結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月10日(金曜日)

日本スーパーマーケット協会10周年記念討論会「10年後の考察」

昨7月9日、東京・帝国ホテル。
日本スーパーマーケット協会が10周年を迎え、
その総会、記念式典、パネルディスカッション、懇親会など、
盛大に開催された。

この模様、2回にわたってお届けする。
panel

10周年の節目に、
清水信次さんから川野幸夫さんに、
会長がバトンタッチされた。  

清水さんは、㈱ライフコーポレーション会長。
川野幸夫さんは㈱ヤオコー会長。

清水さんは、この協会を創設し、
10年間会長職を務めて、
まれにみる強力な牽引車ぶりだった。

川野さんが会長に就任するとともに、
専務理事は、大塚明さんに交代した。

ライフコーポレーションの並木利昭さんが、
これまでの専務理事。
ライフ常務の並木さんから、
ヤオコーの常務だった大塚さんへのバトンタッチ。

専務理事も、まさに適任の交代。

並木さん、お疲れ様でした。

さて、この協会は、
通常会員と呼ばれるスーパーマーケット企業104社。
その年商合計は6兆円を超える。
賛助会員は504社。

私はこの協会を、
日本のスーパーマーケット業界全体の、
「政治・行政部」と位置付けている。

政治や行政府に、大義を背負って、
正々堂々とモノ申す協会。
それを清水さんが果たしてきたし、
これからも果たしてもらわねばならない。
だから清水さんは、
名誉会長兼政治局局長の役回りとなる。
それも大局長。

これからもお元気で、お願いしたいものだ。

さて、総会で、そんなことが決まったあと、
記念式典では、10年を振り返るビデオ上映、
そして会員各社のユニフォーム・ファッションショー。

14社の社員が、ユニフォーム姿を披露して、
拍手喝采を浴びた。

そのあと、恒例のパネルディスカッション。
毎回、会長・副会長が勢揃いして、討論する。
私が、コーディネーター。
これも恒例。
JSa
今回は、10周年ということもあって、
特別ゲストをパネラーに迎えた。
日本チェーンンストア協会の亀井淳会長。  
イトーヨーカ堂社長。

パネラーは、清水信次名誉会長、川野幸夫会長、
そして横山清日本セルフ・サービス協会名誉会長。  

㈱アークス社長にして、全国スーパーマーケット協会理事長。
日本スーパーマーケット協会では副会長職にある。

日本の小売業の代表的協会の会長・名誉会長による豪華討論会。
私が設定したテーマは、
「10年後の考察」  
もちろん10周年だからだ。

10年のことを、英語で「ディケード」という。
特別な単語があるくらい、特別な時間単位なのだと思う。

その10年を区切って、「来し方と行く末」を考える。
サブタイトルは、
「日本流通業の現状を整理し、
今後の10年間を展望する」  

yuuki
まず、コーディネーターの問題提起。
パラダイムの転換のときであること。
そしてこの10年間に、消費産業・商業の時代に入ってきたこと。
それはウォルマートが石油産業・自動車産業を追い抜いて、
世界最大の年商という社会的機能をもつに至ったことに象徴される。

川野さんが、見事に整理してくれた。
kawano
「お客さまは、十人一色の時代から、
十人十色に変わった。
そしていまや一人十色になった。
消費は多様化、個性化、高度化していく。
だから総合を狙った百貨店、総合スーパーは苦しくなった。
食品スーパーマーケットも、食品のよろずやではだめ。
専門化されたスーパーマーケットにならなければならない。
専門化とは、どんな色のスーパーマーケットか、
どんな商いをするのか、ということ。
スーパーマーケットの本格的競争時代に入る」  


「日本のスーパーマーケットは年商17兆円。
そのトップのライフは4500億円で、2.5%。
その意味で寡占化は進んでいない。
産業のライフサイクルでみると若い業態ということができる。
私たちの役割をしっかり果たしていくことによって、
まだまだ伸びるし、内需拡大に貢献することができる。
日本スーパーマーケット協会は、
リーダーとしてその役目を果たしたい」

