結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年06月04日(日曜日)

日曜日の責了と老子の「大道廃れて仁義あり・智慧出でて大偽あり」

6月第1日曜日。

横浜商人舎オフィスに出て、
月刊商人舎6月号の最後の責了。

午後8時くらいまでかかって、
すべて終わりました。

定義集と編集後記。
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デザイナーの七海真理さん。
ほんとうにありがとう。

表紙、Message。
素晴らしいデザインでした。

編集部の皆さんにも、
ご執筆、感謝します。

良い雑誌が出来上がりました。

今月号も、
すべて自前の原稿でした。

いわばすべてプライベートブランド。
それが商人舎の特長です。

すべてに私が目を通して、
ストーリーや文章を直します。

結城義晴の実印が押された雑誌。
ご愛読のほど、お願いします。

コロナ禍のまえ、
老子に凝っていた。

老子は中国の春秋戦国時代の哲学者。
諸子百家のうちの代表的な人物だ。

「道家」は老子を始祖とする思想である。

その道家の思想による宗教を「道教」という。
中国三大宗教は儒教・仏教・道教。

現在の中華人民共和国に、
こういった宗教はあるのだろうか。

大道(たいどう)(すた)れて、
(ここ)に仁義あり。

智慧出でて、
安に大偽(たいぎ)あり。

六親(りくしん)和せずして、
安に孝慈(こうじ)あり。

国家昏乱(こんらん)して、
安に忠臣あり。

大いなる道が廃れだしてから、
それから仁義が説かれるようになった。

知恵が働きだしてから、
それから大きな虚偽が行なわれるようになった。

家族が不和になりだしてから、
それから孝子や慈父が出てくるようになった。

国家が混乱しだしてから、
それから忠臣が現われるようになった。
(『老子』蜂屋邦夫訳注、岩波文庫)
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老子は「無為自然」を貴(たっと)んだ。

孔子の仁や義も、
無為自然のうちに行われるのが良い。

会社で言えば、
社風のようなものが出来上がっていて、
誰もが自然に、
仁の思いやりや義の道理にかなったことを
するのがいい。

ところが、仁や義を強調しすぎるきらいがある。

それは大道が廃れてしまったから、
仁や義を説かねばならなくなったのだ。

老子はそう言う。

小賢しい智慧が生まれたために、
大きな虚偽がはびこるようになった。

六親(父・母・兄・弟・妻・子)が、
仲良く暮らせなくなったから、
孝行息子や慈父・慈母が評判になってきた。

国家が混乱して、
悪政が行われ、敵に攻められたりすると、
忠実な臣下が登場してくる。

孔子は五常、五徳を説いた。
仁・義・礼・智・信である。

会社でも組織でも、
それが強調されてばかりいると、
お説教臭くなる。

老子はそういった空気を察知して、
無為自然を説いた。

老子はジャーナリスティックでも、
あったということだ。

今の中国に必要なのは、
この無為自然だろう。

もちろん日本にも、
無為自然は必要だ。

孔子がいて、
老子がいる。

それが古代の中国の思想の奥の深さである。

私たちも無為自然の態度をもち続けたい。
説教臭くなく、ね。

〈結城義晴〉

2023年06月03日(土曜日)

台風2号「大いなるものが過ぎ行く野分かな」

台風2号。マーワー。

沖縄を直撃。
日本列島の梅雨前線も刺激して、
各地で大雨被害をもたらした。
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地震列島の上に台風列島。

わが日本国は、
自然災害の宝庫ともいえる環境にある。

その自然災害は6種類に分けられる。
⑴地震
⑵津波
⑶風水害(台風、洪水)
⑷竜巻
⑸火山爆発、火砕流
⑹干ばつ

日本でも最近は竜巻が起こっていて、
すべてそろっている。

干ばつに関しては、
人間の手によって灌がいを施すことで、
克服した。

それ以外は、
事前に防災したり、
被害を小さくしたり、
被災後の復旧・復興をするしかない。

不気味なのは、
地震が増えていることだ。
火山の活動も活発だし、
津波が発生する頻度も高まる。

そして台風だ。

2号がこれだけの威力を示し、
これだけの被害をもたらすと、
このあとが心配になる。

こういった時にこそ、
小売業、サービス業の役割はさらに重くなる。

月刊商人舎webContents。
常盤勝美の2週間ウェザーMD予報
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「2週間」という単位の予報が、
マーチャンダイジングや店舗運営に、
ぴったりのタイミングで役に立つ。

