結城義晴のBlog [毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年5月9日(水曜日)


目玉は、
どっち向きについている?

前だ。

光の射す方向が、
前だぜ。

糸井重里さんが、
『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」に書いている。

東北の被災したともだちに、
メールを送って考えたこと。

読売新聞の巻頭コラム『編集手帳』。
「社長が従業員に告げた。
『今年の給与は50%アップになる』
『昨年比ですか?』
『来年比だ』」。

月刊『東京人』4月号に、
名越健郎さんが紹介する世界のジョーク。

コラムニストは、言う。
「今日よりも明日が暗く、
今年よりも来年の経済が案じられる」

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

これは結城義晴の言葉。

前向きに、
ポジティブに、
それでいて、
焦らず、一歩ずつ、
行きたい。

日経新聞に「投資家バフェットの流儀」。

アメリカの投資家ウォーレン・バフェット氏(81歳)。
投資会社バークシャー・ハザウェイのCEO。
「一代で世界3位の富豪に上り詰めた『オマハの賢人』」。
その株主総会には世界中から3万5000人が参集。

総会は、投資家たちの年に1度の「お祭り」。
7時間におよぶロングラン。
会議場を埋め尽くした株主らからの質疑応答は、
「バフェット白熱教室」のよう。

「気に入った企業に投資するとき、
マクロ経済の状況は議論しません」。

「今後10年にわたり、
収益力と競争環境を保てると思える企業を選びます」

これは企業そのもののビジョンと直結する。
「『株式』を買うのではなく、
本当に気に入った『事業』を永久に保有するつもりで、
集中投資する」

私自身は、株式をはじめとして、
投資は、一切やらない。
ジャーナリストとして判断を間違うことになるからだ。

しかし企業活動を研究する者として、
バフェット氏の視点には共通するものを感じる。

バークシャーが株を保有する企業、
コカ・コーラ、IBM、ウェルズ・ファーゴ、
アメリカン・エキスプレス、
P&G、クラフト・フーズ。
そしてウォルマート・ストアーズ。

「バフェット流株式投資の鉄則」が、
記事には掲載されている。
①事業内容を自分で理解できる会社にしか投資しない
②長期に収益を上げるブランド力の強い企業を選ぶ
③成長性より安定性を重視する
④変化が激しく先の読めない業界への投資は避ける
⑤投資のための借金はしない

まったくもって、企業経営活動そのものに通じる。

最後に、金(ゴールド)への投資に関しての考え方が面白い。
「あなたが金を1オンス買ったとして、
100年経っても1オンスのままですよ」

ウォーレン・バフェット氏は81歳になっても、
前を向いている。

さて昨日、今日の私の行動をさかのぼる。
明日はアメリカに発つが、
そのため、今日は朝から横浜の商人舎オフィス。

午後、㈱紀文食品社長室担当部長・山本真砂美さんと、
商品企画五課課長の堀内慎也さん来社。
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先のことになるが、9月4日・5日に、
「紀文正月フォーラム2012」が開催される。
場所は、昨年同様、東京・時事通信ホール。

今年、私は、2日とも、講演する。
今年末商戦、来年の年始商戦に対する考え方を述べる。
紀文からも提案がある。

是非、ご参加いただきたい。

山本さん、堀内さんとは、
その打ち合わせ。

そして昨日は、昼から千葉県の幕張本郷。
メイプルイン幕張。
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イオンビジネススクール
SM事業コースの巻頭講義。
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イオングループのスーパーマーケット事業は、
いまや1600店、2兆1000億円となる。

全国のマックスバリュ各社、
それにカスミ、いなげや、ベルク、
マルエツ、光洋、イオンキミサワ。
昨年11月からは、
四国・中国地方のマルナカグループが加わった。

日本で唯一のスーパーマーケットのナショナルチェーンである。

このスーパーマーケット事業部隊の店長、バイヤーが90人。
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午後1時から3時間。

私のテーマは、
「商業の産業化・現代化と知識商人の役割」

イオンビジネススクールといっても、
私は持論を展開する。

日本商業の現代化は、
「新しい森」づくりに似ている。

CWニコルさんの影響を受けて、
「新しい森」と表現している。

その新しい森には、
大木もあれば、
中小の木々も生息している。
草花も息づいている。

ニコルさんが購入して、再生したアファンの森。
それは賢くて謙虚で忍耐強い人間によって蘇生された。
現在「アファンの森財団」となっている。

日本商業の現代化は、
この「アファンの森」づくりに似ている。

イオンもセブン&アイ・ホールディングスも、
そしてローカルチェーンも、
インディペンデントも、
店頭では競争しながら、
全体として俯瞰すると、
あたらしい「アファンの森」となっている。

それが商業の現代化である。

昨日の講義ではこんな話はしていないが、
しかし背景にはこの考え方がある。

途中、10分の休憩をはさんで、
3時間。
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日本商業の現状と課題、
マネジメント理論の変遷など、
マーケティングとイノベーションにとって不可避の内容を語った。
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あまりに熱が入って、
最後には声がかれた。

イオン・ピープルとしてのインテグリティ。
是非とも守り続けてほしい。

それが商業の基幹産業化に貢献することになる。

講義が終了してから、
イオンビジネススクール担当の石川大元さんと写真。
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お疲れ様でした。

