結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年09月03日(土曜日)

朝日「天声人語」、日経「春秋」、ほぼ日「今日のダーリン」からリーダーシップ論の両面性を読み取る

台風12号、居座る。
このところ毎日、書いている。

アメリカのハリケーンは、
「アイリーン」や「カテリーナ」など女性名だが、
日本では男性名にして、
この居座り台風を、
「ナオト」と名付けようか。

さて「ヨシヒコ」はなかなか評判がいい。
期待値含みの評判であることは確かだが。

一面トップのコラムで、
ヨシヒコが様々に取り上げられている。
煎じ詰めると、どれもリーダーシップ論。

朝日新聞『天声人語』。
「たらい回しの民主党3代目ながら、批判の声は小さい」
「泥臭さを売る作戦は功を奏しているようだ」

「世の中、長所で嫌われる人もいれば、
短所で好かれる人もいる」

「トップリー ダーには弱点ともいえる『地味さ』を裏返して、
プラスの資質に見せる才はなかなかだ」
朝日はいつも、民主党に好意的。

民主党に辛口の日経新聞の『春秋』は、
「PM理論」を持ち出した。
社会心理学者・三隅二不二さんが唱えた「リーダーの分類」。

目標達成を優先しぐいぐい引っ張るパフォーマンス(P)型。
人間関係や和を大事にするメンテナンス(M)型

「1人で両方の性格や能力を兼ね備え、
場面に応じて巧みに使い分けるのが理想かもしれない」
ただし「そういう人はまずいない」

「P型は、えてして他人への気遣いが足らなくなる」
だから「ベンチャー企業の立ち上げ」には向いている。

一方、「構成員にやる気や経験が十分ある場合」、
M型の方が業績が上がる。

ここでは組織構成員の資質が問われる。

コラムニストはヨシヒコを「M型ふう」と見立てる。
「変なことをしない」経営者もM型。
「困難なときユーモアで緊張を和らげるのもM型の得意技」

M型のリーダーが率いる集団の落とし穴
は、
「妥協や甘えが生まれやすい」こと。

新リーダーのNさん、
心しよう。

ほぼ日刊イトイ新聞の巻頭言『今日のダーリン』

糸井重里さんもリーダーシップ論を語る。

「『主将(キャプテン)』
という人の役割は大きいです。
選手たちは、直接に試合をやっていますが、
他に、監督やらコーチやら、
チームの全体を俯瞰して見ていて、
試合の外で、試合をしている人たちがいます。
『主将』というのは、その両方をやる役割です」

最近の雇われ社長や専門経営者など、
さしずめ「主将」だろう。

「主将」タイプのリーダーは、
「監督やコーチ、支えてくれる人々の目を、
じぶんのなかに持っている必要があるんですよね」

そして糸井さんは言う。
「これは、実に、なかなかのことです」

「『中間管理職』という立場も、
こういうものなのかもしれませんね」

「いわば、戦いの場を『平面』として使う選手がいて、
それを『立体』としてつかんでいる監督がいる。
「『主将』は『平面』で試合をしているのだけれど、
それが『立体』で見えている必要がある‥‥」

リーダーは両面性を持つ必要がある。
朝日の「長所と短所」、
日経の「P型M型」、
ほぼ日の「平面と立体」。

最後にピーター・ドラッカー。
『店ドラ』第3章から、「マネジメントの三つの役割」。
第1に、自らの組織に特有の使命を果たす。
第2に、仕事を通じて働く人たちを生かす。
そして第3に、自らが社会に与える影響を処理するとともに、
社会の問題について貢献する

「自らの組織特有の使命」と「社会の問題」の両面性を、
ドラッカーも強調する。

そしてその実現のために、総括する。
「マネジメントとは、
人の強みを発揮させることである」。

私も、そうあることに努力しよう。
あなたも、どうぞ。

そして、良い週末を。
「ナオト」に負けるな。

<結城義晴>

2011年09月02日(金曜日)