活用してください。

さて糸井重里さんも、
この台風を心配している。
今日のダーリン。

「天気というのは、
同じ時間の、同じ日本のなかでも
まったくちがっていたりして、
“雨が続いてます”とか言っても、
“こっちは晴れてるけど”
なんてことになりがちです」

「ただ、今回の大雨は
ちょっとないくらいの広範囲で、
しかも危険だったりもするから、
共感度も高そうです」

「天気が自由に変えられるものならと、
心から祈ります」

それはできないけれど。

ひとこと。
「天然自然への感謝も畏怖も、
人間の力の大きさも小ささも」

不思議なことに台風の前では、
人間の器を考えてしまう。

歴史に残っている名句。

吹き飛ばす石は浅間の野分かな
〈『更科紀行』松尾芭蕉、45歳の句〉

「野分」は台風のこと。

強い野分の風は、
浅間山の小石までも吹き飛ばしてしまう。

雄大な光景を短い言葉で描き切った。

鳥羽殿へ五六騎いそぐ野分かな
〈与謝蕪村『自筆句帳』〉

「鳥羽殿」は白河天皇退位後の離宮。

台風が吹きすさぶ中、
五六騎の武者が鳥羽殿へ急ぐ。

私は北斎の浮世絵のような情景が、
頭に浮かんでくる。

大いなるものが過ぎ行く野分かな
〈高濱虚子『五百句』より〉

明治、大正、昭和初期の巨匠。

「おおいなるもの」がいい。

巨人のような大いなるものか、
超自然の大いなるものか。

この「大いなるもの」の前では、
謙虚にならざるを得ない。

台風2号、被災された方々に、
お見舞いを申し上げたい。

〈結城義晴〉

2023年06月02日(金曜日)

商人舎6月号の「責了」とリオン・ドール&ヤオハンの「経営統合」

月刊商人舎6月号の最終責了の日。
最後はいつも私の原稿。

今月も書き続けた。
ぜんぶ書き上げたが、
責了まではいかなかった。

すみません。
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シンプルな「台割」です。IMG_E42473

今月号のMessage of June。
ちょっと面白い。

楽しみにしてください。

七海真理さんのデザイン。
素晴らしい。

大いに気に入った。

こういった雑誌の中で、
わが『商人舎』のデザインは、
最高です。

読者の皆さんも、
このブログでそれを見る皆さんも、
楽しんでください。

さて商人舎流通スーパーニュース。

リオン・ドールnews|
6/2付でヤオハン(栃木)完全子会社化/北関東の店舗網強化

㈱リオン・ドール コーポレーションは、
福島県会津若松市に本部を置くスーパーマーケット。
福島県を中心に新潟県、栃木県、茨城県に、
86店舗を展開するリージョナルチェーンだ。
グループ売上高は720億円。

一方の㈱ヤオハンは、
売上高70億円のスーパーマーケット。
栃木県南部の栃木市を中心に9店舗を展開する。

リオン・ドールがヤオハンを完全子会社化する。
同社は現在、栃木県北部に8店舗をもつ。

その店舗群も今年2月に、
㈱ダイユーから譲り受けたものだ。

今回、ヤオハンの9店舗を加えて17店になる。

栃木県内のローカルチェーンとして、
一定規模を確保することになる。

ともにCGCジャパンの加盟企業で、
リオン・ドールはもちろん、
ヤオハンの従業員の雇用を継続する。

栃木県内にはもう1社、
㈱八百半フードセンター(片柳伸一社長)がある。
鹿沼市に本社があり、
こちらも「ヤオハン」の店名で、
鹿沼市、日光市に8店舗を展開する。
両社に直接の関係はないが、
八百半フードセンターも、
CGCジャパン加盟企業だ。

