊かなこと。
「書物文化の豊穣」は、
書物に豊かな文化があること。

そして、
「どうしてもと注文してくる人がいる」

これが書物の文化だ。
書物はそれ自体が物語である。

月刊商人舎の雑誌づくりにも、
私はそんな思いを込めている。

今日もそんな気持ちを込めて、
原稿を書いて、編集した。

日経新聞電子版「経営者ブログ」
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。
suzuki_s
「金細工師のグーテンベルクの
活版印刷術という技術革新は、
その結果として
たくさんの書物の出版を可能とし、
人々の知識欲を満たし、
新たな歴史をつくった」

グーテンベルクの印刷機は、
中世のペスト「黒死病」が、
発明の母となって生まれたものだ。
黒死病
鈴木さん。
「言うまでもなく、
ルネサンス、宗教改革から
近世社会にいたる歴史は
グーテンベルクの活版印刷の
技術が推進したのである」

印刷技術が文化を変えた。
鈴木さんはインターネットを、
「活版印刷以来という技術革新」とする。

さて今日の日本の文化の日は、
アメリカの大統領選挙の前日。
世界が固唾を飲んで見守る。
202009_wakabayashi
もうすでに期日前投票が、
1億票近くも集まった。
前回の7割くらいが期日前に投票された。

きちんと開票されれば、
民主党ジョー・バイデン候補が勝ちそうだ。

しかしそれでもどうなるかわからない。
USAのdemocracyはどこへ行く。
そしてアメリカ合衆国の文化は、
どんなふうに変わるのか。

鈴木幸一さんもブログの中で、
米国大統領選に関して書く。

「前回の大統領選挙で、
トランプ氏という人物が
大統領に選ばれたこと自体、
私には卒倒するような驚きだった」

同感だ。

「トランプ政権が4年近く続いた今、
米国という国そのものが、
変わってしまったのであり、
現在の米国で、トランプ氏が
大統領に選択されるのは、
不思議なことでもないのだろうと、
思うようになった」

これにも、あきらめに近い気分で、
同感しなければならない。

「トランプ氏は、
メディアなどあらゆる批判に対し、
“フェイク”だと切って捨てる」

しかし、
「トランプ氏が繰り返し発する
この言葉に慣れてしまうと、逆に、
トランプを批判する報道や言葉も、
なにもかもが別の側からの
フェイクではないかと、
疑ってしまう。
米国の基盤そのものが
変わってしまったのではないかと」

これにも同感だ。
アメリカ人の価値観が変わりつつある。
G
「真実とされる言葉も、
見方を変えると、
すべてがフェイクと
言い直せるのではないか
という気になってしまう」

「”フェイクだ”という反論は、
あらゆるメディアが発信する言葉や主張、
事実とされる現象すら、
一方の側からみれば、
ぬけぬけと”フェイク”だと、
主張されるかもしれないのだ」

そう、事実すらぬけぬけと、
「フェイク」と言い切る。

しかしそれでは、
対等な話し合いにならない。
コミュニケーションにならない。
議論にならない。
議会制民主主義にならない。

アメリカからその文化が、
消え失せようとしている。

言葉がない。

〈結城義晴〉

2020年11月02日(月曜日)

「大阪都構想」敗北といなげや本杉吉員社長の「感染防止と低価格」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㊹]

2020年第45週。
いよいよ11月第1週。

冬らしき冬との予報
ふと安堵
(朝日俳壇より 枚方市・中峰陽太)

大阪市の住民投票は、
大阪都構想派が惜敗。
つまり大阪維新の会と公明党が負けた。
main12
前回は2015年に橋下徹市長のもとで、
同じような住民投票を行ったが、
同じように負けた。

大阪市は政令指定都市として存続する。
松井一郎市長は任期いっぱいで、
政治家を辞すると表明した。
member_matsui
大阪市の有権者数は220万5730人。

