結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年01月09日(水曜日)

ウェグマンズの「ティー・バー」開発者吉野邦夫さんのパッション

1月7日、帰国している吉野邦夫さんに会った。
吉野邦夫
米国のウェグマンズで「ティー・バー」を開発した若者。
現在、28歳。
2年前、アメリカに渡り、ウェグマンズに入り、
ダニー・ウェグマン会長に認められ、
茶のインショップ新業態開発に心血を注ぎこんで、成功。

ウェグマンズは、全米小売業ランキング54位。
いわゆるグルメスーパーマーケットだが、
東海岸を中心に72店舗展開し、42億ドルを上げる。
ご存知、「最も働きたい企業ランキング」に常に上位に入る会社。

吉野さんは、このウェグマンズに入りたいと熱望し、
その夢がかなう。
熱望しなければ、夢は実現しない。

しかし、入ってからが大変である。

「競争社会です」

「みんなあれだけ努力して、あれくらいの給料。
日本人が日本であれくらいの給料もらうには、
半分の努力でいい」

もちろんウェグマンズは、全米小売業の中でも、
トップクラスの高報酬企業だ。

しかし、吉野さんを含めて、
ハングリー精神のないものは、認められない。
求められたことには、
背伸びをしてでも「イエス」と答え、
120%の努力をして、結果を出す。
それが、アメリカビジネス社会である。

吉野さんのショップは、600平方フィート(17坪)。
58種類の茶。
その中で緑茶は27種類というが、
バー形式で顧客に、直接、お茶を飲んでもらう。

従って、品ぞろえし、
店づくりするだけでなく、
飲み方を開発し、
プレゼンテーションやプロモーションをクリエートし、
スタッフの教育とジョブマニュアルづくりまで、
やり遂げた。

吉野さんの高揚感、充実感は、
話しているだけで、
私にまで伝染してくる。

そして、彼は同時に、
ウェグマンズの茶に関するプライベートブランド開発を手掛けている。

「量を売らねば、
スーパーマーケットではありません。
だから、私は、
こだわりという言葉、
使いません」

同感。

ウェグマンズは、
単品量販できるグルメスーパーマーケット
なのだ。

私と吉野さん、すぐに打ち解けた。
この11月にニューヨークで会った本庄洋介さんを、
二人が知っていたからでもある。

本庄さんは、伊藤園の北米CEO。

アメリカで無糖の緑茶をビジネスにすることに、
全精力を傾けている。

アメリカビジネスマンのパッションとミッション意識に、
私も大いに触発された。
感謝。

今年5月の私のアメリカ視察セミナーでは、
吉野さんとウェグマンズを堪能する予定。
乞う、ご期待。

<結城義晴>

 

2008年01月08日(火曜日)

これからの30年、本当に「商いする人」が大切になる!

年末から正月明けまで、
考えに考え抜いた。

21世紀の商業、
消費財の生産・流通・小売り産業、
そしてホスピタリティビジネス。

こういった産業を通して、
今後、最も重要となるものは何か。

不思議なものでチルチルミチル。

ぐるっと一回りして、
最初に考えていたことに、
帰り着いた。

「人」が大切なのだ、と。

「商人よ、正人であれ!」

米国の経済雑誌『フォーチュン』が発表したランキング。
”Most Companies To Work For”
「最も働きたい企業」
その全米ランクの第3位にウェグマンズ、
第4位にコンテナストア、
第5位にホールフーズマーケットが入った。
この統計こそ、アメリカの商業が、
「人」を大切にする時代を自覚していることを証明していると思う。

私だけ盛り上がって、
大発見のように語っているかもしれないが、
本当に、「人」が大事な時代に入ってくる。

戦前から、日本の商業は、
「店」を最大の焦点としてきた。

それ以前、さらにさらにさかのぼれば江戸時代も、
「お店(おたな)」が、何よりも優先されるものだった。
「お店」がその事業の、ブランドそのものだった。
もちろん現在も、「店」が重要であることに変わりはない。
しかし、現在の店と比べると、
当時の「お店」は、生死をかけて守るべきものだった。