こういった経営統合の例は、
どんどん増えていくに違いない。

私はずっと言い続けている。
悪いことではない。

「和を以って尊しと為す」
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商人の本籍地と現住所。

この考え方を貫いて、
互いにハッピーな関係をもち続けてほしい。

リオン・ドールにはまた、
9店分の責任が生じる。
それは忘れてはならない。

さてさて糸井重里。
毎日書くエッセイ「今日のダーリン」
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「からだのどこかが
痛いとか硬いとかいうのは、
使いすぎているか、
使わなすぎているかなんです」

トレーナーに何度か言われていた。

「身体のことじゃなくても、思い当たる」
これが糸井の真骨頂。

「じぶんは数学が苦手だ、と思っている人は、
なるべく数字をあつかうようなことは
考えたくない」

「いやだなぁと思いながら、
読み飛ばしてしまったり、
数字の関係の仕事は
他の人にまかせっぱなしにしたりする」

「こういうことが習慣になってくると、
だんだんと数学的な思考を
“使わなすぎる”ようになる」

「おそらく、そういう脳の回路を
休ませ続けているのだろう。
これはこれで、
脳内の滞りをつくってしまって、
思考に不都合なことが
起こっているのではないか」

その通り。

「いまの社会というのは
分業で成立しているから、
不得意なことをやるほうが”効率がわるい”と
されているものだから、
しないでいることも自然になる」

「逆に、得意なことは
“効率がいい”からやりすぎてしまう」

もちろん会社や組織の中で分業して、
それぞれが得意なことをやるのは、
とてもいい。

自分の能力を伸ばしていくときも、
何かに集中するのが、
一番いい。

ドラッカーの言う「強み」である。

しかしひとりの人間として、
どこかを使いすぎるのも、
使わなすぎるのも、
よろしくない。

人間として、
まっとうであること。

それが「リベラルアーツ」の思想だ。

米国カレッジ・大学協会の定義。
「個人の能力を開花させ、
困難や多様性、変化へ
対応する力を身につけさせ、
科学や文化、社会などの
幅広い知識とともに、
より深い専門知識を習得させるための
学習方法」

使いすぎているか、
使わなすぎているか。

自分のこととして、
考えておきたい。

〈結城義晴〉

2023年06月01日(木曜日)

イオン「低価格衣料専門店」と将棋名人戦の「歴史に残る名手」

6月に入った。

今日から衣替え。
しかし最近はスーツを着る機会も少ない。
衣替えの大わらわなどない。

中学や高校は制服だった。

夏服への衣替えの日に、
冬服を着ていって、
全体朝礼などあると、
目立ってしまって嫌だった。

今日は一日中、
横浜商人舎オフィスで必死の執筆。
そしてゲラの校正も。
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日本ボランタリーチェーン協会は、
東京ドームホテルで、
全国大会が開催された。

松井康彦さんに出席してもらった。
商人舎Executive Producer。

泉田幸雄会長がご退任。
井原實新会長が決まった。

よろしくお願いします。

そのあとはホテルニューオータニ東京で、
国民生活産業消費者団体連合会の定時総会。
略して生団連。

経団連に対抗する組織。

故清水信次さんが創設したが、
素晴らしい発想とネーミングだった。

ここにも松井さんに行ってもらった。

小川賢太郎会長、
よろしくお願いします。

さて、日経新聞の記事。

「イオンが低価格衣料店、
30年に240店」

スクープなのだろう、
イオンからのリリースは出ていない。

すでにイオン船橋店で実験が始まっている。

低価格のプライベートブランドの衣料専門店。
つまり「トップバリュ」のアパレルの店だ。

記事には、
「シニアや若者向けなど6種類の店舗」とある。

2023年から30年までに240店を出店する。

ターゲットにするのはユニクロか。
ユニクロより割安な価格帯で挑む。

GUより安いのかどうかは、
書かれていない。

一部メーカー品が含まれるが、
約1万種類の衣料品を、
客層別に6種類に分けて、
それぞれブランド名を付けて店舗にする。

つまりマルチバナー戦略である。

タレントや著名作家を起用して、
流行を取り込む。

来24年2月までに、
首都圏のイオンリテールの3店舗でスタート。
2030年にはイオン九州やイオン北海道、
さらにフジなどの店舗の8割にインショップで出す。

240店になる。

ショッピングセンターにも単独出店して、
専門店チェーンを構築する。

たとえば機能性肌着。
PEACE FIT COOL(ピースフィットクール)。
ユニクロの「AIRism(エアリズム)」への対抗商品。
ユニクロより2割安い。
しまむらの製品より1%程度だが安くする。

