結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年12月16日(月曜日)

ガンジー「7つの社会的罪」の「道徳なき商業」

Everyone, Good Monday!
[2024vol51]

2024年第51週。
12月第3週。

あと半月、2週間と2日。

ジタバタしても仕方がないが、
押し詰まってきた。

今年の年末の曜日回り。
202410_kibun-14
最初の山は今週末、
12月21日(土)・22日(日)。

際の商戦のポイントは28日(土)。
あとは怒涛の連休で新年になだれ込む。

そして1月5日まで、
最長9連休。

無呼吸泳法で駆け抜けよう。

さて今日はお昼ごろ、
東京・久が原。

㈱寺岡精工本社。IMG_8224 (002)

寺岡本社の「gram café」でランチをご一緒して、
それから4時過ぎまでミーティング。

左から鶴井篤さん、峯島美香さん、
そして川越純一さん。
私の右は松井康彦さんと二宮護さん。IMG_9867 (002)
お疲れさまでした。
みんな、ありがとう。

ミーティングが終わってから、
3000字の連載原稿を、
一気に書き上げた。

今日は仕事した。
そんな気分になった。

日経新聞夕刊「あすへの話題」
丸紅会長の國分文也さん。
「ガンジーの示すもの」 

マハトマ・ガンジーは、
「7つの社会的罪」を指摘した。
インド独立の父。
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1925年にインドの雑誌に掲載された。
「Seven Social Sins」

第1が「理念なき政治」
(Politics without Principle)

第2は「労働なき富」
(Wealth without Work)

第3は「良心なき快楽」
(Pleasure without Conscience)

第4は「人格なき学識」
(Knowledge without Character)

第5は「道徳なき商業」
(Commerce without Morality)

第6は「人間性なき科学」
(Science without Humanity)

そして第7は「献身なき信仰」
(Worship without Sacrifice)

國分さん。
「100年経った今も人類への戒めとして、
まったく古びることがない」

「むしろより強い警告として
21世紀に生きる我々に
突きつけられているように感じる」

ポピュリズムは、
「理念なき政治」に陥りやすい。
その危険性は意識していなければならぬ。

人工知能(AI)は常に、
「人間性なき科学」のリスクを孕む。
核の問題の本質もこれだ。

「労働なき富」に関してガンジーは、
綿花から糸を紡ぐ糸車を生涯手放さなかった。
「働かない者にどうしてパンを食べる権利があるか」

働かざる者、食うべからず。

國分さん。
「世界で貧富の格差は毎年、
確実に拡大している」

「特に、手段を選ばず
個人の資産を膨張させる一部の人たちには
強い違和感を覚える」

「リスクをとって起業した創業者や、
苦労して会社を成長させた経営者は
報われるべきだ」

「しかし強欲資本主義は趣を異にする」

「新自由主義の流れが加速する中での
行き過ぎた株主資本主義が、
ステークホルダー資本主義へと
流れが変わったのは当然のなりゆきだろう」

会社の「二階建て論」である。

ガンジーは商業に道徳を結びつけた。

私はこの「道徳なき商業」を、
強くつよく意識する。

商業を営む者にとって、
断じて忘れてはならない教訓だ。

これを倉本長治は諭した。
「損得より先に善悪を考えよう」

ピーター・ドラッカーは、
「integrity」(真摯さ)と言った。
integrityは真っ正直商法のことだ。

年末年始商戦こそ、
「道徳なき商業」にはまってはいけない。

つくづくと思う。

では、みなさん、今週も、
損得より善悪を。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2024年12月15日(日曜日)

ソローの「脳腐れ」とロピア・アークランズのフランチャイズ展開

新聞を読む。
中道の日経新聞、
そしてリベラルの朝日新聞。

それ以外にもネットで目を通す。

私の日課だ。

毎日新聞の巻頭コラム「余録」

「正直な人間なら十本の手の指より
たくさんのものを数える必要はめったにない」
ヘンリー・デイヴィド・ソローの言葉。
19世紀の米国の作家。

そういえば私の最初の上司・故緒方知行さんは、
算数が苦手で両手両足で数を数えていた。
だから20を超えると「エラー」となった。
(半分、ジョークです)

ソローは、
マサチューセッツ州の湖畔の丸太小屋に住み、
自給自足の生活実験を行った。

その2年余の暮らしを名著『森の生活』に表した。
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この本で初めて使われた言葉が、
「ブレーンロット(脳の腐敗)」