9月の商人舎標語「疾走しよう、疾駆しよう」と商業経営問題研究会の宇都宮クリニック

台風12号、まるでドーナツのような形。
その巨大なドーナツ状の低気圧帯から、
日本列島に大量の雨をまき散らし、
明日未明に四国に上陸。

まだまだ予断を許さない。

昨日から9月に入った。
東日本大震災から半年を迎える。
日本全体で再出発のために走り出す月としたい。

だから今月の商人舎標語。
「疾走せよ、疾駆せよ」
これから年末まで、
全力疾走しよう、

昨日の1日は「防災の日」。
関東大震災が起こった日。
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そして9月は「防災月間」。

今年は3・11の年。
「9月は防災」を合言葉にしたい。

昨日が二百十日で、今日は二百十一日。
典型的な台風シーズンに、
大型の12号は到来したことになる。

今年の9月は、
第3週末の土曜日17日から、
第4週末の日曜日25日までが、
長くて大きなピーク。

月曜日の19日が敬老の日。
20日の火曜日が彼岸の入り、
金曜日23日が秋分の日。
サラリーマンにとっては、
土日月・・・金土日と休みが続く。

この間、9日間に6日の休み。
しかも季節は9月の食欲の秋、行楽の秋。

巣篭り気味だった消費も、
活発な野外活動型になる。

15日水曜日は「老人の日」で、
この日から21日までの1週間が、
「老人週間」。

これは老人福祉法第五条に定められている。

高齢者のいる家庭、
そして、おじいちゃん・おばあちゃんのいる家族は、
この1週間に主役の座を変えてほしい。

しかしいまどきのおじいちゃん・おばあちゃんは、
ひどく若い。

だから敬老の日、老人の日、老人週間といっても、
あまりの爺くささ・婆くささは、
勘弁してほしい。

何と言っても9月の標語は、
「疾走しよう、疾駆しよう」
若々しい敬老の日、老人の日、老人週間にしたい。

さて野田佳彦内閣が発足。
総理を含む18人の国務大臣のうち、
40歳代が5人、
50歳代は野田首相を入れて4人。
女性は2人、蓮舫さんと小宮山洋子さん。

野田さんはあえて、
この内閣のキャッチフレーズを言わない。
それもいいだろう。
期待しよう。

野田新総理のコメント。
「福島の再生なくして、
日本の再生はない」

その通り。

大山健太郎さんではないが、
「復旧は素早く、
復興は時間をかけて議論を」

大山さんは仙台経済同友会代表幹事にして、
アイリスオーヤマ社長。

復興の議論の方も早く始めてほしい。

昨日今日と、栃木県宇都宮市。
商業経営問題研究会(RMLC)恒例、
夏の店舗クリニック。

今年は宇都宮周辺御競合状況を視察。

今回視察参加のRMLCメンバーの皆さん。
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右から小林清泰さん、山口紀生さん、
帽子をかぶった杉山昭二郎先生、和田光誉さん、
視察のコーディネートをしてくださった㈱たいらやの村上篤三郎さん、
井口征昭さん、私、、そして古川芳之さん。

店を見るのは本当に楽しい。
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参加者メンバーはそれぞれの視点で、自由に動き回る。
もちろん、その時にはカートを押したり、カゴをもって見て回る。
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視察を終えるとその場で議論。
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杉山先生も久しぶりの店舗クリニックで、
よく動きまわっている。
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そして輪になって議論。
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たいらやの「プライムマート真岡店」深水昌憲店長を握手で応援。
右は、㈱セイミヤの加藤勝正社長。
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プライムマート真岡店の視察を終えて、
たいらやの鈴木定男専務(右端)、
店長、店次長も加わって記念撮影。
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視察は朝10時に集合し、夕方5時まで行った。
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最後に全員で締めの記念撮影。
後列左のお二人は、
まるまる一日お世話になった馬籠明男開発部長と小林静夫常務。
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潮来から2時間車を飛ばし、参加した加藤社長。
再び2時間疾駆して潮来に戻る。
お疲れ様です。
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「神は現場にあり」

9月も現場回りに「疾走・疾駆」しよう。

<結城義晴>

2011年09月01日(木曜日)