この作戦。

大いにやるべし。
遅かったくらいだ。

ずいぶん前に松井博史さんが、
つくづくと言っていた。
「アパレル専門店、やりたかった!!」

マイカルやイオン九州の社長を歴任した、
イオンの元幹部だ。

松井さんは1947年6月21日生まれ。
東京大学文学部を卒業して東レ㈱に入り、
79年にジャスコ㈱に転身している。

だからアパレルに対しては、
思い入れが強かった。

あの頃やっていれば、
ユニクロに追いついていたかもしれない。

しかし、今からでも遅くはない。

イトーヨーカ堂は、
アパレルから撤退する。

それへの皮肉も入っているだろうし、
その撤退分のマーケットチャンスは、
確実に取ろうという意図もあるだろう。

ちょっと気になるのが、
客層別に6つのバナーをつくること。
マルチ・フォーマット戦略だ。

しかしこれはマーケットが狭くなり過ぎて、
オーバーポジショニングになりかねない。

そこはこの戦略の最も注意すべき点だ。

しかし、大いにやるべし。
ベンダーとの関係づくりがカギを握る。

さて、
第81期将棋名人戦。
その第五局。

渡辺明名人に、
藤井聡太六冠が挑戦していて、
ここまで渡辺の1勝3敗。

カド番に追い込まれている。

持ち時間9時間の2日制。
最長の時間が与えられて、
将棋界で最も歴史のある棋戦だ。

会場は長野県高山村「緑霞山宿 藤井荘」
奇しくも藤井の名前がついた高級旅館。

渡辺名人の先手で始まった。
初手は7六歩。
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藤井聡太は必ず、
「初手、お茶」
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二日目の一番の難所。meijinnsen3

AIの判定では渡辺が一時、
60%対40%で優勢だった。

しかし藤井の72手目「6六角」が、
怪しい手で、
渡辺は長考に次ぐ長考1時間16分。

長考したあとは悪手を指すことが多い。
渡辺ほどの達人がそれをした。

渡辺は正直に感想を述べた。
「6六角の対応を間違えてしまった。
違う手を指さなければいけなかった」

「長考した結果、間違えてしまった」

一気に形成は逆転して、
藤井聡太が見事に勝ち切った。

渡辺が投了すると、
藤井もすっと頭を下げた。
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終わってみれば藤井の完勝。

シリーズ成績を4勝1敗として、
20歳10カ月での名人位獲得。
史上最年少名人。
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これまでは谷川浩司十七世名人が、
21歳2カ月で奪取したのが記録だった。

さらに七冠を達成。
これは羽生善治九段以来、
史上2人目の快挙だ。

渡辺は持っていたタイトルを、
すべて藤井に奪われて無冠となった。

ちょっと可哀そうな気もするが、
渡辺は必ず再起する。

私は確信している。

この五局を振り返ると、
三局目に渡辺が快勝した。

このときには歴史に残る名手を指した。
5九歩。

結局、藤井に勝つには、
歴史に残る手を考え出さねばならない。

それがとても印象に残った。

さてイオンの「アパレル低価格専門店」

歴史に残る一手となるか。

そんな名手でなくとも、
手堅い一手であればいい。

〈結城義晴〉

2023年05月31日(水曜日)

流通問題研究協会総会後の記念講演の「トレード・オン」

5月最後の日。

芝増上寺。
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その鐘楼を外国人観光客が写真撮影している。IMG_50523

そして東京タワー。IMG_50603

その前に建つ機械振興会館。IMG_50623

6回の607号室。

一般社団法人流通問題研究協会。
略称IDR。

1966年に発足した公益法人。
当時の管轄は通商産業省。
現在は経済産業省管轄。

林周二著『流通革命』の発刊が1962年。
この本のインパクトは大きかった。
日本商店連盟と日本専門店連合会が中心となって、
流通革命の研究をするために、
この協会は発足した。

初代会長は深見義一一橋大学名誉教授だった。
現在は玉生弘昌会長。
㈱プラネット会長。

その定時総会後の記念講演会。IMG_50653

司会は橋本佳往専務理事。IMG_50643

記念講演の講師は結城義晴。
テーマは、
「’23両利きトレード・オン」IMG_50683

1時間半をいただいたので、
持論を全面展開した。
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この協会の研究会では、
何度も講演しているテーマ。

