結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年05月21日(水曜日)

アメリカFMIとSM巡り⑪リミテッドアソートメント「テスコ・フレッシュ&イージー」はどうなんだ?

日本フランチャイズチェーン協会の発表。
コンビニの既存店売上高が、
2ヵ月連続で前年割れ。

客単価が下がり、客数が増加。
現在の、消費傾向が正直に表れた数字。

何も手を打たずにいると、
客単価が下がり、客数も下がる。
だから客数を上げる方向で、努力を重ねる。

川上のインフレは、凄いもの。
アメリカでは、また原油が上がり、
最高値の1バレル129ドルをつけた。

石油が上がると、農業生産物が上がる。
アメリカでは、1トンの農産物に関して、
生産現場(約280kg)と輸送・加工・包装(約400kg)と
小売り・飲食・家庭の調理保存(約350kg)に使用する
石油とエネルギーを原油換算すると973kgとなります。
農産物の生産から消費までの全ての過程で
使用されている石油資源量が
農産物の生産量に匹敵するのです。
原油価格は農産物、特に穀物価格に連動する動きをする。
その理由は、投機マネーばかりではなく、
現代の食糧生産と流通システムそのものが、
石油に頼りきっているということなのです。
これ、商人舎エコストア研究会座長・田村洋三さんの情報。

すなわち石油が値上がりすると、
農業生産物が値上がりする

そしてすべての生産品が値上がりする。
これがグローバル化の中で、
日本にも多大な影響を与える。

その反動で、川下は一部の商品のディスカウントが、
激しく行われる。
コンビニのローソンまで、
100円のプライベート・ブランドを開発しました。
これはすべてコモディティ・グッズです。

すなわち川上がインフレとなり、
川下もインフレとなるのが、
いわば自然な流れなのですが、
川下ではコモディティに関しては、
デフレ基調を何とか維持しようという
そんな動きが出るのです。

これ、歴史の常識です。

大恐慌のような、あるいはそれに近い事件が起こると、
インフレになります。
そんな時に、まったく新しい業態が登場します。

現在のサブプライムローンをきっかけとした不況は、
それに近いものでしょう。

そんな時に、
「リミテッド・アソートメント」業態が、
登場しました。

テスコが始めた「フレッシュ&イージー」です。
看板
ロサンゼルスのフレッシュ&イージー。
まったくの新店で、思い通りの店づくりとなった。
私は、この店、なかなかよいと感じた。
FEファサード

もちろん、フレッシュ&イージーはもう65店という
チェーンストアです。
だからこの店は良くて、この店は悪いといった評価は、
相応しくないのかもしれません。
しかし、同社は、最初から意図的に、
様々なロケーションに出店しました。
私たちは、その典型となる店をすべて見ました。

ダウンタウンのコンビニ立地。
サバブのネイバーフッドショッピングセンター立地、
つまり通常のスーパーマーケットと競合する立地。
ウォルマートのネイバーフッドマーケットと真っ向ぶつかる立地。
やや商圏が広いトレーダージョーと競合する立地。
そしてこのようなやや大商圏型の立地。

リミテッド・アソートメントですから、
その品揃えが顧客から支持されると、
圧倒的に利益が出せる。
それがこのロサンゼルス・ビバリーヒルズの立地です。

「大きな町には小さな店を、
小さな町には大きな店を」

ルネ・ユーリックの原則が当てはまりそう。

レジも広い。
緑色のユニフォームの店員がきびきびと動く。
レジ

店舗奥の主通路は写真のように広々として、
快適。
店づくりも快適さが出ている。
奥
ドラッグストアの撤退した後に入って投資コストを下げるのは、
この店に必要な快適感を損なうように感じられました。

ケーキの売場は冷蔵多段ケース。
このケーキ、おいしい。
ケーキ

殺風景になりがちの売場が、
ご覧のような感じに仕上がっている。
壁面
リミテッド・アソートメントだからこそ、
快適さが必要なのです。
現代では。

リーチインケースのプライベートブランドのジュース売場。
オーガニック・ジュースがおいしい。
ジュース

リーチインケースでも、絞り込まれたプライベートブランドが、
品揃えの中心。
リーチイン

価格比較をする。
競合店の価格を出して、3社比較。
セーフウェイ系のボンズ、
クローガー系のラルフと比較して、
わが社がいちばん安い、と訴えるPOP。
価格比較

店頭には、コカコーラ。
コカコーラ
私の持論。
ストアロイヤルティが、プライベートブランドのロイヤルティの、
上位に位置づけられる。
だから、まだ、この店では、
ダントツのナショナルブランドの安売りをストアロイヤルティ確保に、
活かさざるを得ないのです。

 

リミテッドアソートメントのフレッシュ&イージーの影響で、
全米第2位のスーパーマーケット「セーフウェイ」は、
「ザ・マーケット」という店名の小型店をオープンさせました。
5月15日、ロサンゼルス。450坪型。

今のところ賛否両論。
ただしこの店は、限定品揃えではありません。
小型店開発の猛威が吹き荒れそうな雲行きです。

アメリカも、日本も。

<結城義晴>


4 件のコメント

  • 小型店開発の話は興味深く読ませていただいています。
    6月のUSA視察研修会には参加できませんが、次にはぜひ参加したく思います。
    結城先生の解説を現地で、生で、聞きたいと思っています。

  • コメントの訂正をお願いします。[アメリカでは1000kgの農業生産物を作るのに973?の石油エネルギーを必要とするそうです]ではなく、1トンの農産物の生産現場(約280kg)と輸送・加工・包装(約400kg)と小売・飲食・家庭の調理保存(約350kg)に使用する石油とエネルギーを原油換算した量です。つまり農産物の生産から消費までの全ての過程で使用されている石油資源量が農産物の生産量に匹敵するという事です。原油価格は農産物、特に穀物価格に連動する動きをする理由は、投機マネーばかりではなく、現代の食糧生産と流通システムそのものが石油に頼りきっているという事なのです。

  •    店長さん、ありがとう。
       是非、ご一緒しましょう。
       機会を見つけて、会社の了解を取ってください。
       会社で、制度化しているところもあります。
       商人舎事務方が、ご相談に応じます。

  •    田村先生、ありがとうございます。
       早速、訂正させていただきました。
       悪しからず。

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