この言葉がZ世代の間で蘇って、
ネットスラングになった。
デジタル世界にはまって、
知性が劣化した状態を指す。

それを英国オックスフォード大出版局が、
今年の言葉に選んだ。

日本の流行語大賞「ふてほど」とはずいぶん違う。

「ブレーンロット」
「脳腐れ」

19世紀のソローは言った。
「”自然”そのものとおなじように、
一日を思慮深くすごそうではないか」

ソローは時間に縛られる習慣や日課も嫌った。

コラムは提案する。
「たまには意識的にデジタル世界から離れたい。
自然に触れることで
脳や心の健康の回復につながるかもしれない」

以て自戒とすべし。
同感だ。

話は変わって、
商人舎流通SuperNews。

ロピアnews|
アークランズと業務提携/ビバホーム、ムサシ内に優先出店

㈱ロピアとアークランズ㈱の業務提携。

ロピアがフランチャイザー、
アークランズがフランチャイジー。
そのフランチャイズチェーン契約。

アークランズはロピアから、
スーパーマーケットの営業ノウハウの提供を受ける。
もちろん商品供給もされる。

2025年春に新潟県内に、
アークランズ運営のロピア1号店が開業。

3年間で10店舗の出店を計画。
新潟県、富山県、石川県の3県で、
10年後に1000億円の売上げを目指す。

ロピアは現在でもアークランズの店に、
5店舗を出店している。

上尾ビバモール店は、
月刊商人舎12月号に掲載した。

[特別技術研究]
関東ロピア最新店の
「主菜2品・副菜2品」作戦

ロピア上尾ビバホーム店とロピア黒川店のケーススタディ
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農産の「八百物屋あづま」は、
ワンウェイ方式で大量の顧客を誘導した。
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いまや、肉のロピアと並んで、
「日本橋魚萬」は強い集客力を見せる。
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グロサリーの売場もユニークで、
他にないポジショニングを獲得している。30_IMG_8633

つまり「ロピア」フォーマットが、
競争力を備えている。
それがフランチャイズ展開の原動力となっている。

セブン-イレブンのパッケージは、
その店舗フォーマットが、
競争力をもっているからこそ、
2万店を超えるネットワークができた。

新潟県、富山県、石川県は、
まだロピアが進出していない地域。

SNSの効果で、
ロピアは顧客から歓迎される。
北海道や福岡でそれが示された。

それはアークランズのホームセンターに、
客を呼び込むことにも貢献する。

両者にとってウィンウィンの、
いいフランチャイズ提携だろう。

2025年春の出店は、
ビバホーム吹田千里丘店(大阪府吹田市)、
ムサシ姫路店(兵庫県姫路市)、
ビバホーム清田羊ケ丘通店(北海道札幌市)。
さらに2025年中に、
ビバホーム茨木目垣店(大阪府茨木市)。

北陸3県だけでなく、
大阪や北海道でも、
このフランチャイズ展開が進む。

余計なお世話だろうが、
ロピアにもアークランズにも、
ブレーンロットが起こらないことを祈りたい。

デジタル世界だけではなく、
古い理論や業界の慣習などに染まって、
知性が劣化した状態に陥るのは避けたい。

「脳腐れ」はデジタルの世界だけではない。

〈結城義晴〉

2024年12月14日(土曜日)

早稲田大学少年文学会・童謡研究会の「交流」と「宣言」の効用

12月の土曜日。
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桜は裸の枝。
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空は青い。
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最近、土曜日には、
昼頃まで寝ている。

1週間の疲れを癒し、
平日の睡眠の不足を補う。

長時間眠るには体力がいる。
老人は早起きだそうだが、
私はそれに抵抗している。

眠れるならばいつまでも寝る。
そしてそれができる。

土曜日は今の私には、
年をとったことを拒否するための日だ。

夕方、出かけた。

東京・新橋。
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西口の機関車広場。
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銀座方面にゆっくり歩いて、
なまはげ銀座店。
秋田料理の店。
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午後8時ごろ、
なまはげが登場して、
顧客サービスをする。

子どもなど真剣に泣きじゃくる。
若い女性は喜んでいる。
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今夕は忘年会。

