結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年08月14日(金曜日)

「創業100年の長寿企業」の蛻変とイノベーションを思う

野菜が高い。 

ジャガイモやタマネギなど、
卸売価格で昨年の約2倍にまで値上がり。

東北や北海道の天候が回復しないと、
この高騰は野菜全体に広がる。

東京都中央卸売市場8月第1週の青果物市況は、
1日の平均入荷量は4574トン。
これは前年同期比2%減。

品目別にはダイコン、ジャガイモ、ニンジン、ピーマンなど。
原因は、産地の天候不順。
野菜の発育も遅れている。

ジャガイモは北海道産が出遅れた。
タマネギも9月になると北海道産がでるが、
このまま天候が回復しなければ、数量は不足したまま。

2009年8月10日、仙台管区気象台の発表。
「東北地方は、梅雨明けが判断できないまま、
秋への移行期に入った」 

収穫の遅れや不作による価格の高騰は深刻化しつつある。
「水準としては一昨年並み」という市場関係者の声があるが、
昨年に比べると、全体でほぼ3割高。

比較的安値のキャベツ、レタス、ハクサイなども、
長雨による日照不足で8月の作柄は悪い。

従って、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンなど根菜類に加えて、
キャベツなどの葉茎菜類にまで、値上がりが広がる。

そこでイオン、イトーヨーカ堂、ダイエー、ユニーなどなど、
続々と野菜の値引き販売を展開。 
ローカルスーパーマーケットも、それに続く。

そこで農水省は、規格外野菜の出荷要請を検討。
曲がったキュウリ」など、見栄えや大きさが規格にあわず、
通常出荷されない野菜の出荷を生産者に要請する方向で検討に入った。

規格外の野菜が出荷されれば、2004年以来のことになる。
2004年は台風が相次いだ。
そしてレタスやキャベツは5倍まで上昇した。

今回とは直接、関係ないが、
規格外の一部を「規格内」にして流通させれば、
野菜はもっと安くなるはず。
そして農家の生産性はもっと高くなるはず。

さて、東京商工リサーチ調査の「長寿企業」が話題を呼んでいる。
お盆の時期でもあり、今日はこのお話。

東京商工リサーチ社は倒産企業の調査に定評がある。
それが2005年から「創業100年を超える企業」を調べている。
今年は、全国で2万1066社。 

東京都が第一位で2377社。
第二位、大阪府、
第三位、愛知県、
第四位、京都府。
しかし全企業数に占める割合は、
京都と山形が2.6%と最も高い。 

最も古いのは寺社建築工事の「金剛組」。
大阪府にある。
創業は飛鳥時代の578年で、1431年。
聖徳太子が四天王寺建立のため百済から招いた宮大工が始祖という。
2006年に倒産し、高松建設グループで再出発。
資本金3億円、小川完二代表取締役社長。

