結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2014年05月09日(金曜日)

学習院マネジメントスクール講義と「非製造業現代化」が日本を救う

朝一番で、白幡小学校へ。
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校庭には、不思議な魅力がある。

陽だまりの中を、
児童が走ってゆく。
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忙しい身ながら、
地域とのつながりは、
忘れたくない。

だから白幡文化・スポーツ事業に協力する。
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息子と娘がお世話になり、
私はPTA会長を務めた。

さらにこの学校を拠点として、
ジュニアソフトボールチームを運営し、
長らくその監督や代表、顧問を務めた。
だから今でも、
できる限りのボランティアをする。

午後は横浜商人舎オフィス。

そして最後は、夕方に東京・目白。
学習院大学マネジメントスクールへ。

事務局長の磯部泰子さんが、
ガイダンス。
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上田隆穂学習院大学教授のご挨拶。
マネジメントスクール所長。
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月刊『商人舎』4月号では、
対談に応じていただき、
プライス・マーケティングの真髄を、
存分に、語っていただいた。

今年もこのクラスには、
満員に近い参加がある。
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ビジネススクールとして、
実によろしい。

その第一講義が、結城義晴。
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「潮目が変わる時代の流通概論」。
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18時45分くらいから始めて、
21時05分には終わった。

しかし、まだ語り足りない。

大学の教室で講義していると、
その環境になじんで、
心が解放されたまま、
自在に語ることになる。

そうすると脱線も増えて、
時間はあっという間に過ぎていく。

語り足りなかった残りの部分は、
いつか、機会をつくりましょう。

それでも、結城義晴の持論を、
存分に展開して、大満足。
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21時10分からポットラック。
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学習院大学名誉教授の湯沢威先生が、
静かに学習院マネジメントスクールの趣旨を説明し、
乾杯の音頭をとって下さった。
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そして乾杯。
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早速、湯沢先生と、
イギリス小売業について、
語り合った。
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長らくイギリスに留学された湯沢先生は、
想像通り、マークス&スペンサーのファン。
それからセインズベリーも大好き。
もちろんテスコにも凄い思い入れで、
話は弾んだ。

それから事務局の林純子さんと。
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そして受講者の質問と感想。
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㈱そごう西武経営企画室の速水和郎さんが、
コメントを寄せてくれた。
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事務局の皆さんと写真。
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最後の最後に、全員写真。
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学習院マネジメントスクールは、
来年2月まで毎週のように講義が開催され、
最後に研究とその発表がある。

今年も楽しみなチームとなった。

みなさん、私の課題レポートも、
しっかり考察して、執筆してください。

さて今日は、
カリスマ経営者がふたり、
退任のコメント。

まずは、宮内義彦さん。
オリックス会長兼CEO。

1960年、日綿実業(現双日)入社。
64年のオリエント・リース設立に、
準備段階から参加。
45歳でオリックスの経営トップに就任。
経営トップを33年余り務めた。

6月に退任し、取締役も退く。
助言役に徹する。

「ぎりぎりまでトップに居続けることは、
その後を考えると無責任」

「元気なうちに退任し、
新経営陣にアドバイスする立場になるのが
一番良い」

宮内さんの人柄から見ると、
これは実に正直な言葉だと思う。

「リースの隣、その隣と
事業を広げた」

この発言が本質をついている。

「事業分野は不動産や生命保険に拡大。
在任33年で営業収益は約20倍に拡大し、
1兆円を超える総合金融グループになった」。

誇りとすること。
「バブル崩壊、アジア通貨危機、
リーマン・ショックと、
何度も危機に見舞われたが、
一度も赤字を出さなかった」

後任の井上亮社長は、
「宮内イズム、オリックスのDNAを深めて、
次の50年への一歩を踏み出す」。

もうひとりは、井上礼之さん。
ダイキン工業会長兼最高経営責任者。

6月27日付けでCEOを退任。

しかしこちらは、
退任後も取締役と会長を継続。
さらに新設のグローバルグループ代表に就任。

まだまだ完全引退はありそうにない。

1994年6月にダイキン社長に就任。
2012年、米グッドマン・グローバルを買収、
空調世界最大手となった。

さらに2014年3月期決算は過去最高益。
しかし井上さんは手綱を緩めない。

「世界で戦える体制になっていない」。

今や売上高の7割超は海外。
連結社員数は5万6200人の8割が、
海外企業で働く。

世界に根ざした経営を貫くには、
「マーケティングや商品開発など
現地に権限を委譲することが必要」。

ただし「泥水の情報が
真水になって
本社に入ってきたのでは
経営はできない」

カリスマ経営者もコミュニケーションと、
それに応じたマネジメント組織が必須であると、
実感している。

最後に今日の日経コラム『大機小機』。
今日のテーマは、
「非製造業立国を目指そう」
今日の学習院での講義でも、
同じようなことをレクチャーした。

私の言い回しは、
「すべての仕事は、
サービス業化せよ!」

法人企業統計によると、
「付加価値に占める非製造業の比率は
5年前に7割を超え、
情報通信などの拡大で今や8割近い。
就業人口では8割以上を占める」
私は国内総生産の比率で、
これを示した。

「非製造業が元気だし、
新陳代謝も進む」
つまり第3次産業。

その第3次産業活動指数。
まずは、
「技術革新に取り残された伝統産業が衰退」

半面、
「インターネットサービス、
宅配介護などが急速に伸び、
主役交代が急ピッチだ」
この指摘は、
今さらというわけでもないが。

伸びている分野が、
さらに具体的に列挙される。
「厳しい国際競争にさらされている金融、
技術革新が激しい情報通信
情報技術(IT)を本格活用した流通、
知識集約型の学術研究・専門・技術サービス」

流通業も伸びている7業種の一つ。
ありがたい。

そしてキーワードは、
①競争、
②イノベーション、
③情報テクノロジー、
④知識集約型。

7業種の労働分配率も考慮される。
「これらで生産性に見合った賃上げが実現すれば
非製造業だけで賃金が3兆円増え、
消費を1%押し上げる」

非製造業の「1人あたり付加価値額」に関して、
アメリカとの比較が示される。
「金融で9割、
専門・技術サービスと建設で8割、
流通で6割にとどまる」。

日本の流通業の人時生産性は、
アメリカのそれの6割。

「我が国は巨額の貿易赤字を抱え、
製造業の再生と投資の国内回帰が
テーマになっている」

コラムはそれを覆す主張をする。

「非製造業に
もっと光を当ててはどうか」

まったく同感。

そして予測。
「非製造業の主要7業種の生産性を
米国と同水準に引き上げられれば、
約100兆円の付加価値が
新たに創出される」

ポール・クルーグマン教授は指摘する。
アメリカでも非製造業の生産性を、
さらに上げよ、と。

考えていること、
主張していること、
行動していること。

それが様々な局面で、
繋がってきた。

私は「商業の現代化」を標榜している。
それは「非製造業の現代化」と、
言い換えてもいい。

2008年4月、
㈱商人舎発足の会の私の講演タイトル。
「小売りサービス業が日本を救う」。

まだまだ日本は、救われてはいない。

〈結城義晴〉

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