力強い発言だった。

つづいて、横山さん。
「最近は景気12年説というのがある。
1997年に金融ビッグバンが起こって、
金融界ではメガバンクが4行しか残っていない。
小売業界は、これからが正念場だ。
いままででの論理構成では底が抜ける。
この10年から学びたい」
yokoyama
「これまでは焼畑農業ならぬ焼畑商業だった。
これからは新しいパラダイムを、
自分たちでつくっていかねばならない。
バブルが崩壊した時に『価格破壊』と言われた。
しかし今、『価格革命』が必要で、それがサバイバル戦略となる。
いま、アークスは北海道で10%のシェアだが、
縮むマーケットで『縮小拡大』を図りたい」  

この考え方は、くしくも私のこの朝のブログと同期した。
あなたは小商圏でトヨタやユニクロになれるか
yokoyama2
その後、横山さんは持論を展開。
「食品スーパーマーケットの協会が大同団結して、
政治や行政にアピールしていく。
年商17兆円のスケールを訴えていくことが大事」

横山さんのユーモアな語り口に、パネラーたちからも、
微笑みが漏れる。

さて亀井さん。
kamei
「お客さまの目線から見続けてきた。
百貨店同様に総合スーパーは、数字が悪くなった。
日本チェーンストア協会加盟企業も、
10年前は年商16.6兆円で、現在は13.3兆円。
売場面積は10年前が1834万㎡で、いまは2333万㎡。
売上げが落ちて、売り場面積が増えた。
すなわち生産性が大きく後退した。
ここで変わらなければ、存在価値がなくなる。  
イトーヨーカ堂は、何を目的の店にするのか。
ショッピングセンターのアリオでは、
物販とサービスを半々の構成にした。
つまりサービスビジネスの充実だ。
現金下取りセールも、
お客さまの背中をちょっと押して差し上げること。
お客さまの『もったいない』の気持ちも、
一緒に引き取らせていただくということ」
kamei2
亀井さんは、みずからアリオの開発をし、
農業法人の取り組みを展開した。
「農業と情報を共有化することで、
イトーヨーカ堂として、
環境問題に取り組んでいる」  

亀井さんの発言を聞きながら、うれしそうな会長と名誉会長。
hutari

そして最後は、清水さん。
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予想通りの切り出し。
「10年後といっても、10年後には私はこの世にいない」
清水さんは今年初めに、大手術をし、
元気に蘇った「化け物級」の経営者。
だからきっと10年後もこのパネルディスカッションには登壇している。
私は固く信じている。

清水さんが今回主張したことは一点に集約される。
「人材がすべてを左右する」  
simizu2
「だから根本から教育をやり直さねばならない。
その教育とは、正しい現在地を教えること。
そして三つのこと。
一、己を知る
二、足るを知る
三、終わりあることを知る  

その意味で企業には『人を得る』ことが大切だ。
ライフコーポレーションには岩崎高治という人を得た。
協会にも、川野幸夫という人を得た」
simizu3
「それだけ」  

見事な総括だった。

これまでの10年、
これからの10年。
その考察。

「人を残す」  
これがコーネル大学ジャパンの目的。
yuuki2
私の総括も、すべて、人に帰する。

最後に「商業現代化」を標榜する結城義晴のまとめは、
ピーター・ドラッカー先生の考えの上田惇生先生版の整理。
現代化とは「ポストモダン」のこと。
「ポストモダンの七つの作法」  
1.見る、そして聞く
2.分かったものを使う
3.基本と原則を補助線として使う
4.欠けたものを探す
5.自らを陳腐化させる
6.仕掛けを作る
7.モダンの手法を使う  

panel2
今回も、いいパネルディスカッションだった。
4人のパネラーの皆さんと、
800人の聴衆に、心から感謝しよう。

<明日に続きます。結城義晴> 

2009年07月09日(木曜日)

小さな商圏の中であなたはトヨタやユニクロになれるか?