二番目に古いのは、いけばなの「池坊華道会」、京都府。
587年創業の華道の家元で、いわば独占企業。

三番目は、「西山温泉慶雲館」。
705年創業の山梨県の旅館。

四番目も城崎温泉の旅館「古まん」。
717年創業の兵庫県の会社。

「100年以上の長寿企業」は調査対象の約1%。
明治以降に創業した企業が約82%。
私が注目したのは、業種別。
小売業・卸売業が9960社で最多。 

東京商工リサーチが分析する「長続きする方法」。
①本業重視
②身の丈にあった経営

これに対して、「ホリエモン」こと堀江貴文がブログで発言している。
選挙というと、亀井静香との闘争を思い出すが。

「企業そのものが長生きして、社会的に意義があるのか?」
「あるいは、株主や従業員にとって意義があるのだろうか?」

私は、企業も人間も「長寿」には大いに価値があると思う。
しかしただ長寿ではいけない。
社会に貢献して長寿であること。

伊那食品工業の塚越寛会長の「年輪説」は、
説得力がある。 

木の年輪は、毎年毎年、必ず、外側に輪がつくられる。
その幅は、広い年もあれば、狭い年もある。

ただ、必ず外側に、年輪が刻まれる。

企業も、同じことだ。

しかし、企業には「蛻変」が不可欠だ。
会社には、皮を脱ぎ捨てるときが、必ずやってくる。

トヨタも初めは、豊田佐吉がつくった豊田自動織機という会社だった。
この会社の「自動車部」が独立して、トヨタ自動車になり、
現在の世界最大の自動車会社となった。

そして古い皮を抜け殻にして脱ぎ捨てるときには、
新しい皮が用意されていなければならない。

企業は「蛻変」しつつ、長寿となる。  

日々、小さくて、ゆっくりとした変革を続け、
時期が来たら、蛻変する。

もっとも、先の金剛組や池坊華道会などが、
こんなイノベーションを続けてきたかどうかは知らない。

100年続くには、少なくとも、
創業者を含めて三人の優れた人物(イノベーター)が、
別の時代ごとに登場しなければならないだろう。

例外として、偉大なる創業者の遺産を、
だらだらと、少しずつ消耗して、
100年に至る会社があるかもしれないけれど。

<結城義晴>  

2009年08月13日(木曜日)

2008年百貨店調査、1位三越本店、2位伊勢丹本店、3位阪急うめだ、1000億円超は13店

ちょっと気になるニュース。
日本政策金融公庫が発表した消費者動向調査。  

昨年10月1日に、農林漁業金融公庫が、
国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、国際協力銀行と統合して、
株式会社として日本政策金融公庫が発足。

従って、農林水産業向けの情報提供という前提を認識したうえで、
消費者が食品を選ぶ基準の変化。

「安全性を優先する」と回答した人が19.8%。
前回調査の31.7%から、11.9%ものダウン。
「食費を節約したい」と回答した人は35.1%。
前回の34.6%より、0.5%増加。  

今年7月1日と2日に、
2000人の20歳から60歳の男女にサンプル調査したもの。

安全性と経済性は、
本来、秤にかけられるものではない。

安全だから価格は高い、
安いから安全性は低い。
これは絶対にいけない。  

農林水産省のミーティングでも、
私はこのことを強調し続けている。

生産者だけでなく、
流通業者、小売業者揃って、
日本で生産され、流通され、小売りされ、
消費される食品は、
まず安全であるという「安全保障」を、
業界全体で構築し、維持しなければならない。  

これが確立されれば、
遠大なる計画であるが、
日本の人口問題も解決に向かう。

「安全な食品が提供される国」として、
世界中から移民の希望者が殺到するに違いないからだ。

私は、人種や宗教にかかわりなく、
日本という国をよく知って、
その上でこよなく愛してくれる人々を、
移民として受け入れるべきだと考えている。

「精神と意識」のうえでの日本人。

食品や水の安全性、おいしさは、
日本という国の最大の特徴の一つだ。

さて、昨日の日経MJの2008年百貨店調査。  
「百貨店の店舗数は30年ほどのうちに半減する」などと、
物騒なことを言っている私だが、
「百貨店がなくなる」だとか、
「百貨店は社会的機能を喪失する」などとは、
全く考えていない。