この後、石川さんから本をいただいた。
小嶋千鶴子著『あしあと』。
伝説の名著。
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私は㈱商業界時代にこの書を手にして、
会社で読んだ覚えがあるが、
所蔵はしていない。

イオン名誉会長の岡田卓也さんの姉上が、
著者の小嶋さん。

戦前の1937年には、
イオンの前身㈱岡田屋呉服店代表取締役就任。
1972年にはジャスコ㈱常務取締役就任。
ジャスコ、イオンのマネジメントの基礎を築いた人だ。

その半生を振り返った手記が『あしあと』。

「お礼のことば」と題された前書きにある。
「経営書ではピーター・F・ドラッカーに、
一番傾倒しています」

そう、イオンは、ドラッカーの哲学をもとに、
マネジメントの骨組みがつくられている。

この本の第4章「おぼえがき」には、
こんな小見出しが並ぶ。
「企業の発展力は人」
「部下を信頼する」
「得手とするところを把握する」
「人の長所をどう引き出すか」

これらはすべて、ドラッカーの考え方と一致する。

そして、この本の最後のところに、
「大切なこと」と題して、
短い添え書きがある。

「危険は絶えず繰り返す。
兆候は先づ在庫の過剰に現れる」

「利益が商品にあるのではなく、
利益は回転の速度によって決まるのである」

「回転の速度は、
お客様の心をよく
読むことによって維持される」

そして最後の最後に、ある。
「簡単なことが一番むつかしく
そして努力の要ることなのである」

小嶋千鶴子さん、96歳。
いまだにシャキッと背筋を伸ばして、
前を向いて生きている。

心から感謝。

新しい森づくりに、
小嶋さんの教訓は、
忘れられない。

<結城義晴>

2012年3月29日(木曜日)


日経新聞最終面『私の履歴書』。
大和ハウス工業㈱会長の樋口武男さんが面白い。

もうあと連載は3回となってしまった。
今朝の稿は、故石橋信夫オーナーの言葉。
樋口さんは石橋オーナーの言葉を、
神の啓示のように信じきっている。

それが経営者として、
「ぶれない、逃げない、迷わない」に、
つながっている。

その石橋語録。
「運のいい人と付き合ってくれ」

野村明雄現大阪ガス相談役、
カネカの古田武相談役、
住友金属工業の下妻博会長、
ダイキン工業の井上礼之会長。
関西の財界人の名前が並ぶ。

「本当にすばらしい方々とお近づきになれた」
樋口さんが述懐し、
最後の落ちをつける。

「数々の貴重な縁を結ぶことができた私が
一番幸運な人間だ」

「運のいい人」
みなさんのまわりに、
いるだろうか。
みなさんは、そういった人と、
付き合っているだろうか。

もちろん世の中には、
運のいい人、悪い人、
様々だ。

宝くじに当たる人は、運がいい人か。
そうでもないだろう。

ホールインワンを何度もする人、
運がいいか。

石橋オーナーは、
「経営において運がいい人」と、
言いたかったに違いない。

自分が目指す分野で、
運がいい人。

アマゴルフ界の至宝と言われた故中部銀次郎は、
「平均の法則」を唱える。
運も、結局は、「平均している」と。
中部の場合、ゴルフにおいてだけれど。

平均化しているならば、
何かにおいて、すごく運がいい状況が生まれ、
何かにおいては、不運が続く。

そして自分の専門分野において、
ひたむきな人に、
きっと、女神がほほ笑み、
そこに運が集中するのだろう。

それを「運がいい」と表現するのだと思う。

中部が最も恐れる相手は、
「神の手を信じてプレーする者」だという。

神の手を信じてひたむきに突き進む。
そんな人間に運の女神がほほ笑む。

チェーンストア・エイジ編集長の千田直哉さん。
商人舎ホームページの「なんでもリンク集・知識商人の輪」でも、
上から3番目にリンクしてあるが、
“Paper Blog+”というブログを書いている。

3月27日から今日までの3日連載で、
「ファーストリテイリング柳井正会長兼社長インタビュー」を掲載。
この柳井さんの答えが、いい。

「何のために商売をしているのか?
それがない店舗やチェーン、ブランドを
お客さまは信用しないでしょう」
これは、経営理念の重要さを語っている。

「日本のチェーンストアの一番悪い点は、
ぶれることです。
あっち行ったり、こっち行ったり。
結局は、そういう大志とか、信念とか、
自分のビジネスモデルのイメージがないからでしょう」

Boys, be ambitious!
クラーク博士が、現在の北海道大学の前身・札幌農学校を去る際、
馬上から投げかけたとされる有名な言葉。

このAmbitionこそ、
柳井さんが言う「大志」

「僕は、商売、また経営者としての仕事が大好きなので、
『これでいいや』と考えることはありません。
ビジネスが趣味のようなものです」

「確かに起業家の中には、お金を儲けて、
引退して、ゆっくり暮らそうと考える方がいるかもしれない。
けれども、僕はもうこれを一生やろうと考えているから、
そこは大きく違うと思います」