テスコジャパン撤退の考察と「高い障壁」vs「展望のあるマーケット」

台風12号。
大型なれど、
ゆっくり歩き。
粘る。

菅直人前首相のごとく。
菅は小型だったが・・・。

この台風が行ってしまったら、
秋がやってくる。

東日本大震災のあった年の最後の夏を、
台風によって実感することになる。

大型の台風。
くれぐれも用心を。

さて、イギリスのテスコ。
日本ではテスコジャパンの法人名で展開。

その実態は、
シートゥーネットワークやスーパーフレックを買収した129店。
店名は「つるかめランド」、「テスコエクスプレス」。

このテスコが、「日本事業からの撤退」を発表。
売却先をどこにするかの検討に入る。

撤退の理由。
「中長期的にビジネスを拡大する展望が
うかがえないため」

日本のマーケットへの対応はテスコでさえも、
難しかったということか。

今後のアジア戦略は、
「成長の見込める地域」に狙いをつけ、
そこに資金、人材を集中させる方針。

テスコは世界14カ国で約5400店舗を展開中。
世界第1位の小売業ウォルマートよりも、
第2位のフランスのカルフールよりも、
「現地化」が巧みなコングロマリットとして知られる。

2011年2月期の売上高は676億ポンド(約8兆4353億円)。

世界小売業ランクでは、
第3位、アメリカのCVSケアマーク、
第4位、ドイツのメトロに次ぐ第5位。

「ウインブルドン方式」と呼ばれる考え方で、
現地の人材を最大限に活用して、
現地に溶け込む政策は、
国際小売業の中で最も柔軟と言われた。

日本には企業買収で進出したが、
その買収先とミスマッチもあり、
結局、飛躍できなかった。

外資小売業の日本上陸の歴史。
1998年、コストコ。
福岡のトリアス久山に出店。
現在、9店舗で、すべて黒字の成功。

2000年、フランスのカルフール、
幕張に出店。
私は「正体見たり、カルフール」の特集を、
『販売革新』誌上で展開。

この年、ドイツのメトロもキャッシュ&キャリー業態で上陸。
メトロは日本に類似例がほとんどない異業態での進出。
2002年、ウォルマート、西友と資本提携して参入。

2003年、テスコがシートゥーネットワークを買収して日本上陸。
2004年、そのシートゥーネットワークに、
千葉県のスーパーフレックを買収させて拡大。

ここまでが上陸の歴史。

しかし翌2005年、カルフールは、
店舗をイオンに売却して撤退。

カルフールは一番主義で、
「真っ先進出、真っ先撤退」を繰り返してきた。

2011年の今になって、
テスコが撤退表明。

フランスのカルフールとイギリスのテスコが撤退、
アメリカのウォルマートは苦戦続きながらも維持、
ドイツのメトロ、アメリカのコストコは一応の成功。

5者3様の結果を招いて、
結論は持ち越し。

まあ、当たり前の中間総括といったところか。

撤退の理由に挙げられているのが、
一般には主に2つ。

第1は、日本の「消費市場が難しい」という論拠。
もちろん食生活に関して、
「生魚」を食べるなど鮮度にうるさい国民性は、
欧米の小売業にとっては困難な障害だろう。

しかしコストコは見事に成功している。
外食産業でもマクドナルドやケンタッキーフライドチキンは、
うまくいっている。

だから、テスコやカルフールがこの面で躓いたというのは、
正当な撤退原因ではない。

第2は、日本の「商習慣の違いの壁が高かった」という点。
日経新聞は「とりわけ主力の加工食品が欧米と違い、
過当競争で利益率が低いほか、改廃が激しい」とする。

もちろんそれもあろう。

しかしこれもコストコやメトロは、
加工食品を大量に扱っている。
特に前者は取引慣行にコストコ方式を持ち込んで、
大きな成果を上げている。

テスコが、日本の商慣行を、
乗り越えられないはずはない。

商慣行や法律の問題のリスクだけ考えると、
中国のほうがむしろ、断然大きい。

例えば韓国では、
カルフールやウォルマートが撤退したが、
テスコだけはサムソン商事と組んで、
「ホームプラス」というハイパーマーケットを開発し、
マーケットに定着させている。