早稲田大学少年文学会OB・OG会。
略して「少文」。
多くの児童文学者を輩出した。

私たちが現役大学生のころは、
政治闘争を展開していた。

私は早稲田大学童謡研究会に属していた、
こちらは略称「童研」。
代々、ノンポリティカルだった。

少文と童研は、
第一学生会館19号室に同居していた。

もともとは1925年、
早稲田大学童話会が発足した。
その時の顧問が、小川未明、坪田譲治、浜田広介。
当時、「童話界の三羽烏」と呼ばれた。

紆余曲折を経て、1953年、
少年文学会となった。

NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、
井上ひさしと山元護久が作家として参加したが、
山元が少文出身だった。

一方の童謡研究会は、
最初の顧問に西條八十を迎えて発足。

戦前は幼稚園を経営して、
そこで童謡の創作と指導の実践をした。

1950年代にはこわせたまみを中心に、
活発な創作活動を展開した。

少文と童研は、
私たちの時代には部室を共有していたので、
仲が良かった。

童研の部会は月曜と金曜の夕方から、
少文は火曜と土曜。

それ以外の日も、
みんな19号室に集まってきて、
本を読んだり、ディスカッションしたり、
創作したり、ギターを弾いて歌ったり。
いわゆるたまり場だった。

私など毎日、この19号室に通った。
その合間に授業に出ていた。

少文は「裸婦餓鬼」という合評誌を出していた。
正式には「少年文学」という機関誌を発行した。

童研は「さぶるこ」を合評誌としていた。
「早稲田童謡」が機関誌。

裸婦餓鬼もさぶるこも、
ガリ版刷りのホッチキス止め。

発表された作品を巡って、
毎週、手厳しい合評を繰り返した。

私は童研で先輩たちに対して、
とくに辛辣な批評をした。

私たち童研は二葉南元保育園と提携して、
毎週、園児たちに童謡を教えた。

少文の1年先輩の佐藤さん。
いい作品を書いていた。
私も読んでいた。IMG_8199 (002)

私と同期の古川さん。
阿達秀昭君という共有の友人がいて、
阿達・結城は童研、古川は少文だった。
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金子さんは中学高校の同窓。
1年後輩で卓球部だった。
私は器械体操部。
この19号室で偶然遭遇した。
理論家の、いい奴だった。IMG_8205 (002)

女性陣は富樫さんと杉浦さん。IMG_8204 (002)

そしてこの会の幹事の高橋さん(中)と、
童研の幹事の大島さん。IMG_8207 (002)

来年は合同の懇親会を開催することにした。

大学生のころに親しくしていた人間が、
50年を経過すると、
こんなふうに年をとる。

私もそう見られているのだろうが、
実に興味深かった。

ありがとうございました。

さて日経新聞のコラム「大機小機」
タイトルは、
「日本の経済政策3つの悪癖」

コラムニストは反骨の学者・墨田川さん。

悪癖の第一は、
「緊急対策を乱発すること」。

「毎年秋になると経済対策の議論が始まり、
補正予算が編成され、財政支出が追加される。
もはや恒例行事と化している」

それほどの外的環境の変化がないのに、
「緊急対策」が打ち出される。

第二は「スローガンに頼ること」。
岸田文雄前首相の「新しい資本主義」、
「資産所得倍増計画」、
「デジタル田園都市国家構想」など。

「資産運用立国」「観光立国」、
それに「科学技術立国」「教育立国」など、
「立国」スローガンの乱発。

あ~あ。

第三は「宣言」にこだわること。

「景気回復宣言」「景気後退宣言」は、
繰り返し発せられてきた。

今はいつ「デフレ脱却宣言」が出されるか。

宣言は「政治的な動きに左右されやすい」

「政府が宣言を出しても出さなくても
経済は動き続ける」

墨田川さんの「落ち」はこれ。
「もう政府は宣言のようなものは出しません」
と宣言してはどうだろうか。

そういえば早稲田大学童話会からは、
1953年に鳥越信と古田足日の二人が、
「未明なんか駄目だ!」と言って、
「少年文学の旗の下に!」のタイトルコピーで、
「少年文学宣言」を発表した。

この宣言によって「少年文学会」が始まった。

私自身は2007年9月に、
「毎日更新宣言」を発して、
17年間もブログを書き続けている。

「商業の現代化」を目的としている。
知識商人の養成を標榜している。

「宣言」には効果がある。
チェーンストアの経営をするにも、
店舗を運営するにも、
「宣言」を効果的に使いたい。

ただし緊急対策のように、
スローガンだけ掲げて、
宣言するのはよろしくない。

「宣言」は、
それを貫徹しなければならない、
という宿命をもつものだ。

〈結城義晴〉

2024年12月13日(金曜日)

伊藤園陳列コンテスト審査会と江島祥仁さん慰労会、USP望年会

13日の金曜日。

忌(い)むべき日(?)