イオンの前身・岡田屋の家訓「大黒柱に車をつけよ」
あたりから、この観念が少しずつ変わってきた。

次に、重視された概念は、
「業(なりわい)」であった。
「業種から業態へ」といった表現は、
「業」がいかに重要か、を明示していた。

「業」とは、品揃えであり、
突き詰めると商品であった。
それが顧客の生活にできるだけ近づくことを、
「業」と言った。

アメリカ小売業を説明するにあたって、
「業種」「業態」「フォーマット」
と仕分けして、
フォーマットはTPOSごとに形成される、
としたコンセプトは、実に見事な切り口だった。
日本にも、この考え方が、定着してきた。

スーパーマーケットやコンビニが、それを果たし、
ホームセンターやドラッグストアがそれを実現した。

では、次に時代が要求するものは何か。

私は、「人」であると思う。

「人」が価値をつくる。
「人」が人を呼ぶ。
「人」がブランドとなる。

「商い」という言葉は、
「ビジネス」という表現に移し替えてもよい。
むしろそのほうが、ぴったりくる人も多いかもしれない。

しかし「商い」には、重要なニュアンスが含まれる。
イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊さんの言う
「才覚と算盤」である。

もちろんビジネスにも、
才覚と算盤は不可欠だ。

営業と財務。
損益計算書と貸借対照表。

それらを「商い」は内包している。

商いする店があった。
商いという業があった。
商いする人がいた。

いま、商いする店は変わった。
商いする業も変わった。
商いする人が変えたのである。

さらに、2010年に向けて、
商いする店が変わらねばならない。
商いする業も変わらねばならない。

そして何よりも、
商いする人が変わらねばならない。

<結城義晴>

2008年01月07日(月曜日)

今年はイノベーションの年 「自ら、変われ!」

Everybody! Good Monday!

本格的な2008年の始まり。

今年のテーマは「イノベーション」です。

イノベーションは、
ヨーゼフ・シュンペーター先生を抜きには語れない。
オーストリア人で、最後は米国ハーバード大学で教えた。
イノベーションは、
シュンペーター初期の著書『経済発展の理論』では、
「新結合」と呼ばれた。
すなわち、経済活動の要素を、
新しい組み合わせで結合させることによって
新しいビジネスを生み出すことを
イノベーションと定義づけた。

同じくオーストリア人のピーター・ドラッカー先生は、
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である」

と言い切る。

「イノベーションは、科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」
「技術的イノベーションと同様に、
社会的イノベーションが重視される」
「イノベーターは、リスク志向ではない。
イノベーターは機会志向である」

私は昨年から、
「自ら、変われ!」
と訴え始めた。
そして今年は、
その本格的な主張の年であると思っている。

それは、私自身の実感による。

様々な現象がいま、2010年に向けて収斂しつつある。

例えばひとつの法律が変わる。
この数年、基本法改革の連続であった。
薬事法が変わる。
労働基準法が変わる。
それが2010年を目処にしている。

小泉改革は、2010年の変革を生み出す序曲だった。

例えばひとつの企業が2010年への目標を掲げる。
他の企業も2010年への目標を掲げる。
これらが集まって、2010年が一区切りになる。
そんな現象が見える。

だからいま、いっそうのイノベーションが必要なのだ。

再び、ドラッカー先生。
次の言葉を残している。
「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」
つまり、商業、小売業において、
イノベーションが強調されねばならないからだ。

自分が変わらねば、店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、職場を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、会社を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、社会を変えることは出来ない。

今年は、そんな年です。

さて、2008年1月第2週のスタート。

小売業の皆さんは、
「発売り」を元旦や2日から始める。
3日からという店もあるかもしれない。
3が日は休んで、4日からという場合もあるかもしれない。

もちろんコンビニのように365日、24時間営業の店もある。

今日7日から「仕事始め」という会社も多い。

自分が休んでいるときに、
働いてくれる人々には、
感謝の心を忘れたくないものです。

そして、人が休んでいるときに、
自分が働くという心構えも、
失ってはならないと思います。

あなたは、いつ、どこで、どんな状況のときに、
それをやっていますか。

これも、自ら変わることに、
役立つはずです。

人が休んでいるときに、
自分の時間を使って、
社会や顧客や会社に貢献する。

私たちに与えられたものは、
突き詰めると、
時間しかない。

その貴重な時間を、他者のために使う。

今日は七草粥の日。
成人の日を加えた3連休まで、
自分の時間をいかに使うか。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2008年01月06日(日曜日)

