結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年03月29日(木曜日)

大和ハウス石橋信夫「運のいい人」とユニクロ柳井正「大志のある人」

日経新聞最終面『私の履歴書』。
大和ハウス工業㈱会長の樋口武男さんが面白い。

もうあと連載は3回となってしまった。
今朝の稿は、故石橋信夫オーナーの言葉。
樋口さんは石橋オーナーの言葉を、
神の啓示のように信じきっている。

それが経営者として、
「ぶれない、逃げない、迷わない」に、
つながっている。

その石橋語録。
「運のいい人と付き合ってくれ」

野村明雄現大阪ガス相談役、
カネカの古田武相談役、
住友金属工業の下妻博会長、
ダイキン工業の井上礼之会長。
関西の財界人の名前が並ぶ。

「本当にすばらしい方々とお近づきになれた」
樋口さんが述懐し、
最後の落ちをつける。

「数々の貴重な縁を結ぶことができた私が
一番幸運な人間だ」

「運のいい人」
みなさんのまわりに、
いるだろうか。
みなさんは、そういった人と、
付き合っているだろうか。

もちろん世の中には、
運のいい人、悪い人、
様々だ。

宝くじに当たる人は、運がいい人か。
そうでもないだろう。

ホールインワンを何度もする人、
運がいいか。

石橋オーナーは、
「経営において運がいい人」と、
言いたかったに違いない。

自分が目指す分野で、
運がいい人。

アマゴルフ界の至宝と言われた故中部銀次郎は、
「平均の法則」を唱える。
運も、結局は、「平均している」と。
中部の場合、ゴルフにおいてだけれど。

平均化しているならば、
何かにおいて、すごく運がいい状況が生まれ、
何かにおいては、不運が続く。

そして自分の専門分野において、
ひたむきな人に、
きっと、女神がほほ笑み、
そこに運が集中するのだろう。

それを「運がいい」と表現するのだと思う。

中部が最も恐れる相手は、
「神の手を信じてプレーする者」だという。

神の手を信じてひたむきに突き進む。
そんな人間に運の女神がほほ笑む。

チェーンストア・エイジ編集長の千田直哉さん。
商人舎ホームページの「なんでもリンク集・知識商人の輪」でも、
上から3番目にリンクしてあるが、
“Paper Blog+”というブログを書いている。

3月27日から今日までの3日連載で、
「ファーストリテイリング柳井正会長兼社長インタビュー」を掲載。
この柳井さんの答えが、いい。

「何のために商売をしているのか?
それがない店舗やチェーン、ブランドを
お客さまは信用しないでしょう」
これは、経営理念の重要さを語っている。

「日本のチェーンストアの一番悪い点は、
ぶれることです。
あっち行ったり、こっち行ったり。
結局は、そういう大志とか、信念とか、
自分のビジネスモデルのイメージがないからでしょう」

Boys, be ambitious!
クラーク博士が、現在の北海道大学の前身・札幌農学校を去る際、
馬上から投げかけたとされる有名な言葉。

このAmbitionこそ、
柳井さんが言う「大志」

「僕は、商売、また経営者としての仕事が大好きなので、
『これでいいや』と考えることはありません。
ビジネスが趣味のようなものです」

「確かに起業家の中には、お金を儲けて、
引退して、ゆっくり暮らそうと考える方がいるかもしれない。
けれども、僕はもうこれを一生やろうと考えているから、
そこは大きく違うと思います」

「仕事をするのは経営者ではなく社員です。
だから言葉として伝えないかぎり、
社員はどう動いていいのかわからない」

ファーストリテイリングには、
「FAST RETAILING WAY」がある。
名刺大のプラスチックカードに印字して全社員に配布されている。

「僕は大規模事業に臨むに当たっては、
大志とか、経営の原理・原則や価値観や使命について、
全員が共有すべきだと考えているからです」

ファーストリテイリングの「服の定義」。
ユニクロの服とは、
服装における完成された部品である。
ユニクロの服とは、
人それぞれにとってのライフスタイルをつくるための道具である。
ユニクロの服とは、
つくり手ではなく着る人の価値観からつくられた服である。
ユニクロの服とは、
服そのものに進化をもたらす未来の服である。
ユニクロの服とは、
美意識のある超・合理性でできた服である。
ユニクロの服とは、
世界中あらゆる人のための服、という意味で究極の服である。

グローバル展開のために英訳版がつくられた。
日本文学者マイケル・エメリックさんと毎週協議をし、
1年間の歳月を費やして、英訳。

英語版のなんとシンプルなことか。

Uniqlo is the elements of style.
Uniqlo is a toolbox for living.
Uniqlo is clothes that suit your values.
Uniqlo is how the future dresses.
Uniqlo is beauty in hyperpracticality.
Uniqlo is clothing in the absolute.

