結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年09月08日(木曜日)

セブン‐イレブンの非常用無料電話とイオンの広域ネットスーパー、そしてコーネル・ジャパンのヤオコー&ロヂャースの物流研修

東日本大震災後の新しい試みで、
いい話ふたつ。

まず、セブン‐イレブン。
非常用無料電話を店舗に設置していく。

昨日のテレビ・ニュースなどでも、
盛んに取り上げられた。

震災の発生後、
人の命に次いで重要なのは、
情報。

しかし今回も電話が通じなかった。
特に現在最も日常的な携帯電話は、
全く通話できなかった。

セブン‐イレブンの店舗に無料で、
震災時にも通じる電話が設置されれば、
これは助かる。

NTT東日本との共同事業。
来年2月までに、東京23区内の全店に設置される。
やがて全国の1万3000店に広げられるに違いない。

社会のインフラとして、
ライフラインとして、
「情報」のカギを握るに違いない。

私はスーパーマーケットやドラッグストア、
もちろん総合スーパーやホームセンターなどでも、
店長室に衛星回線の電話を設置することをお願いしている。

「人の命に次いで重要な情報」
情報が人の命を守ることにもなる。

セブン‐イレブンの試み、
大いに評価しつつ、
コンビニ業界挙げての取り組みにしてもらいたいし、
小売業界全体の共通インフラにもしてもらいたい。

お願いします。

小売業の地位を上げること、
確実です。

もう一つ。
イオンが、
「広域ネットスーパー・サービス」を始める。
日経新聞の記事。

顧客はインターネットで注文する。
パソコンや携帯を使えない高齢者などには、
カタログを用意し、電話やファクスで受注する。

取り扱い商品は、約8000品目。
青果、鮮魚、精肉、日配、さらに加工食品、日用品など。
つまりはスーパーマーケットとそん色ない商品構成。

配達の時間帯は正午~午後9時、
受注時間は24時間。

午前中に注文すればほぼ当日中に届く。
午後3時までに注文すれば、翌日配達。

「利用手数料はネット、カタログとも、
1回の買い物額が5000円未満で315~630円で調整中。
5000円以上は210円とする見込み」

注文を受けると、
実際の店舗で商品をピッキングし、
宅配業者に委託して配達。

この秋11月にまず青森県でスタートし、
来年3月までに東北の全県に広げ、
さらにそれ以降は東北以外にも拡大。

「買い物弱者」救済サービスで、
社会的に非常に有益なこと。
ニーズは確実にある。

しかし問題は最低限の利益が出ないこと。
私もインターネット通販などは伸びると考えているが、
「ネットスーパー」には否定的見解を持つ。

だからイオンのこの試みは、
ボランティアの意味が強いのかと思ったが、
そうでもないらしい。

記事には、こうある。
「4月から三重、岐阜両県で実験し、
高齢者を中心に1日数十件を受注。
採算性にめどがついたとして本格導入する」

はたして客数数十人で、
ネットスーパーは成立するのか。
手数料はもっと高く設定されたほうがいいのか。

まだまだボランティア活動と実験の域を、
完全に逸脱したとは考えられないが、
それでも意欲的試みであることは確かだ。

さて昨日は、
コーネル大学ジャパン第3期、
9月補講の二日目。

朝7時半に専用バスで川越市内のホテルを出発し、
8時には、ヤオコー南古谷店の視察。
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一昨日の夜、
狭山物流センターで仕分けされた商品が、
店着してからどのように流れていくのかを見る。
この日も、㈱ヤオコー顧問の大塚明さんと、
ロジスティックス推進部物流センター担当部長の本城宗尚さんが、
随行しつつ、丁寧に説明してくれた。
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販売部長の小澤三夫さんも駆けつけてくれた。
小澤さんは「スーパーマーケット店長大賞」の、
栄えある第1回受賞者。
久々の対面におもわず握手。
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その3人の皆さんから店内作業の解説をしていただき、
それぞれに視察。
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開店前作業を、
それぞれの視点で見て回る第三期生。
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視察しながらも、ディスカッションを欠かさない。
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なにやら惣菜部門の一角に人だかり。
写真を撮る者、動画撮影をする者。
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皆がじっくりと見入っていたのは、
ヤオコー名物「手作りおはぎ」。
丹念で手際の良いパートタイマーさんの手さばきに感心する第三期生に、
うれしいサプライズ!
「どうぞ、試食してみてください」
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作りたてを頬張る。
「うんまい!」
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次々に試食する第三期生。
「ご馳走様でした」
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その後、隣接する研修センターへ移動。
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1階の研修室は、部門別に分かれている。
充実した設備に誰もが驚いている。
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2階の談話室に移動。
ここでも壁に掲げられたパネルに皆が見入っている。
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川野幸夫会長のお母様「川野トモ」さんの語録。