店舗数が減って、残った百貨店の価値は、
どんどん高まっていくに違いない。

その2008年度の百貨店の動静。
まず、店舗別売上高。
第1位は、三越日本橋本店 2531億円。
第2位は、新宿伊勢丹 2460億円。  

この2店が、2000億円を超えている。

第3位は、阪急百貨店うめだ本店 1729億円。
第4位は、池袋西武 1692億円。

第5位、横浜高島屋 1613億円。
第6位、日本橋高島屋 1465億円。
第7位、大阪高島屋 1421億円。  
  
高島屋が、5位から7位までを占める。

第8位は、東急百貨店本店 1243億円。
第9位、松坂屋名古屋本店 1232億円。
第10位、東武百貨店池袋本店 1224億円。  

1000億円以上は、13店。
第11位、近鉄百貨店阿倍野本店 1206億円。
第12位、そごう横浜店 1117億円。
第13位、小田急新宿店 1048億円  

都心の最高立地、超巨大な店舗。
絶大なる信用と暖簾。

三越本店の売り場面積は、
13万6941㎡と圧倒的な一番店。
伊勢丹新宿本店は、6万4296㎡だから、
こちらは、圧倒的な売場販売効率を誇る。  

年商500億円を超える百貨店は39店。  
39位が、548億円の西武渋谷店。

年商300億円を超えるのは69店。
年商200億円以上は109店。
150億円超は、139店。
そして100億円超は、178店。  

総合スーパー100億円店舗が、
ひとつの分岐点とすると、
大衆百貨店機能を果たす総合スーパーと、
百貨店との分かれ目は、
年商150億円という線か。

あれは明らかに百貨店。
これは明らかに総合スーパー。

それがはっきりすることこそ業態の差異性。

かつて、千葉商科大学の学生に、ある先生が、
「君たちの地域で、君たちの考える百貨店の代表はどこか」と聞いた。

「イトーヨーカ堂」が圧倒的に多かった。  

もちろん学生に百貨店と総合スーパーの差異性を、
正確に説明しておかねばならないのだが、
説明を受けずとも画然とした違いが分かるものこそ、
業態の違いでなければならないと思う。

そしてはっきりと違いが分かる店でなければ、
業態として生き残ってはいけない。

私は、そう思う。

成熟社会のオーバーストア競争のなかで、
サバイバルするとは、そういうことだ。

さて日経MJの調査では、
増収を果たした百貨店の店舗が12店しかなく、
これが全体の5%にすぎないと指摘している。

そして伸びた店が、郊外・地方店舗ばかりと強調している。

これには私、賛成と異論がある。
賛成の理由は、
伸びた店が「ロイヤルカスタマー」をしっかり獲得している点。
西武所沢店の生井俊一店長の発言。
「私の店と思ってもらう取り組みを徹底する」  

この「私の店」とはかつて西武百貨店の中核にいて、
西友を創業した上野光平先生の言葉。

私、うれしくなった。

「私の店」と考えてくれる顧客をつくる店は、
業態を超えて、残る。
これは真理。

一方、郊外・地方の店が伸びたというのはおかしい。
郊外・地方で縮んだ店は、伸びた店よりも圧倒的に多いからだ。

伸びた店12店を見たら、郊外・地方の店で、
これらは「ロイヤルカスタマー」を獲得する努力をしていた。

地方や郊外のほうが、相対的に客数が少ない。
だから「私の店」化の努力をした。

そう見るのが妥当だろう。

最後に一言。
百貨店は、店舗別に評価するべきで、
企業別に判断するのは危険である。  

良い店が数多くあるのが、良い企業。
企業全体の力量というよりも、
個店別の力を足し算するのが百貨店。

チェーンストアの評価とは全く異なる。

念のために言っておくと、
だからといってチェーンストアが、
個店を大切にしないというのではない。

全体と個との関係性を最大限に最適化し、
それによって掛け算の成長を果たすのが、
本来のチェーンストアである。  

<結城義晴>  

[追伸]
今日もこのホームページに来てくださって、ありがとう。
今日もこの長編ブログを読んでくださって、ありがとう。

2009年08月12日(水曜日)