「仕事をするのは経営者ではなく社員です。
だから言葉として伝えないかぎり、
社員はどう動いていいのかわからない」

ファーストリテイリングには、
「FAST RETAILING WAY」がある。
名刺大のプラスチックカードに印字して全社員に配布されている。

「僕は大規模事業に臨むに当たっては、
大志とか、経営の原理・原則や価値観や使命について、
全員が共有すべきだと考えているからです」

ファーストリテイリングの「服の定義」。
ユニクロの服とは、
服装における完成された部品である。
ユニクロの服とは、
人それぞれにとってのライフスタイルをつくるための道具である。
ユニクロの服とは、
つくり手ではなく着る人の価値観からつくられた服である。
ユニクロの服とは、
服そのものに進化をもたらす未来の服である。
ユニクロの服とは、
美意識のある超・合理性でできた服である。
ユニクロの服とは、
世界中あらゆる人のための服、という意味で究極の服である。

グローバル展開のために英訳版がつくられた。
日本文学者マイケル・エメリックさんと毎週協議をし、
1年間の歳月を費やして、英訳。

英語版のなんとシンプルなことか。

Uniqlo is the elements of style.
Uniqlo is a toolbox for living.
Uniqlo is clothes that suit your values.
Uniqlo is how the future dresses.
Uniqlo is beauty in hyperpracticality.
Uniqlo is clothing in the absolute.

柳井さんは述懐する。
「英文化することによって、また
日本語版も進化していくことを期待しています」

千田編集長の質問。
「将来的には『《ふだんの服》のSPA型専門店』は、
《ふだんの住生活》《ふだんの食生活》に再度、
広がっていく可能性はあるのですか?」

これに対しては、きっぱり。
「いや、もう服だけに徹したいと考えています。
われわれが期待されているのは服なのですから」

そして近い将来伸びそうなカテゴリーを語る。
「現在、世界中の服でもっとも新しくて、未来を感じる服は、
スポーツウェアです。
だから、できればスポーツウェアを超えるものをやりたい」

最後に、後継者問題。
「僕は創業者であり、会長兼社長であり、
オールマイティで、1人でやっていますが、
今、僕がやっている仕事は、
次の世代の人は1人ではできないと思います。
だからたぶんチーム経営に移行すると思います」
どんな会社も創業者やカリスマの後を継ぐのは、
集団である。

「もちろん代表者は必要なので指名します。
けれども、社長のあり方は今、
僕がやっているものとは異なる性質のものになっていくはずです。
その中でも社長を決めて、チーム経営に移っていって、
僕は会長職に専任するという格好のバトンタッチになると思います」

そのリーダーの条件。
「企業とか、店とか、ブランドとか、
社員に対する思いが強いような人なんじゃないですか」

そして結論。
「大志がないといけません」

そのambitionとは。
「絶対、世界一にはなりたいということを、
最後まであきらめない人じゃないといけませんね」

私は、この「大志を持つ人」こそ、
「運のいい人」だと思う。

だから石橋さんの言った「運のいい人」とは、
楽して運が転がり込むラッキーな人では、断じてない。

志を立てて、
最後まであきらめない人。

そんな人が結局、
「運のいい人」となる。

さて、「運のいい人」
みなさんのまわりに、
いるだろうか。
みなさんは、そういった人と、
付き合っているだろうか。

最後に昨日の報告。
つれづれ日記は名古屋へ。
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食品包装資材の専門商社㈱折兼の展示商談会で講演。
折兼は明治20年、駅弁用折箱の製造販売から始まり、
専門商社として今年、設立60周年を迎える。
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場所は名古屋駅前のウインクあいち。
展示商談会場はその7階。
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記念の展示テーマは、
「見て。聴いて。さわって。いいもの発見!」

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スーパーマーケット、外食産業など、
中京圏の取引先が集まり、
ごらんのとおり、大盛況。
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部門別、容器別、販促別の容器提案がなされていた。
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記念セミナーは5階の会場で15時からスタート。
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会場の外では、
私の写真入りの案内ボードをもった人たちが誘導。
ちょっと恥ずかしい。
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この日の講演は、
㈱プログレスデザインの西川隆社長をゲストスピーカーに迎えて、
「2012スーパーマーケットの業態&フォーマット戦略」がテーマ。
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会場はほぼ満席。
ありがたい。
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はじめに、難しいテーマであることを強調。
その難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く、

語る。
結城節。
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プロローグは東日本大震災で再認識された小売業の役割。
本論は、スーパーマーケットの歴史から入る。
1930年のマイケル・カレンの第1次革命、
1980年代初頭の「第2次革命」、
小売業のライフサイクル、業態のライフサイクルと、
業態の多様化、フォーマット開発の進捗。
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マルチ・フォーマットの事例を、
欧米の画像を見てもらいながら、解説。

シングル・フォーマットの幸せを享受できる企業群、
マルチ・フォーマットでドミナント戦略をとる企業群、
マルチ・バナーで多数の商勢圏を獲得する大企業、
結果として全体で、業態の多様化が進んでいく。

ポジショニング戦略とフォーマットの重要性、
ご理解いただけただろうか。

途中、ゲストスピーカーの西川さんが、
いかに店づくりに、企業戦略が投影されるのか。
その具体的な事例を紹介しながら、
簡潔に講義してくれた。
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独自性のある店舗づくりは、
企業を変え、店を変え、人の流れを変える。
元気になる店舗づくりの事例として、
大阪の佐竹食品の映像を見せてくれた。
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そして最後のまとめ。
フィリップ・コトラーの競争戦略論から、
脱落するマーケット・フォロワーではなく、
マーケット・リーダー、マーケット・チャレンジャーであるか、
もしくはマーケット・ニッチャーのポジショニングが大事である。
強調して、講演を終えた。
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ご清聴、こころから感謝。
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講演会終了後、
プログレスデザインの営業企画部長・柳本浩三郎さん、
ゼネラルマネージャーの福田真由美さんを交えて、
西川隆さんと懇談。

