結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年01月31日(火曜日)

セブン‐イレブン3兆円とドコモ・ローソン・らでぃっしゅぼーやの合体

明日から早くも2月。
明日、明後日、つまり2月の1日から2日頃、
「この冬最大級の非常に強い寒気が流れ込む」
人気ブログ「常盤勝美の2週間天気予報」より。

心して、かかろう。

今日は朝から、東京・芝の大門。
20120131160557.JPG
大門のうしろに見える細いネズミ色の寺田ビル6階が、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱
略称CCL。Customer Communications,Limited.の略。

今日はそのCCLの月1回の定例役員会。
20120131160608.jpg
決議事項の議論や決済、報告事項の質疑などが終わって、
役員で和やかに写真。

左から玉生弘昌相談役(㈱プラネット社長)
米倉裕之CCL取締役、
西川明宏CCL社長、
島崎尚子総括マネジャー、
井上美智雄CCL取締役(㈱プラネット副社長)。

顧客ID付POSデータを駆使して、
マーケティングを展開する会社。

カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)
フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)

CRMは、この情報システムを活用して、
顧客との間に永続的な関係を構築するマネジメント手法。

FSPは、同じくこの情報システムを活用して、
段階的にサービスを付加しつつ、
ロイヤルカスタマーの維持拡大を図るプログラム。

CCLは、いわば、CRMとFSPの申し子のような会社で、
最先端のロイヤルティ・マーケティングを展開するが、
昨年、米倉さんが取締役として入社して、
西川さんと二人三脚で、そして全社員を巻き込んで、
さらに有用なビジネスモデルへの変換を試みている。

私はこの会社の非常勤取締役を、
2008年11月から務めているが、
今回の戦略転換には大賛成で、
消費財産業全体に大いに貢献できると考えている。

CCL役員会が終了して、
午後、横浜の商人舎に帰社。
20120131160544.jpg
明日からはこの冬一番の寒さのはずだが、
今日の空は青いし、雲は白い。
空気も少しだけ、なごんでいる。

昨日は立教大学院サービスマーケティングの最終講義。
2時間半ほど、ぶっ続けで、立ち講義。
その後、有志が残ってくれて、一献。
20120131160620.JPG
ほんとうに気分が良かった。

これで今年度は、試験や修了式を残すのみ。
寂しいけれど、オメデトウ。

さて、日経新聞の記事。
「セブンイレブン、売上高3兆円を突破」

「2012年2月期の国内のチェーン全店売上高が、
28日現在で3兆円を超えたと発表」。
2月末の2011年度通期では、
3兆2490億円の見通し。

「単一チェーンで売上高が3兆円を突破するのは
日本の小売業で初めて」

私は日本の近代小売業の転換を、
二つの節目でとらえている。

第1は、1972年(昭和47年)。
百貨店の王者・三越を総合スーパー・ダイエーが追い越した。

第2は、2000年。
今度はコンビニのセブン‐イレブンが、ダイエーを抜いた。

その後、単一企業として、
セブン-イレブンの独走が続き、
とうとう3兆円。

今期の出店は1200店で、
来期は1350店の計画。
これは2期連続過去最高。

まだまだ独走は続きそうだ。
コンビニ第2位のローソンは今期1兆8080億円、
第3位のファミリーマートは1兆5370億円の見込み。

最大面積の百貨店から、
次に大きな店舗の総合スーパーへ。
この時代は山本直純ではないが、
「大きいことはいいことだ」の時代だった。

それから小型店のコンビニの時代へ。
しかしこの時代は業態の多様化と、
それが戦略ごとに分化したフォーマットの出現が見られた。

そしてセブン-イレブンの3兆円。

もし、これを超える存在の出現を見て、
第3の節目があるとすれば、
インターネット・ビジネスだろうか。
こちらは小型店よりもさらに小さなネットやスマホの世界。

ただし、小型店の時代に、
業態とフォーマットの多様化が見られたように、
次の時代は「リアルとネットの融合」現象が、
風景の中核になる。

これが私の大予測。

さてさて、もう一つのニュース。
これも日経新聞。
「ドコモ、野菜宅配らでぃっしゅぼーやを買収」

買収額は約69億円の予定。
1月31日から3月12日の間に、
TOB(株式公開買い付け)を実施して、
完全子会社にする。

さらにその全株式の中の約2割を、
ローソンに譲渡。

らでぃっしゅぼーやは、主に、
有機野菜などを集荷し、パッケージ化して、
「契約者に定期的に届ける事業」を展開している。
現在の契約者数は10万6000世帯。

ドコモとらでぃっしゅは、
スマートフォンやタブレット端末を使った注文システムを構築し、
農作物の受発注と、宅配のサービスを始める。

この際、ドコモの約6000万件の顧客基盤が活かされる。
代金回収は携帯電話料金と一緒にする。
ドコモの顧客情報に対して、商品推奨機能も設ける。

一方、ローソンとらでぃっしゅはすでに、
共同ネット通販サイトを運営している。

「らでぃっしゅの野菜を使った飲料や食品を
ローソン店頭で売ることも検討」。

ローソンのネット事業全体の売上げは、
2010年度、約440億円。
それを5年後には、3000億円に引き上げる構想。

一方、ドコモは新規事業の売上高を、
2015年度までに1兆円の大台に乗せる方針。
これは今年度と比べて、2.5倍。

結城義晴の大予測。
「ネットとリアルの融合」。
その構想の一端はもう、すでに現出している。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 結城先生へ
    私もCCLのメルマガ購読者です。私たちのお取引先でも「顧客ID付POSデータ」を活用して、「製・配・販」の研究会が活発に開催されています。
    具体的には、メーカーが新製品・拡売したい商品の販促(チラシ・POP・等)を事前に「顧客ID付POSデータ」利用して仮説をたて、メーカー又は卸が小売店の店頭で具現化し、その結果を再び「顧客ID付POSデータ」で検証するものです。
    結果が仮説どおりであることは少なく、新たな事実の発見が多数あります。
    しかし 実際一番データーに影響するファクターは「売り場の方の商品や接客への熱意や工夫」などヒューマンな部分が多いようです。

  • いまちゃん、ありがとうございます。
    仰るとおり、データを使って仮説をつくり、
    実行する現場の人たちの熱意や工夫が、
    データに最も大きな影響を与えます。

    POSデータだけでは見えないものが、
    顧客ID付POSから見えてきます。

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