日本の人口1億2707万人、1万人増加の傾向と対策

2008年度の日本の人口動態。
総務省の住民基本台帳に基づく調査が発表された。

1億2707万6183人。  
イチオク・ニセン・ナナヒャクマン・ニン。

すごい人口だ。

この国民が毎日、
食べ、住み、着て、生きる。
それを支えるのが商業。

国民が毎日、
動き、学び、遊び、楽しむ。
それを支えるのがサービス業。  

この壱億弐千七百萬人の暮らしこそが、
すべてのベースとなる。
8月30日の衆議院議員選挙も、
この壱億弐千七百萬人の生活のためになされる。

商人舎8月の標語。
「選挙に行こう・投票しよう」   

とりわけ、投票が行われる日曜日に、
店をあけ、営業する小売業・サービス業に従事する人は、
当然ながら、他の産業に従事する人より、
投票率が低いと予測される。

だからこそ、あえて、言いたい。
「選挙に行こう・投票しよう」   

さて日本の人口。
昨年よりも、増えた。
1万0005人プラス。
0.01%。 

2年連続のプラス。

少子高齢化といわれるのに、
なぜか。

日本国籍を有する国民のうち、
海外から帰国する人口が増加したから。
世界中が不況となり、
母国に帰ってくる。
だから2年続けて、人口は増えた。

しかし、死亡した人は113万4402人。
なんと過去最多。

出生数は108万8488人。
3年ぶりに減った。

差し引いた「自然減」は4万5914人。
この減少幅は、過去最大。  

やはり、少子高齢化は進んでいる。
14歳以下が、1720万6720人で、
依然として減少し、過去最少。  

65歳以上は、2821万7919人で、
増加の一方、そして過去最高。  

15歳から64歳までの「生産年齢人口」は、
8165万1549人で、
これも過去最少。

面白いことに、
日本経済新聞は生産年齢人口減少を問題視し、
朝日新聞は総人口の増加を強調する。
新聞の姿勢が表れる。

しかしこのマクロな数字や傾向は、
毎日の仕事には、直接、響いてはこない。

影響を受けるのは、地域別の人口動態。

東京・神奈川などの首都圏、
大阪を中心とした関西圏、
愛知周辺の中京圏の、
三大都市圏は、増加し続けて、過去最高の人口。
このエリアに6401万2618人。

日本の人口の50.37%が、
三大都市圏に集まる。  

日本人の半分以上が、三大都市圏に住まう。

減り続けていた関西圏も5年ぶりの増加。

市と町村の人口割合も、
格差は広がるばかり。
市部は、89.8%。
町村部は、10.2%で、間もなく1割を切る。

この傾向は、日本だけではない。
アメリカもヨーロッパも、
中国、インドなどブリックス諸国でも、
現在の地球上では、
都市に人口が集中し続けている。

そのくせ、
一世帯当たり人数は2.4人。  
減少を続けている。

しかし商売とは、実に皮肉で面白いもので、
都市圏の小型店で、
少量パック・小容量商品が売れるかというと、
それもあるが、それだけではない。

町村部にあるアウトレットモールには、
人が群がり、大繁盛し、
コストコ・ホールセールでは大容量商品が、
飛ぶように売れる。

マクロ・マーケットのトレンドと、
ミクロ市場でしか成功しないビジネス。
ミクロ市場は、しかし、
マクロなトレンドから影響を受けずにおれない。

ここに商売の妙味がある。

戦後、日本人は着物を着なくなった。  
圧倒的に着物人口は減った。

しかし呉服屋チェーンが登場すると、
着物人口は減っているにもかかわらず、
彼らは成長を続けた。

やまと、さが美、鈴乃屋。  
マーケットが縮小する中で、
既存の小さな呉服屋を潰しながら、
彼らは成長した。

しかしあるところで成長は、パタリと止まった。
マーケット自体が縮小していたから。

そして現時点では、
リサイクル呉服の「たんす屋」が大繁盛。  
ユニクロの浴衣もよく売れている。

マクロ市場の傾向と、
ミクロ・マーケットの対策とは、
この呉服業界の盛衰関係そのままである。

すべての基礎トレンドは、
日本の人口動態にある。

日本の人口1億2707万6183人。
2008年度、1万と5人増えた。  

この国民が毎日、
食べ、住み、着て、生きる。
それを支えるのが商業。

国民が毎日、
動き、学び、遊び、楽しむ。
それを支えるのがサービス業。  

ありがたい仕事だ。

<結城義晴>  

2009年08月12日(水曜日)