イエス・キリストは磔刑に処された。
その日が13日の金曜日だったとか。

1年に必ず1回以上、
最大で3回訪れる。

今年は二度だった。
9月13日と今日の12月13日。

忌むべき日とは言うものの、
意外にいい日であることが多い。

実際に今日はいい日だった。

午後から東京・清水橋。
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㈱伊藤園本社。
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「2024秋期お~いお茶陳列コンテスト」の最終審査会。
4つのコースで作品を募った。IMG_9789 (002)

審査会場の入り口に、
過去の陳列コンテストの資料が並べられていた。
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このコンテストは2002年に始まって、
今回で67回を数える。

第1回の審査員は4人だった。
本庄大介さんと江島祥仁さん、荻田築さん、
そして結城義晴。

それから22年が経過する。
歴史ある陳列コンテストだ。

今年はドジャーズの大谷翔平選手が、
伊藤園のグローバルアンバサダーになった。IMG_9782 (002)

その大谷選手が大活躍して50-50を達成し、
ドジャースはワールドシリーズを制した。
そして翔平はリーグのMVPとなった。

そこで秋期陳列コンテストは大谷選手一色。
コンテスト全体で大谷翔平を祝福した。
参加店舗も参加企業も増えた。

そして素晴らしい応募作品ばかりとなった。

4つのコースごとに6人の審査員が、
いいと思う作品に付箋を貼っていく。
そして付箋の多い作品が選抜される。
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最後は審査員の議論で、
最優秀店舗賞と優秀店舗賞を決める。
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賞が決まったコースから、
事務局の若手二人が、
パソコンに入力していく。
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店舗賞を決めたら、
次は企業賞。

その企業の全体の評価で、
こちらも大賞および優秀賞を選ぶ。

すべてのコースの賞を決めたら、
審査員が一言ずつ講評を述べる。
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最後は雑誌のための審査員の写真撮影。
それぞれに商品を持ってポーズをとる。
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全員のスマイル。
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真ん中から右に、
本庄大介社長、本庄周介副社長、
そして神谷茂専務。
私の左が松井康彦商人舎上級プロデューサー、
三浦慶太食品商業編集長。

最後の最後は、
審査会に携わった全スタッフで記念撮影。
「ハイ、チーズ!」の代わりに、
「ハイ、オオタニー!」
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お疲れさまでした。
ありがとう。

審査が終わると、
役員応接室でお茶をいただきながらの、
情報交換。
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大谷翔平選手の話題から、
米国トレーダー・ジョーのこと、
そして日本の注目企業の動向など、
いつも情報交換は白熱する。

ありがとうございました。
ほんとうに楽しい時間。
やめたくなくなる。

来年もよろしく。

そのあと松井さんと私は新宿へ。
ハイアットリージェンシー東京。

今夜は江島祥仁さんの慰労会。
江島さんがハッピーリタイアされた。
そこで松井、結城が江島さんに感謝の小宴を開いた。
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江島さんは佐賀高校から早稲田大学。
早稲田ではかの雄弁会の幹事長を務めた。
政治家になった友人、多数。

そのあと創業4年目の伊藤園に入社して、
56年間、その成長の礎を築いた。

営業と商品開発に関しては、
ずっと力を入れてきた。

学生時代や雄弁会時代のこと、
伊藤園の創業初期のこと、
それから飛躍的な伸びを示したころのこと、
多くの若手社員に聞かせたい話ばかりだった。

チェーンストアやスーパーマーケットに関しては、
もうこんなに話が合う人はいない。

もちろん共通する友人の経営者も実に多い。

昔のことなど思い出しながら、
語り合いは4時間にも及んだ。

ほんとうに楽しかった。
元気でお過ごしください。

私は個人的にもたいへんお世話になった。
ありがとうございました。
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一方、夕方から開催されたのは、
恒例の「USP望年会」。
ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所。

西新橋のオフィスの1階と3・4階を会場にして、
研究所の若手社員が主催。
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社員100名と外部の参加者40人ほどが集った。

私は出られなかったが、
商人舎からは山本恭広編集長と
亀谷しづえゼネラルマネジャーが参加。

當仲寛哲所長があいさつ。
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當仲さんはミッションとビジョンを明文化して、
USPが提供していくバリューを改めて定義した。
それを20代が中心の社員たちと目指していく。