西川さんとは昨年の商人舎USA研修会Basicコースで、
アメリカにご一緒した。

コーネル大学のスーパーマーケットのポジショニングの第1に、
店づくり、レイアウト、内装、照明がある。

この面から西川さんは仕事していて、
アメリカでも熱心に勉強し、
講義もしてくれた。

昨日は2人のコラボレーション。
とてもよかった。

「運のいい人と付き合え」
西川さんと結城義晴の付き合いは、それだ。

互いに「ambition(大志)」を抱きつつ、
integrity(真摯さ)を大切にしたい。

<結城義晴>

2012年3月14日(水曜日)


今日はホワイトデーだった。
百貨店などの売場は盛り上げようと必死だったが、
みなさんの店ではどうだっただろうか。

さて朝日新聞の『CM天気図』。
雑誌「広告批評」主宰者の天野祐吉さんのコラム。
天野さんはマドラ出版の社主でもある。

アメリカの歴史学者ジョン・ダワーさんの言葉を引く。
「大きな災害や事故が起きると、
すべて新しく創造的な方法で
考え直すことのできるスペースがうまれる。

いま日本はまさにその時だが、
もたもたしていると、
そのスペースはまた閉じてしまう」

ダワーさんはマサチューセッツ工科大学教授で、
奥さんが日本人という親日家。

東日本大震災後のこのジョン・ダワーさんの言葉、
天野さんの心に突き刺さる。

そして天野さんは、
広告やCMが想像力を発揮していないと残念がる。

「世の中を動かしていく気のない
ノーテンキなCMをなんとなく見過ごしているうちに、
ダワーさんの言う『スペース』は、
日に日に小さくなっていく」

私は思う。

小売業・サービス業は、
否応なくこのスペースを埋めている。

そこに新しい創造も生まれている。
広告よりも地に足がついているからだと思う。

しかしもっともっと想像力を働かせて、
イノベーションを起こすことができる。

小売流通・サービス業における「スペース」は、
まだまだ閉じてはいない。

さて昨日は、「ドール経営者セミナー」。
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㈱ドール主催の講演会。
そして一般社団法人ファイブ・ア・デイ協会が協賛。

会場は、東京・水天宮ロイヤルパークホテル。
スーパーマーケットや青果卸売企業のトップマネジメントが参集。

第1部講演会では、
カスミ会長の小濱裕正さんが開会の辞。
小濱さんはファイブ・ア・デイ協会会長でもある。
もちろん商人舎発足の会発起人のおひとり。

講演者紹介は、
ファイブ・ア・デイ協会理事長の池田健太郎さん。
池田さんにはCDオーディオセミナーにご出演していただいて、
その見識の高さに触れた。

講演は4部構成で、
講演1は、㈱インテージ会長の田下憲雄さん。
テーマは「小売業マーケティングの課題」

講演2は同じくインテージ社長の宮首賢治さん。
田下さんの講義に続いて、
「データ活用事例」を紹介。

講義3が結城義晴。
「知識商人(Knowledge Merchant)の経営作法」
私は自分の講演の40分ほど前に到着し、
準備をした。
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そして、80分の講演。
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マーチャンダイジングに関連する潮流や消費の実態、
そしてナレッジ・マネジメントの在り方など、
持論を展開。
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ピタリ、80分で収めた。

小濱さんを始め、
周知のトップの皆さんが聞いてくださっていたので、
気合も入ったし、安心して語ることができた。

自分でも、上出来の講演だったと思う。

私はいつも、
「この講演・講義が人生最後のものだ」と考えて、臨む。
今回も、変わらぬ気構えだった。

講義4は、C・W・ニコルさん。
ご存知、作家、評論家、コメンテーター、社会運動家。
いただいた名刺には、こうある。
「一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団理事長」

ニコルさんは1940年、英国ウェールズ生まれ。
1962年に空手の修行のため初来日。
1980年、長野県に居を定め、
執筆、環境保護、探検活動を続ける。

長野県上水内郡信濃町に荒廃した森があった。
ニコルさんは荒れ果てた里山を購入し、
26年かけて、人の手によって再生。
『アファンの森』と名付けた。

ニコルさんのテーマは、
「心に木を植える~人と自然の共生~」
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アファンの森の映像や音響を盛り込んで、
素晴らしい40分の講演だった。

ニコルさんの話をダイジェストしよう。

最近の子供たちは、自然の中で育っていないから、
落ち着きがない、我慢できない、集中できない。
こんな症状を、
「ネイチャー・ディフィシェンシー・シンドローム」と呼ぶ。

本来、子供は自然に触れると、
五感を使って探検をする。
しかし今の子供はバーチャルの世界の中で満足している。
男は18歳になっても 腕立て伏せや懸垂ができない。
斧やマッチが使えない。本当の話だ。

30年前、黒姫に住み着き、山を知りたくなった。
猟友会に参加して山歩きをすると、
原生林が切られていることがわかる。
山の斜面を丸坊主にすると、鉄砲水が起こる。
雪解け水で地滑りを起こす。
食べ物が減り、熊が出没して、畑を荒らす。
森の大切さ、森の知恵を猟師たちから学んだ。