ニューヨーク市場で円高が進み、1ドル92円
そして日経平均株価は6日連続で、9500円を割った。  

さらにガソリン価格は、14週連続で上昇。
6月時点のレギュラーガソリンは1リットル124円。

日本の経済も、日本人の消費生活も、
晴れ間は見えない梅雨空のようだ。
こんがらがったこの彫刻のようだ。
岩
日経新聞が試算した世界の自動車メーカーの数字。
「時価総額シェア」と「販売台数シェア」。  

トヨタ、ホンダ、日産自動車、
それにスズキ、三菱自動車、マツダ、富士重工。
日本勢7社で、時価総額は全体の54.3%。  
トヨタは30.1%でトップ。
第二位は、フォルクスワーゲンの23.3%。
ホンダが第三位で、11.3%。
ダイムラーが第四位で、8.5%。
第五位は日産の6.3%。  

販売台数のシェアは、日本勢が全体の45.5%。  
こちらは第一位、トヨタで19.1%、
第二位フォルクスワーゲン13.2%、
第三位、フォード11.5%、
第四位、現代自動車8.8%、
第五位、ホンダの8.0%。
第六位に、日産が7.9%で入っている。  

日産・ルノーは合わせると、
時価総額で8.6%の第四位、
販売台数で、13.0%の第三位に上がる。

つまり、日本の経済は全体として見るとまだまだだが、
自動車産業は、世界中の業界が縮んでいて、
日本の7社は、その分、
シェアを増しているということだ。

これは、あらゆる分野で、起こっている現象。

例えば小売業。

ある限定された商圏内で、
同業種・同業態の全体は縮んでいる。
しかし、
1店だけが売場と商品とサービスのレベルを、
維持・向上させていれば、
結果として、その店の客数は上昇し、
売上高や営業利益はアップする。  

これが、現在の競争。

日経新聞の取材記事が示す。
「ボーナス商戦出足鈍く」の見出し。
百貨店とファッションビル。
東急百貨店東横店。
ボーナスセール対象品は昨年比マイナス7%でスタート。
高島屋は、バーゲンを前倒しで仕掛けた。
しかし、6月27日から7月7日段階で、
前年比マイナス10%。
阪急百貨店梅田本店も、
7月1日から5日までの売上げは前年比マイナス1割。
パルコは7月に入ってから8~9%の落ち込み。

しかしその分、減ったとはいえ、
ボーナス分の消費は、どこかに行っている。

第一が「貯蓄」。
第二が「最良のベーシック」に。  

ユニクロのファーストリテイリングが、
「プラスジェイ」という新ブランドを仕掛ける。  

この秋から冬にかけて。
ドイツ人の著名なデザイナーのジル・サンダーの商品。
3月からサンダーと契約し、
マーチャンダイジング全体の監修を任せていた。
いよいよサンダー・ブランドを出す。
男性用40アイテム、女性用100アイテム。
しかもユニクロの価格帯より1000円から2000円だけ高い。

商品は、実際にそれにあたってみなければ、
決してその価値を判断してはならない。

しかし、このところのファーストリテイリングの仕事ぶりを鑑みると、
これは、ヒットするだろうと予測できる。

そしてまた、この冬、シュリンクの中の一人勝ちが展開される。

何度も言うが、
日本全体のファッションの世界だけのことではない。
世界の自動車製造・販売の世界のことだけではない。
小売業の場合、サービス業の場合、
小さな商圏の中で、この集中化現象が起こる。  

だから、日本中に、
トヨタやユニクロが、登場する。  

あなたが、トヨタやユニクロになれるか否かだけである。
もちろんトヨタやユニクロの規模を言うのではない。
「最良のベーシック」と「イノベーション」において、
トヨタやユニクロになれるかと、言いたいのだ。

