結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年11月30日(木曜日)

「西向く侍」最後の日の黒田東彦「私の履歴書」評

2023年11月最後の日。

西向く侍。
にしむくさむらい。
「さむらい」は「士」と書いて、
形は「十と一」である。
だから「二四六九、十一」

「小の月」の覚え方。
物心ついたころ、
母から教わったと思う。

侍の11月は30日しかない。

大の月は31日ある。

明日から大の月の師走。

今日はずっと横浜商人舎オフィス。
今日は来客を迎えつつ、
月刊商人舎11月号の入稿の日。

午前中に田中食品㈱のお二人。
社長の田中孝幸さん(中)と、
営業部顧問の加藤盛芳さん。
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広島に本社を置く、
伝統の「ふりかけ」メーカー。

商人舎15周年セミナーにも参加してくれた。

次から次から手品のように、
様々なふりかけのアイテムを披露してくれた。

私はを紹介した。
つまり常時、情報を得ることが大事だ。

それから様々なアドバイスをした。
デュアルブランド戦略も簡単に説明したし、
営業拡大の方向性も教授した。

あまりこういったことはやらないのだが、
いい人をご紹介します。

田中さん、38歳。
いい青年社長です。
期待しましょう。

午後一番でお二人が登場。

まず前田仁さん。
㈱万代の総務部付け部長で、
万代ドライデイリー会事務局長。
今年もお世話になりました。IMG_95323

それから小阪裕介さん。
㈱JTB大阪第三事業部営業第四課長。
商人舎担当責任者。
小阪さんにもお世話になりました。IMG_95343
今年もありがとうございました。
来年も頑張ろう。

さて日経新聞最終面、
「私の履歴書」

今月は黒田東彦氏。
前日本銀行総裁。
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今年の4月8日に退任して、
まだ7カ月しか経過していない。

11月1日から書き始めて、
今日最終話。

政財界や金融関係でかなり話題になった。
「1年早かった」などとコメントが出ている。

日経新聞は大いに話題をとって、
多くの人に読まれただろう。

しかし後任の植田和男現総裁は、
四苦八苦している。

黒田時代のツケが回ってきている。
それは明らかだ。

ありきたりな言い方だが、
ドル高円安はさらに進み、
物価高は国民生活をひどく圧迫している。

1年くらいは沈黙を守ってほしかった。
それが後任者に対する礼節だと思う。

この「私の履歴書」は、
著者が自分で書く場合と、
日経の記者が代筆する場合がある。

どちらかは、たいていわかる。

黒田さんの場合は、
自分で書いていた。

そして驚くほど、
客観的な表現に徹していた。

自分の手で、これだけ冷静に書くのだから、
今、出ても差し支えはないだろう。

そんなやや尊大な印象があった。

ただし冷静さに徹したから、
面白味は全然、なかった。

ずっと読んでいたが、
つまらなかった。

この連載は基本的に自慢話である。
しかしその自慢話が、
盛大に展開されるから面白いし、
勉強になることも多い。

黒田東彦編はそれが抑制されていたから、
つまらない自慢話になった。

もっと時間をおいてから、
思う存分、自慢話に徹すればよかったのに。

しかし1カ月の一番最後の箇所だけ紹介しよう。

「最後に、若者や後世代の人に
伝えたいことがある」

「経済は生き物であり、絶え間なく変化する。
さらに、数年に1回ほどは
予想しなかったショックにも見舞われる」

「その際にはどうするか」

「極力早く事態を把握するとともに、
内外の過去の事例に学び、
思い切った対応策を素早く決断して
実行する必要がある」

ねっ。
面白味のない文章でしょう?