2008年度日本の人口1億2700万人、1万人増加の傾向と対策

2008年度の日本の人口動態。
総務省の住民基本台帳に基づく調査が発表された。

1億2707万6183人。  
イチオク・ニセン・ナナヒャクマン・ニン。

すごい人口だ。

この国民が毎日、
食べ、住み、着て、生きる。
それを支えるのが商業。
国民が毎日、
動き、学び、遊び、楽しむ。
それを支えるのがサービス業。  

この壱億弐千七百萬人の暮らしこそが、
すべてのベースとなる。
8月30日の衆議院議員選挙も、
この壱億弐千七百萬人の生活のためになされる。

商人舎8月の標語。
「選挙に行こう・投票しよう」  

とりわけ、投票が行われる日曜日に、
店をあけ、営業する小売業・サービス業に従事する人は、
当然ながら、他の産業に従事する人より、
投票率が低いと予測される。

だからこそ、あえて、言いたい。
「選挙に行こう・投票しよう」  

さて日本の人口。
昨年よりも、増えた。
1万0005人プラス。
0.01%。 

2年連続のプラス。

少子高齢化といわれるのに、
なぜか。

日本国籍を有する国民のうち、
海外から帰国する人口が増加したから。
世界中が不況となり、
母国に帰ってくる。
だから2年続けて、人口は増えた。

しかし、死亡した人は113万4402人。
なんと過去最多。

出生数は108万8488人。
3年ぶりに減った。

差し引いた「自然減」は4万5914人。
この減少幅は、過去最大。  

やはり、少子高齢化は進んでいる。
14歳以下が、1720万6720人で、
依然として減少し、過去最少。  

65歳以上は、2821万7919人で、
増加の一方、そして過去最高。  

15歳から64歳までの「生産年齢人口」は、
8165万1549人で、
これも過去最少。

面白いことに、
日本経済新聞は生産年齢人口減少を問題視し、
朝日新聞は総人口の増加を強調する。
新聞の姿勢が表れる。

しかしこのマクロな数字や傾向は、
毎日の仕事には、直接、響いてはこない。

影響を受けるのは、地域別の人口動態。

東京・神奈川などの首都圏、
大阪を中心とした関西圏、
愛知周辺の中京圏の、
三大都市圏は、増加し続けて、過去最高の人口。
このエリアに6401万26182人、

日本の人口の50.37%が、
三大都市圏に集まる。  

日本人の半分以上が、三大都市圏に住まう。

減り続けていた関西圏も5年ぶりの増加。

市と町村の人口割合も、
格差は広がるばかり。
市部は、89.8%。
町村部は、10.2%で、間もなく1割を切る。

この傾向は、日本だけではない。
アメリカもヨーロッパも、
中国、インドなどブリックス諸国でも、
現在の地球上では、
都市に人口が集中し続けている。

そのくせ、
一世帯当たり人数は2.4人。  
減少を続けている。

しかし商売とは、実に皮肉で面白いもので、
都市圏の小型店で、
少量パック・小容量商品が売れるかというと、
それもあるが、それだけではない。

町村部にあるアウトレットモールには、
人が群がり、大繁盛し、
コストコ・ホールセールでは大容量商品が、
飛ぶように売れる。

マクロ・マーケットのトレンドと、
ミクロ市場でしか成功しないビジネス。
ミクロ市場は、しかし、
マクロなトレンドから影響を受けずにおれない。

ここに商売の妙味がある。

戦後、日本人は着物を着なくなった。  
圧倒的に着物人口は減った。

しかし呉服屋チェーンが登場すると、
着物人口は減っているにもかかわらず、
彼らは成長を続けた。

やまと、さが美、鈴乃屋。  
マーケットが縮小する中で、
既存の小さな呉服屋を潰しながら、
彼らは成長した。

しかしあるところで成長は、パタリと止まった。
マーケット自体が縮小していたから。

そして現時点では、
リサイクル呉服の「たんす屋」が大繁盛。  
ユニクロの浴衣もよく売れている。

マクロ市場の傾向と、
ミクロ・マーケットの対策とは、
この呉服業界の盛衰関係そのままである。

すべての基礎トレンドは、
日本の人口動態にある。

日本の人口1億2707万6183人。
2008年度、1万と5人増えた。  

この国民が毎日、
食べ、住み、着て、生きる。
それを支えるのが商業。
国民が毎日、
動き、学び、遊び、楽しむ。
それを支えるのがサービス業。  

ありがたい仕事だ。

<結城義晴>  

2009年08月11日(火曜日)