ジジの寝正月[日曜版]

2008-1-6-1
新年、
あけまして
おめでとうございます。
ユウキヨシハルさんも
よろしくおねがいします。
独立しました。
正月1
お正月は、
めでたい。
ボクも、
めでたい。でも、
ボクの生活、
変わりません。

正月2
食べたら、
すぐに、
眠くなる。
だから、
すぐに、
寝る。
ボクは、
寝正月。
最近は、
テレビの前で、
寝る。

正月3
寝る場所、
定位置は、
きまっていない。
でも、
みんながいるところ、
安心できる。
だから、
そこで
寝る。
夜でも、
朝でも、
昼でも。
ボクは、
一日のうち、
3分の2は、
寝てる。

眠くなると、
正月4
目を閉じる。
寝正月5

そして、
夢の中。
ボクの眠り、
浅い。
ぐっすり寝てるようですが、
すぐに起きます。
おくびょうなんです、
ボク。
神経質、
というのかな。
これでも。
寝正月6
ユウキヨシハルさんの仕事場。
暖かいじゅうたんの上。
キモチいい。
いつも、
仕事してるとき、
寝ます。
なんだか、
寝正月7
すごく
安心できる。

寝正月8
上向いて
寝ることも好き。
安らぐし、
楽だし。

寝正月9
上向いて、
ななめに
寝ることもある。
手は、
寝正月10
うらめしや。
ユウキヨシハルさんが仕事してると、
ボクも、
仕事する。
寝るのが、
ボクの仕事。
ときどき、
仕事場の、
机の上で、
寝ることもある。
ここも、
大好き。
ジジ・オン・マイ・デスク

廊下の段ボールの上。
寝正月11
ここも気持ちいい。
ぐっすり。ボクは、
とにかく、
寝正月。
寝正月の
シンプル・ライフ。
シンプル・ライフというのは、
変えないことなのです。

変える必要はない。
変える理由がないものは。
良いものは。

2008-1-6-2
まあ、
今年も
よろしく
おねがいします。
シンプル・ライフのボクと、
独立したユウキヨシハルさん。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年01月05日(土曜日)

「商業現代化」のヒント⇒江崎玲於奈先生の「オクシモロン」

「近代化」とは何か。
今、改訂で話題の『広辞苑』では、
「近代的な状態へ移行すること」とある。
「産業化、資本主義化、合理化、民主化など、
捉える側面により多様な観点が存在する」
慎重な物言い。
これでは、よくわからないが、
「産業化、資本主義化、合理化、民主化」ではあるのだろう。

注目の『ウィキペディア(Wikipedia)』にはこうある。
「社会が近代的な状態になること。
社会全般の産業化がその前提となる。
国民国家・民主主義・資本主義・合理主義などの
諸現象や諸制度をともなう」

私の言う「商業の近代化」は、
従って、「商業の産業化、合理化、民主化」である。
士農工商の序列をなくすことも、
まさしく近代化である。

「トレードオフ」という概念も、
ある意味で、近代化の特徴であるし、
「インダストリアリズム」は、
「産業化・工業化」であるから、
まさしく「近代化」に含まれる概念ということになる。

もちろん「インダストリアリズム研究所」を主催された小林宏さんは、
この言葉を「好循環活動」と認識し、実際に活動された。

ここにも「ポスト近代化」はあった。

私は、日本の商業には、
まだまだ近代化のなされていない部分があると思っている。
だから「近代化」は、今も、必要だし、
不可欠である。

しかし、「近代化」だけでは、
説明のつかない難題が出てきている。
問題が、解決できなくなっている。
現実が、良い方向にいかなくなっている。

「規模の論理の破綻」などともいわれる。

そこで、江崎玲於奈さんの登場である。
日本経済新聞の「私の履歴書」でのコメント。

「素晴らしい発明、発見が生まれるのはどのような研究環境か」
という質問に対する答え。

「萌芽的業績は個人の創造力に負う。
そこで優れた研究者を多数集めたとしよう。
彼らが個性的、独創的であればあるだけ、
独立を求め干渉されることを好まない。
一方、研究所長はマネジメントの立場から
重点課題に焦点を合わせた秩序ある体制を求める。
ここにはちょっとした二律背反がおこる。
そこで最も好ましい研究環境を一口でいえば、
“組織化された混沌”
とでも表現せねばならない。
部分的に見れば、
研究者は自由奔放に仕事を進めているので混沌としているが、
研究所全体としては
バランスがとれ、秩序がある状態をいう」

