結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月01日(木曜日)

京都府マツモトの「エブリデー&エブリボディ・ストア」のintegrity

今日から3月。

「2月は逃げる」で終わり、
「3月は去る」の弥生三月の始まり。

昨日で2011年度を終了し、
今日から2012年度がスタートする会社も多い。

東京スカイツリーは、
昨日、完成した。
634メートル。
中国の広州タワーが600メートルで、
それを抜いて世界最高のタワー。

インターネット上では、
「あらたにす」サイトが、
昨日で修了。

朝日新聞、日本経済新聞、読売新聞、
3紙の読み比べが売り物。

私も「メニュー・バー」に入れて愛読していただけに、
ほんとうに惜しい気がする。

新聞そのものの長所は、
一覧性にあると思う。
その一覧性を特徴とする新聞三大紙を、
さらに一覧できるサイト。

趣旨とコンセプトは良かったが、
広告がとれず、採算に乗らなかった。
コンテンツのイノベーションもなかった。

背景には新聞そのものの後退がある。

私自身「あらたにす」を愛用、愛読していただけに、
まことに残念。

インターネットなら何でも伸びる。
IT関連には将来性がある。

そんなことはない。

「あらたにす」の2月29日打ち切りが、
それを示している。

2012年3月現在で、
IT戦略事業部などといった名称の部署があるとしたら、
それは時代遅れも甚だしい。

さて3月。
今年の3月の山は三つ。

第1が3月3日のひな祭り。

ひな祭りの桃の節句は通常、
祭日ではないが、今年は土曜日。
そして3月第1週はひな祭りで春の到来を愛でる。

そしてひな祭りを過ぎると、
3月11日の東日本大震災から丸1年。

亡くなられた人々、2月29日現在、
警察庁のまとめで1万5854人、
そして行方不明者3276人。
心からご冥福を祈りたい。

さらに仮設などで避難生活を送る人、
いまだ32万人。

一刻も早く、
この人たちの日常を取り戻したい。

そしてフクシマ原発の放射線に畏れる人々、
数知れず。

国力をあげて、
この難題に取り組みたい。

各地で慰霊の催しがあるとともに、
復興から振興を目指して、
日本人すべてが気持ちを新たにする。

そして第3が、
3月20日の春分の日。
今年は火曜日。

春分の日は祝日法で、
「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日とされる。

そしてこの春分の日をはさむ前後7日間が彼岸。
17日の土曜日が彼岸の入り、
23日の金曜日が彼岸の明け。

彼岸とは、「煩悩を脱した悟りの境地のこと」で、
この考え方からすると、
3月11日から3月23日までは、
日本人にとっては、
精神的な日々となる。

心にとどめて、
この1カ月を過ごしたい。

さて今年3月の商人舎標語。
再びみたびよたび、
「ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ」

さて昨日は、午前中に会議をこなし、
午後一番で、雪の舞う東京から京都へ。

亀岡市に本部をおく㈱マツモト
その京都市内の店舗を見て回った。
前日、急きょ、ご連絡したにもかかわらず、
松本隆文社長、松本健司専務のお二人が、
案内役を務めてくださった。

松本社長は、商人舎USA視察研修会第8回の団長。
見事に団員をまとめて、研修成果の最大化を果たしてくださった。

現在、マツモトは、亀岡市、京都市をドミナントとして、
18店を展開する典型的なローカル・スーパーマーケット・チェーン。
ある意味で日本を代表する地方小売企業といってよい。

2011年2月期年商433億円。
1店当たり平均24億円という凄い会社。

亀岡市の中核地域や京都市周辺には、
年商40億円に達する店舗もある。

はじめに京都駅から南下したマツモト洛南店。
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マツモトキヨシとしまむらが敷地内にある近隣型ショッピングセンター。
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売り場面積856坪、駐車台数496台。
マツモトの中では最大店舗。

入り口を入るとすぐに、
季節の果物が低い目線で平積みされている。
奥に行くに従い、陳列線が高くなる。
これ、マツモトの特徴。
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「お客様をお出迎えする」という姿勢。

京都の市場的な雰囲気が醸し出されるし、
特に高齢者はとりやすい売場。
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私はこの売り方に感心した。

その右手には季節のプロモーションスペース。
いまはひな祭り。
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青果部門がマツモトの強みのひとつ。
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冷蔵ケースも陳列線と顧客目線が低く設定されている。
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主通路沿いの「魚屋さんの寿司」。
ほんとうのお買い得品が並ぶ。
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しかもそれが買いやすい価格で設定されている。