望年会のメイン料理は蟹鍋。
なんと蟹鍋を食べたことのない20代社員が、
100人分を用意してくれた。

さらにヒレ酒までふるまってくれた。
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おもてなし溢れる手づくりの会。
寒さも吹き飛ぶ暖かさだった。IMG_9850 (002)

最後はシルネン・ブヤンジャルガルさんが一本締め。
USPモンゴル社長。IMG_9851 (002)
千葉大学を卒業してUSP研究所に入社。
愛称はブヤンさん。
モンゴルにある会社を統括する。

いつの間にか當仲さんはパパになっていた。
それも嬉しいニュースだった。

人を育て、人を残す。
公私ともに當仲さんはそれを実践している。
私も同じだ。

13日の金曜日。
いい日だった。

今年もあと半月。

第35回伊藤園おーいお茶新俳句大賞。
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まだ去年(こぞ)にいたいと猫に言ってみる
〈審査員賞 愛知県・田中琢斗〉

私もまだ、今年が名残惜しい。
その一瞬一瞬に感謝しよう。

〈結城義晴〉

2024年12月12日(木曜日)

クローガー・アルバートソンの「34兆円合併」とん挫し訴訟へ

今日は単行本の校正の日。

衣笠真佐美さんの本を、
商人舎から発刊する。
㈱いいねいいねドットコム代表取締役。
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昨日と今日の2日間で、
私自身が全部読んだ。
いい本です。

まずタイトルがいい。
それは発刊まで秘密です。

それから内容がいい。
提案がいい。
全部、いい。

ご期待ください。

校正を終わらせてからから夕方、
自由が丘へ。

商店街のクリスマスツリー。
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そして花屋モンソーフルール。IMG_8162 (002)

師走の自由が丘。IMG_8164 (002)

1時間もすると暗くなる。IMG_8167 (002)

モンソーフルールに灯りがともる。IMG_8169 (002)

プロモーション商品は390円均一。IMG_8173 (002)

Merry Christmas。IMG_8170 (002)

店内は薔薇の香りに包まれている。IMG_8172 (002)

上弦の月が出て、これから人が集まる。IMG_8174 (002)

クリスマスツリーのイルミネーション。IMG_8175 (002)
自由が丘に来ると、
気持ちがワクワクする。

さて商人舎流通SuperNews。
海外ニュースはどこよりも充実している。

クローガーnews|
アルバートソンとの合併計画とん挫/契約違反で提訴される

あ~あ、やっぱり、という感じ。

クローガーとアルバートソンは、
合併計画を打ち切った。

2022年10月に発表されて、
世界中が驚いた。

それから2年2カ月を経て、
とん挫することとなった。

米国チェーンストアランキングでは、
クローガーが4位、
アルバートソンは10位。

米国スーパーマーケットランキングでは、
クローガーが1位、
アルバートソンが2位。

クローガーの2024年1月期決算は、
売上高1500億3900万ドル、
1ドル150円換算で22兆5059億円、
前年比1.2%増。

営業利益30億9600万ドル(4644億円)25.0%減。
純利益21億6400万ドル(3246億円)3.6%減。
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一方のアルバートソンは、
営業収益792億3770万ドル(11兆8857億円)、
前年同期比2.0%増。
営業利益20億6890万ドル(3103億円)、
こちらは10.3%減、
純利益12億9600万ドル (1944億円)で14.4%減。
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両社ともに増収減益。

トップのウォルマートは、
営業収益6481億ドル(97兆2188億円)で6.0%増。
営業利益270億ドル(4兆0518億円)で32.2%増、
純利益155億ドル(2兆3267億円)で32.8%増。

増収大幅増益。
Photo by Iron Lotus Creative / Stephen Ironside

しかし合併していれば、
単純計算で売上高2292億ドル、34兆円となっていた。
営業利益は52億ドル、7774億円だった。

ともに何としても合併して、
ウォルマートを追いたかっただろう。

しかし両社が合併すると、
価格が上昇して消費者に不利益を与えると、
米国連邦取引委員会(FTC)と、
8つの州および首都ワシントンが、
合併差し止め訴訟を起していた。