開票結果は反対69万2996票、
賛成67万5829票。
テレビの開票速報では、
ずっと賛成が上回っていたが、
最後に逆転して、
反対が賛成を約1万7000票上回った。

投票率は62.35%だった。
5年前の前回は66.83%だったから、
4.48ポイント下回った。

それでも大阪市の国政選挙は、
47%台がほとんどだから、
投票率は高かった。

2008年1月27日の大阪府知事選挙で、
橋下徹知事が誕生した。
183万2857票の獲得だった。

2010年4月には、
地域政党大阪維新の会が結党され、
橋下知事が代表に就任。

そして2011年11月、
大阪都構想の政策実現を目指して、
大阪府知事を辞職。
同年12月19日、
大阪市長選挙に立候補し、当選した。

この時から大阪都構想が始まった。

2015年5月17日、
その賛否を問う住民投票が行われ、
結果は否決。

10年にわたる都構想論争は、
これで実質的に終了した。

一方、アメリカでは、
第59期大統領の直接選挙が、
現地時間で2日後に迫った。
C
期日前投票は昨日の11月1日までに、
9160万人となった。

4年前の大統領選投票総数の3分の2を超え、
約67%に達している。
COVID-19感染拡大を防ぐため、
郵便投票や期日前投票が奨励され、
「空前の勢い」である。

期日前投票率が上がると、
民主党ジョー・バイデン候補が有利だ。
800px-Joe_Biden_48548455397_cropped-448x6421

ドナルド・トランプ大統領は、
郵便投票に「不正」があると断じて、
予防線を張っている。
無題
民主主義の根幹を成す選挙の手続きに、
「不正」が生まれるスキがあるとしたら、
それは現役大統領の責任でもあるし、
もうアメリカのデモクラシーは、
終わっている。

しかしそれでも、
「トランプ当選!」を予想する、
評論家やジャーナリストがいる。

さて、どうなるか。

イギリスではとうとう、
ボリス・ジョンソン首相が、
イングランドのロックダウンを決断した。
11月5日から12月2日までの4週間。
The Prime Minister Boris Johnson Portrait
ウェールズ、スコットランド、
そして北アイルランドには、
それぞれに自治政府があって、
独自にコロナ対策を講じている。

日本も冬を控えて、
COVID-19感染拡大を、
防止しなければならない。

コロナ禍の色とも見えて
曼殊沙華

(朝日俳壇より 益田市・井下みね子)

さて日経新聞「ニュース一言」
㈱いなげやの本杉吉員(よしかず)さん登場。
今年4月1日付けで代表取締役社長に就任。
引き続き営業本部長を兼務している。
pic_top01
1964年3月20日生まれの56歳。
1986年4月入社のプロパー。
2012年10月に営業企画本部長に就任し、
2016年6月、取締役販売本部長に昇格。
人事本部長、商品本部長を経験し、
昨2019年10月に営業本部長。
そしてコロナ禍の今年4月1日、
代表取締役社長に就任。

コロナ禍時代の社長だ。

「消費者の在宅時間が延びており、
生鮮食品など料理の材料の売上げが好調だ。
今後は景気や所得への不安から、
消費者がより価格に敏感になることが
想定される」

価格コンシャスが高まる。
正確な市場の見方だ。

これまでの日替わり特売から、
期間を複数日設ける特売方法に変えた。
「戻した」と言ったほうがいい。

店頭の「3密」防止のため。

本杉さん。
「家庭生活を支える
インフラとしての役割を果たし続ける」

COVID-19感染防止と、
低価格志向。

いなげやにはもう一つ、
柱が欲しいと思う。
pic_top02
多分、そんな内容も話したに違いない。
その発言はカットされたかもしれない。

商人舎流通SuperNews。
いなげやnews|
第1Q営業収益693億円11.2%増/利益大幅確保

8月7日の報道。

第1四半期の営業収益11.2%増、
営業利益は30億6700万円で、
前年同期の5億3600万円の営業損失から回復。
コロナ特需で4月・5月・6月は増収増益。

営業利益率4.4%、経常利益率4.5%。

それが第2四半期にどうつながるか。

いなげやは1900年(明治33年)創業。
創業の猿渡家が三代の社長を務めて、
2001年、21世紀に入ってから専門経営者時代。
第四代の遠藤正敏社長、
第五代の成瀬直人社長と引き継いで、
今年はいなげや創業120周年。
第六代が本杉さん。