今月の標語。
答は現場にあり」  
そして、このホームページ右サイドのボタン「過去の標語」から、
2月の標語で、今年いっぱい通用する概念。
最良のベーシック」  

週末に向かって、ピッチを上げよう。

<結城義晴>

2009年07月08日(水曜日)

日経MJ専門店調査と似鳥昭雄さんの「お客様の給料2倍化」発言

ヨコハマの七夕の夜空。

雨は降らなかったが、
残念ながら、雲がかかった。

「あなたのねがい、かなっただろうか」  

今日は、全国的に雨。
九州南部、沖縄を除いて。
特に、日本海側は、
「バケツをひっくり返したような雨」。  

さて、日経MJが第38回専門店調査を発表。  
これは良いリサーチだ。

是非、購買して、1週間くらい眺めてもらいたい。
知識商人ならば。

毎日眺めるだけでよい。
それだけで、消費傾向が見えてくる。
それだけで、さまざまな店舗の売り場がわかってくる。

2009年の現在の商業には、
間違いなく、ふたつの傾向がある。

第一が、サービス業化。
第二が、専門化。  

この専門化のトレンドは、
専門店の動向をみるのが一番。

この専門店調査は、
比較可能な414社からアンケートで回答を得た。

414社で20兆8874億円。  
食品スーパーマーケットの17兆円を凌ぐ。

しかしその前年対比の伸び率は1.6%と、
消費税導入後の1997年以降最低で、
営業利益も前年対比7.5%マイナス。

専門化の時代とはいっても、
個別企業は全体で低迷状態。

「最良のベーシック」を提供できる1社が、
他の大多数を圧倒した。  

そんな感じ。

だからこの日経MJの仕分けの如く、
業種別に見たそれぞれの一番手が圧勝した。

それぞれの一番手、二番手、三番手を列挙しよう。

[家電] 
ヤマダ電機1兆8250億円
エディオン8030億円
ヨドバシカメラ7013億円  

[総合ディスカウント] 
ドン・キホーテ2908億円
トライアルカンパニー 1734億円
Mr Max965億円
PLANT 831億円
ジャパン 706億円
ロヂャース 600億円  

[100円ショップ]
大創産業 3412億円
セリア 684億円
キャンドゥ 608億円  

[ホームセンター」 
カインズ3398億円
コーナン商事 2971億円
コメリ 2528億円  

[ドラッグストア] 
マツモトキヨシ3672億円
サンドラッグ 2293億円
カワチ薬品 2259億円  

[スポーツ] 
アルペン1835億円
ゼビオ 1175億円  

[紳士服] 
青山商事 1682億円
AOKIホールディングス 873億円  

[婦人・子供服] 
しまむら 3693億円
ファイブフォックス 1559億円  

[カジュアル衣料] 
ユニクロ 4623億円
ライトオン1042億円  

[呉服] 
さが美 351億円
やまと 241億円  

[靴] 
チヨダ 1151億円
エービーシーマート905億円  

[家具]
ニトリ 2416億円
大塚家具 668億円  

[玩具・ホビー]
日本トイザらス 1801億円  

[書籍・文具]
紀伊国屋書店 1198億円
丸善 959億円
有隣堂 547億円  

[楽器・CD]
タワーレコード 610億円
新星堂 407億円  

[生活雑貨]
良品計画 1454億円
東急ハンズ 870億円
ロフト 768億円  

[生鮮]
ニュー・クイック 546億円
中島水産 411億円  

[酒]
やまや 745億円
カクヤス 660億円  

いかがだろう。

専門店ほどチェーンストア化が進んでいる。  
逆にいえば、専門店ほどチェーン化に必死だし、
専門店ほどチェーン化しやすい。

重大な事実がここにある。

そして朝日新聞で、
㈱ニトリの似鳥昭雄社長がコメント。  
似鳥さんも商人舎発起人のおひとり。
「値下げはおおいに結構。
我々が価格を半分にしたら、
お客さまにとっては給料が2倍になったのと同じ」  