一方で、日本の自然が破壊されている。
山の奥のゴミ捨て場は不法投棄、産業・医療廃棄物がひどい。
こうした日本の現状は、悲しい。

1966年、自分の生まれたウェールズで、
石炭採掘からでたボタ(捨石)を捨てた山が地滑りして、
中学校を襲い、121人の子供が死んだ。
政府は、ボタばかりの森を再生し、
5%の森林面積を60%にまで広げた。
カワウソやサケが戻り、豊かな自然がよみがえった。
いまは、故郷を誇りに思っている。

日本でも同じだ。
「アファンの森」づくりをして26年。
現在9万5000坪の森には、
29種の絶滅危惧をはじめとする多くの動物、
196種類の植物、137種の山菜がある。
生物多様性のある自然は、癒しの場所でもある。

ドイツの森林面積は日本とほぼ一緒だが、
ドイツは100万人の森林従事者がいる。
それに対し、日本は5万人しかおらず、しかも高齢者ばかり。

人間が荒らした自然は、人間が手入れしなければならない。
全国的な活動をすすめるために『アファンの森財団』を創設した。

この財団では、虐待を受けた子供たちを、
年に5回、森に招き、自然に触れさせている。
トラウマのある子供たちが森に入ると笑顔になる。
東日本大震災の被災した東松島の人たちも招いた。
それが縁で、今、東松島の藪を切り開き、
高台に木造校舎を作ろうという復興計画がある。
木造であっても設備はハイテクで、自然と共生する学校。
出来あがったら、国内、カナダ、インドなど、
海外の学校とネットワークを作っていく。
そんな構想がある。
私は残る人生をこの仕事にかける決意だ。

傷口を癒し、心をたくましくし、健康的にする。
自然の力は強い。

私は、ニコルさんの話に感動した。

そして大きなヒントをいただいた。
「小売業は森である」
そう、言い続けている。
本にも書いた。

その森は、人の手によって、
再生された生きた森でなくてはならない。

荒廃した森にしてはいけない。

講演が終わると、主催者あいさつ。
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㈱ドール取締役副社長の渡辺陽介さん。

その後第2部は懇親会。
ニコルさんと話した。
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ニコルさんはウェールズに、
いいスーパーマーケットがあるという。
木造の店、木製のカートまである。
私は早速、訪れることを約束した。

もちろん、日本にも木造の店舗があることを、
ニコルさんに言った。
例えばダイナムの店は木造だ。
その店は東日本大震災にも負けずに残った。

ニコルさんも答えた。
「木造は強いのです」

そのニコルさんと小濱さん。
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小濱さんと私。
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和やかな交流会だった。

商業経営問題研究会のセイミヤ社長・加藤勝正さん。
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キョーエイ社長の埴渕一夫さん。
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写真をとることはできなかったが、
スーパーマーケットの社長職にある人だけでも、
名前を列挙させていただく。
マルト社長の安島浩さん、
丸久社長の田中康男さん、
与野フードセンター社長の井原實さん、
セルバ社長の桑原孝正さん、
コーネル・ジャパン3期生のタカヤナギ社長の高柳智史さん、
大阪屋ショップ社長の平村秀樹さん、
紅屋商事社長の秦勝重さん、
モリー社長の冬頭守雄さん、
それにエレナ社長の中村國昭さん。

みなさん、ご清聴、心から感謝します。

ニコルさんの活動は、
震災で生まれたスペースを、
創造的に作り直している。

私たちも、小売流通の世界で、
それに負けてはいられない。

<結城義晴>

2012年3月10日(土曜日)


3月11日。
明日、
あなたは何をしていますか?

私は、今日から、
立教大学新座キャンパスの太刀川記念交流会館。
ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ、
その2012年新年度のキックオフ・ミーティング

新ゼミ生7人と、
結城ゼミのOB・OGが集まって、
研究に対する考え方や方法をレクチャーし、ヒアリングする。

集まって、議論したり、交流したり、
絆を確かめながら、3月11日を迎える。

私は「モノを考え、モノを教える」役目を果たしながら、
東日本大震災が起こった同じ日を過ごそうと思う。

亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。

さて日経新聞の「人こと」欄に、
イオン㈱岡田元也社長が登場。

その発言が衝撃的だ。
「ビジネスモデル自体が変わった」

震災後に消費トレンドが変わるとか、
商品が変わるとか、
売り方を変えよとか、
さまざまな論議がある。

しかし東日本大震災のあとには、
被災地とその付近で、
「業態」や「フォーマット」の変化、変貌が起こる。

例えばドラッグストアが食料品、それも生鮮食品や日配、惣菜を拡充。
コンビニエンスストアでは主婦や高齢者の顧客が増加。

だから、「東北での事業展開は
既存業態にとらわれていては対応できない」。

そんなところから新しいフォーマットが誕生する。
私はそう思う。

岡田さんが語った場は、
仙台市で開かれた従業員の集い。

東北地方に関して、「市場として飽和感があった」が、
復興投資で「東北は成長地域に変わる」
岡田さんは、こう強調。

この日は東北エリアの新卒内定者が80人、参加していた。
彼らに対するエール。
「被災地での仕事は、
人々の命を支える小売りの原点を学べる。
恵まれていると思ってほしい」