一方、アメリカでは独自資本で進出し、
フレッシュ&イージーという小型店を開発。
200店弱まで店舗網を広げ、
「400店になったら黒字化する」と意気軒昂。

なぜこうもあっさりと、
日本に見切りをつけたのかは、
理解しがたい。

やはり発表の額面通り、
日本は中長期的にみて、
「拡大する展望のうかがえないマーケット」なのか。
だとすると日本企業にとっても、問題は深刻だ。

だが私は、それよりも、
「困難を乗り越える内部材料」が、
テスコジャパンにそろっていないという条件が、
本当の撤退理由だろうと思う。

海外進出の場合、
ふたつの要件が考えられる。
第1は、独自の資本で行くか、
第2は、確かな提携先と組むか。

合弁企業をつくるにしても、
提携するにしても、
相手先選びを間違えば、
取り返しのつかないことになる。

テスコジャパンはその失敗の例となった。

ウォルマートの提携先も、
「ボタンのかけ違え」だったが、
ひどく苦労しながらも、
展望が見えるところまでこぎつけてきた。

日本の消費市場と商慣行が、
外国資本から見て難しいのならば、
それは参入障壁となって、
日本企業にとっては好都合だ。

しかしテスコが「展望のないマーケット」だと考えたとしても、
ウォルマートは「展望」を見ていることになる。、

こう考えると複雑な思いもするが、
参入障壁が高いよりも、
展望のあるマーケットのほうが望まし
い。

これからは小売業の顔ぶれが減っていく。
その減っていく顔ぶれの中にテスコがいたということだ。

あなたの会社が、
テスコと同列にならないことを祈るのみ。

コストコのメンバーシップホールセールクラブ、
メトロのキャッシュ&キャリー。

日本にない業態やフォーマットは残る。

「総合スーパー」や「ミニスーパー」は、
腐るほどある。

それは残らない。

価値あるものには、
高い障壁も、
何でもないのだ。

<結城義晴>

2011年08月31日(水曜日)

セブン&アイ・フードシステムズ「PHO24」を大久保恒夫社長とともに食す!

野田佳彦新首相、54歳。
戦後三人目の若い総理大臣。

安倍晋三の52歳、
田中角栄の54歳2カ月に次ぐ。

2006年9月26日に内閣総理大臣に指名された安倍晋三。
私はこの最年少首相誕生のとき、
自分の国のトップが、
初めて自分の年齢よりも若いことに、
深い感銘を受けた。

その安倍さんも早期に退陣に追い込まれ、
野田さんで二人目の年下首相。

私もこの9月2日で、59歳になる。
田中角栄も早熟の政治家で、
首相就任のときそんなに若くは感じなかった。
野田佳彦も、その口。

安倍晋三が、ひどく若かったのか。
そうすると野田さんの、自らどじょうにたとえる風体、
好ましいのかもしれない。

東日本大震災の被災地の瓦礫。
その撤去率が高まっている。

昨日30日の時点で、
岩手県87%、宮城県94%。
岩手県、宮城県の27市町村のうち、
13市町村でほぼ撤去が完了した。

第1原発事故のため、
福島県だけは43%と作業が遅れている。

遅きに失したとはいえ、ずいぶんと進んだ。

政府が予算化した瓦礫処理費用は3519億円。
これまで使われたのはこのうちの42%。

もっともっと金を使おう。
素早く、的確に、使おう。

瓦礫はなくなり、経済は回る。

野田さん、早く早く。
瓦礫撤去という復旧の初期段階の作業は、
スピード最重視だ。

その日本の経済、
「上場150社、今期最高益」と日経の記事。
これは見通しだが、2012年3月期に、
過去最高の経常利益を更新する上場企業が、
1755社の9%の156社となる。

この好調企業には、
「サービスや小売業などの内需系が多い」

ヤマダ電機は経常利益が前期比2%増、
3期連続で最高益を更新する見通し。
今年4・5・6月に「節電家電」の売れ行き絶好調。
省エネ機能付きエアコンやLED電球など。

「巣ごもり」消費も好調。
ヤオコーは「内食」回帰の追い風を受け、
生鮮食品、日配品、冷凍食品、惣菜が売れている。
これは日本中のスーパーマーケットに共通する。

ヤオコーは4・5・6・7月の既存店売上高が、
前年同期比3%以上の伸びだった。

しかし外食産業も、客足を取り戻している。

今夜は市ヶ谷のお堀端にある「PHO24」で会食。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ運営。
ベトナム料理レストラン。