「リスクを恐れて優柔不断であることは、
事態を悪化させるばかりである」

これも、どこかで聞いたことがあるフレーズだ。

――しかし思い切った対応策を実行しても、
結果は最悪になることがある。
優柔不断でなくとも、
劣悪な状況が生まれてしまうことがある。

だから人生、面白い――。

こんな一言でもあれば、
違っていたのに。

――しかし今、
日本はそんな状況だ。

〈結城義晴〉

2023年11月29日(水曜日)

大阪万博の入場料の「考察」とFSSFの地方創生の「意義」

2025年国際博覧会。
会期は2025年4月13日~10月13日。

開幕まで500日となった明日。
11月30日。

前売り券が販売される。

開幕後2週間使える「開幕券」は4000円。
開幕後3カ月使える「前期券」は5000円。

ちゃんと開催できるか否かの論議は、
くすぶっている。

しかしそれはさておいて、
商売を考える立場から見ると、
売れる値段かどうかは気になる。

開幕後の1日券は7500円だ。
これ自体がリーズナブルか、
はたまた高いか。
あなたはどう思いますか?

東京ディズニーランドは、
1dayチケット・パポートが今、7500円。
これに合わせた節がある。

それだけの価値があるか。

1970年の大阪万博は、
大人の入場料金が800円だった。
私は高校3年生で、
青年(15歳~22歳)の600円で入った。
入場者数が6422万人だった。
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当時のサラリーマンの平均年収は、
87万1900円だった。

万博入場料は年収の0.09%という計算になる。

一方、2021年の平均年収は約457万円だから、
7500円は年収の0.16%。

ん~、入場料そのものも、
55年が経過して約10倍になったが、
平均年収から見ると、
今の入場料はちょっと割高感がある。

あの頃は高度成長期で、
賃金も所得倍増計画で年々上がっていた。
だからちょっと高めの設定は克服された。

消費者物価を比較すると、
2022年は1970年の約3.2倍である。
物価は驚くほど上がっていない。

だから当時の入場料をスライドさせると、
800円×3.2=2560円の計算が成り立つ。

これを考えると、
今回はさらに割高の印象を受ける。

前売りの「前期券」の5000円当たりが妥当か。
チェーンストア並みに4980円なんて、
いかが?

さて500日前の前売り券は売れるか。

その前売りの目標は、
約1400万枚。

2005年の愛知万博は、
800万枚が前売りではけた。
それを7割超上回る計画だ。

来場者数全体の目標は、
約2820万人。

愛知博の来場者数は2200万人だったから、
関西と中京のマーケットサイズを比べると、
控え目な設定か。
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その半分近くを前売りでさばきたい。
獲らぬ狸の皮算用だ。

しかし関西の経済界が、
1400万枚のうちの約700万枚分をさばく予定だ。

関西経済連合会の松本正義会長。
住友電気工業会長。
「関西の主要企業における購入の内諾は、
約300万枚に達した」

関西財界挙げての購入となる。

残りの前売り券の約700万枚は、
自治体や一般人に購入してもらわねばならない。

会場建設費は最大で2350億円。
まだ増えるかもしれない。
当初計画から8割以上の膨張。

これとは別に政府の「日本館」には、
800億円を超える国費が充てられる。

国民は厳しく見ている。

今日は午後から、
日本食糧新聞社。

東京・新富町に本社が移転した。

フードストアソリューションズフェア2023は、
9月6日・7日に開催された。
略称FSSF。

その結果報告会。

東京本社には、
杉田尚日本食糧新聞社社長と、
千野和利離島振興地方創生協会理事長。
そしてアドバイザーの結城義晴。
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運営委員の皆さんは、
オンラインでご参集。

副主催企業のトップの皆さん。IMG_95153

杉田社長のご挨拶のあと、
共催の千野さんが力強く、
運営ビジョンを語った。IMG_95173

もちろん元阪急オアシス社長・会長。
千野さんがFSSFの推進役を果たしている。
私はそう思っている。

千野さんの関西や西日本の、
離島振興と地方創生にかける意気込みは、
舌を巻くばかりだ。

大阪で開催されるFSSFにも、
その熱意が込められている。IMG_95183

私は担当するセミナー企画の報告をした。
それからFSSFに対する私の期待を語った。

大きな展示会のセミナーは、
聴講してくれる人たちに役立つだけではない。
セミナーの講師の顔ぶれやテーマ設定が、
展示会のビジョンや先進性を表現することになる。IMG_95193

