結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年08月24日(金曜日)

成田からダラス15時間、講義3時間弱で経営戦略と商品戦略を語る

テキサス州ダラスに到着し、
長い長い一日が終ろうとしている。

その間に、兵庫県甲子園球場では、
大阪桐蔭学園が硬式高校野球大会の春夏連覇。

準優勝もこれまた光星学院で、
こちらは昨年の夏、今年の春夏と、
三期連続準優勝。

東北の学校の甲子園優勝は成らなかった。
それでも、すごい記録。

さてその甲子園決勝が行われているとき、
私は、横浜から成田に向かっていた。
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いつものように横浜の街が、
温かく見送ってくれた。

今回のアメリカ視察は、
三井物産㈱主催の米国視察トップセミナー。
トップマネジメント向けに設計した研修会。

私はメイン・コーディネーター。

8月23日13時に成田空港第1ターミナルに集合。
チェックインを終えると、レストランの個室で結団式。

集まるや否や、全員が名刺交換。
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結団式の司会は、今回の企画責任者の堀田安紀さん。
三井物産食料・リテール本部食品流通部部長補佐営業統括。
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初めに主催者を代表して、
中山裕之さん
がご挨拶。
食品事業本部食品流通部長。
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もちろん、中山さん、堀田さんをはじめ、
三井物産からは6名が同行。
三井食品㈱からも3名。
私と現地コーディネーターの浅野秀二先生、
それに添乗員を入れて、総勢38名。

全員の紹介のあと、
すぐに私からの視察ガイダンス講義。
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1時間ちょっと。

作成したテキストを見てもらいながら、
アメリカの概況と視察のポイントを簡潔に説明。
経営幹部として何を学ぶべきかを話した。

ウォルマートは「完全復活」。
そのウォルマートにできないことをやり遂げる企業群。
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テキサス州は昨年に続いて、
干ばつの大不作。

リック・ペリー知事は、昨年、嘆いた。
「3日ほど雨乞いをしなければならない」

しかし今年は1週間の雨乞いが必要だ。

それでもアメリカ小売業のイノベーションは、
休むことがない。

「コーネル・ジャパン奇跡の2期生」の稲田雄二さんが、
見送りにきてくれた。
三井食品首都圏量販部長。
ありがとう。
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講義が終わると、すぐに出国ゲートへ。
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「では、ちょいと、行ってきます」

そう言い残して、デルタ航空622便に搭乗。
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機体はすぐに太平洋上へ。
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10時間半で、ミネアポリス空港到着。
そこからまたデルタ航空国内線に乗り換え。
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2時間半ほどで、見えてきましたダラスの街。
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私は7月中旬にも、
このダラスに来ている。

いま、最もエキサイティングな流通視察地。

ダラス・フォートワース空港から、
宿舎のクラウンプラザへ。
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そして休む間もなく、
現地での第1回目の講義。
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6時半ちょっと前から始めて、
8時13分まで。

経営戦略編と商品戦略編の一部を、
一気に語った。

店を1店も見ないうちに、
成田とダラスで3時間弱の講義。

ちょっと頭でっかちになったか。

しかし明日からは、ピーター・ドラッカー先生。
“Practice comes first!”

その後すぐに、夕食懇親会。

はじめの挨拶と乾杯の音頭は、
廣瀬舜一さん。
㈱ホームインプルーブメントひろせ代表取締役社長。
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テーブルごとに、つつがなく食事をし、
酒を酌み交わしす。
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あっという間に、中締め。

その音頭は、
岩下良さん。
㈱レッドキャベツ代表取締役社長。
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見事に一本決まって、
お開き。

長い長い一日が、
終ろうとしている。

私は部屋に帰ってから、
このブログ書き。

でも、考えてみると、
8月のダラスは私、初めてだと思う。

「ダラスの熱い日」。
何かを期待させる。
大いに楽しみではある。
(つづきます)

<結城義晴>

2012年08月23日(木曜日)

「21世紀の商業界精神」の正義・革新と米国の「消費者の権利」

9月1日に「商業界精神」を語る。
昨日、そのレジュメをつくっていて、
考えたことがある。

講演タイトルは、
「21世紀の商業界精神」

「商業界精神」を簡潔に表す文章はないか。
探してみるまでもなく、ある。

「商業界五十年宣言」
1997年7月に書かれている。

起草者は結城義晴。
当時、取締役編集担当だった。

商業界は真の商人とともに生きてきた。
志をもった商業人とともに歩んできた。

はじめはみな、小さな店だった。
小さな店はまず、一人のお客さまを満足させた。
店の中には、人の心の美しさがいっぱいに満たされていた。
やがて多くのお客さまたちに、さまざまな地域に、
小さな満足は広められていった。

店は客のためにある。
損得よりも善悪を先に考える。
そのために滅びてもよし、断じて滅びず
――この商業界精神を貫いた店々に繁盛がもたらされ、
この商業界精神に基づく技術を獲得した企業に利益が与えられた。