庶民料理として親しまれている「フォー(米粉麺)」をメインメニューに、
サラダ、生春巻きなどサブディッシュが、
リーズナブルな価格で、カジュアルに提供される。

7月1日にオープンしたばかりの1号店。
開店以来、女性客ばかりか男性客も来店し、好調。
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お相手は、同社社長の大久保恒夫さんと、
USP研究所の鹿野恵子さん。
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サラダを2種類、生春巻きを2種類、揚げ春巻き、
そしてフォーをいただく。

持ってきてくれたのは笑顔の厚澤さん。
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フォーの丼とは別皿に、野菜と薬味が添えられている。
私が頼んだのはヘルシーなチキンフォー。690円。
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鹿野さんはたっぷりの野菜がのった野菜フォー。630円。
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ほかにガッツリ系の牛肉フォーもある。

スープを飲みほすと、しっかりと腹にたまる。
ラーメン並みの値段で食べられるのがいい。

何よりもこのフォー、カロリーが低い。
女性客はもちろん、メタボのおじさんにもうれしい。

最後に、レストラン事業部ND推進部同店店長の中村康志さんと写真。
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「PHO24」は、ベトナムレストランといってもマニアの店ではない。
気軽にカジュアルに楽しめる小商圏型店舗。
これはチェーン化を視野に入れた戦略。
中村店長、頑張ってください。

さて、この日の会合は年末イベントの打ち合わせ。
「大久保恒夫&結城義晴の二人のビッグショー」(仮)
ビッグセミナーではなく、ビッグショー。

大久保さんと私が、
アコースティックギターで弾き語りをする趣向。

決定したことは2つ。
日程は12月2日(金)、
場所は銀座のレストラン。

どんな曲を歌うのか、何曲歌うのか、
そして二人のコラボはどうするのか。
それはこれからの話。

でも、楽しい師走の宵にします。
乞う、ご期待!!

その前に大久保さん。
デニーズをはじめとする事業も好調。
そのうえ11月には4回、
NHK教育テレビ「仕事学のすすめ」に出演する。

今年4月にはニトリホールディングスの似鳥昭雄さん、
1月には亀田総合病院の亀田健介さん、
昨年9月には星野リゾートの星野佳路さん、
6月にはワタミの渡邉美樹さん、
一昨年6月にはファーストリテイリングの柳井正さん。
そうそうたる魅力的な人々が出演した番組。

11月2日の第1回放送は私も大久保さんも、
見ることができない。

なぜか。

商人舎第10回記念USA研修会で、
一緒に渡米しているから。
経営戦略スペシャル編。

10月28日出発、11月4日帰国。

番組は見られなくとも、
ご本人とは密着できる。
経営戦略スペシャル編、
こちらも乞う、ご期待。

ご参加を要請します。
お申込み締め切りは、
9月8日。

大久保さんと一緒に食べたベトナム料理。
台風12号上陸前のむし暑さを、
吹き飛ばしてくれた。

心から、感謝。

<結城義晴>

2011年08月30日(火曜日)

UIゼンセン流通部会労使懇談会のパネル討論会で「正義を語る」

第95代の野田佳彦新首相が指名された。
野田さんは、民主党三役人事を内定した。

幹事長に輿石東参院議員会長、
政調会長は前原誠司前外相、
国会対策委員長は平野博文元官房長官。

ちょっと無責任な言い方に聞こえるかもしれないが、
人事はいつだって、面白い。

如何にきれいごとを言おうと、
如何に立派な大義を持とうと、
人事でそれが本当かどうかが、
一目瞭然となるからだ。

野田氏は今回の代表選挙前に、
唯一、「小沢詣で」をしなかった。

しかしそれでも、
小沢一郎の盟友・輿石参議院会長を幹事長に据えて、
当選直後の第一声の「ノーサイド」の公約を守った。

自民党・公明党との大連立を掲げ、目指す野田新首相だが、
その前の党内一致は必須と考えている。

菅直人前首相の轍を踏まず。
そんな考えが見える。

いまだにフクシマ原発問題は未解決だし、
震災後の復興・振興も軌道に乗っていない。
財務悪化は恒常化し、デフレは解消されずの状況なのだから、
脇目も振らず挙党一致を志向するのは、
「どじょう総理」らしくて、いいと思う。