電通・博報堂、ニューズ・タイムワーナー、そしてコンビニの「蛻変」

残暑、お見舞い申し上げます。  

私ども㈱商人舎は、
本日、8月11日(火曜日)より、
8月17日(月曜日)までの1週間、
定例の夏季休業にはいります。

ご迷惑をおかけしますが、
ご了承ください。

なお、結城義晴をはじめ、スタッフへの、
それぞれのメールや携帯電話での連絡は可能です。

緊急の場合は、ご連絡ください。 
皆様、良い休暇あるいは実り大きなお盆商戦をお迎えください。

                       ㈱商人舎一同    

関東周辺の二日続けての地震。
不安なことが続きますし、
残暑というよりも、
蒸し暑さへのお見舞いをしなければならない今年です。

1週ぶりというか、
8月に入って初めて、
横浜の商人舎オフィスに出社。

仕事は山と積まれ、
来客もある。

しかし、これは幸せなこと。
ありがたいこと。

広告代理業の4月から6月の第1四半期は、
ひどい営業成績。
つまり、どんどん仕事がなくなっているということ。

電通は、売上高3810億円の前年同月比18%減、
経常利益は26億円でマイナス59%。
博報堂DYホールディングスは2142億円の16%減で、
経常利益は14億円の赤字に陥った。

広告代理業そのものの、
根本的な「蛻変」が求められている。  

アメリカでは、情報メディアのネット事業は、
2大陣営に集約されつつある。
これは日経新聞の記事。

第1は、ニューズ、NBCユニバーサル、ディズニーのHulu。
第2は、タイムワーナー、CBS、コムキャストのTVエブリウェア。

私の言葉でいう「複占」。  
大きく二つのグループに、
その市場のほとんどが占有されてしまう状態。

もちろん大切なのは、
多くのニッチの存在感は高まるということ。
規模を追求するのは、2つの存在になる。

なぜか。

提供する商品やサービスが、
同質化し、コモディティ化するから。

そしてコモディティ化したマーケットでは、
その提供者にイノベーションや「蛻変」が求められる。

さて、昨日は、午後3時に、
商人舎オフィスを㈱プラネットの皆さんが、
訪問してくださった。

11月の講演会の打ち合わせ。
ありがたい。
頑張ります。

例によって、
24段変速の「ロヂャース28号」の解説。
1
そして「しゃしん忘るべからず」。
2
右から、代表取締役副社長の井上美智男さん、
常務取締役営業本部長の石橋光男さん、営業部課長の森高宏さん。

午後7時には、USP研究所所長の當仲寛哲さんと
㈱ロジスティックス・パートナー代表の松見浩希さん。
3

私は、ちょっと待っていただいて、
原稿書き。
4

そして「しゃしん忘るべからず」
5

松見さんが毎日発信する「流通ニュース」。  
現在、ネットでは最大の「流通情報」メディア。
今日1日で42本のニュース発信。

今日のニュースの最大のネタは、
コンビニの月次売上報告。
軒並み既存店の前年同月比割れ。

ローソンは、6.9%減。
ファミリーマートは2.4%減。
ミニストップは6.1%減。
ポプラは11.5%減。
スリーエフは10.2%減。  

もちろん、これは、
昨年のたばこ自動販売機のタスポ効果が消失したため。
しかし、コンビニというフォーマットと、
フランチャイズチェーン・ビジネスに、
おおきな転機が来ていることの表れでもある。

米国ネット事業メディア、
日本の広告代理店やコンビニ。

成熟社会においては、
ビジネスモデルの陳腐化は早い。

急速に、巨大に成長すればするほど、
急速で、大きな変革が求められる。  

ゆっくりとした小さな成長には、
ゆっくりとした小さな変革が要求される。  

それが道理というものだ。

<結城義晴>  

2009年08月10日(月曜日)

平富郎&結城義晴・富士登山記③ついに標高3776m登頂!