「うちは好況の時は弱い。
競争相手がどんどん出てくるから」

これこそ、現時点の真理。

似鳥さんは2005年にアメリカで、
「住宅バブルが崩壊する」と感じた。
その時から「値下げ」の準備を進めてきた。

だから昨年5月以降、5回にわたって1700品目を値下げ。
この8月にも300~400品目を全190店で値下げする。

すべてプライベートブランド。

「お客さまの給料を2倍にする」
このトップの発言ほど、
社員にとって勇気が出るものはない。

<結城義晴>  

2009年07月07日(火曜日)

景気動向指数ちょっと改善し「最良のベーシック」プリウスが売れた

今日は「七夕」。  
東京・横浜は夏らしい晴れ方。
夜も星が出る。

「あなたは、なにを、ねがう?」  

内閣府発表の5月の景気動向指数は、
2カ月連続で改善されている。  

しかし、2005年を100とした指数自体は、86.9。  
まるまる3年間を間において、
13ポイントも下がっている。

これが大前提。

そのうえで、4月、5月と少しずつ上昇してきた。

内訳は、以下(前月対比)。
製造業の所定外労働時間指数が9.8%プラス。
鉱工業生産財出荷指数が7.5%プラス。
鉱工業の生産指数が5.9%プラス。
大口電力使用量2.8%プラス。
製造業の中小企業売上高0.8%プラス。

一方、卸売業の販売額は、2.5%マイナス。
投資財出荷指数は1.7%マイナス。
全産業の営業利益はマイナス0.04%。
製造業の稼働率指数、マイナス0.02%。
有効求人倍率も、マイナス0.02%。

そして小売業の販売額は、0%と横ばい。  

製造業から少しずつ良くなっているが、
小売業、そして卸売業はまだまだ。
それも前の月対比の指数。

全体では2005年から14%もダウンしている。

帝国データバンクが発表している5月の景気動向調査では、
「後退期における踊り場局面」と表現されている。

「消費者ニーズの獲得を目的としたプライベートブランドなど
企業の低価格戦略が広がり、
食料品や耐久消費財、サービスなどでも価格低下が進行。
政策的な後押しも消費を刺激して、
『小売り』など内需関連が景気の下支えにつながった」

一方、6月の新車販売ランキング。  
こちらはすぐに調査結果が出る。
第一位にプリウスが躍進。  
環境対応のコンセプトよりも、
エコカー減税の影響がおおきいと思う。
これを帝国データバンクは、
「政策的な後押し」と書いている。

プリウスの販売台数は、1カ月で2万2292台。
前年同月比の3.6倍。
トヨタ全体の11万台の約5分の1を占めた。

5月18日発売の「205万円也」のプリウス新型車が売れに売れた。

「最良のベーシック」だけが、
売れに売れている。  

ただのベーシックのカローラや、
ただの高級車クラウンは、
前月比で何と売上げ半減。

①環境コンセプト
②エコカー減税
③最良のベーシック  

売れる条件がそろった。
①はマインドのトレンド
②は政策的後押し
③は商品の価値

三つの条件がそろえば、他を圧して売れる。
政策的後押しは、そうそう、あるものではない。
エコロジー、エコノミック、エコひいきと、
揶揄されているくらいだ。

だが、「最良のベーシック」を実現させれば売れるかというと、そうでもない。
商品価値が高いだけでも売れない。
そこが、現在及びこれからの問題点。

「最良のベーシック」をまさにvisibleにする。
英語で“visualization”、日本語では「可視化」という。

スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなど、
セルフサービスの売り場での、このときの陳列法の原則は三つ。
①フェーシング数を広げる
②カテゴリーの真ん中に置く
③顧客視線に並べる  