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談話室で最後の質疑応答。
すべての質問に丁寧に答えてくださった皆さんに感謝。
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本城さんへ心から感謝の握手。
ありがとうございました。
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ヤオコー南古谷店を後に、
1時間ほどバスにゆられると、
到着したのはロヂャース物流センター。
正しくは北辰商事㈱岩槻配送センター(さいたまMDセンター)。
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北辰商事㈱副社長の太田順康さんが迎えてくれた。
太田さんはコーネル・ジャパン伝説の第1期生の級長。
第2期からは、ロデャースのセンター視察をプログラムに加え、
太田さんには講師も務めてもらっている。
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早速、2班に分かれてセンター内を視察。
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ロデャースは自動発注を基本とする。
入荷時の商品スキャンは重要。
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合理的な考え方で作られたセンターを見て回る。
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ロデャースのセンターの独特の機能のひとつは、
非食品の「全品スキャン」。
ただし、9つの大手問屋&メーカーの納品商品を除く。
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非食品は誤配も多い。
だから自分で全品スキャンをする。
手間暇がかかっているように思えるが、
最初に正確な商品登録を行うことが、
商品管理の基本中の基本。
それが物流の低コスト化になるし、
自動発注のベースにもなる。

スキャンされ各店別に振り分けられるラインに見入る三期生。
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センター視察を終え、会議室に移動。
太田講師からロヂャースの物流戦略の講義を受ける。
はじめに、太田さんを紹介。
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「経営戦略としての『物流』の位置づけ」がテーマ。
戦略を実現するための最重要課題が物流であり、
物流を制する企業こそが勝ち組となる。
その太田さんの持論を体現したのがこのセンター。
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既存物流センターの問題点、
あるべき物流センターの姿、
そして大震災時の復旧対応を画像を交えて語ってくれた。
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太田さんを囲んで、センター玄関まえで記念撮影。
(右端の㈱タカヤナギ副社長の高柳智史さんが写っていませんでした。
ごめんなさい)
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センター視察を終え、ロヂャース大宮店へ。
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店内での専用端末による自動発注チェック作業など、
実地の説明を受ける。
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3班に分かれて説明を聞き、質問をし、売り場を見て回る。
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こうして2日間にわたる授業も終了。
朝7時半から午後2時過ぎまで、
充実した講義だった。

長い長い付き合いの太田さんとも、感謝の握手。
ありがとうございました。
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コーネル・ジャパンは私にとって、
「商業現代化」を実現する拠点のひとつだった。

太田順康さん、大久保恒夫さんをはじめとして、
伝説の第1期生、
奇跡の第2期生、
実行の第3期生。

素晴らしい同志たち。

9月の補講の次は11月のサミットでの補講。
いとおしいような講義もあと1回。

すべての皆さんに、心から感謝。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 結城先生へ ヤオコーさんとロヂャースの物流センターの紹介ブログありがとうございます。昔米国のターゲットの物流センターを視察したことを思い出しました。(LAの近郊の砂漠の中?にあった!)
    1物流センターがカバーする店舗は100店で、センターから店舗への発送単位は巨大トレーラー1台が基準です。(ちなみに牽引する車をトラクター、荷台部分をトレーラーと言っていたと思います。)商品が詰められた段ボールを荷台に隙間無くびっしり満載したら、センターを出発して店舗へ配達、トレーラー部分を切り離して、空のトレーラーを引っ張ってセンターへ帰る合理的なシステムでした。繁盛店は週2回~3回、売れない店舗は週1回の配送リードタイムとのセンター側の説明でした。
    「バジェット(予算)の中で物流費用をコントールするのが基本です。」との言葉が印象に残りました。

  • いまちゃん、ありがとうございます。
    米国の物流センターは進んでいます。
    しかし「シンプルに進んでいる」と言った方がいい。
    学ぶところ大です。

    今回も、ヤオコーのセンターが、
    {シンブルに進んでいる」ことを確認できて、
    わたしはたいへん、勉強になりました。

    アメリカ視察でも、
    訪問先にセンターを入れたい気持ちになりました。

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