私も、思う。
東北の子供たちは、きっといい大人になる。
東北の新入社員は、いい知識商人になるに違いない。

さて、先週末に行ってきた台湾旅行
結城ゼミ3期生の修了旅行。

観光編をちょっとだけ紹介。
まず、台北101
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行ってみると、
上の方は雲に煙っている。

高度382メートル。
89フロア。
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下界も煙って、
見えにくい。
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しかし下に降りてきたら、
なぜか、ピカピカの晴れ。
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残念。

中正紀念堂。
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中華民国(台湾)の建国者・蒋介石の史跡。
台湾では「蒋中正」と呼ばれる。
だから中正紀念堂。

蒋介石の像は、
ワシントンのリンカーン記念堂とそっくり。
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自由広場の両側には戯劇院=オペラハウス(左側)と、
音楽庁=コンサートホール(右側)。
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紀念堂の反対側に、
自由広場
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中正紀念堂を背景に写真。
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自由広場の門を背景に写真。
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さらに国立故宮博物院
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美術品数合計60万8985件。
世界四大博物館のひとつ。

こちらのロビーには孫文の像
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ここでも写真。
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新北市にある淡水区。
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ウォーターフロントの観光地。
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ここで舟に乗って、対岸に渡る。
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そしてムール貝の専門店。
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極めて美味。

ここでも写真。
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最後は九吩
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映画「千と千尋の神隠し」のモデルとなった観光地。
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ノスタルジックな坂の街。
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この街で最も見晴らしの良い店。
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おいしい中華料理と台湾ビール。
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一番最後の写真は、ホテルで。
全聯福利中心の初貴民さんを囲んで。
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台湾は、「世界で一番日本のことが好きな国」。
みなさんも、いちど、訪れてください。

私がお薦めします。

観光もよいし、流通小売り・サービス業の勉強にもなる。

では。

<結城義晴>

2012年2月25日(土曜日)


今月の商人舎標語。
一心不怠 成長無限。

常にこの心持で、
何事にも邁進したい。

昨日から細貝理栄さんとご一緒。
第一屋製パン㈱代表取締役社長。
商人舎発足の会の発起人のおひとりでもある。
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その細貝さんの第一屋製パン。
トヨタ生産方式(TPS)によって、
目覚ましい成果を上げている。

成果は2011年12月期決算に如実に表れた。
連結最終損益は従来予想3億5000万円の赤字だったものが、
3500万円の黒字へと転換。

細貝さんは語る。
「提携する豊田通商から専門家400人の派遣を受けた。
昨年4月に主力工場でTPSを導入。
それを全工場に広めた。
人の配置や製造工程、発注プロセスの見直しなどを、
地道に地道に重ねた」

「何も難しい言葉は使わない。
しかし小さな改善を徹底して行う」

まさに「一心不怠」。

「トップが率先して改善に取り組んでいるが、
上からの命令ではなく、
現場がやる気になっている」

この工場段階でのTPSは、
今後、営業現場や業務管理にも活用される。

マネジメントは大きく5つに分けられる。
第1がストラテジック・マネジメント。
経営戦略に関するマネジメント。

第2がプロダクト・マネジメント。
これが製造業の場合、
工場現場におけるマネジメントで、
第一屋製パンはこのイノベーションを果たした。

小売業ではオペレーション・マネジメントと呼んでいい。
サミットのレイバースケジューリングは、
オペレーション・マネジメント改革の成功例だ。

第3は、マーケティング・マネジメント。
フィリップ・コトラーの言う如く、
「マーケティングは組織で行う。
従って、マーケティング・マネジメントが重要になる。」

第4はフィナンシャル・マネジメント。
財務に関するマネジメント。

そして第5がヒューマンリソース・マネジメント。
組織で働く人間、経営する人間に関するマネジメント。

細貝さんは、第2のプロダクトマネジメントを、
TPSによって成し遂げ、
それを組織文化に変えようとしているのだと思う。

さて、昨日の続きのフランスのピカール。
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冷凍食品の商品開発・デリバリーから小売りまで、
一貫した事業を展開。

いわばユニクロの冷凍食品版。

ご覧のように、アイスクリーム・ケースがずらりと並んだような店内。
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リーチインケースではないところが、
ピカールの特徴。
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延々と冷凍ケースが並ぶ。
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825店すべてが標準化された店づくり、売り場づくり。
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ワンウェイコントロールの客動線。
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店外とはガラスで仕切られ、
あかるい雰囲気をつくる。
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青果・シーフード・精肉、半加工品、乳製品、パン、惣菜、デザート、菓子。
スーパーマーケットの食品部門で、
冷凍化できるものはほぼすべて1000品目の中にある。
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オペレーションは、ケースの中に陳列するだけ。
しかも生鮮食品やデイリー食品と比べて、
鮮度管理も楽だ。
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生鮮食品は、鮮度のいいうちに瞬間冷凍すれば、
むしろ生鮮のまま流通させるよりも、
鮮度レベルが高い。

顧客からも「ピカールは鮮度がいい」と評判。
そして「冷凍でもおいしい」。
いや、「冷凍だからこそおいしい」。

サインやPOPも洗練されていて、
しかもシンプル。
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商品名、価格がわかりやすく、
料理の写真も掲げられて、
メニュー提案がなされている。
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レシピはこんな感じ。
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平ケースであることの意味は、
店内の見通しの良さと、
このショーカードやPOPの見易さ。
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商品パッケージ・デザインにもフランス流の洗練ぶりが見られる。
カルフールやオーシャンのプライベートブランドとは、
どこか違っていて、量販商品というイメージがない。
しかし単品量販であることは間違いない。
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ピザは大人気商品で、
とてもおいしいそうだ。
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フランスのデータでは、
パリをはじめとした都市部に住む25歳~49歳の女性の約8割が仕事を持つ。
そんなワーキング・ウーマンたちに絶大な人気を誇る。