五十年――業態間、異業種間の、
さらには国際間の激烈な競争が日常のこととなった。
この競争に参画する意志と資格を有するものが、自らを革新させ、
競争の中で正義のために切磋琢磨するものが、
新たなる商業を創出させる。

商業界は宣言する。
商業の精神と技術を、永遠に高め続けることを。
これらに、科学と論理の裏づけを供し続けることを。
そして、平和国家日本における商業基幹産業化の
歴史の証人であり続けることを。

すべての商業者たちよ、いま一度、高き志をもて。
人々の暮らしは、いまだ、満たされてはいない。

この文章は商業界50周年記念の宣言として、
同社の6つの月刊誌の巻頭を飾り、
日経MJにも広告掲載された。

倉本長治の金言。
「店は客のためにある」

岡田徹の詩集から、
「小さな店であることを恥じることはないよ。
その小さなあなたのお店に、
人の心の美しさを、
いっぱいに満たそうよ

そして新保民八の絶叫。
「正しきによりて滅ぶる店あらば
滅びてもよし。
断じて滅びず」

商業界精神の全てが込められた文章が、
「商業界50年宣言」。

そしてこの文章こそ、
21世紀の商業を語っている。

この中で新保民八の言葉に、
私はこだわる。

結城義晴著『メッセージ』(商業界刊)より、
「本当の正義」
正しきによりて滅ぶる店あらば
滅びてもよし。
断じて滅びず。

21世紀という時代、
この言葉は、ますます重みを増し、
輝いてくるに違いない。

なぜならば、
滅び行く者たちが次々、明らかになってくるからだ。
滅亡する機能、役に立たなくなる仕事が露になってくるからだ。

正義は、時代によって反転のごとき様相を呈する。
古い正義を振りかざす者たちは、
新保民八の言葉を声高に叫びつつ、滅びてゆく。

新しい正義は、
古い正義と闘争を繰り広げつつ、
同じように新保民八の言葉を叫ぶに違いない。

正しきによりて滅ぶる店あらば
滅びてもよし。
断じて滅びず。

この言葉を信じる者も、
この言葉をまやかしに使う者も、
この言葉によって裁かれる。

滅びるか、滅びないか。その事実によって。
21世紀という時の流れが、
本当の正義を証明してくれる。

< 商業界創立50周年を迎える年の初めに>

私はこの新保の言葉に、
イノベーションを見出す。

「正きによりて滅ぶる店あらば、滅びてもよし。
断じて滅びず」

新保はまず、正しくあれ、と諭す。

『商売十訓』の第一訓「損得より先に善悪を考えよう」と同意である。
そして正しくあるならば、滅びてもよし、と言い切る。

現実を顧みると、
正しくないものは即座に、滅びる。
しかし、正しさを唱えるものが滅びてしまうことも、ままある。

なぜか。
なぜ、正しくあることを目指しているのに滅びるのか。
それはイノベーションがないからである。

イノベーションとは、不断の自己革新である。
「店が客のためにある」ことに向けた自己変革である。

『商売十訓』の第二訓「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」は、
イノベーションの考え方を明らかにしている。
「良いことを学び、実行する」
「創造力を働かせ、実践する」
両方を実現させ続けることが、自己革新である。

原点を貫くための原則を新保は、
「滅びてもよし。断じて滅びず」
と、心意気を示すように訴える。

だが私は「滅びてもよし」と「断じて滅びず」の間に、
「自ら、変われ」「自己革新せよ」
という強い意志が横たわっていると考える。
経営の革新と技術の革新は、
滅びぬために不可欠だからである。

倉本長治著『商店経営の技術と精神』は、
「技術の革新」と「精神の正義」とを謳う。

21世紀の商人の原点と原則は、
「正義」を貫き、「革新」を続けることにあるのだ。
<2007年2月 第75回商業界ゼミナール基調講和から>

2012年の夏の終わり。
私は「21世紀の商業界精神」に関して、
ジャスティスとイノベーションを思った。

さて、今、成田空港第1ターミナル北ウィング。
デルタ航空622便に乗り込んで、
テキサス州ダラスに向かう。

アメリカでも、同じく、
ジャスティスとイノベーションを考える。

そのアメリカのジャスティスのひとつが、
「コンシューマー・ドクトリン」
米国大統領ジョン・F・ケネディが、
1962年3月に提案した。

第一に、安全である権利。
第二に、知らされる権利。
第三に、選択できる権利。
第四に、意見を聞き遂げられる
権利。

アメリカは消費者天国。
その消費者の権利。
これが正義。

そのアメリカ流の正義を実感しつつ、
商業界精神の正義を噛みしめる。

私のこれからの1週間は、
そんな日々になる。

では、行ってきます。
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<結城義晴>

2012年08月22日(水曜日)