副会長の皆さんをはじめ、
錚々たる人々がご聴講くださるので、
あらためてこの3年間に見てきたこと、
考えてきたことを話すことにした。

ご清聴を感謝したい。

講演会が終わると懇親会。

司会は橋本専務理事。IMG_50963

冒頭に玉生会長のスピーチ。
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玉生さんは総会ではもちろん、
講演会の冒頭でもスピーチし、
今日、三度目の挨拶。
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それでも玉生さんの話すことは、
機知に富んでいていつも面白い。
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乾杯の挨拶と音頭は、
岩田彰一郎さん。
アスクル㈱創業者で前社長。
現在は㈱フォース・マーケティングアンドマネージメントCEO。
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スタートアップ企業の応援と、
大企業のイノベーション力の強化を支援する。

月刊商人舎には、
2019年7月号で登場していただいた。
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玉生さんとの特別対談。
「明日来る」のイノベーションとは何か
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今、読んでもいい対談だった。

その節は、
ありがとうございました。

今日の私の講演は、
ウォルマートやクローガーの報告が中心で、
巨大チェーンがマーケットのすべてを、
制圧してしまうような印象を与えたかもしれない。

しかしそれはすべてではない。

米国にも、
トレーダー・ジョーのような存在もある。
ナゲットマーケットのような小さな企業もある。

全体として大きな森のようなものが、
小売流通業やサービス業の在り方だと思う。

その意味でもトレード・オンである。

その岩田さんの音頭で乾杯。IMG_50863

その後は懇親。

フューチャー㈱の深谷紀子さん。
私のブログを愛読してくれている。IMG_50943

もちろん玉生さんともいろいろ話した。IMG_51043

中締めは廣瀬慎仁さん。
ライオン㈱流通政策部部長。IMG_50983

玉生さんも岩田さんもライオン出身だ。

その廣瀬さんの「一本締め」で、
お開きになった。
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東京タワー。
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東京タワー通りというが、
そこを下ってくると、
私が30年通った建物がある。
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商業界会館。

取り壊されていた。
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確かに寂しいものがある。

けれどなぜかすっきりした気分もあった。

商業界創業者の故倉本長治主幹は、
日本商店連盟と日本専門店連合会などに、
深くかかわった。

設立の首謀者だった。

そして流通革命と中小商店が、
両立する世界を思い描いていた。

トレード・オフではなく、
トレード・オンであった。

私はその遺志を受け継ぐ決意だ。
改めてそう思った。

〈結城義晴〉

2023年05月30日(火曜日)

「週刊朝日」廃刊の「勝手にやってろ!」

台風2号。

5月の台風は珍しい。
しかも大型で非常に強い台風だ。

沖縄地方に接近する。

5月としては異例の強さを記録する。
過去2番目の勢力に発達した。

中心気圧950ヘクトパスカル、
中心付近の最大風速は45m。

今年はラニーニャ現象が終わって、
エルニーニョ現象が起きる。
そう予想されている。

だから梅雨から秋口まで、
豪雨のリスクが高い。

「エルニーニョ現象」は、
海面水温が平年より高くなる現象。
「ラニーニャ現象」は反対に、
海面水温が平年より低くなる現象。
太平洋の赤道の日付変更線あたりから、
南米沿岸にかけての海域で、
1年間くらい続く。