約1000アイテムの内訳は、
素材から半加工・加工食品・デザートまでの冷凍食品。
シーフード20%、青果20~30%、精肉20~30%。

1人用、2人用からファミリー用まで、
必要量に応じたパッケージングの商品が揃う。
さらに家庭での保存・使用方法などもレクチャーされている、。

半加工品は、「素材の皮をむいたり、切ったりする手間がはぶける」
ピカールは、冷凍食品の製造小売業。
だから製品製造は冷凍食品メーカーに仕様書発注される。

その委託メーカーは、
75%がフランス国内の企業、
25%がヨーロッパ、南米産もあるし、
最近はアジアの食材も品揃えを広げている。

価格は、値頃を追求する。
野菜やシーフードなどには、
生鮮食品の半額に近い商品がある。

さらに電話とインターネットによるカタログ注文販売にも力を入れる。
冷凍食品の強みを徹底的に発揮したビジネスモデルである。

ピカールは、もともとが氷屋だった。
それが戦後、冷蔵庫・冷凍庫の普及で、
そのハードウェアを売るとともに、
冷凍食品も売り始めた。

だからの特徴の第1は、
冷凍の専門家であること。

その強みを徹底的に活かす。

第2は、この店だけですべてが揃うことを狙わないこと。
つまりコンプリートストアであることを放棄したモデル。

近隣にカルフールのハイパーマーケットや、
カルフール・マーケットのスーパーマーケットがあったほうがいい。
補完関係の中で、冷凍食品は安くてうまい。

第3は小型店の多店化が実現されていること。
従って出店スピードは、速い。
フランスにはラファラン法という出店規制法規がある。
だから大型店は極めて出店しにくい。

ピカールの出店スピードは、いま、
図抜けている。

つまりリミテッドアソートメントストアということになる。

アメリカで言えば、トレーダー・ジョーと同じグループ。
従って、日本のコンビニとは対極にある小型店。

面白いフォーマットが発達したものだと、
つくづくと感心させられる。

<結城義晴>

2011年12月20日(火曜日)


金正日総書記死去
このニュースでいっぱい。
朝鮮民主主義人民共和国の動向に対して、
読売新聞『編集手帳』は、
「総身を神経にして不測の“魔”に備えつつ」

日経新聞『春秋』は、
「行く末に目を凝らさねばなるまい」

朝日新聞『天声人語』は、
「気の抜けない時がしばらく続く」

そして拉致被害者たちは。

さて、『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」。
糸井重里さんが毎日、書いている。

12月17日には、
「曲がったキュウリ」に対する考察。

「ぐねぐねと曲がったキュウリは、
消費者にとって『商品』として認められないという」

「曲がってようが、まっすぐだろうが、キュウリである。
しかし、『キュウリという商品』ではない、のだ」

そこで糸井さんは、
「『商品』ということば」に問題の焦点を当てる。

「『もの』として『サービス』としては成り立つけれど、
商品としては成り立たないというものが、
どんどん増えてきたような気がする」

「もともとは、『商品』として成立するかどうかではなく、
『商品」として競争力があるかどうかだったのだと思う」

「うちのキュウリは、曲がってないんですよ」
その「優位性」が強調されて、エスカレートし、
「やがて、『曲がってない』ことの優位を語るのではなく、
『曲がったキュウリ』を
競争に参加できなくさせてしまった

その結果、
「キュウリという『商品』の必要条件」が、
「『曲がってない』ことになってしまった」

さすがに糸井さん、鋭い。
そして糸井的視点。
「『商品』としては失格かもしれないが、
それは『キュウリ』でない、わけではない」

「曲がり方に芸があるとか、曲がってるほうがうまいとか、
そういう発見があれば、それは『商品』として復活する」

糸井さんは結論づける。
「キュウリは、
商品であろうとしなくても
キュウリだ」

かつてコープさっぽろが、
曲がったキュウリで、
格安の、おいしい漬物をつくって、売った。
大ヒットした。

曲がったキュウリも、
「価値のある商品」になることができる。

もちろん、商品にならなくとも、
キュウリはキュウリだ。

そのキュウリの本質を、
大切にしたい。

東日本大震災を経験した今年、
私もそんなことを強く感じる。

私たちのまわりに、
「曲がったキュウリ」は、
たくさんある。

昨日の日経MJ「フードビジネス」欄に、
大久保恒夫さん登場。
ご存知、セブン&アイ・フードシステムズ社長。

今回は、現業・本業でのコメント。
「反転攻勢 2012年の視点」

はじめに外食の需要を「底堅い」と表現。
「大きな流れでは家庭での料理の機会は減っていく」

昨日の夜、私は立教で、
サービス・マーケティングの講義だったが、
偶然にもテーマは、
「フード・サービスのサービス」

「1997年以降、
日本の外食産業は、
縮み続けている」
という話をしていた。

「『きずな』『ふれあい』といったキーワードでは、
特にファミリーレストランに需要がある」

「おいしい食事へのニーズは依然としてある」

「さまざまな価格を試し、
1000円を超えると売れないが、
700~800円なら売れるとわかった

昨日の講義で指摘されたのは、
従来の外食業態別の価格帯。

ファミリーレストランの中心価格帯は1000円、
カジュアルレストランは1500円~4000円、
ディナーレストランは5000円以上、
そしてファストフードレストランは500円