コーネル・ジャパン教え子たちの元気と7月の小売業態別販売統計

蝉の声が一段と高くなった。
夏の終わりを教えてくれる。

夏の終わりと言えば、
甲子園球場の第94回全国高校選手権大会も、
とうとう決勝となる。

決勝戦のカードは、
光星学院(青森)と大阪桐蔭学園。

ところがこれが史上初の春夏同じ顔合わせ。
考えてみるとすごいことだ。

春の甲子園選抜高校野球大会は、
前年の秋季都道府県大会の優勝・準優勝校が地方大会に進み、
基本的にこの地方大会で枠内に入った32校が選抜される。

光星学院と大阪桐蔭は、
この枠内に入ったうえ、
春の甲子園選抜大会のトーナメントで勝ち抜き、
決勝に残った。

一方、夏は、47都道府県で行われる地方大会で、
ノック・アウト方式で勝ち続けて、
甲子園にやってくる。

さらに甲子園でも勝ち続け、
全国3985校の頂点に立つ決勝戦の2校。

すごい確率のなかで残った両校が、
春と夏の決勝で闘う。

組み合わせによっては、
準決勝やその前の段階で、
顔を合わせることも当然ながら、あったはず。

それが潜り抜けて潜り抜けて、
しかも両校とも負けずに、ここまで来た。

ああ、すごい。

明日8月23日のこの決勝戦を、
2012年の実質的な夏の終わりとしてもよいだろう。

地方大会の1回戦で負けてしまった高校球児たちも、
この決勝戦に参加しているのだと、私は思う。

リアルタイムで見ることができなくとも、
ゲームを楽しみたい。

さて私は今日、2週間ぶりに横浜の商人舎オフィスに出社。

すると、午後、訪問者。
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㈱成城石井社長の原昭彦さん(中央)と、
㈱伊藤軒専務の中井としおさん。
お二人ともコーネル大学RMPジャパン「奇跡の第2期生」。

私はクールビズで、
米国トレーダー・ジョーの“Captain Yoshi”。

成城石井の本社は、横浜市西区北幸。
商人舎と隣組。

その代表取締役社長の原昭彦さん
すこぶる元気。
自信満々。

私、心から安心すると同時に、
頼もしく思った。

現在の店数92店。

マルチ・フォーマット戦略とフランチャイズ政策を採用して、
出店エリアを広げ、展開スピードを上げると同時に、
独自の商品開発を志向して、卸売業まで手掛ける。

昨年12月の「海老名SA上り店」、
今年4月の「グランゲート東京駅店」、
同4月の「ダイバーシティ東京プラザ店」。

話題をさらう店舗が次々にオープン。
いずれも大成功を収める。

そのうえ、成城石井の信条である従業員教育も、
大きな成果をあげつつ、内部充実を図る。

オーナー企業が、
創業家から三度、変わったが、
原さんをはじめ、幹部・従業員一致団結。
マネジメントはプロパーの役員ボードに任されていて、
実にすばらしいオペレーションを展開している。

ほんとうに、うれしい。

トップマネジメントの自信が、
店舗現場に表れている。

原さんの話を聞きつつ、
ほとんどに相槌を打ち、
時にアドバイスをして、
あっという間に90分。

原昭彦、饒舌だった。

コーネル・ジャパン二期の同期生・中井さんは、
京菓子メーカー㈱伊藤軒の専務取締役。
「京の手仕事」を標榜しつつ、
東へ西へ、営業活動に奔走。

コーネル・ジャパン3期までの世話役のような役回りで、
みんなに愛され、先輩たちからはかわいがられている。

私はコーネル大学ジャパン副学長として、
2008年の創設からかかわり、
3期をもって退任した。

しかし、伝説の第1期生、
奇跡の第2期生、
実行の第3期生、

総勢87人は、みんな、
私の仲間であり、私の教え子。

彼らの活躍は、
自分のことのようにうれしい。

いつも、
いつまでも、
応援している。
支援している。

さて、7月の小売業態別販売概況。
まずは日本百貨店協会発表。
全国百貨店売上高概況。

総売上高 5759億7797万円、
既存店前年同月比マイナス3.3%。
3カ月連続でマイナス。

地区別に見ても、全地区マイナス。
商品別に見ても、ほとんどの項目でマイナス。

プラスだったのは、家電のプラス9.3%、
惣菜のプラス0.6%、
そしてサービスのプラス4.5%のみ。

この絶不調の原因として考えられるのは、
天候、そして、セールの分散化。

7月上旬から中旬までは気温が低く、
天候不順が続いたことにより、客足が遠のいた。

また、今年は値崩れ防止のため、
セール時期を例年より2週間遅らせたが、
それが完全に裏目に出てしまった。

7月下旬は気温が上昇し、
夏物商材の積極的なプロモーションが
売上げ回復に寄与したものの、
前半のロスを取り戻すことはできなかった。

日本フランチャイズチェーン協会発表、
コンビニエンスストア統計調査月報。
悪天候・低気温はコンビニにも影響。
既存店ベースの売上高は7447億4300万円、
前年同月比がマイナス3.3%。
既存店は2カ月連続減。