12月10日には、2つの裁判所が、
合併差し止めを命じる判決を下した。
オレゴン州ポートランドの連邦地裁と、
ワシントン州シアトルの州裁判所。

これを受けてアルバートソンが、
この合併買収を破棄し、
6億ドルの契約違約金と損害賠償を求めて、
訴訟を起こした。

「クローガーはFTCから承認を得るための、
最大限の努力を怠り、
あらゆる措置を講じなかった」

一方、クローガー側はこのアルバートソンに対して、
「根拠のない無意味な訴訟」だという主張を発表。
法廷で争う構えを示している。

店頭競争ではクローガーが、
アルバートソンを圧倒している。

裁判ではどちらが勝つかはわからない。

そんなことはさっさと片付けて、
マネジメントとオペレーションの改革に勤しむべきだ。

私はこの合併がとん挫したことは、
クローガーにとって幸いだったと思う。

マネジメントとオペレーションのレベルが、
経営統合によって確実に落ちるからだ。

逆にアルバートソンは、
クローガー化することによって、
ウォルマートと闘う武器を入手するチャンスを逃した。

だから損害賠償を請求するのだろうが、
アルバートソンこそ素早く積極的に、
合併を実現させるべきだった。

100兆円、50兆円となると、
スケールのメリットは想像を絶するほど大きい。

この規模ならばある意味で、
量が質を変える。

アルバートソンはそのチャンスを逃した。
ああ、もったいない。

ウォルマートは今年、
FORTUNEの「働きがい」順位100にランクインした。

ランキングnews|
「働きがい2024」ウェグマンズ6位/ウォルマート初登場

さらに「DEIプログラム」撤回を表明した。
トランプ政権への対応でもある。

DEIは、
ダイバーシティー(多様性)、
エクイティー(公平性)、
インクルージョン(包摂性)。

これらを重視するプログラムがDEIだが、
保守派からの批判が高まっていて、
DEI強化を打ち切る企業が増えている。

ウォルマートは早々と、
わが道を行く決断を下す。

良い悪いの論議の前に、
意思決定の早さが、
小売業第1位企業の特徴なのだ。

〈結城義晴〉

2024年12月11日(水曜日)

商人舎12月号の「オーケー」の評価と「最高で最悪の米国」

月刊商人舎12月号。
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好評、発売中。

年極め購読が基本なのは、
私の古巣の「販売革新」と同じですが、
この号だけの購入もOKです。

申し込んでください。

その販売革新誌も、
来年から隔月刊となる。

寂しい限りだ。

商人舎12月号特集は、
オーケー上陸!! 東大阪の陣
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今年の3月から、
結城義晴のブログには、
[毎日投稿]がある。

画面をスクロールして、
一番下の欄外を見てほしい。

吉本一夫さん。

月刊商人舎の熱心な読者でもある。
ありがたい。

昨日の吉本さんの投稿。
「私は、OKさんの強さは、ダイソーさん等の100円ショップと共通していると思っています。値札を見なくて、ただ欲しいもの、買いたいものだけを買えばいい、という所です。実はすごくエンタメ性の高い売場だと思っています」

結城義晴の返信。
「吉本さん、素晴らしい着眼点ですね。

ウォルマートも同じですし、
そのウォルマートは、
ベンフランクリンの加盟店から始まりました。
つまりダイソーと同じバラエティストア出身です。

ウォルマートに倣ったオーケーが、
ダイソーに似ているというのは、
そのことに由来しています。

エブリデーロープライスは、
1年間売価を変えない戦略です。

だからワンコインストアは、
究極のエブリデーロープライスなのです」

会社の出自は大事だ。

ウォルマートがバラエティストア出身ならば、
ライバルのターゲットは百貨店から発した。

ウォルマートがEDLPを貫徹すれば、
ターゲットはハイ&ローを展開する。

今回の「東大阪の陣」で言えば、
上陸したオーケーがEDLPならば、
迎え撃つ万代はハイ&ロー。

そういえば万代はかつて、
「万代百貨店」と称していた。
ターゲットと同じ出自ということになる。

だからこそオーケーと万代は、
棲み分けすることができるのだと思う。

さて今月号には面白い記事がある。
[大阪のお母さんたちが明かす
「オーケー高井田店」への本音]
欲しいのは「お楽しみ感」です
㈱いいねいいねドットコム代表取締役 衣笠真佐美

オーケー高井田店オープンの日、
衣笠さんにも取材してもらった。
IMG_7881 (002)