事務局からの説明のあとで、
運営委員の皆さんが、
意見を言ってくれた。

みんな的確で、いい発言だった。

万代の阿部秀行社長は、
手厳しい指摘をしてくれた。
それは阿部さんらしくて、
とてもよかった。

こういった率直で的を射た意見が、
共同作業で大きな仕事をするときには必須だ。

ライフコーポレーションの並木利昭さんは、
最後にFSSFの評価を、
全体をまとめる形で発言してくれた。

これは暖かい意見だった。

感謝したい。
ありがとうございました。

後半は千野さんが、
ふたたび熱い思いを語り、
私もフランスのシアルのことなどを交えて、
これから伸びていくだろう、
FSSFの在り方を述べた。
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2025年の大阪万博の年に、
大阪開催のFSSFも、
大きく飛躍しなければならないと思う。

西日本の経済振興や地方創生に、
必ず貢献できる食品展示会である。

すべてが終わってから、
三人で写真。
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来年もよろしくお願いします。
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東京一極集中の日本が、
地方の時代へと転換する、
その架け橋の一翼を、
このFSSFが担うのだと思う。

〈結城義晴〉

2023年11月28日(火曜日)

ヤオコー松戸上本郷店開業と伊藤園陳列コンテスト審査会

ヤオコー松戸上本郷店。
本日オープン。yaoko_01

商人舎流通スーパーニュース。
(商人舎らしい正確な報道を続けます。
ブックマークやお気に入りに追加してください)

ヤオコーnews|
557坪・年商25億円のヤオコー松戸上本郷店11/28オープン

山本恭広商人舎編集長が取材に行った。

千葉県松戸市。
JR上野東京ライン-常磐線北松戸駅、
新京成線上本郷駅または松戸新田駅、
それぞれ1キロ以内。

北松戸からタクシーで10分。

市民病院の跡地に、
松戸上本郷ショッピングセンターが新設された。

ヤオコーが核店舗で、
マツモトキヨシ、セリアなどが出店。

店舗レイアウトは、
青果と惣菜を両翼に配置した。
ヤオコーの標準型レイアウトだ。

その売場先頭の青果売場。yaoko_03

オープン前から長い行列ができた。yaoko_04

反時計回りのレイアウトだが、
第一主通路に青果、精肉、鮮魚の三部門が集約された。yaoko_05

最も力を入れたのが精肉売場。
黒毛和牛を部位別に品揃えした。yaoko_06

冷凍肉、冷凍魚介は、
第一主通路に面したリーチインで訴求する。yaoko_07

加工肉は日配部門に括られて、
生鮮売場と対極の第三主通路側に、
ゾーニングされた。yaoko_08

オープン後1時間以上経っても、
顧客の列は続いた。yaoko_09
売場面積557坪、年商予定25億円。
実に効率のいい店だ。

この店舗には、
ある画期的な試みが込められた。
それは月刊商人舎12月号で、
謎解きしよう。

競合はサミット松戸新田店。
2007年にオープン。
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商業施設グリーンマークシティーは、
サミットが開発した。
スーパーマーケットのサミットストア、
衣料品のコルモピアが入居している。

今年11月1日にリニューアルオープンして、
ヤオコーの出店を迎える。summit02

この北松戸は今、
必須の視察エリアだ。

今日は、
伊藤園陳列コンテスト審査。

東京の清水橋。
伊藤園本社。
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審査員は6人。
全員そろってスタート。 IMG_03033

「お~いお茶」秋の陳列コンテスト。
店舗賞は大型コースと小型コース。

そのうえに伊藤園のキャンペーンが加わった。
「お茶で日本を美しく。」
日本各地の環境保全-整備活動を支援する活動。
「お茶で日本を」が伊藤園らしくてとてもいい。
そして「美しく」は陳列コンテストにもぴったりだ。

すでに全国から優れた作品が選ばれていて、
その中から優秀賞と最優秀賞を選考する。
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今回も力作が集められたが、
結構、すんなり決まった。

最後に意見が分かれた場合には、
全員で議論して決める。
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店舗賞の選考が終わったら、
今度は企業賞。