まさに正念場。

いい成績を上げたいだろう。
しかし「慌てず、急げ!」

もうちょっとだけ、
スピードを上げよう。

いなげやに限らない。
スーパーマーケットのコロナ特需は、
フェードアウトし始めた。

これから2カ月が正念場だ。

では、みなさん、今週も、
「慌てず、急げ!」

Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年11月01日(日曜日)

[訃報]ショーン・コネリーの映画「結城義晴が選ぶベスト5」

2020年の11月1日。
新型コロナウイルス年も、
残すはあと2カ月。

年の初めにはまったく、
想像もしなかったCOVID-19禍。

東京オリンピックも延期された。
令和2年となった新元号も、
残念ながら目立たなくなるほど。
しかし11月から年末まで、
年中行事が続く。

国民の祝日は、
11月3日の火曜日、
11月23日月曜日の勤労感謝の日。
後者は三連休となる。

11月15日は「七五三」。
11月第3木曜日は今年は16日だが、
ボジョレー・ヌーボー解禁の日。

アメリカでは第4木曜日が、
サンクスギビングデー。
翌日の金曜日はブラックフライデー。
それから1カ月間、クリスマスまで、
ホリデーシーズンが続く。

アメリカのウォルマートは、
COVID-19禍の今、
ブラックフライデーを、
3回に分けて実施する。

商人舎流通SuperNews。
ウォルマートnews|
ブラックフライデー・セールを3回に分けて開催
8d1b95f7a53c5db993524283488eaf46

混雑を避けながら、
3回のセールを行うことで、
顧客に安全に買物を楽しんでもらう。

と言いつつ、
3回分のセールが実施される。

さて、訃報。
ショーン・コネリーさん。
90歳。

スコットランド人俳優。
西インド諸島のバハマ。
その自宅で眠っている間に、
安らかに大往生した。

ある意味で理想的な逝去だ。
51PySkUnNiL._SX382_BO1,204,203,200_
1930年、エジンバラ生まれ。

若いころは苦労して、
様々な仕事を転々としたが、
1962年、007のジェームズ・ボンド役で、
一躍トップスターとなって、
1997年以降は総指揮を兼務しながら、
2003年まで現役を続けた。
最後はナレーターや声の出演だったが、
2012年まで映画に関係した。

スコットランド生まれで、
その祖国の独立運動を支援し続けた。

本業の映画だけでも60数本に出演した。

私もすべてを観ているわけではない。
しかし観た映画の中で絞りに絞って、
「結城義晴が選んだ5本」。

これは、本当につらい選択だ。
それでもあえて選ぶとすると、
時代を逆に並べて、
⑴2000年、「小説家を見つけたら」
index
晩年の渋い映画だ。
小説家と黒人の少年の交流。

R・B・パーカーの小説「初秋」も同じだが、
大人や老人の男が少年を育てる物語は、
不思議な共感を生む。

⑵1990年、「レッド・オクトーバーを追え!」
51TC0JNBZ2L._AC_SY445_
ソ連の原子力潜水艦艦長が亡命する物語。

この映画が日本で封切られたころ、
私は「食品商業」の編集長だったが、
スーパーマーケットの店舗サイズを、
「タイフーン級」などと命名して、
雑誌で使っていた。

⑶1989年、「ファミリービジネス 」
512QJ8K07ZL._SL250_
三世代の泥棒の物語。
ダスティン・ホフマンが息子、
マシュー・ブロデリックが孫。

祖父役のコネリーが亡くなったあと、
最後に警官たちと泥棒仲間が、
全員で「ダニーボーイ」を歌う。
実にいい。

⑷1987年、「 アンタッチャブル」
71lf9X9rmlL._AC_SY445_
エリオット・ネスの相棒ジム・マローン役。
正義感の強い警官役だが、
最後に死んでしまう。

