私は初めから、
消費税減税に反対の立場だ。
最近の新聞の社説に揃って反対論が出た。
今日の日本経済新聞。
「消費税減税はやはり道理に合わない」
消費税減税などを議論する、
超党派の社会保障国民会議。
その「中間とりまとめ案」。
「2027年4月から2年間限定で
食料品の消費税率を1%に下げ、
さらに1%分の税収にあたる約6000億円を
中低所得者に現金給付することで
『実質ゼロ化』するとした」
税率をゼロにすると
レジシステムの改修に1年程度かかる。
1%ならばそれが半年ほどで済む。
この1%案が提示された。
しかし食品消費税率が1%になっても、
店頭価格がそのまま下がるとは限らない。
日経社説。
「物価高対策としては
中低所得者に絞った現金給付のほうが、
まだ筋が良い」
「首相は減税を、
給付付き税額控除を導入するまでの
『つなぎ』と位置づけたが、
減税終了後の29年秋に導入予定の制度は
税額控除を組み込まず、
所得連動型の現金給付になる見通しだ」
「それなら弊害が多く、
道理に合わない減税はやめ、
年6000億円の現金給付を増額する形で、
27年4月に新制度を前倒しで
導入したほうがよほどすっきりする」
日経は昨今、高市政権に真っ向から反論する。
「財源の議論も足りない」
「税外収入のほかに
補助金や租税特別措置を見直して
財源を捻出する案が示されたのは
今月26日である」
「しかも、具体化するのは、
26年末になるという。
これで秋の臨時国会に減税法案を出すのは、
あまりに拙速だ」

6月25日の読売新聞社説。
「食品消費税1%
懸念を考慮せず強行するのか」
「消費減税を行うことになれば、
竹下内閣が1989年に消費税を導入して以来、
初めてだ」
読売は政権に寄りそう姿勢だが、
この件に関しては疑問を呈している。
「重大な政策転換であるにもかかわらず、
自民党が消費税1%案を示したのは1週間前で、
政府・与党は月内の決定を目指している」
拙速だという見解。
「国民会議では、これまで、
自治体や経済界などから税収減への懸念に加えて、
物価高対策としても疑問視する声が出た」
読売もここは指摘する。
「エネルギーなどの輸入価格が上昇し、
事業者はコストを販売価格に
転嫁せざるを得なくなった」
「減税した分だけ、値下がりしない可能性もある」
「代替財源の議論も後回しになっている」
「政府・与党は赤字国債を発行しないと言うだけで、
具体案を示していない」
自民党内からも不安視する声がある。
「いったん下げた税率を29年春に戻せるのか」
「給付付き税額控除は、
現役世代や中低所得者の負担を
軽減するのが目的であり、
それにふさわしい制度となるよう、
検討作業を加速してもらいたい」
読売はお願いしている。
これも25日の朝日新聞社説。
「食品消費税1%案
首相の『悲願』ありきか」
「首相の体裁を保つことが優先され、
物価高のなか中低所得者の負担を軽減するという
政策目的が、かすんでいる」
「弊害の多い悪手は見送るべきだ」
「この案は、自民党の衆院選公約と
政府内の検討の後追いにすぎない。
「消費が多い富裕層ほど恩恵が大きい。
社会保障に使われる年5兆円の税収の手当てや、
2年後に一気に税率7%分を戻す増税はできるのか」
「案は、こうした懸念にこたえていない」
「税率8%相当分すべてを
『きめ細かな給付』に使い、
中低所得者の恩恵が大きくなる設計のほうが、
まだ理屈は通る」
「減税案はいったん撤回し、各党は思惑を超え、
懸念の解消へ議論してほしい」
「首相に都合よく使われてはならない」
朝日新聞は政権に反発する。
――日本スーパーマーケット協会総会で、
パネルディスカッションが行われた。
たとえば減税分のいくらかでも、
商品コードの統一問題や商品マスター構築に、
的確に投資することが出来たら、
サプライチェーンの最適化は進む。
そしてその分は、
製配販全体の社会的生産性の向上をもたらし、
それこそが確実に物価高対策となって、
国民生活に寄与することになる。
目先のバラマキよりも、
構造的な障害の解消の方が、
国民のためになる。
オールドメディアと揶揄される、
大手新聞社説が口を揃えるのは、
自民党をはじめほとんどの政党が、
このバラマキと人気取りばかりに、
関心を寄せていることへの警鐘である。
〈結城義晴〉