全国から選ばれた企業の作品を比べて、
決まりました。

お楽しみに。
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最後に審査員がそれぞれ講評をして終わる。

日本の小売業のプレゼンテーションは、
アメリカに追い付いてきたと思う。
ヤオコーやサミットの写真を見てほしい。

かつては全然、歯が立たなかった。
格段の真価を見せている。
この陳列コンテストも貢献している。

そして恒例の写真撮影。
食品商業誌上に掲載される公式写真。
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右側が伊藤園のトップの皆さん。
中央から本庄大介社長、周介副社長、
そして神谷茂専務。
左側の私の隣に、
松井康彦商人舎特別プロデューサー、
三浦慶太食品商業新編集長。

その後、スタッフ全員で記念写真。IMG_03383
審査委員会が終わると、
伊藤園のお茶をいただきながら、
いつものように情報交換と懇親。

商人舎11月号が話題になって、
オーケー銀座店とウェグマンズNYCに関して、
私からいろいろ解説した。

後列左が小林哲也販売促進部部長。
『チェーンストア』を持ってくれている。
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朝日新聞一面の「折々のことば」
昨日の第2922回。

A person’s back tells me more than the front.
(ソール・ライター)

Saul Leiter。
1923年~2013年。
アメリカの写真家-画家。

「人の背中は
正面より多くのものを

私に語ってくれる」

『ソール・ライターのすべて』から。
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企画-佐藤正子、編集-鎌田恵理子、幻冬舎刊。

「背中は自分では見ることができず、
無防備に晒(さら)されるほかないもの」

「でも正面の顔だってじつは同じだ」

「顔はよりによって
自分だけが見ることができない。
そんな顔から他人は情報をたっぷり得る。
なかなかに怖いこと」

商品にも「顔」がある。
「フェース」と言う。

そのフェースを顧客に見せることが、
陳列技術の基本中の基本だ。

顧客は商品の顔から、
情報をたっぷり得る。

しかし顧客は商品や売場の背中からも、
情報をたっぷり得ている。

なかなかに怖いことだ。

〈結城義晴〉

2023年11月27日(月曜日)

「両利きトレードオン」と丸谷智保セコマ会長の「食うべきワイン」

Everybody! Good Monday!
[2023vol㊽]

2023年第48週。
11月最終週。

金曜日から師走。

今年も時間は早足だった。
月刊商人舎12月号の制作に取り掛かっている。

1月号から11月号まで、
11冊を発刊した。

振り返ってみると、
どれも苦労して編集した。

1月号は、
’23両利きトレードオン
二兎を追いつつ両立させる「経営と運営」

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このコンセプトが、
今年の産業全体のトレンドをつくった。

2月号は、
年末年始の「凄い売り」
「享楽円Merchandising」のための「ハレの方程式」
202302_coverpage-448x635
この特集で「ハレの方程式」を考え出した。

この2月号。
今こそ役に立つ。
雑誌を持っている人、
IDとパスワードがある人。
ぜひ、読み返してほしい。
必読です。

3月号は、
’23US Retail大写真集
ポストコロナの店舗アルバム In San Francisco
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コロナ明けのアメリカ小売業を、
大写真集で披露した。

サンフランシスコに、
読者と一緒に行った気分を、
味わいたかった。

4月号は、
追悼 伊藤雅俊
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特集は、
「総合小売業態」の終焉⁉
イトーヨーカ堂の在り方を斬る

5月号は、
[特集]前橋が熱い!!
ジョイホンパーク吉岡とユニクロ・ロゴ・ストア前橋南登場の意義

この号ではイオンのGreen Beansも、
スタディした。

6月号は、
[決算特集]
2023日本小売業ランキング

ポストコロナ時代の「業態」それぞれの理由
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特別企画は、
ウォルマートvsクローガー

7月号は、
Outlet Center Age
三井-三菱&イオンのそれぞれ
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ショッピングセンターの「現在」を総括した。

そして8月号は、
ワクワク改装
Exciting Strategic Renovation

日本スーパーマーケット協会新会長
岩崎高治語る
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評論は、「スーパーマーケット」戸籍を得る!!