大久保さんは、ファミリーレストランは、
「1000円を超えると売れない」と指摘している。

価格帯が下がっていることは、
確か。

小売業や他の業態でも、
それは確かだ。

大切なのは、その次。
その価格帯で品質を高めたら
PRをしなくても既存店売上高が前年を超え、
客単価も上がった

これ、ほんとうに大事な話。
「これが『きずな消費』の相場かもしれない」

大久保さん、マネジメント面にも触れる。
「予測と管理を、
週単位から1日単位に切り替え、
個店の人時生産性を高める」

小売り・外食の経営の根本は、
人時生産性にある

これは、どんな業種・業態でも、
普遍の原則だ。

ただしレストラン・ビジネスは、
スーパーマーケットよりも、
コンビニに近いと私は思う。

さて昨日は、大久保さんの先輩でもあるが、
鈴木哲男さんが商人舎オフィスを訪れてくださった。
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ご存知、「52週マーチャンダイジング」で、
超有名となった経営コンサルタントだが、
イトーヨーカ堂のご出身。

超多忙な鈴木さんは、㈱REA代表取締役。
コーネル大学RMPジャパンの講師もお願いして、
この面でも大久保さんと同じ。

私は35年前に、鈴木さんが、
同社の「花のRE(リテール・エンジニアリング)部」で活躍中に、
初めてお会いした。

だから鈴木さんは、
「店舗活性化」や「ストア・コンパリゾン」のプロでもある。

私は㈱商業界に入社したばかりで、
当時の『花の販売革新』編集部に属していた。

その後、「横浜会」という若手勉強会がスタートし、
私も、鈴木さんとご一緒した。

現在、コンビニ経営コンサルタント第一人者の小森勝先生や、
『ストアーズ・レポート』現編集局長の風間晃さんも、
横浜会のメンバーだった。

鈴木さんとは、そんな昔話から、
商人舎のすぐ近くにオープンしたサミット岡野店の話題まで、
あっという間に時間が過ぎた。

ここで重大なお知らせ。
鈴木哲男さんと一緒に来年、
新企画マネジメント研修会
スタートさせる。

年2回開催予定。

もうご了解を得ているのだが、
レイバー・スケジューリングの第一人者高野保男さんも、
参画。

そして記念講演は、
マル秘「超大物ゲスト」講師

もう決定事項だが、
その全容は2012年スタートとともに、
発表予定。

鈴木哲男、
高野保男、
結城義晴。

まだまだ有力講師陣参加予定。

たっぷり、2泊3日。

いかがだろう。

乞う、ご期待。

<結城義晴>

2011年12月13日(火曜日)


日経新聞最終面の『交遊抄』
産業界、経済界のトップが毎日、
心に残る交流相手を紹介しつつ、
そのエピソードを語る。

今日はコープさっぽろ理事長の大見英明さんが、
川一男さんとの「縁」を書いている。

川さんはダイエー副社長からマルエツ社長、
シジシー・ジャパン副会長を歴任した、
業界きっての戦略家、政策通。

大見さんは、生粋のコープさっぽろ育ちで、
1982年、同生活協同組合に入職して以来、
現場を経験し、商品部食品バイヤー、SSM業態部長、
リニューアル本部長、生鮮本部長、
そして2002年常務理事、2006年専務理事、
2007年から若き理事長。

ふたりの交友録のタイトルは、
「生き残りの原点」。

大見さんの率直さ、
川さんの奥深さが出ていて、
今朝の『交遊抄』はとりわけ、いい。

「大見君、お店に並ぶ1品1品を
すべて食べ比べていますか」

川さんから大見さんへの質問、
というか、問題提起。

大見さんは書く。
「私が運転する車の助手席で、
川氏がつぶやいた一言が胸に突き刺さった」
大見さんは、「2000年当時、生鮮本部長で
商品戦略の見直しを任されていた」
その見直しと立て直しのきっかけとなったのが、
川さんの言葉。

「私はライバル店の商品を購入し、
自分たちの商品と食べ比べた。
味、見た目、価格――」

ここからコープさっぽろの改革がスタートした。
名づけて、
「マーチャンダイジング・ラリー」。

「何が足りないのかを徹底的に分析する」
「どの評価項目でも他社の上をいく商品づくりに取り組んだ」

合言葉は、
「見えるものは全て比較しろ」

こういった地に足のついた改革によって、
「一度どん底を見た我々が生き残ることができた」
大見さんは述懐する。

生き残りの原点は、
店に並ぶ1品1品を、
すべて食べ比べる。

クリスマス、年末商戦。
忙しい。

しかしすべての商品を1品ずつ、
食べ比べる、あるいはライフテストする。

その準備が済んでいたら、
「知者惑わず、勇者恐れず」となる。

今日は川さんの、大見さんへの、
「このひとの、このひとこと」
皆で味わおう。

お二人に、心から感謝。

<結城義晴>

PCSAと学習院で連続講義、その間に青山の紀ノ国屋リニューアル・グランドオープンを訪問
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