賞には縁が薄いコネリーが、
この映画でアカデミー助演男優賞、
ゴールデングローブ賞助演男優賞受賞。

⑸1986年、「薔薇の名前」
nameofr
中世の修道院で、
カトリックの元異端審問官が、
怪死事件の謎解きをする重厚な物語。

こう見ると、
ジェームズ・ボンド役の後に、
コネリーのアクターとしての才能が、
開花した。

1980年代後半の50歳代後半。

これ以外にも、
1989年の「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」。
ジョーンズの父親役として安心感がある。

1996年の「ザ・ロック」は、
サンフランのアルカトラズ島を舞台にして、
これもスリリングな映画だ。
100062_01

007ももちろん面白い映画ばかりだが、
1963年の第2作が一番だと思う。
「ロシアより愛をこめて」
51Vcdag4kiL._AC_SX342_
時代を逆行して、
私が好きな映画を並べたが、
ベスト1はどれかと問われれば、
ん~、難しい。

ショーン・コネリー自身が、
どれが好きだったかと想像すると、
「小説家を見つけたら」だろうか。

いい役だし、いい演技だった。

「ファミリービジネス」は、
ダスティン・ホフマン。
「アンタッチャブル」は、
ケビン・コスナー。
「インディジョーンズ」は、
もちろんハリソン・フォード。
そして「ザ・ロック」は、
ニコラス・ケイジ。

いずれも超人気の名優と共演して、
その相手役を引き立てた。

スコットランド独立の運動家としては、
英国諜報部員のボンド役よりも、
「ファミリービジネス」の、
アイルランド人役が好みだったと思う。

ご冥福を祈りつつ、
これからもビデオで、
ショーン・コネリーを楽しみたい。

〈結城義晴〉

2020年10月31日(土曜日)

ブルームーン&ハロウィンの「若者とバカ者」

2020年10月最後の日。
ブルームーンとハロウィンが重なった。DSCN95240「ブルームーン」は、
1カ月に2度満月があるとき、
2度目の満月を言う。

青く見える満月も、
「ブルームーン」と呼ばれる。

月の満ち欠けの周期は約29.5日である。
だから1カ月に2度の満月は起こる。

月の満ち欠けをもとにした暦がある。
人々にはわかりやすい。
「太陰暦」と言われ、
明治の初めまで日本も太陰暦を使っていた。

そのブルームーン。DSCN95160

カメラをズームすると、
くっきりと映る。
月の海もクレーター見える。
DSCN95290
美しい。

しかし今宵の満月は、
2020年で最も地球から遠い位置にあった。
だから一番小さい。
称して「マイクロムーン」。

今年は4月の満月が最も大きかった。
ピンクムーンのスーパームーンと呼ばれた。
DSCN03370-448x343
今夜のブルームーンは、
それより13%も小さいし、30%も暗い。

しかしそれでも満月だし、
今日はハロウィンでもある。
1974年以来46年ぶり。

昨2019年の東京・渋谷交差点。harowin2-448x315
しかし今年の人出は例年の8割減だった。
仮装した若者は少なかった。
トラブルもほとんどなかった。

日本の若者はクールだ。
冷静だ。

とてもいい。

アメリカのトランプ支持者たちとは違う。

渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長。
日刊スポーツの取材に応じて発言。
「若者とバカモノに分かれた。
多くの若者が自粛を理解してくれて、
日本人の良いところが出た。
非常に感謝しています」

