結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月19日(土曜日)

セブン-イレブン焼き菓子「売り方の原則」と「ダイエー」を残す

セブン-イレブンの焼き菓子。
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クリスマスケーキはここまで、
全国的にいい動きを見せていないが、
焼き菓子は売れている。

特にレーズン・サンド。
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これは別の店だが、
エンドでこれだけフェースをとれば、
間違いなく売れる。
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新しい、いい商品を開発して、
オーソドックスな売り方をすれば、
必ず売れる。

大久保恒夫の「5つの売り込み方」
現在はセブン&アイ・フードシステムズ社長。

第1が、「優位置陳列」。
顧客が多く通るところ、よく目が届くところを、
大久保さんは「優位置」と称する。
セブン-イレブンの場合も、
ゴンドラエンドは優位置の代表。

第2は、フェースを広げる。
陳列フェーシング数を増やせば、
目立ちやすくなる。

第3は、「豊富感」。
そのために在庫を多く持って、積み上げる。
陳列棚にいっぱいにする。

第4に、「POP」をつける。
商品の良いところを的確にアピールする。

最後に第5に、「接客」をする。
余裕があれば、声を掛けて、
推奨販売をする。

鈴木哲男さんは「重点商品」の売り方を、
簡潔に説明する。
ご存知、52週MDの権威。

第1に目立つところで陳列する。
これは大久保さんと同じ。

第2に目立つように陳列する。
ここに陳列技術が登場する。

このテクノロジーとして、
定型陳列と変化陳列がある。

これは鈴木國朗さん。

変化陳列が目立つプレゼンテーション。
ただし変化陳列ばかりでは、
全体がごちゃごちゃして、
かえって目立たない。

定型陳列7割、
変化陳列3割が目安。

もちろん企業によって、
フォーマットによって、
プレゼンテーションの政策は、
異なってよろしい。

この際、POPを活用するが、
その「POPの原則」がある。
①商品自身で語らせる
②商品自身で語り得ないもののみ
POPをつける

そして POPを取り付ける場合の大原則。
③安い商品はより安く見えるPOP
④良い商品はより良く見えるPOP

コトPOPのつけ過ぎは、
変化陳列のやり過ぎと同様に、
売場がごちゃごちゃになって、
顧客にわかりにくくなる。

鈴木さんの「重点商品の売り方」、
第3は商品のバラエティを増やす。

そのためにひとつは単品を増やす。
つまり量目、サイズ、価格などを増やす。

二つは、同じもの、似たようなもの、
関連するものは1カ所に集める。
セブン-イレブンの焼き菓子エンドはそれだ。

セブン-イレブンの焼き菓子売場を見て、
「原則」の重要性を感じた。

小売業も製造業も卸売業も、
このくらいのことは知っておくべきだ。

それが知識商人の条件である。

さて、日経新聞が報じたが、
「一般社団法人ダイエーグループOB会・飛翔会」が、
この25日のクリスマスに設立される。

設立時点で、会員数500人超。
元ダイエー役員や社員が参加する。

うれしい話だ。

会長には藤原謙次さんが就任。
適任だ。

藤原さんは昭和44年ダイエー入社、
その後、ローソン社長・会長を歴任、
ファンケル社長・会長も務め、
現在は㈱カカクコム、㈱サンドラッグ取締役。

ダイエーは今年1月に、
イオンの完全子会社となった。

そして、食品スーパーマーケット企業として、
再生を図る方針だ。

この際、店舗バナー名は、
「グルメシティ」を使っているし、
2018年度を目途に、
「ダイエー」の店舗名が廃止される。

そこで藤原さんたちは、
一般社団法人名に「ダイエー」の名称を入れて、
日本「流通革命」の中核的な役割を果たし、
チェーンストア産業づくりに貢献した、
その歴史や功績を語り継ぐ。

私は「商人の本籍地と現住所」を、
主張している。

「本籍地ダイエー」――そんな商人は多い。

そのダイエーの名称が残る。
彼らにとって「本籍地」が、
いつまでも存在し続けることになる。

今月の月刊『商人舎』の【特集】は、
「流通革命論」の軛(くびき)を断つ
2015脱チェーンストア経営の弁証法
これは裏返せば、
ダイエーの総括でもあった。

後藤新平の言葉。
金を残すは下策、
事業を残すは中策、
人を残すは上策。

前にも書いたが、
中内功さんは、
きっと後藤新平の言葉を、
思っていたに違いない。

中内さんは巨額の借金を残し、
ダイエーという事業体は残りそうもないが、
多くの優秀な人材を残した。

まさに「人を残す」の実践者だった。
その人材たちが組織をつくる。

いい時期に「ダイエーグループOB会」が、
一般社団法人として発足する。

うれしい話だ。

〈結城義晴〉


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