今日の夕方の会合で、野田・輿石は、
ルックスが悪すぎるというジョークも出たが、
どじょうとなまずでも、まったく構わない。

問題解決に向かってまっしぐら。

決まったからには、
野田さんに頑張ってもらおう。
私は、そう思う。

民主党代表となってから、
野田さんがちょっと若返った感じがするのが、
これまた、面白い。

昨日は、韓国・テグで開催されている世界陸上で、
男子ハンマー投げ・室伏広治選手が、
金メダル獲得。

今季自己最高の81メートル24を投げた。
こちらは無条件にうれしい。

父親の室伏重信さんと二人で、
柔軟体操をする姿がほほえましい。

私は今日も、忙しい一日。

朝一番で、
東京・大門のカスタマー・コミュニケーションズ㈱へ。
毎月恒例の取締役会。
今日は新しくて、鋭い提案があって、
企業として本当に視野が開けた。

この会社にも期待がかかる。

午後は、東京ドームホテル。
UIゼンセン同盟流通部会第5回労使懇談会。20110830210754.jpg

はじめに主催者を代表して、
労使幹事会代表でダイエーユニオンの藤吉大輔さんがあいさつ。
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UIゼンセン同盟には現在6つの部会がある。
その6部会を、製造、サービス、流通の3部会に集約し、
各部会への権限委譲が進められる。
それによってスピードアップを図り、
流通を取り巻く震災後の厳しい環境に対応していく。
冒頭のあいさつは決意表明のようだった。

次いでUIゼンセン同盟落合清四会長があいさつ。
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コーネル大学RMPジャパン講師を務めていただいている。

「震災で、絆の大切さを感じたが、何かが変化した。
リーマンショック後、欧州でいわれる『連帯経済』への傾斜がそれだ。
①倫理的な金融、②フェアトレード、③社会的責任消費の3つ。
震災後にこの傾向がみられる」

「豊かさとはこれまで、金・モノを中心にした快楽の追求だった。
それが安全・安心、そして快適へと変化している。
この理念の変化が産業政策に反映される必要がある」

藤吉さん、落合さん、どちらも、
挨拶としてはもったいないくらいの質を伴っていた。

基調講演は流通産業大学特別教授の石原武政先生。
「震災復興下における地域再生と流通産業役割と課題」がテーマ。
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被災地の経済貢献のために果たす小売業の在り方を、
中小商業の視点を交えながら講演。

次に、経済産業省商務流通グループ流通政策課長の佐合達矢さんの報告。
「消費財流通に関するサプライチェーン改善に向けた取り組みについて」
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製配販連携でインフラを共有し、全体の無駄を省く施策が、
丁寧に語られた

この日最後のプログラムは、
私がコーディネーターを務めるパネルディスカッション。
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テーマは、
「震災からの復旧・復興に向け、流通産業政策に期待するもの」

パネリストは石原先生と佐合さん、そして野村総研の高木裕之さん。
高木さんはサービス事業コンサルティング部ゼネラルマネジャー。
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2時間にわたったパネルディスカッションは、
学者、コンサルタント、行政マンから、
それぞれの立場でのコメントが展開された。

冒頭に徳島阿波踊りの話を振り、
蜂須賀小六の「無礼講」のお許しをいただいて、
白熱した論議を意図した。

私は、次々に質問を投げかけ、自らコメントし、
考えつつ、楽しんだ。

震災時に小売業が果たしたライフラインの役割、
震災後の「ベーシック」への消費変化、
地域に「開かれた産業」としての小売流通業のあり方、
そして将来へのグランドデザインとビジョン。
多岐にわたる質問に、
パネラーの皆さんは、
真摯に答えてくださった。
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コーディネーターとしての最初と最後はやなせたかしさんの言葉。
「正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること」

「ひもじい思いをしている人に、
パンの一切れを差し出す行為を
『正義』と呼ぶのです」

「困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、
立場が変わっても国が違っても『正しいこと』には変わりません」
「絶対的な正義なのです」

「だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を
持っているかも知れないから」

「怪獣を倒すスーパーヒーローではなく、
怪獣との闘いで壊された街を
復元しようと立ちあがる普通の人々が
ヒーローであり、正義なのです」

ご清聴に、心から感謝。

閉会のあいさつは労使幹事会副代表の土佐谷正孝さん。
㈱セブン&アイホールディングス人事企画部シニアオフィサー。
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これが実によかった。
「今回の震災では店長をはじめとする現場力が発揮された。
その現場を生かすことに労使ともに努力したい」