その衣笠さんご自身の取材と、
いいねいいねのお母さんたちの声を集めて、
独特の視点の記事となった。

[NO GOOD]の項目にあるのが、
「オーケーカードの本体価格×3/103割引の意味が不明」

その通りで、疑問点をズバリと書いてくれた。

ありがとうございます。

さて、日経新聞の「オピニオン」欄。
よく、読む。

今日はとくに考えさせられる。

「病を抱え繁栄する米国」
Financial Timesのマーティン・ウルフ氏。
チーフ・エコノミクス・コメンテーター 。

「米国は最高の国であり、
最悪の国でもある」
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「少なくとも高所得国の中では、
米国はその繁栄と残忍さにおいて
際立っている」

ウルフ氏の問題意識。
「米国社会の”病理”が、
経済ダイナミズムに
必要な代償なのか」

ん~、難しい問題だ。

「革新的な経済が
より調和のとれた健全な社会と
結びつかない理由は明確ではない」

「技術的にダイナミックな社会には、
米国のような荒々しい、弱肉強食の
個人主義が必要になるかもしれない」

「これにはハッとさせられるのではないだろうか」

同感だ。

「米国の大きな不平等と低中所得層の不安が、
規制緩和と低税率を求める超富裕層と、
自分たちがうまくいかないことへの
はけ口を求めた低中所得層の
政治的な合流につながったのではないか」

超富裕層と低中所得層が、
政治的な合流を果たして、
二度目のトランプ大統領が生まれた。
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「もしそうだとしたら、
現在の脱工業化(製造業の重要性低下)と
抑制なき金融の時代に、
米国の活力が高いことが、
トランプ氏の台頭にみられる
新たな危険な扇動的独裁政治への
移行を招いてしまったことになる」

人間万事塞翁が馬だ。

「米国の繁栄と大国化を支えたのは、
法の支配、政治的安定、国民の一体感、
表現の自由、そして科学的卓越性だった」

「トランプ次期政権が進めようとしている
司法の武器化、科学への敵意、
批判的なメディアを抑制しようとする試み、
さらに広くは、多くの憲法規範への明らかな無関心が、
米国を支えてきた壊れやすい概念を
脅かす危険はないのだろうか」

それは大いにある。

「米国の共和制は、欠点も含めて、
おそらく世界史上最も顕著な成功例だ。
その強みが今、弱みと組み合わさることで、
築き上げてきたものを覆してしまう可能性は
あるのだろうか」

「我々は米国から学ばなければならない。
しかし今、法が支配する
民主主義の理想を重んじる人々は、
それに対する心配もすべきだろう」

最高の国であり、最悪の国。
それがアメリカ合衆国。
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私たちの日本は、
アメリカのようにはならないだろう。
しかし「最」がつかなくとも、
質の高い国で、しかも良い国こそが、
日本が目指すものなのだろう。

〈結城義晴〉

2024年12月10日(火曜日)

商人舎12月号特集「オーケー上陸!! 東大阪の陣」全部紹介しよう。

月刊商人舎12月号、本日発刊。 202412_coverpage
特集は、
オーケー上陸!!「東大阪の陣」
ライフ・万代との濃密な巴戦を描く

11月26日、オーケー高井田店開業。
関西進出第1号店。
202412_OK-ninomiya1

[Cover Message](表紙の言葉)
ロピアが「飛来」だったならば、オーケーは「上陸」だ。ロピアは2020年9月、何の前触れもなく、大阪・寝屋川に飛来した。そして尼崎、鶴見と立て続けに3店を出店した。オーケーは2021年、関西スーパーマーケットに対して株式公開買い付けを仕掛けた。紆余曲折を経て、それは成就しなかった。この経緯の後での直接出店である。「行くぞ、行くぞ」と声を上げたうえでの上陸である。それだけに関西のスーパーマーケット企業群、製造業・卸売業、関連産業の注目度は高いし、地ならしを済ませたうえでの上陸である。商売の本場、大阪、関西。果たしてオーケー高井田店はどれだけのインパクトをもってマーケットから受け入れられたのか。そして関西市場の将来はどう変わるのか。第1号店の直接競合はライフ高井田店と万代森河内店。ライフコーポレーションも万代も、この東大阪市にすでにドミナントを築いている。三者による巴戦の実態を明らかにしつつ、競争の本質をえぐり出す。

Contents(目次)。
202412_contents

オーケー二宮涼太郎社長の激白。
「関西市場はEDLPが浸透していない。
そこに商機がある」
202412_OK-ninomiya

そして必見の[写真構成]
オーケー高井田店のすべて
202412_OK-takaida3
くまなく撮影した珠玉の写真を披露する。
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対抗するライフ高井田店。
10月8日にリニューアルして迎え撃った。
202412_life-takaida
この店でもインタビュー取材をして、
オーケーへの基本対策を語ってもらった。