江崎さんは、次に、
「オクシモロン」(oxymoron)という概念を披露する。
日本語にすると「撞着語法」というが、
「対立する語句を並べて
新しい意味を主張する語法」

となる。

さきの“組織化された混沌”のようなもの。

私は、「日本商業の現代化」については、
このオクシモロンにヒントを求めたいと考えている。

倉本長治師の残した言葉は、
オクシモロンだらけである。

まず、最初。
「店は客のためにあり、店員とともに栄える」
この言葉を私は、
「CSとESは鏡である」
と解説している。
CSとはカスタマーサティスファクション<顧客満足>
ESはエンプロイーサティスファクション<従業員満足>

倉本長治『商売十訓』でも、無意識的にだろうが、
オクシモロンが多用されている。
「損得より先に善悪を考えよう」
オクシモロンでいえば、
「善悪の中の損得」

「創意を尊びつつ良いことは真似よ」
これなどオクシモロンそのものの名句である。
「創意と模倣」

「欠損は社会のためにも不善と悟れ」
「店の発展を社会の幸福と信ぜよ」

これらは「私を公とせよ」である。

「文化のために経営を合理化せよ」
オクシモロンであると同時に、
「商業の現代化」を予言している。
「ポストインダストリアリズム」の提唱である。

考えてみると、
ウォルマート創始者サム・ウォルトンは、
最初にオクシモロンを使った。

1962年、ディスカウントストアのウォルマート第1号店。
その店頭には、次の言葉が掲げられていた。
We sell for less.
Satisfaction Guarantee.

「私たちは、安く売ります。
同時に顧客満足を提供します」

この時代、商品はこうだった。
良いものは高く、
安いものは悪い。

サムのお客様へのお約束は、
まさにオクシモロンだったのだ。
サムは、それを徹底した。
貫徹した。

この言葉は、
現在も、ウォルマートを貫く理念となっている。
そして昨年9月に発表された新しいキャッチフレーズも、
これは、オクシモロンである。
Save Money.Live Better.

私自身の言葉にも、実は、
オクシモロンは散りばめられている。

昨年の標語。
「心は燃やせ、頭は冷やせ」

拙著『メッセージ』のタイトルから、
「正規軍とゲリラ」
「特定多数」
「あちらを立てて、こちらも立てる」
「十箇月と一瞬」
「模倣と創造」
「個と全体、それぞれの責任
「集権か、分権か」
「敗者復活」

そして、私の、自分自身への日々の元気づけの言葉。
「今日も一日、優しく強く」
「今日も一日、慌てず急げ」

ちなみに、「オクシモロン」はギリシャ語で、
パラドックス(逆説)の一形態。
oxy<鋭い、賢い>とmoron<鈍い、愚かだ>の合成語であるという。

<結城義晴>

2008年01月04日(金曜日)

2008年の経済・消費を俯瞰し「賢くて若い」社会を目指す

さて仕事始めの1月4日。
会社によっては、7日からというところもある。

初売りは、
百貨店・家電量販店が好調。
それでも、前年比は、
新宿伊勢丹3%、
西武池袋4%、
阪急梅田6%。

どの業態フォーマットでも
福袋がよく売れた。

食品スーパーマーケットなど、
在庫を抑えて、
売れる分だけ売る、
という姿勢が強かったように思う。

コンビニは、
年始商戦は強い。
しかも売れないという強迫観念がないから
通常通りのオペレーション。
在庫管理には、気を使わない。
それがこのフォーマットの強さだ。

国際問題に目を転じる。

原油高。
3日、一時、1バレル100台を突破。
ドル安、そして円安。

ここには中東和平問題も絡む。
中東問題は、人類にとって21世紀最大の課題。
すなわち宗教問題である。

宗教は、他を認めるか否かというところに行き着く。
一神教か否か。

日本では、幸いなことに、これはない。
新興宗教同士の小さなものはあるけれど。

一神教のキリスト教とユダヤ教、イスラム教が争う。
その抗争が中東に集約される。

祈るだけ。
人間の賢さに期待をかけて。

そう、人間の賢さ。

アメリカ経済の減速感。
サブプライム問題に端を発した。
しかし、お祭り騒ぎの大統領選は11月本選挙まで続く。
おそらく、今年の世界の話題をさらうのは、
この米国大統領選挙と北京オリンピック。