精肉売り場では丹波和牛が大々的に展開されている。
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奥主通路。
よく管理された定番売り場の中に、
的確に配置された島陳列。
価格設定も、その表示も、
極めてオーソドックス。
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日配品には京都特産の品が積極展開されている。
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そして店舗右翼主通路。
惣菜の大展開。
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惣菜は最良のベーシックが成し遂げられていた。
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エンド売場も単品ごとの陳列量は多い。
価格設定も的確。
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ソフトドリンクも冷蔵ケースで単品量販。
もちろんケース販売の売り場もある。
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店舗中央を走る冷凍食品売り場は、
この日、4割引きが展開されていた。
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単品量販のスーパーマーケットの原則が貫徹されている。

ビールはケース販売も積極展開。
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バックヤードはきちんと整理されている。
これで年商40億円をはじき出す。
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バックヤードは関西スーパー方式で、
「じゃんじゃん売れても品切れしない」システムが完備されている。
この生鮮食品のバックヤードがマツモトの原動力。
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バックヤードの休憩室に掲示された洛南店のコンセプト。
見えないところで、自分たちの役割と使命をしっかり確認する。
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このintegrityがマツモトの最大の特徴かもしれない。

同じく休憩室に掲げられた社是。
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松本社長と、私の隣は田中正毅副店長、
そしてレジ運営責任者のにしざわさん。
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次に訪れたのは、京都に隣接する向日市にあるマツモト向日店。
売り場面積707坪、駐車台数350台。
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出迎えてくれたのは、
大迫正美店長(左)となからいチーフ。
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この店は地域になじんで、よく売れている。
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マツモトの店は、
1店ごとに地域の特徴を壁面に表す。
菅原道真と五重塔が表されている。
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この考え方は、図らずも、
アメリカのトレーダー・ジョーと全く同じ。

3月1日増床オープンのマツモト大野原店。
傾斜に立つ変則立地をよく生かした店舗。

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元(株)関西スーパーマーケット最高顧問で、
オール日本スーパーマーケット協会名誉顧問水谷久三さんの由緒ある設計。

この日は、翌日のリニューアル・オープンを控え、
店内は活気にあふれていた。
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ひな祭りの腰だれをパートさんたちが作業する。
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青果は常温の商品だけ並べられていた。
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openのサインが並ぶエンドは完成している。
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こちらでは、ショッピングバッグの拭き掃除。
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松本社長と私でみなさんを激励。
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大内孝志店長を握手で激励。
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87歳の松本定市会長もご登場。

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久々にお会いし、
元気な姿を拝見して、
うれしくなった。

マツモト経営幹部の皆さん勢揃い。
松本社長の右隣は、松本健司専務、
その隣は店舗運営担当の松本幸男常務、
右端が執行役員商品部長の藤原康明さん。
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そして、オープンを控えた大野原店の皆さんと揃って元気よく写真。
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最後は、マツモト西小路御池店。
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この店の特徴は大文字焼きと金閣寺。
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視察を終えて、この夜は「木之婦」で京料理を堪能。
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本当においしかった。
なにより、松本隆文社長、健司専務との会話を楽しんだ。
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私はローカル・スーパーマーケット・チェーンの生き残り方を考える。
マツモトはその典型であり、代表である。

日本は世界でもまれな地方スーパーマーケットが発達した国だ。
しかしローカルチェーンがナショナルチェーンの真似をしたり、
地方企業としての真摯さを失うと、
規模の論理の中に巻き込まれて、行き詰る。

かといって、単品量販の原則を逸脱すると、
スーパーマーケットの論理から外れる。
マツモトはそこに不思議なバランスを見出している。

京都府下の地方小売業として、
自分のポジショニングを確立し、
地域の生活を支え、地域の特徴を出しつつ、
ひたむきに顧客満足を創り出す。

スーパーマーケットとしてのオーソドックスな考え方を貫きつつ、
戦術レベルで繊細な対応を忘れない。

松本定市会長の理念と思想がベースにあり、
松本隆文社長、健司専務の猛勉強が重なって、
オーソドックスながらユニークな店づくりとなった。

自分のお客様にとって「どこよりも買いやすい店」。
「この地区になくてはならない店」。
「エブリボディ&エブリデー・スーパーマーケット」
私は久しぶりに、こんな感慨を抱いた。

それにしても松本定市さんにお会いできて、
嬉しかった。

<結城義晴>

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