来客数は12億5110万人でマイナス2.7%、
客単価は595.3円で、マイナス0.6%。

商品部門別の前年同月比。
日配食品はプラス4.0%、
加工食品はプラス2.3%、
非食品はたばこの売上減が響き、マイナス2.4%。
さらにサービスはプラス2.3%。

総合スーパーの傾向が分かるのは、
チェーンストア販売統計月報。
日本チェーンストア協会発表。

総販売額は1兆0596億2862万円。
既存店前年同月比はマイナス4.9%。

食料品がマイナス4.1%。
衣料品はマイナス6.5%、
住関品はマイナス6.7%、
サービスはマイナス4.4%、
その他マイナス4.1%。

いずれも前年クリアならず。

特に厳しかったのは、家電。
マイナス18.2%。

昨年は地上デジタル放送の移行に伴い、
テレビの売上げが大きく伸びた。
今年はその反動で大きくマイナス。

最後にスーパーマーケット販売統計。
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3団体でまとめて、発表している。

7月の総売上高は8089億4872万円で、
既存店前年同月比はマイナス3.6%。

食品合計は7072億6632万円で、マイナス3.4%。
生鮮3部門の合計は2543億5266万円、マイナス3.2%。
うち、青果が1026億3905万円、マイナス3.2%、
水産が734億8956万円、マイナス3.7%、
畜産が782億2405万円、マイナス2.7%。

惣菜部門は736億1848万円で、マイナス2.8%。
日配が1541億9296万円で、マイナス4.4%、
一般食品2251億0221万円の、マイナス3.1%。

そして非食品は723億8794万円、マイナス7.0%。
その他292億9447万円でマイナス1.3%。

「プラス」の文字はまったく出てこない。

7月の商況を発表したのは、
増井徳太郎さん。
新日本スーパーマーケット協会副会長。
紀ノ国屋ファウンダー。
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「7月は大変厳しい結果だった。
梅雨明けが1週間~2週間遅れたこと、
7月中旬までの冷夏や豪雨、
うなぎの高騰と売上げ不振、
さらに大手総合スーパーの開店時間が早まったため、
中小食品スーパーの来客が減った。

さまざまなコメントが寄せられた」

イオンの開店7時作戦
のこと。

「政治の不安定感や消費税増税など、
世の中の先行きが不透明になっている。
結果、消費につながらない」

ゲストスピーカーは村越淳司さん。
㈱ランドロームジャパンの代表取締役副社長。
そしてコーネル大学ジャパン第3期生。
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ランドロームジャパンは千葉県船橋に本社を置き、
千葉県内に12店舗、茨城県に6店舗、
計18店舗を展開しているスーパーマーケット企業。

1968年に引き売りの「ムラコシ青果店」として創業、
1975年に㈱スーパームラコシ設立。
1983年、CGCグループに加盟。
1997年、現在のランドロームジャパンに社名を変更した。

「97年の社名変更当時は10店舗、売上げ140億円。
今年の4月末決算では18店舗、220億円となった」

「7月の売上げ状況は全国平均並みの結果だった。
良い部門は、惣菜。
全店ベースで100を大きく超えている。
震災以降、惣菜パンや菓子パンなども伸びている。
逆に、悪かった部門は飲料。
茶、炭酸は普通だったが、
水が半分くらいだった。
これはやはり昨年の震災特需の反動」

「8月のお盆商戦は非常に厳しかった。
13日~15日は曜日の関係もあり、90%台前半。
10日~12日の週末の数字は良かったので、
あおりを受けたかたち」

そして、現在の競争・競合の話にうつる。

以下は、ランドロームの自社調査に基づく。
千葉県の食品販売額は1兆0850億円くらい」

「このうち、総合スーパー上位10社が、
売上げの45%くらいを構成
している。
10社中、7社は他県の企業。
埼玉勢、茨城勢に攻められている」

「また、売上げの26%はコンビニに取られている。
サービスと営業時間では勝てない」

「価格面で劣る総合スーパーに対する対策としては、
CGCグループの力を借りること。

サービスと営業時間で劣るコンビニに対する対策としては、
スーパーマーケットにしかできない
便利さを追求すること」

そして「全従業員が今一度、
経営理念を徹底し、
やるべきことを明確にしていくこと」

「CGCの協業活動をいかしつつ、
自社の強みを伸ばしていきたい」
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村越さん、元気そうだった。

業績が思わしくなくても、
競合が厳しくても、
何故、元気なのか。

それは、学び続けているから。
会社の人々が成長しているから。
やがて、それが必ず業績に結び付くと、信じられるから。
トップマネジメントは、すべからく、
「元気な知識商人」でなければならない。