その後、会場を移し、記念のパーティ。
乾杯のあいさつは同じく幹事会副代表の河田靖彦さん。
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河田さんはセブン&アイグループ労働組合連合会会長。

参議院議員の柳澤光美さんも駆け付けた。
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そして怒涛の懇親。

原信ナルスホールディングス㈱副社長の五十嵐安夫さん。
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今回、原信の支援は群を抜いていた。
そのありがたさは、被災地の多くの小売企業から聞いた。
五十嵐さんたちは今もなお、被災地支援を続けている。

㈱セブン&アイホールディングス人事企画部シニアオフィサーの土佐谷さん。
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パネリストのお二人。
佐合さん(左)と高木さん。
お疲れ様でした。
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㈱平和堂取締役教育人事部長の村上茂人さん。
6月のアメリカツアーの団長を務めていただいた。
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㈱日本リテイリングセンター代表取締役の渥美田鶴子さんと
リサーチャーの渥美六雄さん。
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流通部会副部会長の新妻健治さん。
イオングループ労働組合連合会会長。
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固い握手。

最後の最後は、その新妻さんが中締めのあいさつ。
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新妻さんは、いつもながらキリリとしたスピーチ。

今回も勉強になったし、
小売流通業の存在価値を確認できた。

それが何より、うれしかった。

台風12号接近、上陸の恐れあり。
皆さん、気を引き締めて。

<結城義晴>

2011年08月29日(月曜日)

野田佳彦新総理誕生! アヌーガ訪問、電通での夏のレクチャー「震災後の消費と米国最新トレンド『融合』」

Everybody! Good Monday!
[vol35]

2011年第35週、
8月最後の週にして、
9月のスタートの週。

とはいっても、昨日、一昨日と、
日本国の総理大臣が決定される日で、
日本中騒然とはいかないまでも、
メジャー・マスコミは大はしゃぎ。

今日の民主党代表選挙、
国会議員による投開票の結果、
野田佳彦財務大臣が当選。

もう決まったことだから、
ガタガタ言わず、
野田さんに任せ、
全面協力をして、
大震災後の復興・振興と、
原発問題解決に邁進したいもの。

今朝の日経新聞「景気指標」のコラム。
大林尚編集委員が、
「雇用と投資が増え始めた」と書いている。
この中で、仙台経済同友会の大山健太郎代表幹事の言葉を引く。
大山さんはアイリスオーヤマ社長。
「復旧は素早く、
復興は時間をかけて議論を」

いいですね、大山さん。

民主党政権3人目の野田首相は、
「真の『地域主権』を推し進めるかどうか」

日本経済全体を見る場合、
「雇用と企業の設備投資に着目」する必要がある。

総務省労働力調査では、
6月に雇用者が前年同月比で56万人増。
医療・福祉33万人、建設業16万人、製造業11万人。

一方、設備投資は日本政策投資銀行の調査結果では、
「製造業の今年度計画は、
昨年度実績比12.5%の大幅増」

投資動機で一番多いのは、
「維持補修が過去最高の22.4%」
次は「その他」でが15.3%。
これは「自家発電設備の購入など」。

総務省穴山真産業調査部長のコメント。
「設備投資が増える年としては、
異例の傾向だ」

雇用と設備投資には、
明るい光が見え始めた。

明日指名される野田首相のもと、
何が何でも、「復興・振興」を目指したいし、
国民の一人として、
公私を通じて、このことに貢献したい。

そこんとこ、よろしく!
矢沢永吉でいってみよう。

さて今週は、
月曜から水曜までで8月が終わり、
木曜日から9月。

2月末決算の企業は、
震災後最初の半期決算の締めであるし、
3月末決算の企業は、その1カ月前。
マネジャーたちは、何かと忙しい。

9月からの新しい期に向けて、
気持ちを新たにして臨みたい。

さて今日は、朝から、
東京・麻布十番のケルンメッセ㈱へ。
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ゼネラルマネジャーの高木誠さんと情報交換とお願い。
10月にMDD会でドイツ・ケルンの「アヌーガ」を訪問する。