9月号はDAISOの市民権、
10月号はロピアの「点と面」作戦、
11月号はOK銀座とWegmans NYC。

内容はかなり高度かもしれない。
それでも商業の世界に貢献したい。
本物の知識商人を増やしたい。

そのためには、
トップマネジメントやミドルマネジメントが、
常に高いレベルの情報と知識に触れている必要がある。

欧米のリテーラーたちに負けない、
優れたナレッジ-マーチャントであってほしい。

だから月刊商人舎を出し続ける。

そして9月12日には単行本を上梓した。
『チェーンストア』
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これから忙しい年末商戦だが、
正月の休暇などに読んでほしいものだ。

チェーンストア産業を中心に、
その過去-現在のビジョンを整理をした。

ポスト-コロナ時代を迎えて、
それが必要だと思った。

私の役割だと考えた。

ご愛読のほど、
お願いします。

さて今週は、
月刊商人舎12月号の入稿をしつつ、
オンライン会議や来客、
そして陳列コンテストの審査や、
新店のオープン2件。

新店のお祝いには行きたいけれど、
スケジュールは目白押し。

まだ決めていない。

さて日経新聞の夕刊。
「あすへの話題」
セコマ会長の丸谷智保さんが、
連載を書いている。

7月くらいからだろうか。
できるだけ読んでいる。

今日のタイトルは、
「食うべきワイン」

とてもいい。

「1909年当時、ビールはまだ
一部高級志向の人が飲むものだった。
これを大衆化しようと明治屋が作ったのが
“食(くら)うべきビール”と言うキャッチコピー」

明治後期の明治屋の話。

三越のデパートメントストア宣言は1906年。
明治屋はすごい会社だ。

それをもとに詩人の石川啄木が、
「食うべき詩」と評論を書いた、
と丸谷さん。

ここからセコマのワインの話になる。

イタリアのスパークリング「プロセッコ」
「出荷量は世界で年5億本に上る。
日本では馴染みが薄いが、
セイコーマートでは、
1000円以下とお手ごろだ」
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すぐにも北海道に行って、
買って飲んでみたい。
調べたら通信販売もしている。

スペインのカヴァはないかな?

「夏のイタリアではこれを
桃のジュースで割って”ベッリーニ”。
スペインでは赤ワインとコーラで
“カリモーチョ”」

いいなあ。

「私の生まれは北海道の池田町。
十勝ワインの故郷だ」

丸谷さんは、
函館ラ-サールから慶應義塾大学法学部。
それから北海道拓殖銀行。

2007年にセイコーマートに専務として入った。

「亡くなった父が町長時代に
自治体としては初めて醸造免許を得て、
ワイン造りを始めた」

父上は元参議院議員の丸谷金保氏。
新聞の編集局長も務めた。

だからだろう、
丸谷さんも文章が上手い。

「まず地元町民がワインに親しむべしと、
当時は”町民還元用”ロゼワインが
250円で買えた」

池田町のワインはこうして育った。

「町の焼鳥屋でよく冷えたロゼと
甲類焼酎を割って飲むと、
焼き鳥の白い肉と抜群のマリアージュ。
誰かがこれを勝手に
“マルタニーニ”と名付けた」

飲みたい。

「ワイン造りを始めて60年、
池田町では”食うべきワイン”が
根付いている」

くらうべきビール、
くらうべきワイン。

コンビニに限らず、
「くらうべきもの」を、
時間をかけて育てたい。

では、みなさん、今週も、
食らうべきアイテムを、
育てよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年11月26日(日曜日)

「いい風呂の日」と将棋達人戦の羽生善治と丸山忠久

11月26日。
「いい風呂の日」
語呂合わせ。

ゆっくりと風呂に入った。

山陽新聞の「滴一滴」

「この時季に気を付けたいのが
ヒートショックである」

「暖かい部屋から
寒い脱衣所や浴室に移動したり、
いきなり高温の湯に入ったりすることで
血圧が急激に変動し、
不整脈や心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす」