Ladies and Gentlemen! Good Monday!  

2009年8月第3週、いよいよ「お盆」の週です。
甲子園の高校野球も始まって、
日本中のサラリーマンが休暇に入る。

商売をする人、店、会社にとって、
まさに「書き入れ時」。

「盆」は、正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、
先祖の精霊を迎え、追善の供養をする期間。

13日が盆の入り。
16日が盆の明け。
今年は、13日の木曜日が盆の入りで、
16日日曜日が盆の明け。

ピークは、
15日の土曜日と16日の日曜日。  

読者諸君の健闘を祈念したい。

最初の盆の由来は、仏教伝来直後、
推古天皇時代の606年7月15日に設けられた「斎会」。

盆は、もともと仏教の行事だったが、
それに「神道」的な要素や道教的な先祖崇拝も加えられた。
だからこれほどに広まり、定着した。

つまり盆は、
日本人の「心」の問題と
絡んでいることになります。

そして富士山にも、
神道信仰、道教崇拝があります。

合目ごとに鳥居が建てられていて、
これは神道の象徴。

さて、富士山頂を目指す平富郎隊。
6日、標高3450メートルの「御来光館」という山小屋に宿泊。
夜、8時05分にたどり着いて、
8時30分からカレーライスの食事。
9時ころからタコ部屋のような寝台でゴロ寝して、2時起床。

7日、深夜2時30分出発。
1

頂上で、ご来光を仰ぐため。
ただし、肝心の太陽が出なければ、
ご来光は仰げない。

御来光館の前は、もう行列。
七合目の小屋に泊った登山者は、
午後11時には出発して山頂を目指す。
だからこの時間帯に、3450メートルあたりに到着し、
この辺り新宿駅の朝並みに混む。

しかしその代りにペースは、ひどく遅い。
平隊にとっては好都合だが。

ほとんどの登山者がヘッドランプをつけて、
足元を照らしながらの登頂。

山小屋を出て、1時間余り。
3:29。
九合目の鳥居に到着。
2

あと一合。
岩場を登っては休み、
休んでは登る。

睡眠も足りず、
起きたばかりで、もうろう状態。

頂上はもう少しだと思われるが、
少しずつ、明け始めた。
上の方に月が見える。
3

5:06。
遠くに、山頂の鳥居の姿が浮かんだ。
4
本当にもう一息。

しかしここで慌てない。
休憩。
平隊長、呆然としている。
平富郎

金営修先生も、疲れ切った様子。
kanaei
ここからが、長い。

山頂は、見えている。
5

まだ下からの登山者の行列は、
延々と続く。
6

鳥居の前の駒犬の石造のところで写真。
7

一気に登って、浅間大社奥宮鳥居の下で、
平富郎&結城義晴の握手。
shake hands
2009年 5:15。

固い、固い握手。
29
共に歩んできた同志の握手。

5:25。
雲の上から、朝日が姿を現した。
ご来光。
goraikou1

どんどん登って、
あたりを明らかにする。
goraikou2

そのご来光を背に、1ショット。
goraikou3

山頂で、朝日を浴びながらの三人の写真。
8
標高3776メートル富士山制覇。  
平富郎満70歳、六度目の富士登頂。
金営修、この日、還暦60歳の誕生日を迎えて、
しかも初の登頂成功。
二重におめでたい。
そして結城義晴56歳、初制覇。

見下ろすと、まだまだ登山者の行列は、
山頂を目指して続く。
9

山頂の浅間大社奥宮にも人がいっぱい。
10

そこで平さんが、記帳する。
11

数え年で70歳を超える人だけが、
この記帳を許されている。

平富郎、71歳。
本当に気迫の登頂だった。
根性を超えたど根性の登はんだった。

山頂からは、富士の火口が見える。
13

記帳が終わると、素焼きの盃にお神酒が振る舞われ、
飲み終わって、盃を、その火口に向かって投げる。
すると長寿が約束される。
14
杯を投げ終わって、満足顔の平さん。

