OICグループNY研修5団到着とHugo店長の「AmericanDream」

「折々のことば」
第3619回。
「戦争の反対は平和じゃなく
日常なのだと私は思うんです。
戦争ってね、日常が
なくなるということだから」
〈中村桂子〉
まったくその通りだ。
イランがホルムズ海峡を厳格管理する体制に戻した。
「開放宣言」から一転、事実上の再封鎖となった。
戦争も続く。
日常がなくなる。
私たちはニューヨークで、
日常の機能を探求する。
ニューヨークに来て5日目。
OICグループの第5団がやってきた。
JFK国際空港で迎えて、
すぐに専用バスでロングアイランドへ。
講師陣のあいさつの後に、
第4・5団を引率する
水元均志アジア統括部長があいさつ。

第5団は羽田国際空港で、
動画によって結城義晴の事前講義を受けてきた。
すぐに車中でリアル講義をスタート。

まず、
ウォルマートを訪れる。
アメリカ小売業はすべて、
ウォルマートを基準にしているからだ。
大繁盛店のウォルマート・スーパーセンター。

デリの対面コーナー。
チキンウィングの揚げ物。
それからハムとチーズをスライスして提供する。
土曜日だから来店客は多い。
アソシエーツはグロサリーの補充に追われている。

シーゾナルコーナー。
赤いロールバックのPOPが目立つ。
ウォルマートはEDLPを基本とする。
毎日特売価格で売価を変えない。
そのEDLPからベンダーと協力して、
さらに値下げして「超特売価格」を出す。
90日間が基本。
それがロールバックだ。

主通路のお買い得品の島陳列。
アクションアレイと呼ばれるプロモーションだ。
この店は営業しながら、
段階的に改装を実施。
それでもお客はやってくる。
店長のヒューゴ(Hugo)さん、エクアドル出身。
通訳は浅野秀二さん。
15歳からウォルマートの駐車場の、
カート回収のアルバイトをして、
18歳で正式に入社。
19年間、努力を重ねて店長に上りつめた。

どんな質問にも丁寧に答えてくれた。
数字もすべて把握している。
全米一の売上げを誇るこの店を運営する。
アメリカンドリームのような出世ぶりだ。
感動した。
ヒューゴ店長のインタビューの詳細は、
月刊商人舎5月号で報告しよう。

ウォルマートと同じ業態、
ディスカウントストアを展開する。
祖業は百貨店のデイトンハドソン。
だからアパレルが強い。

ベビー、キッズのアパレルは充実している。
マネキン使いもうまい。
ウォルマートが店舗導入部に、
大々的に食品をゾーニングするのに対して、
ターゲットは食品を店の一番奥に配置する。

加工肉とチーズの人気ブランド、
「ボアーズヘッド」もコンパクトながら導入している。
ターゲットは店づくり、レイアウト、
強化カテゴリーまで、
ウォルマートとの違いを強調する。

ドイツ出身のボックスストア。
米国でも2500店舗を超えた。

3000品目ほどのリミテッドアソートメント。
それに驚くほどのローコストオペレーション。
それによってウォルマートを潜る安値を打ち出す。
PB比率は90%。

省エネのリーチインケースを多用する。
牛乳などの商品は裏から補充するスタイル。
ウォークインクーラーと呼ぶ。
そこにスパーク・デリバリーのドライバー。
「スパーク・デリバリー」は、
一般のドライバーを使った、
買物代行即日宅配サービス。
アプリを使って空き時間に働くギグワーカーが、
ネットスーパーの「ラスト1マイル」を担う。

彼はアルディだけでなく、
ウォルマート、コストコなどの買物代行を、
12人の顧客のために行って宅配する。
走行距離に応じて収入を得る。
だから店頭でのピックアップ作業も真剣。
チップも1日150ドルになるそうだ。

ロングアイランドに別れを告げて、
一路、ブルックリンへ。
1時間半ほどの車中旅。
その時間は団員たちの自己紹介タイムだ。
そして、
ホールフーズ環境店舗。

世界最高峰のオーガニック店舗。
アマゾン傘下になったけれど、
そのレベルはやはり世界最高。
奥壁面は対面販売の「フィッシュマーケット」。
鮮魚を部門化している企業は珍しい。
大抵、ミート部門に含まれている。
精肉部門の対面販売コーナー。
丁寧な接客をしてくれる。
注文に応じて肉をカットし、
場合によっては調理してくれる。

店舗の右翼にはデリとベーカリーの売場が並ぶ。
その真ん中にセルフデリコーナー。
全米のホールフーズの中で、
このブルックリン店のセルフデリは、
最高の味を出してくれる。

環境対策で店舗をダウンサイジングし、
太陽光発電システムを導入し、
省エネルギー対策を講じているが、
スーパーマーケットとしての機能は、
おろそかにしない。
それがホールフーズだ。
最後にトレーダー・ジョー。
銀行跡の建物に入居した、すばらしい店舗。
客層の中心は若者たちだが、
客層は広い。
高齢者もやってくる。
天井が高く開放的な空間。
チェックアウトは銀行方式で、
長い行列の顧客もあっという間にさばく。
視察を終えて、ダンボ地区へ。
イーストリバー沿いの観光名所。
誕生日を迎える団員がいた。
水元さんがホールフーズのケーキを用意。
ホテルに着いて荷物をおいてから、
4班に分かれて
高級ステーキハウスでの会食。
シックな内装の2階。
みんなで円卓を囲んで、
ニューヨークステーキと、
ビール、ワインを楽しんだ。

第5団の団員にとっては長いながい1日だった。
しかし初日から最高峰の店舗を体験して、
全員がそれぞれに満足した。
アメリカの「日常」を体験できることは、
考えてみると本当に幸せなことだ。
(つづきます)
〈結城義晴〉










