さらに万代渋川店。
オーケーとは直接競合しないけれど、
万代の象徴として最新モデルに改装。
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芝純常務取締役に言わせれば、
「会心の改装」

むしろこの店が一番勉強になるかもしれない。
19_IMG_9287

そして結城義晴が、
「特集のまえがき」と「あとがき」を書いて、
オーケーの「強さ」の本質を解説し、
この競争の行方を占う。

インタビューと取材をし、
さらに分析をして特集とした。

自分で言うのも恐縮だが、
必読の特集です。

そして[Message of December]
正規軍とゲリラ

正規軍は勝たなければ負けである。
ゲリラは負けなければ勝ちになる。
ベトナム戦争ではアメリカが正規軍で、
ベトコンがゲリラだった。

圧倒的な物量・情報量の米軍に対して、
地の利を活かして奇襲攻撃をかけたベトコン。
1964年に米ソの代理戦争として始まって、
1975年にサイゴン陥落で終結した。

今、ロシアは正規軍で、
ウクライナがゲリラである。
正規軍は勝たなければ負けである。
ゲリラは負けなければ勝ちになる。

大きな企業が正規軍で、
小さな企業がゲリラだ。
あるいは上場企業が正規軍で、
ファミリービジネスがゲリラか。

ただし「東大阪の陣」では様相は異なる。
ライフコーポレーションが正規軍である。
万代が根強いゲリラだったが、そこにまた、
オーケーという関東の強いゲリラが割り込んできた。

今やゲリラたちは研鑽を重ねて、
非上場の正規軍に生まれ変わろうとしている。
この地の万代、関東のオーケー、
そして全国に飛び火するロピア。

ゲリラの魂をもった正規軍が今、強い。
業界の常識をぶち壊すゲリラ、
コンプライアンスを身に着けたゲリラ。
それを顧客は渇望する。

正規軍は勝たなければ負けである。
ゲリラは負けなければ勝ちになる。
このセオリーは常に変わらない。
だがゲリラ魂をもった正規軍が何より強い。
〈結城義晴〉
スクリーンショット 2024-12-11 024016

特集のほかには、
[特別技術研究]
関東ロピア最新店の「主菜2品・副菜2品」作戦
ロピア上尾ビバホーム店とロピア黒川店のケーススタディ
15_IMG_8621

さらに11月号の続編。
[特別企画]
続・チェーンストア半期の通信簿
3月期決算企業の中間成績に「S・A・B・C・D」をつける。202412_Kessan-768x512

そして連載[定義集]”Definitions”は、
第42回「EDLP」

最後に編集後記を紹介しよう。

満を持して「東大阪の陣」。オーケーは関西スーパーを獲り逃したあと、万代の本拠地に出てきた。それを待ち受ける万代、そしてドミナントを築くライフ。役者は揃った。しかし胸躍る気分はない。競争の行く末が見えているからだろう。これからのコンペティションはいつもこんな具合になる。当たり前になる。競争によって、変わることができる者が進化を遂げる。それは確かだ。(義)

新店が話題になるスーパーマーケット。開店が楽しみなスーパーマーケット。どれだけあるだろうか。店内の空間、立ち寄りたくなるコーナー、手に取ってみたくなる商品。リアル店舗が提供する価値はそこにある。スーパーマーケットに限らない。(恭)

いつもの馴染みの店は安心感はあれど、買物していてもつまらない。かと言って、足を延ばす時間もない。東大阪のような、いい店がたくさんあるスーパーマーケット激戦区に住んでいる人たちが羨ましい!(綾)

街路樹が紅葉していて秋かと思う天気なのに、もう師走。今年は温暖化が一気に進んだ気がする。個人レベルのエコ対策ではどうにもならないところまできている。(磯)

東大阪に行って狂騒に当てられたか、新型インフルエンザに罹った。高熱と咳込みで苦しんだ。それが12月号の進行を遅滞させた。ごめんなさい。今年1年のご愛読を感謝しつつ、良いお年を!(亀)

2024年最後の月刊商人舎。
堪能してください。

そしてよく考えてください。

最後の最後に結城義晴の言葉。
「『見えざる手』は、
顧客に対して鈍感な者を、
容赦なく退場させていくのである」

〈結城義晴〉

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