山頂の茶店で、お汁粉や豚汁で朝の食事。

太陽はもうずいぶん高く登って、
雲界を照らしている。
15
富士山頂3776メートルからの雲界の眺望は、
たとえようがない。

6:07。
早くも、下山を始める。
16
下りは、こんな砂利道の「須走道」を延々と4時間も歩く。

その道々の雲界の眺め。
17

霧が走ってゆく。
18

地表から霧が上がってゆく。
19

その地表は赤茶けている。
富士が火山であることを物語る。
20

そしてまた雲界。
21

見上げると、土肌。
22

下りも、ゆっくりゆっくりと。
とりわけ、学生時代にひざを痛めた私は、
杖を頼りに、ゆっくりと歩いた。

その間にも、霧に覆われ、
激しい雨に打たれ、
何度も何度も、合羽を着たり脱いだり。

7:32。
中西学さんが持参のバーナーで、
熱いお茶を入れてくれた。
そして皆で一息ついた。
23
山は登るのも難しいが、
降りるのも難しい。
ぺースの取り方が。

またまた下っては休み、
休んでは歩く。

そうこうするうちに、七合目から六合目に。

そして五合目を目指す。
このあたりになると、緑の草が生えている。
24
11:29。

五合目登頂口まで、もうわずか。
馬車が待っていた。
26
疲れ切った人は、ここで馬車に乗る。

しかし私たちは、全員、自力で、登頂口へ到着。
27

最後の満足を表した写真。
last
お疲れ様でした。

ありがとうございました。

それにしても、
平富郎の精神力には、恐れ入った。

70歳以上の人でも、富士制覇は、できるだろう。
周到に計画を立て、鍛錬を重ねて、
富士山頂を踏む人はいるだろう。

しかし今回は、まず五合目で、
激しい雨に打たれた。
体力を消耗しつくした。

その最悪のスタートの最悪の体調のなかで、
最後まで歩き尽くすことのできる70歳以上の人間は、
そうは、いない。

この精神力に、私は感服した。

平さんを見ながら、
私も頑張った。

「無茶はせず、無理をする」  
今年の商人舎標語。

無理とは、
一歩一歩の積み重ねで、
達成するレベル。
無茶とは、
一足飛びを狙って、
暴挙に挑むレベル。  

だから、いつの間にか、
「無茶」を「無理」が追い越してしまう。

しかしその無理もせず、
安穏と生きることもできる。

今年はしかし、無理を承知で、
一歩一歩を積み重ね、
高い頂を目指すとき。

ピーター・ドラッカーの言葉。
「私たちは今、長い峠を越えている」  

心から、感謝。

Ladies and Gentlemen! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年08月09日(日曜日)

ジジ、富士に思いを馳せる[日曜版]

8月6日、木曜日のことです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
朝はやく、でかけていきました。

おおきなリュックサックをせおって。

フジサンへ、山のぼり。
fuji1

ボクは、
おとうさんのことや、
フジサンという山のこと。
かんがえています。
jiji3

おとうさんは、
なんとか、
のぼっているみたいです。
yoshi1

やっぱり、
ジュンビがよかったと、
ボクはおもう。
jiji4

くつが、よかった。

きていったものも、よかった。
wear

リュックサックも。
koremo

カッパは、
ほんとうによかった。

ツエも。

いがいに、
やくにたった。

ほんとうに、
ジュンビはたいせつ。
jiji5

だから、くらくなってしまったけれど、
たかいところまで、
のぼることもできた。
yoshi2
たかいところも、
くらくなる。

くらくなったら、
ボクは、ねむくなる。
ボクは、ねます。
jiji6

フジサンも、くらくなる。
お月さまだけ、
あかるい。
fuji3

ボクは、うちで、
ねています。
jiji7
夢を、みています。

ユウキヨシハルさんも、きっと、
夢、みているんでしょう。
yoshi3
いちばんたかいところに、
のぼった夢です。

ボクも、おんなじ夢を、
みることにします。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

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