「若者」は仮装しない人、
「バカ者」は仮装する人。

来年以降にも希望的観測を述べる。
「渋谷で騒ぐことがカッコ悪い
という流れになってくると思う」

新しいハロウィンの幕開けか。

10月19日のこのブログで書いた。
尾身茂さんの発言。
地域医療機能推進機構理事長。
chief_director02-448x357
「半年間の経験から、
社会の対応次第でウイルスを
ある程度コントロールしていくことは
可能になってきた」

「新型コロナは、
人々の行動が感染動向を左右する」

「数字だけで判断するのではなく、
社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」

「社会全体の感染防止意識」
アメリカやヨーロッパは、
それが薄れて、第2波を迎えた。

私はアクセルとブレーキに、
「両者の間のクラッチも必要」と書いた。

2つの動力伝達軸の間で、
回転を伝達したり遮断したりする機能。

それが政治や行政だし、
それを支える学者や専門家だ。

菅義偉政権には、
それができるはずだ。

ただし「Go To」に浮かれてはいけない。
バラマキもいけない。

「社会全体の感染防止意識」が、
何よりも大切だ。

朝日新聞「天声人語」は、
現在のドイツを報告する。
「新型コロナの感染拡大を食い止めようと、
1カ月間、持ち帰りをのぞいて
全ての飲食店を閉鎖する」

「フランスは全土に外出禁止令を出し、
イタリアも飲食店の営業を制限した」

理由は夏季休暇シーズンに、
移動制限を緩めたこと。

つまり社会全体の感染防止意識が緩んだ。

「日本はGoToトラベルやイートの真っ最中である」
「油断はできない」

同感だ。

商人舎流通SuperNews。
9月商業動態統計|
商業販売額12.8%減/卸売業14.8%減・小売業8.7%減

経済産業省の9月「商業動態統計速報」
小売業の販売額は、
12兆1010億円で8.7%のマイナス。
卸売業は31兆5900億円で14.8%減。

飲食料品小売業が1.4%増。
業種で見ると飲食料品だけが増加。

前年同月比を業態別に見ると、
スーパー 3.0%減、
コンビニエンスストア3.1%減
ドラッグストア 8.2%減
ホームセンター9.9%減
家電大型専門店29.0%減
百貨店34.0%減

ここでいう「スーパー」は、
総合スーパーとスーパーマーケット。
困ったことに経産省もまだまだ、
業態分類が正確ではない。

総合スーパーが悪いから、
両者を合わせるとマイナス3.0%。
食品スーパーマーケットはプラスのはずだ。

だから「スーパー」だけがプラスで、
他はずいぶん落ち込んだ。

好調だったドラッグストアも8.2%減、
ホームセンターも9.9%減。

昨年10月に消費税が増税された。
9月はその駆け込み需要があった。
だから今年はその分、減じた。

しかし全体を見ると景気も消費も、
冬に向かってダウントレンドにある。

若者とバカ者とに分かれて、
若者が増えた日本。

このクールさは、
商売でも大切だ。

〈結城義晴〉

2020年10月30日(金曜日)

日本で一番「正月に詳しい人」と「とくし丸」の47都道府県運行

今日は商人舎Web会議。
家でZOOMに参加する。IMG_95190

先週日曜日から今週水曜日まで、
大阪出張のハードワーク。

昨日今日は午後からオフィスに出て、
ゆっくりと仕事する。

そしてミーティング。

今日は来客。

㈱紀文食品の堀内慎也さん。
事業企画室正月ユニット部長。IMG_95310

そう、紀文正月フォーラムで、
いつもプレゼンテーションをする。
いま、日本で一番、
「正月に詳しい人」。

90分ほどその年末年始商戦について、
互いに考え方をすり合わせた。

コロナ禍の年末商戦。
コロナ禍の正月の過ごし方。

何がどう変わるか。

堀内さんによると、
いまのところ各社の政策は、
二つに分かれるようだ。

それらの詳細は月刊商人舎11月号。
ご期待ください。

最後に年末年始商戦に向けて、
Go! Go! ポーズ。
IMG_95320

さて商人舎流通SuperNews。
無題

とくし丸news|
沖縄リウボウストア1号車稼働で全国47都道府県をカバー

移動スーパーのとくし丸。
全国47都道府県で運行。

心からおめでとう。

最後の47番目は沖縄県、那覇市。
㈱リウボウストア小禄宮城店。

リウボウストアもありがとう。

住友達也さんが2012年にスタートさせた。
買物難民を支援する移動スーパー。
tokushimaru

月刊商人舎は2015年4月号で特集した。
ネットスーパー! 移動スーパー!!
ポスト・モダンのノンストアリテイリングはどっちだ?!