ドイツ・ケルン市のアヌーガは、
毎奇数年に開催される世界最大の食品展示会。
昨年は偶数年で、
フランス・パリで「シアル」が開催された。
今年はアヌーガの番。

シアル、アヌーガ、
シアル、アヌーガ。

こうして欧米の食品展示会は世界中から、
エキジビターをビジターを迎える。

アヌーガへの出展は、1年前にはほぼ満杯となる。
つまり昨年11月のシアル終了時点で、
アヌーガも満小間売却済みとなる。
あとはキャンセル待ち。
そしてこの展示会は、
十二分に商談の成果を生む。

今年私たちは、商談のためにアヌーガを訪れる。
向こうでレクチャーなどをお願いした。
ご協力に、心から感謝したい。

その10月の終わりには、
商人舎第10回記念USA研修会が開催される。
私の10月、ひどく忙しい。

商人舎研修会は、
経営戦略スペシャル編(10月28出発)と、
商品戦略マーチャンダイジング編(10月30日出発)。

申し込み締め切りは、
9月8日木曜日。
そこんとこ、よろしく!

今日の午後は、汐留の㈱電通本社へ。

毎年、夏の終わりに電通社員に向けてレクチャーをする。
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講義前に、事務局の面々と打ち合わせ。
私の隣は電通きっての流通通・土井弘さん。
後ろは右から、
ストラテジック・プランニング局チーフ・プランナーの吉田健太郎さん、
電通総研ナレッジ・センター情報サービス部長の望月裕さん、
同じく主任研究員の中谷俊介さん。

吉田さんは立教大学大学院ビジネスデザイン研究科7期生で、
私のサービス・マーケティングを履修してくれた。
ほんとうに久しぶりの再会で、うれしかった。

私のレクチャーのテーマは、
「米国&日本小売流通業の最新動向と震災の影響」
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日本とアメリカのチェーンストアの動向を、
アップデートした情報をもとに総ざらいし、
そのうえで、東日本大震災後の日本の消費トレンドを語った。
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その時の視点は、非常時の5段階ごとの対応と、
コモディティ&ノンコモディティ・マトリックス。
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最後に、「最新テーマは融合」。
外食と内食の融合を顕著に示す「イータリー」、
そして医食同源の融合「デュアン・リード」。

2時間15分のレクチャー、
まだまだ時間が足りないくらい。
ご清聴を感謝したい。
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この間、民主党代表選ののことは、
全く頭をかすめもしなかった。
私の講義の間に、
野田さんの代表就任が決まっていた。

夏の終わりの大熱演。
私は、蝉ではありません。
しかし声を嗄らして、何かを訴えたかった。

そんな夏が終わろうとしている。

皆さんも、夏に心残りなきよう、
あと3日を充実させて生きてほしい。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年08月28日(日曜日)

ジジと残暑[2011日曜版vol35]

まだまだ、あつい。
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おひるねです。
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残暑、
おみまい、
いたします。

西日がながくなった。
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おひるねは、
きもち、いい。
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でも、いま、
いちばんきにいってるのは、
ピアノの下。
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床がつるつる、ひんやり。

午前中は、ここにいたりします。

ユウキヨシハルのおとうさん、
きのうはrikkyoでした。
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まずは、研究室にいった。
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夏休み中だから、
部屋にはいるまで、
3回もカードでドアをあけた。。
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しずかなキャンパスと、
しずかな研究室。
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やすみのときの大学、
おとうさんは、だいすきです。
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きのうは、ビジネスデザイン・フォーラム。

はじめに記念礼拝があって、
そのあと研究発表会。
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結城ゼミのアサカワさんが発表。
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とても、よかった。
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ゼミ生の活躍を、
おとうさんはとても、
よろこびます。
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そのあと、片山さつきさんの講演。
このときゼミをやってました。

それから夕方に懇親会。
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会場は、第一食堂。
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rkkyo伝統のメイン・ダイニング・ホール。
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ここで食事をし、交流しました。
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片山さんをかこんで写真。
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おとうさんも、ごあいさつ。20110828182755.jpg

最後にはいつも、これです。
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結城ゼミのみなさんと、
いっしょ。
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コダマさんとイノマタさん。
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もうちょっとだけ、
残暑がつづきます。
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みなさんも、
すずしいところで、
おひるねなど、
いかがですか。

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それから、
元気がでるナカマと、
こころの交流。

夏のおわりには、
これがいちばんかも、
しれません。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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