日経MJ専門店調査と似鳥昭雄さんの「お客様の給料2倍化」発言

ヨコハマの七夕の夜空。

雨は降らなかったが、
残念ながら、雲がかかった。
「あなたのねがい、かなっただろうか」
今日は、全国的に雨。
九州南部、沖縄を除いて。
特に、日本海側は、
「バケツをひっくり返したような雨」。  
さて、日経MJが第38回専門店調査を発表。  
これは良いリサーチだ。
是非、購買して、1週間くらい眺めてもらいたい。
知識商人ならば。
毎日眺めるだけでよい。
それだけで、消費傾向が見えてくる。
それだけで、さまざまな店舗の売り場がわかってくる。
2009年の現在の商業には、
間違いなく、ふたつの傾向がある。
第一が、サービス業化。
第二が、専門化。  
この専門化のトレンドは、
専門店の動向をみるのが一番。
この専門店調査は、
比較可能な414社からアンケートで回答を得た。
414社で20兆8874億円。  
食品スーパーマーケットの17兆円を凌ぐ。
しかしその前年対比の伸び率は1.6%と、
消費税導入後の1997年以降最低で、
営業利益も前年対比7.5%マイナス。
専門化の時代とはいっても、
個別企業は全体で低迷状態。
「最良のベーシック」を提供できる1社が、
他の大多数を圧倒した。  
そんな感じ。
だからこの日経MJの仕分けの如く、
業種別に見たそれぞれの一番手が圧勝した。
それぞれの一番手、二番手、三番手を列挙しよう。
[家電] 
ヤマダ電機1兆8250億円
エディオン8030億円
ヨドバシカメラ7013億円  
[総合ディスカウント] 
ドン・キホーテ2908億円
トライアルカンパニー 1734億円
Mr Max965億円
PLANT 831億円
ジャパン 706億円
ロヂャース 600億円  
[100円ショップ]
大創産業 3412億円
セリア 684億円
キャンドゥ 608億円  
[ホームセンター」 
カインズ3398億円
コーナン商事 2971億円
コメリ 2528億円  
[ドラッグストア] 
マツモトキヨシ3672億円
サンドラッグ 2293億円
カワチ薬品 2259億円  
[スポーツ] 
アルペン1835億円
ゼビオ 1175億円  
[紳士服] 
青山商事 1682億円
AOKIホールディングス 873億円  
[婦人・子供服] 
しまむら 3693億円
ファイブフォックス 1559億円  
[カジュアル衣料] 
ユニクロ 4623億円
ライトオン1042億円  
[呉服] 
さが美 351億円
やまと 241億円  
[靴] 
チヨダ 1151億円
エービーシーマート905億円  
[家具]
ニトリ 2416億円
大塚家具 668億円  
[玩具・ホビー]
日本トイザらス 1801億円  
[書籍・文具]
紀伊国屋書店 1198億円
丸善 959億円
有隣堂 547億円  
[楽器・CD]
タワーレコード 610億円
新星堂 407億円  
[生活雑貨]
良品計画 1454億円
東急ハンズ 870億円
ロフト 768億円  
[生鮮]
ニュー・クイック 546億円
中島水産 411億円  
[酒]
やまや 745億円
カクヤス 660億円  
いかがだろう。
専門店ほどチェーンストア化が進んでいる。  
逆にいえば、専門店ほどチェーン化に必死だし、
専門店ほどチェーン化しやすい。
重大な事実がここにある。
そして朝日新聞で、
㈱ニトリの似鳥昭雄社長がコメント。  
似鳥さんも商人舎発起人のおひとり。
「値下げはおおいに結構。
我々が価格を半分にしたら、
お客さまにとっては給料が2倍になったのと同じ」  
「うちは好況の時は弱い。
競争相手がどんどん出てくるから」
これこそ、現時点の真理。
似鳥さんは2005年にアメリカで、
「住宅バブルが崩壊する」と感じた。
その時から「値下げ」の準備を進めてきた。
だから昨年5月以降、5回にわたって1700品目を値下げ。
この8月にも300~400品目を全190店で値下げする。
すべてプライベートブランド。
「お客さまの給料を2倍にする」
このトップの発言ほど、
社員にとって勇気が出るものはない。
<結城義晴>




            
            
            
            
            
            