そして、POPなど販促物で、可視化を図る。

ついでに言っておくと、
味覚に訴える試食などを「可味化」、
耳に訴えることを「可聴化」、
触ってもらうことを「可触化」、
嗅覚に訴えることを「可臭化」などとも言う。

さて、昨日は、夕方から東京・神田の日本セルフ・サービス協会。
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンの事務局会議。
コーネル大学リテール・マネジメント・オブ・ジャパン会議
左から大高愛一郎事務局長、
村尾芳久日本セルフ・サービス協会営業本部長、
中間徳子FMIジャパン事務局長。

コーネル・ジャパンの国内講義もすべて終了して、
あとは今月下旬の米国卒業旅行のみ。
その打ち合わせと第一期の総括。
第二期のイノベーションに関して議論。

まだまだ、教育内容の改革を進めます。
cornell
みな、満足そう。

ところで、村尾営業本部長が「流通ジャーナル」に載った。
この日7月6日版の見出し。
「日本セルフ協 事業分野の拡大で組織を見直し」  

こういった協会の営業本部長職は、極めて稀。

全国スーパーマーケット協会との合併を機に、
事業はどんどん広がっていく。
そこで、総務や広報といった公益事業以外は、
「営業」と位置づけられ、
「営業本部」が設けられた。

その営業事業分野は、4つに大別される。
①教育研修
②ビジネスマッチング
③展示会
④情報サービス  

村尾本部長が、これらを統括する。

コーネル大学RMPジャパンは、第一の教育研修のひとつ。

村尾本部長は、イズミヤを経て、
ヤオコーでバイヤーを経験。
そして協会に入った。
だから現場が分かる。
そこがいい。

もちろん、責任も重大だが、
今後の活躍に大いに期待し、注目したい。

<結城義晴>  

2009年07月06日(月曜日)

七夕祭りと成城石井の「イチニッパを売り込め」

Everybody! Good Monday!  