7月の小売業は悪かった。
百貨店マイナス3.3%、
コンビニ
マイナス3.3%、
食品スーパーマーケット
マイナス3.6%、
総合スーパー
マイナス4.9%。

8月のお盆商戦も厳しかった。

しかし今日は、
コーネル・ジャパンの元気者たちに会って、
私の気分はすこぶる快調。

この余勢をかって、
明日、アメリカに旅立つ。

<結城義晴>

2012年08月21日(火曜日)

モンゴル・ウランバートルのマルチ・フォーマット企業「NOMIN」を見る

日曜日から軽井沢。
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逝く夏の浅間は雲を重ね着て
〈平成浅間千句より 新宿・柳瀬亜湖〉

本当に珍しく、
浅間山の頂が見えた。
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松尾芭蕉は詠んだ。
吹き飛ばす石も浅間の野分かな

長野県の山や草原もすばらしい。
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モンゴルの大平原を思い出しつつ、
日本も美しい国であることを思った。
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そこで、ウランバートルの小売業、写真紹介。

8月6日から12日まで、
ワンアジアクラブ・ウランバートル交流会に参加したので、
特別に小売業・流通業を視察する予定はなかったし、
情報も整理していたわけではない。

だから見たまんまの印象記。

モンゴル一番の産業は何か。
遊牧民の国だけに、
農畜産業と思われがちだが、
そうではない。

モンゴルのGDPの構成比は、
第1が鉱業、つまり採鉱・採石で23%、
第2が農林・漁業16%、
そして第3に卸売業・小売業が15%で入ってくる。

製造業は8%、運輸業も8%、
不動産業6%、通信4%となる。

鉱業成金はモンゴルには多い。

モンゴル経済の成長は顕著だ。
実質GDPの成長率は2011年に17.3%。
1人当たりGDPは、
2011年現在で3070ドル。

これが2013年に5649ドル、
2016年には1万1290ドルとの予測がある。

よく言われることだが、
1人当たりGDPが2000ドルを超えると、
スーパーマーケットが成立し、
3000ドルを超えると、
コンビニエンスストアが成立する。

この基準からすると、
モンゴルはスーパーマーケットもコンビニも、
成立することになる。

しかし私は、この見方は、
厳密には、間違いだと思う。

2000ドルを越えたら、
ハイパーマーケットが登場する。

つまり総合スーパー。

3000ドルを越えたら、
ハイパーマーケットが繁盛する。

それ以前の段階でも、
百貨店は成立する。

どんな国にも富裕層は存在するし、
駐在の外国人がいるからだ。

一般国民の生活が徐々に向上してくると、
百貨店の代理機能としての総合スーパーが登場する。

これは業態用語でハイパーマーケットという。
総合スーパーも「スーパー」だと言えば、
GDP2000ドル以上というのは当たっているが、
それは食品スーパーマーケットではない。

ウランバートルの「ノミン」は、
そのことを証明してくれる企業だ。
ネットで調べるとウランバートルに数店舗。

その代表的な店が、
ノミン・デパート。
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世界中のデパートがそうであるように、
ノミン・デパートも入り口を入ると、
化粧品売り場。
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そして多層階の超大型店。
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ウランバートルの目抜き通りの一番店。

旧国営百貨店を、
家電小売業のノミンが買い取って経営。

ノミンは百貨店以外にも、
ハイパーマーケット、スーパーマーケットなど、
マルチ・フォーマット展開をする総合小売業。

このノミン・デパートの1階に、
ノミン・スーパーマーケットが、
デンと構えている。
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その入り口のブランドマーク。
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百貨店の中に入居した食品スーパーマーケット。

私が店内に入っていくと、
ちょうど停電になった。
だからパン売り場の照明も消えている。
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それでも入り口のプロモーション・コーナーから、
ベーカリーになる。
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さらに対面のケーキ売り場。
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そして青果部門。
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モンゴル人は、野菜、果物をあまり食べない。
だから品揃えも少ない。
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青果部門から乳製品へ。
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牛乳売り場。
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続いて惣菜コーナー。
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ここには人がついて、
対面方式。
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大皿盛りの調理済み惣菜も品揃えされている。
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さらに精肉売り場。
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チーズなどの多段ケース売り場。
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最下段にトレイ陳列でチーズ。
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アイスクリーム、冷凍食品は、
独自のケースで販売。
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主通路沿いのゴンドラエンドで、
オーガニック食品
を見つけた。
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「後進の先進性」を象徴する売り場。

缶詰など加工食品のゴンドラ。
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流通パンの売り場。
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そして異常に発達しているように見える飲料売り場。
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さらに酒売り場も全体の売り場構成比率は高い。
まず樽売りのビール。
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高級酒店のよう。
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全種類の酒が品揃えされている。
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ウォッカ売り場。
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ドラッグストア用非食品もアソートメントされている。
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その非食品ゴンドラ。
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レジ前へ。
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レジもひどくこんでいる。
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人員は豊富に配置され、
サービス感を盛り上げる。
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ただしレジはパソコンを使って清算していた。
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クレジットカードはこれで。
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百貨店の1階のスーパーマーケット。
私は昭和28年に誕生した東京・青山の紀ノ国屋を思っていた。
超富裕層と駐在外国人、さらに観光客。