この時に初めて、
住友達也さんに会った。
すぐに意気投合した。

移動スーパー「とくし丸」創設者
住友達也の独白
tokussimaru_taitoru

この独白の最後に、
「結城義晴の述懐」を書いた。

――元出版社の経営者。住友達也さん。
私と同じ経験とキャリアを持つ。
スーパーマーケットの経営者とは
違った視点から、マーケットを見、
地域を眺め、住民運動の中核を担った。
その上で一番困っている顧客を知った。
やがてそれが「とくし丸」という
移動スーパーのビジネスモデルへと成就した。
それはローカル・スーパーマーケットと
個人事業主の両者を結びつけ、
潜在的な社会貢献を果たすという
組織づくりであった。

商業の現代化は
近代化を内包したものである。
近代化の象徴のごとき
スーパーマーケットは行き詰まる。
それを内包してとくし丸は躍動する。

しかしそのとくし丸は、
顧客とは対等の関係を結び、
顧客にも負担を強いる。
見守り協定で行政のサポートもする。
この点はまさに現代化の条件を備えていて、
その上、
「売り手良し、買い手良し、世間良し」の
三方良し。

「ありがとう」と言っていただける商売。
近代化を超え、現代化に至るも、
商売の本道を貫いている――。
DSCN9605-5-448x336
あれから5年半、全国47都道府県を、
とくし丸のバンが走る。

2016年5月からは、
オイシックス・ラ・大地㈱の傘下に入った。

とくし丸は9月末現在、
135社のスーパーマーケットと提携。
10月28日時点では、
47都道府県で626台を稼働させている。
tokushimaru_202009sales
2012年設立以来、
稼働台数、流通金額ともに順調に増加。
2019年9月〜2020年9月の1年間で
174台が新規運行。
月平均では14台ペースで増える。

昨2019年の商人舎7月号特集は、
アスクル&とくし丸

こちらでは[対談構成]
住友達也vs結城義晴
ラストワンマイルビジネスから生まれるマーケティング201907_8_tokushimaru_title
この特集でも述懐を書いた。

――住友達也の行動力と原動力は
やはり「篤志丸」であり、
「徳島丸」であることに
起因しているのだと思う。
私も、もともとは出版人で、
住友達也と志を同じくする者だが、
Publishingとは本来、
「無私」と「利他」を力とする
篤志機能である――。

新型コロナウイルス禍で、
とくし丸にも追い風が吹く。
今年7月の月間流通総額は、
13億円を超えた。

「無私と利他」こそ、
いま、求められるものである。

明日は5年ぶりに、
土曜日のハロウィンだ。

〈結城義晴〉

2020年10月29日(木曜日)

千野和利さん・原昭彦さんとのランチミーティングの「大計」

今日は横浜。
商人舎オフィスのそばを、
新田間川が流れる。

その川べりにあるイタリアレストラン。
オ プレチェネッラ。IMG_95160
細川博樹シェフが提供してくれるランチ。

千野和利さん(左)と原昭彦さん(右)。IMG_95120
千野さんは㈱阪急オアシス前会長、
現在は離島振興地方創生協会理事長。
この4月に千野さんは、
一般社団法人を発足させた。

