3月3日の桃の節句。
ひな祭り。
今日は月刊商人舎3月号の最終責了日。
ありがたいことです。
また、いい雑誌ができました。
楽しみにしてください。
巻頭言をご披露しましょう。
それは3月の商人舎標語でもあります。
[Message of March]
和をもって貴しとなす。
「以和為貴――」。
和をもって貴しとなす。
しかし、この「和」は、
「同」ではない。
「和」とは、
互いに協調することだ。
だから「和する」ためには、
もともとそれぞれが違わねばならない。
いや、もともとは、
みな、異なるものなのだ。
だから和する。
それが貴い。
「同」は、
同じであること。
等しいこと。
異なることの反対である。
「論語」にある。
子曰く、
君子は和して同ぜず、
小人は同じて和せず。
内食と外食をいま、
「和して同ぜず」でまとめる。
「同じて和せず」はいけない。
それがGrocerantの本質だ。
「Sell」と「Cook」をいま、
和して同ぜずで調和させる。
同じて和せずではない。
それがGrocerantを超える世界を創る。
〈結城義晴〉
聖徳太子の十七条憲法の、
第一条の言葉として、
「日本書紀」に記されています。
太子が書いたかどうか、
真偽のほどは論争中だけれど。
しかし原点は「論語」にあります。
「有子曰わく、
礼の和を用て貴しと為すは、
先王の道も斯を美と為す」
それでも太子の価値が、
下がるものではありません。
太子は勉強家だったということです。
何よりも国民に対して、
最初に言いたいこと。
それが「和をもって貴しとなす」
太子は続けて書いています。
「無忤為宗」
「忤(さから)う無きを宗となす」
「忤う」は調和を崩すこと。
和を大切にしようよ。
調和を保とうよ。
そんな感じでしょうか。
お店も会社も、
和を大切に、調和を保とう。
今回はこれを人間の和だけでなく、
概念の調和や融合に使ってみました。
いかがでしょうか。
白樺派の作家・武者小路実篤は、
「仲良き事は美しき哉」
仲良きこと、すなわち和。
それは美しい。すなわち調和。
すばらしい。
私は中学生くらいのころ、
武者小路にはまっていて、
ほとんどの文庫は読破しました。
そしてひそかに、
「武者先生」と呼んでいました。
真理先生、馬鹿一、石かきさんなど、
ほんとうに懐かしい。
今となっては、
ちょっと恥ずかしい気もしますが。
さて、ゲラの責了をして、
最終の東海道新幹線のぞみに飛び乗る。
弁当はこれ。
「ひな祭り弁当」
ビールを飲みながら、
ゆっくりと食事。
これもいい。
岡山駅に着くと、
駅前のANAクラウンプラザホテル。
ロビーにフルラインの雛飾り。
お内裏様とお雛様。
三人官女と五人囃子。
そういえば今日はひな祭り。
ここでまた思い出した。
お雛さんたちも、
「和をもって貴しとなす」
仲良くね。
〈結城義晴〉