日本人も、こういった話題に引きずられやすい。

商売のテーマにはなるけれど。

その陰で、ヨーロッパの好調はいつまで続くか。
私は、健全なヨーロッパは、
健全な経済から、と考えている。
それは引き続いてほしい。

一方、BRICs。
ブラジル・ロシア・インド・中国。
間違いなく、これらの国が、国際関係の中で、
重要な位置を占めるようになる。

今年には、私、
これらの国をすべて訪れねばならないと思う。
肌で感じることが、重要なのだ。

日本経済。 
福田内閣は、ねじれ国会を余儀なくされている。
今年は、衆議院解散が見込まれる。
7月洞爺湖サミットも開かれる。

変わることは、良いけれど、
今は、じっくりと、
「この国のかたち」を定めねばならないと思う。

2000年以上も前に、
ヨーロッパのグランドデザインを構想した
ユリウス・カエサルのように。

これは、様々な会社にも当てはまる。

M&Aを成功させる唯一のポイントは、
その後のグランドデザインであると思う。

日本の2007年実質経済成長率1.4%だった。
2008年の予想は2%。
だから悲観することばかりではない。

2002年2月からの景気回復局面は、
この1月で72カ月、6年間も続いている。
わが商業にその好調感が薄いだけ。

個人消費は、今年、1%台半ばの増加見込み。
消費者物価指数も、上昇傾向が定着化すると予想されている。

円安になると、
国内二重価格が出てくる。
外国人向けの高価格と
“国内貧民“向け低価格。

だから価格は、今年も、
小売業にとっての重要問題となる。

たとえ話で、この二重価格がすり替えられつつ、
論じられることがある。
気をつけねばならない。

高級ホテルではどうの。
高級レストランではどうの。

最後に二つの重要問題。

一つは、地球の問題としての温暖化。

購買力平価ベースのGDP100万ドルに対するCO2排出量が試算された。
日本371トン、
ドイツ387トン。
日本は先進国である。
しかし、この二酸化炭素の削減率が、先進国の中でただ一人、
減っている。

ゴミの問題と同様、
この目の前のごみを私が拾うことで、
必ず、一歩前に進む。
この、個人の認識。
そして、組織で取り組むCO2対策。
国で取組む対策。

もう一つは、少子化傾向。
2007年は2005年に次いで、また減った。

高齢化社会は、むしろ誇るべきこと。
高齢者がさらに長生きし、増加することは、嬉しいことだ。
それに対して、子供が増えない。
根本対策が必要だ。

日本社会全体の知恵と富を、
少子化対策に振り向けるべきである。

ただし、これを抑えることは難しい。
従って、当面のビジネス上は、対策を練らねばならない。
ここで重要なのは、
ビジネスは常に、小商圏で展開されているということだ。
少子高齢化は、われわれの既存ビジネスの小商圏の周辺では、
徐々にやってくる。
極端な少子高齢化対策は、だから失敗する。
まず、観察と調査から始めることだ。

少子高齢化社会に関しては、
人々のマインドのほうが重要な問題だ。

すなわち「若さ」に対する自己認識である。

その意味で、いつまでも「若さ」を誇示する企業や店であって欲しい。
それが、人間の賢さにつながる。

賢くて、若い。
実年齢よりも。

そんな人が増える社会を目指したいものだ。
今年も。

<結城義晴>

2008年01月03日(木曜日)

つれづれなるままに結城義晴<選>詩集

日の出
お正月なので、
私の好きな詩を。

このブログで、
詩の連発なんて。
意外ですかね。
でもいいかな。

初売りが始まって、
仕事に入っている人も多いとは思いますが、
感じ取ってみてください。
詩人の言葉を。
その先にあるお客さんの心を。

まず、「かぞえうた」から始めよう。

いちじく
にんじん
さんしょに
しいたけ
ごぼうに
むくろじゅ
ななくさ
はつたけ
きゅうりに
とうがん
(日本わらべうた)