だから一番の目抜き通りの百貨店に、
食品スーパーマーケットが入っている。

しかしノミンはウランバートル市内の生活圏にも、
ハイパーマーケットを展開している。
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上階は高級マンション。

NOMIN HYPERMARKETと表示されている。
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高度成長しているときの生活圏の拠点では、
ハイパーマーケットが有効だ。
つまり総合スーパー。

それがNOMIN HYPERMARKET。
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Hはロシア文字でN、ИはI。
OとMはアルファベットと同じ。

そこでHOMИHは、英語表記でNOMINとなる。

モンゴルは長らくソビエト連邦と深い関係にあったし、
ギリシャ正教を主たる宗教にしている。

だからロシア文字、キリル文字が使われる。
<ちなみに私、大学時代の第二外国語はロシア語だった。
文字だけは読める>

ハイパーマーケットの入り口を入ると、
非食品雑貨の売り場。
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中のゴンドラには飲料。
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これは他の部門と比べると、
異常なくらいの品ぞろえ。
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そして酒売り場につながる。
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通路上には、
ウォルマートのアクション・アレーのような島陳列。
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飲料を冷やして売っている。
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コカコーラやペプシコーラの営業力が、
思い知らされる。

店舗左翼のどん詰まりに冷凍冷蔵ケース。
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平ケースは冷凍食品。
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壁面には対面コーナーの肉売り場。
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といっても生肉は見当たらない。
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その隣にベーカリー。
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そしてケーキ売り場。
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ちなみにこの生活圏のハイパーマーケットを訪れたのは、
午前9時過ぎ。
だからまだ朝の品揃えはできていなかった。

冷凍ケースは百貨店内スーパーマーケットと同じ。
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そして乳製品。
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ここで、富裕層のご婦人客を見つけた。
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多段ケースに、当たり前のように品切れがある。
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チーズはどの店もしっかり置いてある。
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青果部門では作業中。
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多段ケースと平台の併用。
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リンゴはクレートでばら売り。
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卵売り場。
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割れた商品もあった。
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壁面沿いの加工食品売り場。
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そして店舗の中央あたりに絨毯売り場が出現。
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売れ筋はもちろん、
チンギス・ハーンの肖像入り。
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ハンガー陳列の衣料品売り場もある。
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そして家電売り場は充実。
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ノミンはもともと家電小売業だからだ。
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掃除機もご覧の品揃え。
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その隣は玩具コーナー。
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レジ前は、食器売り場。
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コスメティックスも、ゴンドラに陳列されている。
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通路内の主要なスポットには、
黄色の買い物かごがきちんと配置されている。
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レジは13台。
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レジの外には、化粧品売り場。
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ここは対面コーナー。

そしてファストフード。
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フードコートはレストランのように、
テーブルクロスがかけられていた。
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生活圏のハイパーマーケットは、
百貨店のスーパーマーケットよりも、
低価格で大衆的な品ぞろえだった。

ただし高度成長中のウランバートルは今、
総合スーパーとしてのハイパーマーケットが、
登場している段階。

日本やアメリカ並みのスーパーマーケットの成立は、
まだまだ先のことである。

一方、郊外では、
ノミンは「ホールセールクラブ」を展開。
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これはコストコやサムズを志向する店。
百貨店と百貨店内スーパーマーケット、
それに総合スーパーとしてのハイパーマーケット、家電店、
さらにホールセールクラブ。

ノミンはマルチフォーマットの総合小売業だ。
しかしホールセールクラブまで実験が進んでいるとは。

まったくもって「後進の先進性」を示す現象。

そして1人当たりGDP3000ドルのとき、
ハイパーマーケットが登場する
ことは、
台湾、中国だけでなく、ここモンゴルでも示された。

本格的なスーパーマーケットは、
相当に消費の成熟化が進んだ段階で花開くことも、
ウランバートルの現状によって逆に、明らかになった。

私は、その検証ができたことが、
とりわけうれしかった。

<結城義晴>

2012年08月20日(月曜日)

商売はお客様と楽しさが、反射する・呼応する・共鳴する

Everybody! Good Monday!
[2012vol34]

