結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年12月03日(火曜日)

10月税収の「消費増税効果」とソフトバンクGの「租税回避」

朝から横浜の上空に、
ヘリコプター。
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拡声器のようなもので何かをアピールしながら、
南の空から北の空へ飛び去って行った。
DSCN93079

その真っ青な空の下は、
12月3日だというのに暖かい日だ。

まさに「小春日和」。

光が満ち溢れた坂道を、
保育園の子どもたちが、
保母さんに連れられて歩いてきた。DSCN9313
自衛隊や県警のヘリコプターと、
保育園の園児。

この対比がおかしかった。

ヘリコプターの拡声器は、
無視することにした。

さて、財務省が昨日、発表した、
10月の一般会計税収。

前年同月比で1.5%増の3兆8826億円。
このなかで一番多いのが、
問題の消費税で、
全体の39.5%を占める1兆5318億円。
前年同月比で3.1%増だった。

ただし10%に税率が上がった2%分は、
10月分の税収には反映されていない。

軽減税率導入の差額分の税収は増えないし、
ポイント還元投資にも金は使われる。

今月、消費税収が3%以上も増えた理由は、
今年に入って輸出が急減して、
輸出取引に絡む企業への還付金が減ったから。

ああ、消費増税。

税収のうちの二番目は、
源泉徴収分の所得税だ。

あなたや私が毎月払っている税金。

1兆279億円で全体の26.5%だが、
これが前年より7.6%増。

税収に占める構成比では、
所得税は消費税より13.0ポイント少ない。

三番目は法人税収で、
4274億円の11.0%。
これが前年比2.9%増。

法人税は企業国家の日本としては、
ちょっと少ない気がする。

この消費税・所得税・法人税の関係性の中で
消費増税するのでは消費は喚起されない。

ちなみに四番目は揮発油税
これはガソリン税のことで1974億円、
前年比6.5%減。

五番目が相続税。
1947億円で8.4%減。

そして六番目が酒税。
1107億円で0.9%減。

七番目がたばこ税。
893億円で17.0%の激減。

この国は個人とその消費から、
税金を取りまくっている。

消費税、所得税、相続税、
ガソリン、酒、たばこ。

ああ。

日経新聞の「大機小機」
硬骨漢のミスト氏が書く。
「いつまでイタチごっこを続けるのか」

「ソフトバンクグループの
租税回避が
問題になっている」

「海外子会社の株式を
グループ内で移転させて
人為的な損失を作りだし、
本業の利益と相殺することにより
法人税の負担を減少させた」

ソフトバンクグループ(SBG)は、
2018年度日本企業売上高ランキングで第8位だ。

1  トヨタ自動車 29兆3795億円
2  本田技研工業 15兆3611億円
3  日本郵政 12兆9204億円
4  日産自動車 11兆9512億円
5  日本電信電話 11兆7821億円
6  JXTGホールディングス 10兆3011億円
7  日立製作所 9兆3686億円
8  ソフトバンクグループ 9兆1588億円
9  ソニー 8兆5440億円
10  イオン 8兆3900億円

今日時点の時価総額ランキング。
1 トヨタ自動車 25兆1838億円
2 NTT 10兆8364億円
3 NTTドコモ 10兆0390億円
4  キーエンス 9兆2516億円
5 ソニー 9兆0359億円
6 ソフトバンクグループ8兆7459億円
7 三菱UFJ 7兆9410億円
8 KDDI 7兆4712億円
9 ファーストリテイリング 7兆1281億円
10 ソフトバンク 7兆0850億円