2021年に浴槽で意識を失い死亡した人は
全国で約5100人。
交通事故の犠牲者2150人の2倍を超える。

その9割は65歳以上の高齢者だった。

クワバラクワバラ。

注意点。

湯の温度は41度以下、
漬かる時間は10分以内。

入浴前に脱衣所や浴室を温めて、
寒暖差をなくしておく。

入浴前に家族に一声かけておく。

「左党にとって冬は
熱かんが恋しくなる季節だが、
飲酒直後の入浴はリスクを高める」

風呂から上がってビール。
これならいいか。

それもコップ1杯にしておく。
そしてワインを少し飲む。

これならいいか。

さて、将棋界。
今、藤井聡太に完全制覇されている。

そんな中で面白い棋戦が始まった。
日本将棋連盟主催。
「達人戦」

立飛ホールディングス特別協賛で、
「達人戦立川立飛杯」と名づけられた。

棋戦参加条件は、
50歳以上の現役棋士であること。

出場条件が下限年齢のみ公式棋戦は、
将棋界史上初。

ゴルフのシニアトーナメントと同じ。

しかし、これは明らかに、
藤井聡太現象の裏返しの試みだ。

藤井が勝ち続けるから、
他に誰かタイトルホルダーをつくらないと、
面白くない。

この第1回は54人の棋士が参加した。

50歳以上が54人もいた。

予選の準決勝で、
午前中に勝利したにもかかわらず、
午後の決勝を失念して、
帰宅してしまった熟年棋士もいた。

福崎文吾九段、63歳。

そんなことも、
達人戦にはあっていい。

本戦トーナメント8人に残ったのは、
さすがに名棋士ばかり。

谷川浩司十七世名人。
羽生善治第十八世名人、
森内俊之第十六世名人、
佐藤康光も丸山忠久も元名人。
藤井猛は元竜王。
深浦康市は元王位。
そして阿部隆。

準決勝は森内対羽生、
丸山対佐藤。

どちらもいい将棋で、
羽生と丸山が決勝に進んだ。

私は谷川も羽生も佐藤も好きな棋士だ。
藤井猛は自ら「藤井システム」を考案して、
振り飛車党の第一人者だった。
藤井も好きだ。

丸山忠久はその気風(きっぷ)が好きだ。
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2016年のことだ。
三浦弘行八段が対局中、
将棋ソフトを不正に使用していると疑われた。

将棋界が騒然となって、
「三浦は使っている」と公言する棋士までいた。

ある者は沈黙し、
ある者は調整に動いた。

将棋界は集団思考に陥った。

そのなかでただ一人、
「私は三浦が使っているとは思わない」と、
決然と三浦を擁護した。

それが丸山忠久だ。

最後には第三者機関が調査して、
疑いは完全に晴れた。

時の将棋連盟会長の谷川は辞任した。

丸山の毅然とした姿は、
実に印象的だった。

丸山の将棋は「激辛流」と称される。
優勢になってからも手堅く手堅く、
相手の手を殺して絶対に負けない棋風。

しかし常に笑みを絶やさないから、
「ニコニコ流」とも言われるし、
対局時に駒音を立てないから、
「音無し流」とも呼ばれる。

羽生、佐藤、森内と同年の53歳。
いわゆる「羽生世代」である。

丸山はプロの前の奨励会員のときに、
早稲田大学に入学して、
2年のときにプロ棋士になって、
そのまま卒業した。

2000年と2001年に名人位を獲得。

その丸山が達人戦の決勝に出た。
うれしいことだ。

第1回達人は羽生善治が獲得した。

おめでとう。

羽生は今、将棋連盟会長だから、
優勝の賞状を自分で読み上げて、
自分で授賞した。

羽生は現在、99回もタイトルを獲っていて、
100回目前だ。

この達人位で100ホルダーとなるが、
どう評価されるのだろう。
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それでもこれで将棋界のタイトルホルダーは、
藤井聡太八冠と羽生善治達人となった。

愛でたい。

羽生も丸山も、
ヒートショックには気をつけて、
長く活躍してほしいものだ。

〈結城義晴〉

2023年11月25日(土曜日)