両者がそれぞれ数年おきに発生する。

これが世界中の異常気象の要因になる。
海に囲まれた日本はとくに、
この影響を受ける。

大きく見ると地球温暖化が原因である。

人類は大きな問題を抱えたまま、
未来に向かってんでいる。

さて、「週刊朝日」が休刊となった。
私はほとんど読んだことがない。

朝日ジャーナルは読んでいたけれど。
これは1992年に廃刊となった。

総合週刊誌は大きく、
新聞社系と出版社系に分かれる。

新聞社系が週刊朝日、サンデー毎日、
そして週刊読売だった。
週刊読売は読売ウィークリーと名称を変え、
その後、2008年12月に休刊した。

「休刊」とは言うけれど「廃刊」である。

一方、出版社系は、
文芸春秋の「週刊文春」、
講談社の「週刊現代」、
小学館の「週刊ポスト」などがある。

「週刊大衆」や「週刊実話」などもある。

経済関係の週刊誌は、
「週刊エコノミスト」
「週刊ダイヤモンド」
「日経ビジネス」
「週刊東洋経済」などなど。

新聞系総合週刊誌は分が悪い。

現在はなんと言っても、
「文春砲」が威力をもつ。
異彩を放っている。

ただしこのインターネットの時代には、
デイリーな情報が時々刻々と発信される。

新聞ですら読まれなくなっている。

私は月刊誌をやっているが、
これは毎月、一冊の本を発刊して、
「世に問う」というつもりでいる。

デイリーの情報発信は、
この毎日更新宣言と、
商人舎流通スーパーニュースだ。

その週刊朝日。
創刊から101年。
日本で最も古いとされる総合週刊誌。

朝日新聞の「天声人語」

「身内びいきに言わせてもらえば、
時代の歯車がカチリと鳴る音が
聞こえるようだ」

時代の歯車はもう何度もカチカチ鳴って、
とっくに週刊誌の終わりを告げていた。

最後の編集長となった渡部薫。
「新聞が伝えきれない、
こぼれ落ちた思いや興味を伝えるのが
週刊朝日だった」

新聞ですら読まれなくなっているのに、
その新聞の補完機能を拾っているようでは、
存在価値はない。

なんという認識のズレか。

編集者もサラリーマン化している。
そう思った。

文春砲はいつも訴訟覚悟で、
闇をえぐる。

そのくらいの気概と根性がなければ、
もう週刊誌には意味がない。

コラム子。
「最終の頁が校了したのは深夜だった。
輪転機がまわり始めるころ、社を後にした。
やり場のない思いを込め、
暗い空を見上げる。
さよなら、週刊朝日。」

勝手にやってろ!

私はオフィスで1日中、
月刊商人舎6月号の執筆と入稿。
こっちは毎月毎月、
新しい単行本を書く気概でやってる。

執筆して、
夜食を食べて、
缶ビールを1本飲んで、
疲れたら帰る。
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このリズム。

歳をとってもやれることをやる。

やり場のない思いを込め、
暗い空を見上げる、
なんてこと、やるわけがない。

勝手にやってろ!

商人舎流通スーパーニュース。
4月労働力調査|
就業者数6741万人/卸売業・小売業就業者前年比2万人減少

総務省統計局の発表。
就業者数6741万人。
前年同月に比べると14万人増加。
9カ月連続で増加している。

正規の職員・従業員数は、
前年同月比13万人増。

一方、非正規の職員・従業員数は、
6万人減。

こちらは17カ月ぶりの減少。
就業者が増加した主な産業は、
製造業、情報通信業、生活関連サービス業、娯楽業。

卸売業と小売業は1030万人で、
前年同月比2万人減。

これは困る。
何とか食い止めたい。

完全失業者数は190万人。
前年同月比で2万人増加。

2カ月連続で増加している。
完全失業率(季節調整値)は2.6%。
前月から0.2ポイント低下。

週刊朝日は廃刊したが、
そこで働いていた者たちは、
だれも失業などしない。

彼らの責任ではないけれど、
ノスタルジーに浸るより、
自分のやれることを考えようよ。
未来を見ようよ。

〈結城義晴〉

2023年05月29日(月曜日)

「紀文正月フォーラム」の打合せと「2番目に上げたのが本命」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㉒]

2023年第22週。
5月最終週で、
今週木曜日から6月。

私は月刊商人舎6月号の入稿に邁進する。

水曜日の5月31日に、
午後3時から講演がある。

東京の機械振興会館。
社団法人流通問題研究協会。
定時総会の記念講演。

よろしくお願いします。

さて、台風がやってきている。
大型で非常に強い台風2号「マーワー」

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

そして生活に変化が訪れるとき、
商売は面白くなる。

今日は商人舎オフィス。
月刊商人舎6月号の原稿執筆と入稿。

夕方、㈱紀文食品の面々がやって来た。
高柳謙一郎さんと堀内慎也さん、
そして佐野綾奈さん。
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恒例の紀文正月フォーラムが、
今年も8月30日・31日に開催される。
必ず水曜日と木曜日。
場所はいつも東京・東銀座の時事通信ホール。

