結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年02月06日(金曜日)

成城石井・大久保恒夫社長の「店長ほど面白い仕事はない」

オリエンタルランドの3月期決算が、過去最高。  
オリエンタルランドとは、東京ディズニーリゾートの運営会社。

東京ディズニーランドは、
ディズニーリゾートとしてアップスケールして、
さらに今年25周年を迎えた。

25周年のための営業強化をしていることもあるが、
この不況マインドの強い風の中で、
多くの顧客から支持を得ている。

日本マクドナルドも米国マクドナルドも、絶好調。

任天堂も過去最高益。

ここまでは日経新聞の一面記事にも載っているが、
パチンコホールのダイナムも過去最高益。
こちらは1円パチンコ営業の新業態を確立した。

商人舎今月の標語「最良のベーシック」の中身が、
サービス業で鮮明になっている。

ベーシックといっても、
従来の「必需のモノ」だけではない。
コモディティとイコールではない。
このあたりに、現在の経済不況と消費不振の突破口がある。

さて、昨日は、横浜市西区北幸2丁目。
そう、商人舎オフィスのある番地。
同じ町内の㈱成城石井本部を訪問。

大久保恒夫社長と対談。  

第7回目になる「CDオーディオセミナー」の収録。
タイトルは、私の言葉を使って「知識商人対談」となっているが、
今回はまさしく「知識商人対談」となった。

大久保さんとは、もう20年以上の付き合いになる。

イトーヨーカ堂を退社し、
コンサルタント会社「リテイルサイエンス」を立ち上げられたばかりのころ。

編集長と執筆者としてお会いした。

大久保さんは、イトーヨーカ堂グループの「業務改革」のスタッフとして、
第一級の能力を発揮し、そのエッセンスを体いっぱいに吸収した。
その上に、新しい経験を積んで、
自分の能力を最大限に発揮させるべく、
独立したばかりであった。

その後、コンサルタントとして、
ユニクロを展開するファーストリテイリング、
無印良品の商品計画などの仕事で成果をあげ、
次に社長になった。

子供のころから「社長になろう」と決めていた。
九州のドラッグイレブンの社長。
そして2年前、スーパーマーケット成城石井の社長。
着実に、自分の道を歩んできた。

対談は、その大久保さんのキャリアを、二人で辿って、
その時点、その時点に、大久保さんが経験したこと、学んだことを、
検証させていただくというストーリーで進んだ。

実に面白く、エキサイティングで、ためになる物語。

大久保さんは、イトーヨーカ堂で、
いちばん大切なことを学んだ。
「現場を大切にすること。
お客様志向であること」

この二つ。

イトーヨーカ堂グループの「業革」に貫かれていたことは、
この二つの考え方。

創業者の伊藤雅俊さんにも、
セブン-イレブンを実質的に創業して、
リーダーシップをとり続けている鈴木敏文さんにも、
この二点に関しては、まったくの一貫性がある。

その後、大久保さんはユニクロ柳井正さんに出会い、
「スピードと徹底」を学びとる。

柳井さんの即断即決の意思決定、
そして決定したことは実行する徹底ぶり、
その上、失敗を恐れない姿勢。

これが大久保さんの第二の思想となる。

その後、単身、200店500億円のドラッグストアの社長となって赴任し、
再建に成功。

そして乞われて成城石井の社長となった。

今年も成城石井は過去最高売上げ最高利益を出す。

大久保さんなりのユニークでオーソドックスな経営が随所に展開され、
社員が自信を持ち、沸き立っている。

例えば、コミュニケーション。
小売業は、本部の決めたことを100%、店舗で実行すれば、
たいていうまくいく。

しかし、本部の決定の40%しか店舗では実行されない。
だからうまくいかない。

「何をするか」よりも「いかに実行するか」 

こちらが大切。

だからコミュニケーションが必要。
大久保さんは、このコミュニケーションこそ、
マネジメントの本質であるという。

成城石井に来て、すぐに、
「挨拶」の徹底をした。

そうしたら、苦情が驚くほど減った。
「お褒め」の数は1.5倍になった。

数値化して、苦情やお褒めが把握できるようになっている。

社内では「128を売り込め」と呼んでいる最新の運動。
1万5000品目の中の重要な128品目が6.5%の構成比だったが、
現場とのコミュニケーションの下で、
全社で売り込んだらすぐに10%を超えた。

値段を下げないで、売り切る。

これができる。

それが成城石井らしさであり、
商売の基本だ。

いま、人材教育に全力を挙げている。

子供のころから社長になろうと決めていた大久保さん、
「いま、なりたいものは?」という質問に、
「店長です」と即答。 

「小売業の店長ほど面白いものはない。
一度、やってみたいのです」  

現場主義と顧客志向の実践は、店長によってなされる。

大久保さんの発言は、ご自身の原点に戻っていた。

私は、日本の小売業に、
「本物の専門経営者」が誕生したと感じた。  

それがとてもうれしかった。

「専門経営者」は、「オーナー経営者」と対比的に位置づけられる。

サミットの荒井伸也さん。
カスミの小濱裕正さん、エトセトラ。

そして成城石井の大久保恒夫さん。
大久保さんは、荒井さん、小濱さんの世代とは異なる、
私の世代。

だから私は、無性にうれしくなったのにちがいない。

<結城義晴>  

[金曜日の追伸]
金曜日恒例「林廣美の金曜日のこの一品]
今日は、これです
カキフライ
週末、売り込み、よろしく。


4 件のコメント

  •  こんにちは(*^_^*)
     残念ながら、本部の言うことを店舗は聴かないのが当社の特徴です。
     その中で、本部のいうことを100%やれば何とかなる、という大久保さんのご意見は至言です。小生の部門を通じて、本部と店舗とのコミュニケーションが上手くいくように全力を尽くしたいと思います。
     それに「何をするか」よりも、「いかに実行するか」と言う言葉、胸に響きました。ありがとうございます。

  • ultraman1959さま、ご投稿感謝。
    そのとおりです。
    本部の事業設計に応じて店舗がパフォーマンスすれば、
    うまくいきます。
    設計の善し悪しよりも、そのとおりにやったかどうかが、
    とても大切なのです。
    しかし本部と店舗が対等の関係であることは、
    忘れてはいけません。
    役割が違うのです。
    ここのところ、よろしく。

  • 9月13日の番組見ました
    とってもがっかりでした
    特に愛媛 私は隣の県ですが、
    子供の頃お米と砂糖を持って農協に行ったことがあります
    松山のは不味いです
    固めてあること事態がおかしいです
    自然に固まっているのを探すのが楽しみでした
    はじめから固めているのはポン菓子ではありません
    都会育ちの人にはわからないのでしょうかね

  • 石川さん、ありがとうございます。
    今度、言っておきます。

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