原さんは㈱成城石井社長。
この横浜市西区北幸に本部があって、
商人舎とはご近所さん。

オープンカフェのオ プレチェネッラ。
秋の光の中で、
シェフの味を楽しみつつ、
千野さんの離島振興の話を聞いた。
原さんは的確に質問する。IMG_95060

今日のランチミーティングは、
極めて良好な結果をもたらした。

千野さんの熱意と原さんの誠意で、
日本列島にとって意義ある仕事が進む。

これはまさに「大計」のごときもの。
「大計」は「大規模な計画」のこと。
IMG_95080

月刊商人舎2015年5月号特集は、
阪急オアシスと成城石井
201505_hyousi
主役は千野さんと原さんだった。

この特集のサブタイトルは、
何が「高級スーパー」を殺すのか?!

ちょっと刺激的だ。

[CoverMessage]でその答えが明かされる。

――日本スーパーマーケット第一号の紀ノ國屋はJR東日本の傘下に組み込まれた。クイーンズ伊勢丹は三越伊勢丹フードサービスの事業会社となって、かつての輝きを失った。ピーコックストアは最後にはPマートというディスカウント・スーパーマーケットにまで手を出して、その挙句、イオンに売却された。

アメリカでも、ドレーガーズ、アンドロニコス、ドロシーレーンなどなど「高級スーパーマーケット」は衰退の一途。

その一方で、日本では西の阪急オアシス、東の成城石井が絶好調。アメリカではホールフーズ、ウェグマンズがこれまた衰えを知らず。この現象、いったい、どう捉えたらいいのか。

日米ともに好循環を謳歌する小売業は、いずれも「高級・低級」 「高価格・低価格」の、従来の軸の外にある。あるいは次元を異にする。

高級スーパーマーケットが衰退するのではない。消費の軸やライフスタイルのベクトルの変質、つまりマーケットの変容が、高級・低級の価値観を置いてきぼりにしてしまったのだ――。

それから5年半。
今でもこのCoverMessageに偽りはない。

千野さんも原さんも、
従来の軸の外に、次元を異にする、
「高質スーパーマーケット」を構築した。

そして現在、立場は変わって、
日本の離島のための活動をする。IMG_95110

商人舎流通SuperNews。
成城石井news|
11/2から「ロカボフェア2020」を実施

“ロカボ”とは、
持続的な健康生活を送っていくための
新しい食のスタイルである。
食事から摂る糖質の量を制限して、
食後血糖値を急激に上げないようにする。
それによって、さまざまな疾患の
発症リスクを低減していく。
2daac1a6674bc5679a5f3d8ffad82151
結城義晴にとっても、
実にぴったりのライフスタイルだ。

この「ロカボフェア2020」に向けて、
成城石井は8つのジャンルに分けた
40アイテムをロカボな食として提案する。

朝・昼・夕食、晩酌、おやつなど、
シーンに合わせて、
ロカボな食生活が送れる
充実のラインナップ。

原さんはいい仕事をしている。
コーネル大学RMPジャパン第2期生。

千野さんの時代の阪急オアシスも、
コーネル・ジャパンには、
毎年、受講生を派遣してくださった。

ありがたい。
こんなつながりが、
日本のスーパーマーケット産業の良さだ。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第1977回。
人間社会の事は
千緒万端にして、
ただ政治のみをもって
組織すべきものに非ず。
(福沢諭吉の評論「学問の独立」から)
index
「人の世は、
農商、工芸技術、学問、政治と、
それぞれの”業に長ずる者”が
分担しあってこそ成り立つ」

福沢先生は「人の世」の説明において、
「農商」を初めにもってきてくれた。

納得。

それぞれの「業に長ずる者が分担しあう」

そして続ける。
「とりわけ政治が飢饉や不況、外患に
臨機応変に処すべきものであるのに対し、
学問は世情に幻惑されることなく
“永遠の大計”を探るもの」

政治は臨機応変に処する。
学問は永遠の大計を探る。

そして福沢は言い切る。
「前者の要求に応じて
みだりに揺れ動いてはならない」

御意のとおり。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年11月
« 10月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.