米Black Friday低調の理由と年末への「あと片付け/早仕舞い」

日経新聞電子版。
「米ブラックフライデー本番」
節約鮮明、「去年より低調」

「大手小売店が早朝から店をあけて
大規模セールを実施したが、
客の入りはやや少なめとの声が多い」

ん~。

考えられる理由の第1は、
インフレの長期化。
消費者の節約志向が根強い。
米国では3%のインフレが続く。
これが今、消費の底流にある。

第2はセールの前倒しによる、
需要の先食い。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」が、
ウォルマート、コストコ、アマゾンなどで、
大々的に展開される。

すると他の小売業も一斉に早仕掛けに入る。

ほとんどの企業がそれをやると、
当然ながら「際」、つまり当日の売上げは減る。
トータルで均してみると、
全体では増加しているはずだが、
それでも当日のインパクトが減る。

第3は販売ルートの、
オンラインへの移行。

この現象は確かに大きい。

米国アドビの発表。
11月1日から11月23日まで、
つまりBlackFriday前日までの23日間、
オンライン販売の売上高は、
前年同期比6.8%増。
767億ドルだった。

しかしこれならば、
月曜日のサイバーマンデーには、
BlackFriday当日の客離れの反動が出る。

全米小売業協会の予測では、
今年11〜12月のホリデーシーズン売上高は、
前年同期比3〜4%増の見込みだ。
9573億〜9666億ドルで約143兆円。

伸び率は4〜5年ぶりの低さ。
インフレの影響を除いた実質レベルでは、
ほぼ横ばいとみていい。

このアメリカの潮流は、
日本でも起こるに違いない。

しかしそれでも、
今年の年末商戦も戦略は、
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」だ。

勤労感謝の日と、
BlackFridayが終わったら、
年末商戦に一直線。

「早仕掛け」は企画の前倒しと、
準備の前倒し。

そして一つの小さな企画が終わったら、
「早仕舞い」をして、すぐ次に移る。

この劇的転換が何よりも大事だ。

若い人たちにはわからないだろうが、
昔のテレビの人気番組。
「8時だョ!全員集合」
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1969年に始まって、1985年まで続いた。
ドリフターズのお化け番組だった。

劇場やホールを使って観客を入れ、
生放送でテレビ放映された。
1時間の番組は、
ショートコントが次々に演じられた。

ドリフターズのメンバーは、
この生放送のために1週間をかけて、
アイデアを練り、必死で稽古した。

連続したコントの繰り返しなので、
舞台装置は一瞬のうちに転換された。

この劇的転換が売り物の一つだった。

「早仕舞い」である。

年末商戦にも、
「早仕舞い」が必須だ。

朝日新聞「折々のことば」
第2917回。
11月22日の掲載。

くろうとはどの道の人も、
みなあと片付けがうまい。
〈幸田文(あや)〉

「いけ花の先生が花を生け終えた後、
不用になった枝を三寸くらいに
切り揃えてまとめた」

「その様を見て塵(ちり)さえ愛おしく思えた」

生け花の先生のしぐさが浮かんでくる。
いいなあ。

「障子を張り替える経師屋(きょうじや)さんは
次に家人が掃除にかかりやすいよう
片付ける」

プロの仕事だ。

「人情のこもった仕舞い方と
その『ゆとり』は、次の仕事への
『あと片付けという繋(つな)ぎ目』から
生まれる」

随筆集『老いの身じたく』から。
4582838774

1904年~1990年。
明治生まれの随筆家・小説家。
幸田露伴の次女。

繊細な観察の眼ときりりとした文体。

「後工程はお客様」
これは小売業の仕事の神髄。

そのポイントは、
「あと片付け」と「早仕舞い」

ブラックフライデーが終わったら、
組織全体の「あと片付け力」が、
勝負を分ける。

そんな年末商戦がやってくる。

〈結城義晴〉

2023年11月24日(金曜日)

Black Fridayの[補正予算賛成多数]と商売の鬼の[荒療治]