2009年7月、先週始まって、第2週です。
今週は火曜日が「七夕」。

雨模様が続く今週だが、
明日の七夕の日は、
幸いに晴れ間が見られそう。

七夕は一般的に「たなばた」といわれるが、
「しちせき」とも読まれる。
日本だけでなく、中国、南北朝鮮、台湾、越南など、
東アジアの五節句のひとつ。

元来、中国の節句行事だったが、
奈良時代に日本に伝わり、
日本古来の「棚機津女(たなばたつめ)」の伝説と合体。

織姫と彦星のロマンティックな物語と一体化され、
日本では人気のお祭りとなった。

七夕はもともと、お盆行事の一環。
精霊棚とその幡を安置するのが7日の夕方。

本来は旧暦の7月7日の夜のことを意味するが、
日本では明治時代の改暦以降、
お盆と同様に、7月7日と8月7日に二分されて、
「七夕祭り」が行われる。

日本古来のものと、
輸入されたものが、
合体すると、
根付くことが多い。  

全国的に「七夕祭り」が行われるが、
モデルは戦後に始まった「仙台七夕」。

明治6年(1873年)に、維新政府によって、新暦が採用された。
そのため、七夕の風習もすたれていった。

しかし1927年、宮城県仙台市の商店街有志により、
中心街で、こぞって大規模飾りつけが行われると、
大勢の見物客で賑わった。

これ以降、「七夕祭り」は、
集客力のある商店街イベントとして認知された。

しかし、仙台の七夕は、
商売として、よくできていた。  

「七夕祭り」は、神輿や山車を用いる祭りとは異なる。
事前に飾り付けさえしておけば、
祭り当日には人的負担がかからない。

商店前の通行規制も少ない。
従って、商店街の機能を低下させることなく集客できる。

仙台は8月の旧暦の七夕だが、
これは、夏物商戦の大バーゲンと軌を一にしていた。

商店は、夏物の売り切りに徹して、
お買い得品をディスカウントで売った。

商店街の衰退が激しいが、
現在では「都市イベント」として、
新たな局面をつくり出している。

あなたの店の「七夕祭り」は、いかに。

さまざまなご報告を聞きたいものだ。

さて、静岡県知事選でも自民党が敗れ、
麻生太郎総理総裁の進退極まった観あり。
今日からイタリアのラクイラ・サミットへ。
11日帰国し、12日、東京都議選。

今週中に政局には、ひと山あり。

消費や景気、日本人全体のマインドを考えると、
早く決着をつけてほしいところだ。

だから元気をつけるために、
ここで、今月の標語を思い出したい。
「答は現場にあり」  

その好例がある。

㈱成城石井社長・大久保恒夫さんとの対談
タイトルは「知識商人登場」。

その成城石井の「イチニッパを売れ」。

大久保さんは、社長として赴任すると、
「とにかく売れる商品を売り込もう」と考えた。
しかしそれが荒利益が低い、価格勝負の商品では、しようがない。

そこで、指示を出した。
①各部門ごとに、
②売上げランクが上位で、
③荒利益率が平均以上の商品を、
④10個リストアップ。  

さらに成城石井として、
⑤自信のある商品
⑥差別化された商品、
⑦売り込めば売れそうな商品
⑧これを6アイテム、リストアップ。  

10と6で、1部門16アイテム。

全8部門で、128品目。
社内用語で「イチニッパ」。

だから「イチニッパを売り込め」。  

128アイテムの月間売上構成比は最初の段階で、6.5%だった。

さっそく、「イチニッパ売り込み」。
ただし、値段は下げない。
大久保さんは内心、きちんと売り込めば、
数量で3倍ぐらいはいくかなと思っていた。

本部から指示を出して、
マネジメントレベルを上げて、
店の徹底度を上げて、
全店で売り込んだ。

これが実は大切。
「マネジメントレベルを上げること」  

そうしたら、最初の月には売上構成比が10%ぐらいに上がった。
「おぉ、上がるじゃないか」と思った。

荒利率が高い商品ばかりだから、
全体の荒利も上がってくる。

「あぁ、社長の言うとおりだ」と、
どんどん、どんどん、みんながやる気になっていった。
やれば褒められるし、表彰される。

最初の頃は「ちょっと並んできたな」といった感じ。
最近では、「こんなに並べているのか」と驚くぐらい。

値段を下げないで売り込んでいたら、
10カ月後には、売上構成比が25%を超えてきた。
128品目で、売上げ構成比が25%。

128品目は、現場にあった。
それをマネジメントレベルを上げて、
徹底して売り込んだ。

「答は現場にあり」  

夏の政争も、ものともせず、
「現場第一に徹する」  
それが今週、今月。

Everybody! Good Monday!  

<結城義晴>  

2009年07月05日(日曜日)

ジジの「動と静」[日曜版]

10日ほどまえに、
全身の毛を、
カットしてもらいました。

思い出してみると、
まえは、あつくるしかった。
jiji1

クマくんのほうが、すずしそう。
jiji2

でも、ふしぎなことに、
あつくるしいはずなのに、
ボク、よく動いていました。
jiji3
こんなに毛があったのに、
からだをせいいっぱいにのばして。

なんにでも、
キョーミをもっていた。
jiji4

葉っぱは、すきです。
jiji5

においも、あじも、
いいものです。
jiji6

ヘンシンしたあとは……。
ji1
静かです。

ゲンカンのタイルのうえにすわって、
静かにそとを、みる。
ji2

そとの空気を、すってみる。
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そとの世界を、そうぞうしてみる。
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静かに。
ji5

「ゼイヘン」のあとは、
静かに、考えることも、
必要なのかもしれません。
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ユウキヨシハルのお父さんが、
いっていました。
「蛇は、蛻変のとき、
涙を流すと言い伝えられている」
  

ji7
ボクは、静かにしています。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2009年07月04日(土曜日)