柳井さんは述懐する。
「英文化することによって、また
日本語版も進化していくことを期待しています」

千田編集長の質問。
「将来的には『《ふだんの服》のSPA型専門店』は、
《ふだんの住生活》《ふだんの食生活》に再度、
広がっていく可能性はあるのですか?」

これに対しては、きっぱり。
「いや、もう服だけに徹したいと考えています。
われわれが期待されているのは服なのですから」

そして近い将来伸びそうなカテゴリーを語る。
「現在、世界中の服でもっとも新しくて、未来を感じる服は、
スポーツウェアです。
だから、できればスポーツウェアを超えるものをやりたい」

最後に、後継者問題。
「僕は創業者であり、会長兼社長であり、
オールマイティで、1人でやっていますが、
今、僕がやっている仕事は、
次の世代の人は1人ではできないと思います。
だからたぶんチーム経営に移行すると思います」
どんな会社も創業者やカリスマの後を継ぐのは、
集団である。

「もちろん代表者は必要なので指名します。
けれども、社長のあり方は今、
僕がやっているものとは異なる性質のものになっていくはずです。
その中でも社長を決めて、チーム経営に移っていって、
僕は会長職に専任するという格好のバトンタッチになると思います」

そのリーダーの条件。
「企業とか、店とか、ブランドとか、
社員に対する思いが強いような人なんじゃないですか」

そして結論。
「大志がないといけません」

そのambitionとは。
「絶対、世界一にはなりたいということを、
最後まであきらめない人じゃないといけませんね」

私は、この「大志を持つ人」こそ、
「運のいい人」だと思う。

だから石橋さんの言った「運のいい人」とは、
楽して運が転がり込むラッキーな人では、断じてない。

志を立てて、
最後まであきらめない人。

そんな人が結局、
「運のいい人」となる。

さて、「運のいい人」
みなさんのまわりに、
いるだろうか。
みなさんは、そういった人と、
付き合っているだろうか。

最後に昨日の報告。
つれづれ日記は名古屋へ。
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食品包装資材の専門商社㈱折兼の展示商談会で講演。
折兼は明治20年、駅弁用折箱の製造販売から始まり、
専門商社として今年、設立60周年を迎える。
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場所は名古屋駅前のウインクあいち。
展示商談会場はその7階。
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記念の展示テーマは、
「見て。聴いて。さわって。いいもの発見!」

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スーパーマーケット、外食産業など、
中京圏の取引先が集まり、
ごらんのとおり、大盛況。
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部門別、容器別、販促別の容器提案がなされていた。
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記念セミナーは5階の会場で15時からスタート。
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会場の外では、
私の写真入りの案内ボードをもった人たちが誘導。
ちょっと恥ずかしい。
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この日の講演は、
㈱プログレスデザインの西川隆社長をゲストスピーカーに迎えて、
「2012スーパーマーケットの業態&フォーマット戦略」がテーマ。
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会場はほぼ満席。
ありがたい。
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はじめに、難しいテーマであることを強調。
その難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く、

語る。
結城節。
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プロローグは東日本大震災で再認識された小売業の役割。
本論は、スーパーマーケットの歴史から入る。
1930年のマイケル・カレンの第1次革命、
1980年代初頭の「第2次革命」、
小売業のライフサイクル、業態のライフサイクルと、
業態の多様化、フォーマット開発の進捗。
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マルチ・フォーマットの事例を、
欧米の画像を見てもらいながら、解説。

シングル・フォーマットの幸せを享受できる企業群、
マルチ・フォーマットでドミナント戦略をとる企業群、
マルチ・バナーで多数の商勢圏を獲得する大企業、
結果として全体で、業態の多様化が進んでいく。

ポジショニング戦略とフォーマットの重要性、
ご理解いただけただろうか。

途中、ゲストスピーカーの西川さんが、
いかに店づくりに、企業戦略が投影されるのか。
その具体的な事例を紹介しながら、
簡潔に講義してくれた。
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独自性のある店舗づくりは、
企業を変え、店を変え、人の流れを変える。
元気になる店舗づくりの事例として、
大阪の佐竹食品の映像を見せてくれた。
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そして最後のまとめ。
フィリップ・コトラーの競争戦略論から、
脱落するマーケット・フォロワーではなく、
マーケット・リーダー、マーケット・チャレンジャーであるか、
もしくはマーケット・ニッチャーのポジショニングが大事である。
強調して、講演を終えた。
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ご清聴、こころから感謝。
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講演会終了後、
プログレスデザインの営業企画部長・柳本浩三郎さん、
ゼネラルマネージャーの福田真由美さんを交えて、
西川隆さんと懇談。

西川さんとは昨年の商人舎USA研修会Basicコースで、
アメリカにご一緒した。

コーネル大学のスーパーマーケットのポジショニングの第1に、
店づくり、レイアウト、内装、照明がある。

この面から西川さんは仕事していて、
アメリカでも熱心に勉強し、
講義もしてくれた。

昨日は2人のコラボレーション。
とてもよかった。

「運のいい人と付き合え」
西川さんと結城義晴の付き合いは、それだ。

互いに「ambition(大志)」を抱きつつ、
integrity(真摯さ)を大切にしたい。

<結城義晴>

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