その打ち合わせ。
堀内さんは事業企画室正月ユニット部部長、
高柳さんは営業企画部部長、
佐野さんは営業企画部員で管理栄養士。

堀内さんは正月フォーラムの副委員長に就任。
おめでたいけれど責任も重い。

高柳さんから、
新しい視点が紹介されて、
私も感心した。
それはおいおい発表される。
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もう年末商戦のことを考えている。
私たちは商人舎6月号で、
7月・8月のお盆商戦の特別企画を編集している。

それが年末年始の前哨戦となる。

そして、
そのための作戦提案も決まっている。
ご期待ください。

この面でも紀文食品の皆さんと、
見解が一致した。IMG_50353

頑張ります。

そして紀文正月フォーラム。
今から予定を入れておいてください。

8月30日・31日です。

さて、久しぶりに糸井重里。
今日のダーリン。
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「とても大事だと思うことを、
3つあげてください。」
と、糸井さんは問う。

たとえば、結婚するにあたって
大事だと思うこと。
たとえば、ともだちとの間で、
大事にしたいこと。
たとえば、仕事をするのに
大事だと思うこと。

さらに、
「とても好きなことを、
3つあげてください。」
たとえば、どんな食べものが好きですか。
いちばんしたいことはなんですか。
好きな異性はだれですか。

「まずはひとつ
思いついたものをあげますよね。
そして、あと、
これも必要だぞとふたつめを考えて。
それと、これかなぁと、
最後のひとつをあげる」

糸井さんは念押しする。
「頭のなかで思っているだけでなく、
ぜひ書き記してね。」

みなさんも、やってみてください。

この質問に対して糸井さんは、
とてもおもしろいことを言われた。

「2番目にあげたものが、
実は本命なんですよね」と。

「ちょっと、ほんとかよ
と思ってもみるのですが、
それ、けっこう説得力のある解釈だと
思えたのです」

なるほど。

「で、このことを”へーえ!”と思ってから、
ぼくは、そのふだんの生活への
応用を考えました」

ここが糸井さんの真骨頂。

ものを考えるときには、いっそ、
「いちばん考えるべきことを、
考えにくいように考える」

どんなテーマ、どんな問題でもいい。
そして、かんたんな方法なのです。

「別の会議に出ながら、考える」
「散歩しながら、あるいは、
お風呂に入りながら考える」
「料理をしながら、考える」
「読書しながら考える」

「集中の逆の態度で臨むのです」

「いちばんを、
いちばんのところに置いておくのは、
考え方として順当すぎるし、
よそ行き過ぎてるんですよね」

なるほど。

「よかったら、
やってみたらわかると思います、
無料だし」

考えることに関しては、
三上(さんじょう)がある。

「馬上・枕上・厠上」

「ばじょう・ちんじょう・しじょう」と読む。
中国北宋の文人政治家・欧陽脩(おうようしゅう)が、
その著書
「帰田録(きでんろく)」の序文に書いた。

考えるのに、
最も都合がよい三つの場面が、
馬の上に乗っているとき、
枕の上で寝ているとき、
厠(かわや)に入っているとき。

現代に置き換えると、
馬上は電車やバス、
あるいは飛行機に乗っているとき。
枕上はまさしくベッドに入っているとき。
厠上はトイレに入っているとき。
今はトイレも椅子方式だから、
これは便利だ。

ただしこれらは、
原稿の打ち込みには適していない。

正月商戦のことばかりを、
第一に考えていると、
どうしても行き詰ってしまうかもしれない。

第二の場所を見つけて、
そこで考える。
場所を変えてみるのもいいだろう。

堀内さん、高柳さん、佐野さん。
いかがですか?

私もそうします。

ゴルフカートに乗っているとき、
なんかもいいかもしれない。

2番目に上げたのが本命。

これは大谷翔平の二刀流に通じるものだ。
投球のときにはバッティングを考えている。
打席に入ったらピッチングを考える。

野球は誰でも投と打をやるもんなんだ。

大谷流の極意なのかもしれない。

では、みなさん、今週も、
考えすぎずに考えよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

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