ソフトバンクグループとソフトバンク。
時価総額順位で6位と10位。
合計すると15兆8309億円となる。

もちろんNTTとNTTドコモも合わせれば、
こちらも20兆8754億円となるから、
ソフトバンクは日本第3位だが。

この会社が「租税回避」をしている。

「租税回避」とは、
合法な租税負担の軽減・排除のこと。

「一連の取引にはどこにも違法性はない。
しかし複雑に組み合わせて税負担を逃れる」

SBGは一部だけ修正申告に応じたらしい。
だが「やったもん勝ち」の状態は、
放置されたままだ。

こうした事例は急増している。
そして「税制当局とのイタチごっこ」。

ここから脱却するために必要なのは、
「一般的否認規定(GAAR)」
この規定の導入が有効である。
「General Anti-Avoidance Rule」

日本以外のG7諸国が導入している。

これらの国でも、
「租税回避」は頻発している。

しかし日本はこれまで、
「租税回避」行為が少なかった。
だからそれへの対応が遅れた。

GAARとは、
「税法の本来の趣旨・目的に反した
使い方をした場合や、
もっぱら税負担の軽減のみを
目的とした取引について、
税効果を否認する」規定だ。

ここでいう「税効果」とは、
「企業会計」と「税務会計」のズレを調整し、
税金費用を期間配分する手続きのこと。

だが「租税回避」のための「税効果」もある。
その場合、この配分を否認する。
つまり認めない。

それが「税効果の否認」だ。

つまりGAARの規定導入は、
「租税回避」をけん制する効果を持つ。

GAARの規則がない我が国では、
裁判で個別事例ごとに判断されている。
しかし裁判所によって、
解釈や判断が異なる。

一方、学会はこれらを、
論理的に立証する立場にあるが、
この「租税回避」の問題に対して、
正面から向き合っていない。

コラムニストによれば、
「当局が企業の知恵に
追いつけない現状を見ず、
机上の空論を繰り返している」

このような状況のなか、
経済協力開発機構(OECD)は、
租税回避スキームの「義務的開示制度」を、
導入するよう日本に勧告している。
義務的開示制度は「MDR」という。
Mandatory Disclosure Rule

MDRは、
租税回避スキーム利用者(納税者)や、
それを提供する会計士・税理士などに、
国税当局への報告を義務付ける制度だ。

アメリカやイギリスでは、
租税回避のけん制に役立っている。

我が国でも、
平成29年度の与党税制改正大綱に
「今後の検討」と書かれている。

しかし遅々として進まない。

消費増税や軽減税率導入で、
国民から吸い上げたり、
その違和感を緩和したりする前に、
「租税回避」スキームのいたちごっこを、
一刻も早く脱する必要がある。

「法令で否認要件を明確」にし、
GAARやMDRを導入すべきだろう。

ちょっと表現が、
専門的過ぎてわかりにくいが、
良いコラムだった。

もちろん租税回避といっても、
中小零細企業のささやかな回避と、
リーディングカンパニーの回避とは、
わけが違う。

このときにも重要なのは、倉本長治。
「損得より先に善悪を考えよ」
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自衛隊のヘリコプターも、
税金で賄われているし、
幼児教育・保育の無償化も、
税金によって進められている。

そして首相主催の「桜を見る会」も、
税金のうちから支出されている。

税金は集め方と使い方。
どちらにも関心を持ち、
注意を払っておかねばならない。

〈結城義晴〉

2019年12月02日(月曜日)

サイバーマンデーの日の流行語大賞「ONE TEAM」

Everybody! Good Monday!
[2019vol48]

2019年第49週、12月第1週。
昨日の日曜日に、
12月のスタートが切られた。

その12月の商人舎標語。
月刊商人舎12月号[Message of December]
変わろう! 祈ろう!!
流通詩人・結城義晴の韻文詩は、
商人舎12月号を読んでください。

今月は五言絶句ならぬ、
六行詩です。

今日はアメリカでは、
サイバーマンデー。
“Cyber Monday”

感謝祭翌日の28日(金)が、
ブラックフライデー。
“Black Friday”

リアル店舗では年間最大の稼ぎ時。

そして感謝祭ホリデー明けの今日が、
ネット通販の最大需要日。
eコマースの売上げが爆発する。

ブラックフライデーは、
どこの店も大安売りの大奮発。

その時には家族と一緒に、
あるいはパートナーとともに、
店に行って、盛大に買物する。

しかし家族や恋人への、
クリスマスプレゼントは、
家族と一緒ではまずい。
見つかってしまう。
わかってしまう。

そこでオフィスや職場に出る今日、
オンラインショッピングする。

それがサイバーマンデー。
アメリカでは昨年のこの日の売上げが、
約8600億円で過去最高だった。

さて12月のスケジュールは、
商人舎Webコンテンツ、
月曜朝一の2週間販促企画。

このサイバーマンデーにひっかけて、
アマゾン・ジャパンは、
Cyber Mondayセールを展開。

ただしこのセールの期間は、
12月6日(金)午前9時、スタート。
12月9日(月)23時59分、ジ・エンド。

昨年より7時間延長して、
87時間にわたって展開される。
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アマゾン・ジャパンは、
2012年から12月の第2月曜日を、
「日本版サイバーマンデー」として、
記念日登録している。