商売の基本は、
数字です。
昔の人は、
こうやって子供に数字を教えました。
生活感覚で、
数字を楽しみました。
基礎的な野菜が並んでいます。
ただそれだけ。

このわらべうた、
なぜかとても好きなのです。

「つけものの おもし」

つけものの おもしは
あれは なに してるんだ
あそんでるようで
はたらいてるようで

おこってるようで
わらってるようで

すわってるようで
ねころんでるようで

ねぼけてるようで
りきんでるようで

こっちむきのようで
あっちむきのようで

おじいのようで
おばあのようで

つけものの おもしは
あれは なんだ(まど・みちお)

わたしがもっともそんけいし、
としとったら、ああなりたいとおもってる詩人。

わたしは、
にほんのしょうぎょうのせかいで、
つけものの おもし
に なりたい。

「利益」

海を売って十円もうけ
山を売って十円もうけ
空を売って十円もうけ
健康を売って十円もうけ
人買いをした山椒太夫
安寿・厨子王の昔よりも
もっとあくどい会社のあきない。
としよりを売って十円もうけ
子供を売って十円もうけ
明日を売って十円もうけ
もとでの安い薄利多売、
海を売って十円もうけ
山を売って十円もうけ
空を売って――。
(石垣りん)

強烈な女性。
働く女性。
こんなのもある。

「くらし」

食わずには生きてゆけない。
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった。
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙。
(石垣りん)

でも、私、大好きなんです。
こういうの。
tree
意外なのもひとつ。

「はるかぜ」

ああ、家が建つ家が建つ。
僕の家ではないけれど。
   空は曇ってはなぐもり、
   風のすこしく荒い日に。
ああ、家が建つ家が建つ。
僕の家ではないけれど。
   部屋にあるのは優欝で、
   出掛けるあてもみつからぬ。

ああ、家が建つ家が建つ。
僕の家ではないけれど。
   鉋の音は春風に、
   散って名残はとめませぬ。

   風吹く今日の春の日に、
   ああ、家が建つ家が建つ。(中原中也)

よいですね。
中也のこんな感じ。
新春気分。

「ああ、店が建つ店が建つ」
私も詩ってみましょうか。

一方、こんなのも好きです。

「言葉のない世界」
1
言葉のない世界は真昼の球体だ
おれは垂直的人間
言葉のない世界は正午の詩の世界だ
おれは水平的人間にとどまることはできない
2
言葉のない世界を発見するのだ 言葉をつかって
真昼の球体を 正午の詩を
おれは垂直的人間
おれは水平的人間にとどまるわけにはいかない
(田村隆一)

そうそう、そのとおり。
私、影響、受けてる。

「出発」

おまへは信じない 私の生を
私は出発する 雨の中を
暗い岸壁に私の船が着く
……そして私の生の幻影が

黙って私は手を振る
それなのに おまへは信じない
私の生を 雨の中の私の出発を(田村隆一)

今の、私の心境。

ぐっと気分を変えましょう。

おおきな
おおきな
ホームラン
あのそらの
あのそらの
むこうまで

ボールが
ボールが
とんでゆく

おおきな
おおきな
ホームラン(詠み人知らず、少年ソフトボールの応援歌)

とにかく大声で歌うと、
元気が出てくる。
子供たちが、
声を揃えて、
一生懸命歌う。
すると、試合に負けていても、
みんなに元気が出てくる。

最後に、もう一度、戻る。
「かぞえうた」

ひとつの空を
ふたつの風が
みっつの足で
駆けてゆく
よっつの雲が
いつつの腕で
むっつの光
通せんぼ

ななつの海に
やっつの思い
ここのつ虹が
架かったら

とおの声で
とおの顔で
とおの人が
笑ったよ(味曽 司こと結城義晴)

軽い感じで、
数えてみる。
それもよし。

気は長く、
心は丸く、
腹立てず、
人は大きく、
己は小さく。

そして、みたび、年賀状。
年賀状4
「志定まれば、気盛んなり」(吉田松陰)

言葉を使って、
言葉のない世界へ。
すべての詩人に感謝。

。<結城義晴>

【出典】
「つけものの おもし」<『いわずにおれない』集英社刊>
「利益」「くらし」<『石垣りん詩集』思想社>
「はるかぜ」<『中原中也詩集』彌生書房>
「言葉のない世界」「出発」<『田村隆一詩集』思想社>

 

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結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

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