2012年第34週。
8月の第4週。

お盆はいつものように過ぎていった。
原爆の日も、終戦の日も。

ヒロシマナガサキフクシマ怒る夏
〈日経俳壇より 八王子・福岡悟〉

今年はロンドン・オリンピックも、
満足感のなかに終了。

高校野球甲子園大会も最終盤
最も面白い準々決勝。
つまりベスト8が1日で見られる。

ここを突破すると、
ベスト4で、オリンピック流にいえば、
メダルが貰える。

ここまで来たら勝ちたい。
それがベスト8の闘い。

おもしろい。

楽しさは反射するのか
仲見世を行き交う人々皆々楽しげ

〈日経歌壇より 牛久・中野笙子〉

反射するのです。
呼応するのです。
共鳴するのです。

それが商売の良さ、
おもしろさ。

商人舎からのお知らせふたつ。
第1は「秋のUSA研修会Specialコース」
去年と同じダラス、ワシントンDC、ニューヨークへ、
10月30日~11月6日の6泊8日間。

フォーマット戦略と、
ポジショニング戦略を学ぶ。
プライベートブランド開発も、
このポジショニング戦略の一環となる。

元HEB上級副社長のメリッサ・フレミングさんが、
今回もたっぷりと教授してくださる。
もちろん、浅野秀二&結城義晴のダブルコーディネート。
アメリカ小売業、チェーンストアの大潮流をとらえ、
日本流通業の戦略を鮮明にする。

それが目的。

米国では、
ウォルマートが「完全復活」。

勝者と敗者がますます、
鮮明になってきた。

そのウォルマートの株は、
7月末に株価は75.24ドルで、
「過去最高値を更新」。
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ウォルマートの第2四半期5~7月期決算は、
純利益が40億1600万ドル、前年同期6%プラス。
売上高は1135億ドル、プラス5%。このウォルマートと、
それに対抗する企業群から、
経営戦略とイノベーションを学ぶ。
それが商人舎Specialコース。

お早目の申し込みをお願いしたい。

商人舎からのもう一つのお知らせは、
「第2回商人舎ミドルマネジメント研修会」の開催。
11月13日~15日。
2泊3日の完全合宿制。
今回は場所を変えて、湯河原。
隔離状態で、学んで、
身につけて、帰る。

この研修会には、上田惇生先生がご登場
第1回講義終了時には、
スタンディング・オベーションで先生に感謝の意を評した。
そのくらい上田先生はこの研修会に力を入れてくださっている。

当然ながら、この研修会は、
ピーター・ドラッカーの考え方を基礎にしている。

特にリーダーシップ、チームワークなど、
最も重要な考え方とその技術を強調して講義する。

こちらもお早目に、ご検討を。

さて今週は、夏の総まとめ。
とにかくお客様に気分良く、
お買いものしていただき、
楽しんでいただくことに努めたい。

私の今週のスケジュールは、
月曜、火曜は軽井沢に滞在

水曜に商人舎に出て、
木曜からアメリカ視察研修。
今回は三井物産主催のトップセミナー

来週の水曜日まで。

夏の終わりのアメリカ訪問。
私自身大いに楽しみにしている。
商売はお客様と楽しさが、
反射するのです。
呼応するのです。
共鳴するのです。

だから最後に「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を出そうよ。
それがあなたの役目です。

猛暑・残暑で売れなかった。
それはお客さんの元気がなかったからか。
暖冬でまたまた売れなかった。
お客さんたちが買うことに疲れたからか。

いいえ、そうではありません。
お客さんには欲しいものが見出せなかった。
買いたい気分が生まれなかった。
商品やサービスにがっかりした。

あなたの元気は商品に乗り移る。
あなたの元気は店を活気づかせる。
あなたの元気はお客さんを励ます。
仲間を、取引先を勇気づける。

元気とは心の躍動です。
元気とは強いコミュニケーションです。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年08月19日(日曜日)

ジジと夏のおわり[日曜版2012vol34]

ジジです。
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あつい夏も、
おわりにちかづいた。
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甲子園も、そろそろ、
おおづめです。
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ロンドン・オリンピックで、
あんなにもりあがったのに、
もう、つぎは、甲子園でもりあがる。
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もりあがりながら、
もりあがりながら。

そうしながら、
すこしずつ、ニッポンの夏は、
おわっていきます。
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にゅどうぐも。
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でも空は、
ちょっとずつ、
かわってきた。
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それでも陽ざしは、
まだまだ、つよい。
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夏の花は、ちからづよい。
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きいろのダリア。
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しろいダリア。
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あかいダリア。
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すばらしい。
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夏のエネルギーが、
いっぱい、つまっている。
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エネルギーがいっぱいにみたされるから、
きっと、夏はおわるのです。
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雪の結晶のような花。
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そこに蜜を吸いにくるチョウ。
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ああ、夏のおわり。
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ボクはそう、おもいます。
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そして夏の夕ぐれ。
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もしかしたら、
一年でいちばんよいころです。
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日の光と木々のかげ。
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昼と夜のあいだのような、
夏と秋のあいだの景色。
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空と木々。
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ああ、ことしの夏も、
おわります。
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ありがとう。

<『ジジの気分』<未刊>より>

2012年08月18日(土曜日)

「一日一食」主義と食料自給率向上の「無駄削減」と日本食品産業

入道雲。
積乱雲。
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ラテン語学術名は、
Cumulonimbus(キュムロニンバス)。