そして独自のセールを展開する。

日本では国家公務員をはじめ、
多くの企業が、
12月10日に冬のボーナスを支給する。

そのボーナスをターゲットとした、
日本独自のサイバーマンデーだ。

実際に12月第2週月曜日には、
Amazon Japanのサイトに、
年間で最も多くのユーザーが訪問する。

ブラックフライデーセールの次は、
なんといってもボーナス商戦。

ネット上だけでなく、店舗でも、
再びプロモーションが仕掛けられる。

また13日(金)は年金支給日に当たる。

ボーナスや年金が支給されると、
週末の消費は活発になる。

だから12月もセールセールの嵐。
さらにポイント付与合戦。

2019年の歳末商戦は従来にも増して、
価格訴求が強まる。

もちろん、
「よそに合わせてどうすんねん」
㈱万代社長の阿部秀行さん。
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独自のポジショニングを発揮して、
他がやらないことを考え、実行する。

それがなければ面白くない。
商売をやっている意味がない。

さて今日、
新語・流行語大賞発表。
自由国民社刊「現代用語の基礎知識」選。

今年の年間大賞は、
「ONE TEAM」
ラグビーワールドカップ日本代表のスローガン。
まあ、予想通り。だが素晴らしい。
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ジェイミー・ジョセフが掲げたテーマ。
ヘッドコーチとしてベスト8に導いた。

7カ国15人の海外出身選手を含む31人。
彼らがリーチマイケル主将を中心に、
「桜の戦士ONE TEAM」の快進撃を見せた。

選定理由。
「日本代表の快進撃と
1個のボールを取り合う面白さは
多くの人々を虜にした。
テレビの視聴率はうなぎ上り、
日本代表のレプリカジャージは完売し、
ラグビーを始める子どもたちも急増した」
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これに加えられたメッセージがいい。
「ONE TEAMは世界に広がりつつある、
排外的な空気に対する明確な
カウンターメッセージであるとともに、
近い将来、移民を受け入れざるを得ない
日本の在り方を示唆するものとなった。
それは安倍総理にもしっかりと
伝わったと信じたい」

商売や仕事にも、
ONE TEAMは必須だ。

チーム・マネジメントの講義でも、
リーチマイケルや”ONE TEAM”は、
説得力を持った。

ありがとう。
文句なしの2019年流行語大賞だ。

今年は30の言葉がノミネートされた。
その中からの大賞以外のトップ10。

「計画運休」
台風の接近に伴って列車の運転を順次運休した。
良かったと思う。

「軽減税率」
消費税率10%への引き上げに伴って導入。
これには反対。

「スマイリングシンデレラ/しぶこ」
全英女子オープン優勝の渋野日向子。
応援します。
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「タピる」
タピオカドリンクを飲むこと。
この言葉がそんなに流行っているとは、
知らなかった。お爺。

「#KuToo」
職場や就職活動で、
女性がヒールのある靴の着用を
強制されることに異議を唱える。
これもあまり見なかった。お爺。

「○○ペイ」
現金を使わないキャッシュレス決済。
もちろん知ってるが面倒だからやらない。
これもお爺か。

「免許返納」
高齢者が運転免許証を自主的に返納すること。
身につまされる。

「闇営業」
芸人が事務所を通さずに仕事を受けること。
「反社」でなければこんなに糾弾されなかった。
安倍首相主催の「桜を見る会」も同じ。

「令和」
新しい元号。
これが大賞かとも思ったが、
当たり前すぎるか。

これら以外に「選考委員特別賞」はイチロー。
「後悔などあろうはずがありません」
今年3月の引退会見の発言。 itiro-69-448x282

フォアボールを選んだ時、
イチローは黒いバットを、
大切そうに、そっと地面に置く。
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見事な人生だ。

しかしこれからのほうが長い。
イチローには願わくば、
最後の最後にもこう言ってほしいものだ。

では、みなさん、今週も。
そう、ONE TEAMで。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2019年12月01日(日曜日)