流通ニュース&商人舎共催「日本のPBはこうなる」セミナー開催される

今週は忙しかった。
麻生自民党がガタガタし、
都議選が告示されたにもかかわらず、
私自身は、目が回るほど。
そのため、週後半はブログアップの時間帯が、
夕方にずれ込んだ。

心よりお詫びしたい。

頑張ります。

さて昨3日は、セミナー。
商人舎と流通ニュースが始めて共同開催。
「日本のプライベートブランドはこうなる!」。
東京大手町サンケイビル3Fの「サンケイプラザホール」が会場。

2

9時に会場入りし、本日のゲストスピーカ-と打ち合わせ。
デイモン ワールド ワイド インク ジャパンの面々。

1

10時の開講にあわせ、参加者が続々と集まって下さり、
お陰さまで、会場は満席。
3

コーディネーターとして、趣旨説明。
4
PBのポジショニングがとても大事な時期。
PBでいかに儲けるか、いかに安くするかも大切だが、
世界平均で24%になるPBの比率に少しずつ近づいていくことは確か。

アメリカでも、世界平均より少し低い20%。
日本は現在、4%。

近い将来、間違いなく10%にはなるだろう。
だからこそ、いま、その概念の整理と方向付けが何よりも大事。

「日本のPBはこうなる」
それは3年で2倍になる。
3年でシェア10%になる。

だからこそ、今、考え方と位置づけが明快になされなければならない。
メーカーも、問屋も、
小売業も。

デイモンからは、
ビジネスマネジメント部ビジネスサービスグループディレクターの和田浩二さん、
ブランド戦略・マーケティング部ディレクターのフィリップ・コップさん、
そしてコップさんの通訳として、広報マネジャーの大竹潤奈さんが並ぶ。
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コップさんはPBブランドのマーケティングの重要性と
その構築のためには段階的なアプローチが必要と解説。
6

これからのプライベートブランド。
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関係の変化。
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取引関係⇒協力関係⇒戦略的関係。
こうなる。

そして、まとめ。
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戦略的パートナーシップこそ最重要。

デイモンのお二人が70分に及ぶプレゼンテーションを終了。
その後は、私も加わりパネルディスカッション。
サントリーが仕掛けたイオンとセブン両者に対する100円ビール。
「第三のビール」の取り組みについてなどを語り合った。

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その後、参加者からの質疑応答。
真っ先に手を挙げてくださったのは㈱万代の加藤徹社長。
「生鮮食品のPB化」について鋭い質問を投げかけた。

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和田さんは、生鮮食品のPBには、ロットが必要であること、
日本の消費者は特に、品質について厳しい選択眼を持っていること、
などなど、回答。

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つづいて、成城石井の大久保恒夫社長も質問。
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大久保さんとは三日連続で、ともに勉強。
勉強仲間として、これほど素晴らしい人はいない。

最後に、私から「製配販のコラボレーションのまとめ」。
2008年FMIスピークスで語られた5つの共通項を紹介しながら解説。
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最後はこれ。
リテールブランドだからこそ、
これが大切。
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セミナーの最後に、㈱ロジスティクス・パートナーの松見浩希社長の挨拶。
今回のコラボ開催のパートナー「流通ニュース」主宰。
流通ニュースは6月には67万件のアクセスに達した。
流通に関する情報発信サイトとしては他を寄せ付けない。
「情報の正確さと迅速さを実現させ続けたい」
松見さんの決意表明は、実感がこもっていた。
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商人舎サイトと流通ニュース。
これこそコラボレーションで、
お役立ちをする。

セミナーを終え、午後は農林水産省で会議。
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米国オーガニックの報告と私の持論展開。

私が、望むことは、
最初から決まっている。
グランドデザインを描くための根本の考え方も、
はっきりしている。

問題は、その考え方を、いかに実現させるか。

“Practice comes first”である。

<結城義晴>  

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