アメリカでも日本でも、
ブラックフライデー。

成果はいかに。

今日は午前中に、
須永清彦さんが来社して、
私の新しいパソコンを、
セッティングしてくれた。
㈱エステック社長。

商業界時代からの付き合い。

私のパソコンは2016年から使っていた。
7年くらいだろうか。

毎日毎日、パソコンを使わない日はなかった。
何しろ、この毎日更新宣言を書いている。
7年間酷使した。

その愛器が突然、故障した。

繋いだモニター画面には映像が出るが、
パソコン自体の画面は黒いまま。

須永さんに相談したら、
買い替えるしかないとわかった。

こういった情報システム関係は、
すべて須永さんにお願いしている。
ありがとうございました。

午後3時には、
レンゴー㈱のお二人が来社。
デザイン・マーケティングセンターの、
縄田幸男さんと山本麻依子さん。IMG_9458 (002)3
縄田さんが開発本部副本部長。
山本さんはそのスタッフで、
5月のラスベガスに参加してくれた。
そのベーシックコースでも、
商人舎ミドルマネジメント研修会でも、
理解度判定テストでSの成績をおさめた。

段ボールに関連するマーケティングにおいて、
最近の新しい試みや建設的な話を聞いた。
そして私なりの評価をし、提案をした。

12月に一緒に取材に行くことになった。

楽しみです。

よろしくお願いします。

国会では今年度の補正予算案が、
衆議院本会議で可決した。

自民-公明の両与党に、
日本維新の会、国民民主党が乗って、
賛成多数での可決。

一般会計の総額は13兆1992億円だ。

岸田政権の支持率の低下が顕著になり、
さらにあれだけバラマキが批判された。

それでもガソリン税一部減税のトリガー条項を、
凍結解除することを匂わせて国民民主党を抱き込み、
大阪万博の予算を盛り込んで維新を取り込んだ。

総中道化する日本の政治。
ありうる展開だった。

しかし国民の税金を、
各政党が分け合っている印象で、
後味はよくない。

さて昨日の万代知識商人大学の講義。
私は2016年の月刊商人舎を引用した。201607_coverpage-448x633

大幅に増刷した上に完売した。
もう在庫は残っていない。

この特集号の中の、
「山下和孝独白」
「商売の鬼」が吐露する万代know-howの全形成プロセスyamasita

「万代に入社したのは30歳だった」

「最初に配属された富木店では、
2年目でチーフ、5年目の35歳で店長に昇格した」

「塚本店店長では当初、苦戦した。
塚本店に行ってお客さんの行動に驚いた。
店に来るお客さんが皆、
棚の奥から商品を選んでいる。
そしてレシートをじっと見ている」

「観察していると、お客さんが
日付を見ていることに気づいた」

「あぁ、この店は古い商品を売っているから、
お客さんの信頼がないんだ、とわかった」

「そこで日配の商品を回転させるために
“わしがいいと言うまで商品を切らせ”と指示した。
夕方、欠品になっても構わないからと、
わざと商品を品薄にさせた」

「そうすると商品が毎日、回転して、
鮮度が良くなった」。

「お客さんの信用をつけることが先だろうと
判断したからだ」

「その上で、クリンリネスをとことんやった」

「価格は地域ナンバー1だから、
いずれ信用さえつけばお客さんは
やってくるという確信があった」

「3カ月ほど続けたら、客数が増えてきた。
そこで商品を増やしていき、
一気に数字が伸びた」

「信用が第一だ。
いかに信頼していただけるか」

「だから、古いものを置くな、
古いものを売っちゃいかんと、
毎朝10時になったら、
農産、水産、畜産と
すべての売場を回って商品をチェックし、
お客さんがいようと、
古い商品があれば通路に捨てた」

「それを皆が拾って回る。
皆、それが嫌だから、
古い商品を置かなくなった」

どこのチェーンにも「商売の鬼」がいた。
万代には今も形を変えて、
いい意味での「鬼の系譜」が残っている。

しかしほとんどの現場から、
鬼はいなくなった。
こんな荒療治もなくなった。

日本の政治にも今、
「鬼」が必要だ。
荒療治がいると思う。

〈結城義晴〉

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