糸井重里の「陰口の反対」と上野光平の「にもかかわらずの論理」

12月に入った。
師走。師も走る。

あっちもこっちも、
モミの木とクリスマスソング。
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「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭エッセイは「今日のダーリン」
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「その場にいない仲間のことを、
こころから尊敬しているようすで、
気持ちよさそうに
ほめている人たちに会った。
耳に気持ちのいいことばが、
あたりを輝かせた」

素晴らしい人たちだ。

「いない人のことをわるく言うのは、
陰口と言って、
これはみんなやっている。
テレビのいろんな番組のなかで、
かなりの分量の時間が、
その場にいない人の”陰口”に
費やされている」

政治の世界なども、
陰口でできあがっているし、
官僚化した大企業病の会社なども、
陰口が蔓延している。

「しかし、”陰口”の逆は
なんというのだろう」

糸井重里の真骨頂。

みなさんも、この発想を時々使うといい。
大学の先生やコンサルタントも、
「逆に言えば、こうなる」と使う。

私も。

「その人のいないところで、
その人のいいところを言う。
言って、聞いて、
共感しあって盛りあがる」

「こういう場面に、
昨日、ぼくはいた。
言われている人のことも、
大好きになったし、
言ってる人たちのことも、
こころから好きになった」

私たちもときどき、
「陰口」の反対のことを言い合う。

大抵は亡くなった人だが、
そうではない人も多い。

故上野光平さん。
西友を実質的に創業した経営者。
そして流通産業研究所所長・理事長。

西友のOBの人たちと会うと、
いつも上野光平さんの話になって、
上野さんのいいことを言い合う。

それ以外にも、
荒井伸也さん、加藤勝正さん、
高木和成さん。
会うと、いつも、
上野さんの話で盛り上がる。

堤清二さんは、
セゾンのオーナーだった。
上野さんの2つ年下だった。
しかし堤さんはオーナーだから、
先輩の上野さんを招聘して、
西友をつくらせた。

集まって堤さんの話をするとき、
「崇拝」の念は出てくるが、
逆に悪いことに関する発言も多い。

しかし上野さんに関しては、
絶対に「陰口」はでない。

不思議だ。

そして上野さんの話をしていると、
みんな、幸せになる。

その上野さんの「だからの論理」

「人間は
“自分を一番よく知っているのは自分だ”
と思っている。
しかし、その逆のことが多い。
“あなたをよく知っていないのは
あなたですよ”
こう言ってやらねばならないことが
非常に多い」

上野さんは書いていた。

「自分を客観的に見ることは、難しい。
いわゆる”自己誤解”。
これは、自分の行動を、
自分以外の他のものに
原因づける論理によって生じる」

これを「だからの論理」という。

「すべてを”……だから”で説明して、
自分自身を納得させ、ごまかし、
本当の自分の願いを分からなくさせ、
幸せへの途を閉ざしてしまう」

「”だからの論理”による
自己欺瞞から自己を解放し、
自分の人間らしい幸福を
はっきりと見定めるためには、
“にもかかわらずの論理”が
唯一の武器だ」

そう、上野光平の、
「にも関わらずの論理」

「”だから”を
“にもかかわらず”に
置き換えてみよ」

上野さんは、こう問いかけた。

「景気が悪い。だから、
売上げが上がらない」

これを、置き換える。
「景気が悪い。
にもかかわらず」

すると「利益は確保できた」となる。
あるいは「客数は増えた」、
「お客様に喜んでいただいた」となる。

「だから」を、
「にもかかわらず」に置き換える。
するとそこには、
まったく新しい人間像が現れる。

「人間は、
“にもかかわらずの論理”によってのみ、
人間としての自分を
正しく理解できるのであり、
人間としての幸せを
得ることができるのです」

上野さんのいいことを思い出して、
幸せな日曜日。

そこで久しぶりに日曜日の、
Go! Go! ポーズ。
IMG_31819

ローソンの駐車場。
IMG_31849

愛車の前で。
IMG_31869

12月を力いっぱい、
Go! Go! ポーズ。
IMG_31899
上野さん、今日も、
ありがとうございました。

〈結城義晴〉

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