その積乱雲のあと、
雷が発生したり、
大雨になったりする。

だから「雷雲」ともいう。
英語では、“Thunder cloud”。

各地で、そんな積乱雲のあとの大雨。

こうして少しずつ、秋に近づく。

8月8日の立秋から、
いま、8月23日の処暑に向かう日々。

さて「一日一食」がちょっとしたブーム。
私の友人のサービス業経営者が実践していて、
「成果が上がっている」と証言。

「16時間断食」も流行している。
これも同年の友人が実行して、成果を上げた。

お断りしておくが、
メタボリック症候群気味の私は、
どちらもやっていない。

「16時間断食」の方は、
第1に夜8時以降は食べない。
第2にお昼は炭水化物を中心に好きなものを食べる。
第3に朝は果物、または具なし味噌汁を食べる。

「一日一食」に火をつけたのは、
南雲吉則著『「空腹」が人を健康にする』
サンマーク出版から1月18日に発刊され、
発売後1カ月で20万部のベストセラー。

著者はナグモクリニック総院長。
30代の頃、暴飲暴食で77kgまで太った。
そこで、さまざまなダイエット法に挑戦。
「1日1食」に到達。

いわゆる「腹ペコ生活」。
1日の食事は夕食だけ。
その1食は好きなものを食べる。

結果として、体重62kgを維持、
56歳とは思えない若々しさ、
人間ドックでの血管年齢26歳、
骨年齢は28歳との判定。

南雲さんの根拠の第一は、「サーチュイン遺伝子」
これは“長寿遺伝子”“若返り遺伝子”とも呼ばれるもの。

この遺伝子は、「人間の生命力を司る」とされる。
そのスイッチをオンにする条件が「空腹」。

南雲さんは、自分自身の体験をもとに、
「一日一食」が人間にとってベストな食事法だと主張。

これはこれで、ひとつの考え方。
採用するか否かは個人の問題。

しかし日本国民全体が「一日一食」や「16時間断食」に取り組んだら、
スーパーマーケットやコンビニ、フードサービス業、
そして食品製造業、食品卸売業は、
どうするんだろう。

そんなことを考えてしまった。

一方、今朝の日経新聞の社説。
「食料のムダ削減に知恵絞れ」。
こちらは日本の食料自給率からの発想。

「政府が発表した2011年度の自給率は、
供給熱量で計算した数値が2010年度と同じ39%だった」

熱量換算だけではなく、
金額換算も考慮に入れよという説もある。

それはさておいて、社説は、、
企業や消費者の努力で「自給率を引き上げる策」を主張する。
「それは食料のムダを減らす努力だ」

農林水産省の推計。
年間9000万トン強の農水産物が日本国内に供給される。
そのうち約1900万トンが、
食品メーカー、外食、小売店、
家庭などで
捨てられる。

しかも「500万~900万トンは食べられる食料」。

廃棄食品を減らせば、
自給率は上がる。

これが第1の主張。

食べられる食料で廃棄されるものの多くは、
家庭や外食での食べ残し、
小売店の売れ残り。

農水省は2009年3月に、
「食品のムダ削減に向けた対応策」をまとめた。

「小売店に賞味期限に近づいた商品は
値引き販売などで『売り切る努力』を求めた」

しかしこの面では、特にコンビニで、
「見切り販売」は進まない。

一方、「売れ残りや食品の製造過程などで出る廃棄物も、
飼料・肥料としての利用は可能」

廃棄食料を飼料に使え。
廃棄食料は貴重な資源に変わる。
これが、社説の第2の主張。

日本の飼料自給率は26%。
国産の飼料を増やせば
食肉や乳製品など畜産物の安定供給につながる。

こちらは特に多店化した外食産業は、
「食品メーカーなどに比べ廃棄物の利用率が低い」と指摘。

「食料の無駄を減らす」
もっともな主張だ。

一方、「一日一食」主義。
これも当人たちにとっては、
真剣なテーマ。

しかしこれらがもし、
一挙に実行され、実現されたら、
日本の食品産業はどうなるのか。

このことに対して企業はどう考え、
どう責任を持つのか。

このときに、
「損得より善悪を先に考えよう」と、
言い切れるために、どう行動するか。

商人舎エグゼクティブ・コーディネーターの川勝利一さん。
トレーメーカーのトップ営業マンだったころ、
「我々の仕事は社会悪だ」と言い切っていた。

もちろん川勝さんの営業成績は、抜群だった。

「食品の製造・流通・小売り・サービス」は、
社会悪では、もちろんない。
しかし、その供給競争のなかで、
それが過剰になるとき、
企業の責任はどうなるのか。

つねに「社会悪」という刃を自らに突き付けつつ、
社会に貢献できる仕事を模索したい。

結論は、
より価値の高い食品提供を追求し続ける。
これしかない。

<結城義晴>

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