結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年11月09日(木曜日)

堺屋太一がつくった「街角景気」と「理想を語る者」

故倉本長治主幹も、
故渥美俊一先生も、
同じように言っていた。

「政治と宗教には口出しするな」

私もそう考えていた。

しかし2006年に安倍晋三内閣が誕生して、
年下の総理大臣が生まれた。

2歳年下だった。

大いに期待もしたし、
俄然、政治に関心が深まった。

現岸田文雄首相は5歳年下だ。

つつがなく役割を果たしてくれればいいが、
文句の一つも言いたくなる。

それをこのブログに書いたりする。
お許しください。

しっかりしてほしい。
このまま円安ドル高が続くと、
日本の消費はさらに減退してくる。

商業の世界にも甚大な影響が及ぶ。

愚策の所得減税など実施しても、
消費にはつながらない。

全体で見ると、貯蓄に回るだけだ。

税金は本来、
国民から徴収した金を、
全体のために使うものだ。

個々に使うと全体のためにはならない。
そこで個人個人から集めた大きな金を、
全体のために使って、
個人個人を豊かにする。

それが「税」の意味だ。

国や地方公共団体が、
さまざまな公共サービスを提供する。
そのために資金が必要となる。
その資金を国民から集める。

これが「税金」だ。

しかし今やろうとしていることは、
集めておいてそれをまた個人にもどす。

コストも二重にかかる。
商品の返品と同じだからだ。

これは図らずも、
政治が無能であることを、
如実に示している。

そのことは世論が知っている。
国民が知っている。

「パンとサーカス」は、
皇帝から無償で食と娯楽を与えられ、
ローマ市民が満足して、
政治に無関心になった現象を言う。

パンは食糧で、
サーカスは娯楽。

古代ローマ帝国初期の時代に、
詩人ユウェナリスが批判した。

五賢帝が登場する前のローマは、
そんな時代だった。

今の日本もあまりいい状況ではない。
将来が心配だ。

さて、
「街角景気」
内閣府の景気ウオッチャー調査。

1998年7月に小渕恵三内閣が発足。
堺屋太一経済企画庁長官が誕生した。

堺屋長官は就任当初から、
問題意識を持っていた。
「景気動向をもっと早期に把握できないか」

そこで景気動向に関する情報を、
早く手に入れる仕組みづくりが検討された。

「動向把握早期化委員会」が発足。
座長は竹内啓明治学院大学教授だった。

いろいろな案が出た。

当時、テレビの双方向通信が始まったが、
それを利用して情報を得る案。

「地域景気モニター」は、
地域の経済動向を観察する立場の、
大勢のモニターから状況報告してもらう案。

今でいえばビッグデータとなるが、
それを先取りしたような発想だった。

その結果、質の高いコメントが集まった。

堺屋太一さんのリーダーシップの賜物が、
「景気ウォッチャー調査」である。

その堺屋さんも2019年2月に亡くなった。
83歳だった。

私も2010年11月に、
小さな会合で直接、話を聞いた。
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その堺さんがつくった「街角景気」、
今年の10月版。

3カ月前と比べた現状判断指数は49.5。
好不況の分かれ目となるのが50.0。

10月は前月比0.4ポイントの低下。
3カ月連続で前の月を下回った。

今年1月が48.5だったが、
それ以来の低水準。

何よりも「物価高」が、
街角景気を下押している。

岸田政権は、
それに手を打てていない。

内閣府の現状判断。
「緩やかな回復基調が続いているものの、
一服感がみられる」

あらら。

家計動向関連データは、
前月から横ばいの49.5。

北海道の衣料品専門店のコメント。
「必要な物は買い、
そうでない物は節約する傾向が続いている」

企業動向関連は49.0で、
1.5ポイント低下。

甲信越の食料品製造業者のコメント。
「売上げは伸びているが、
利益は圧迫されており
厳しい状況にある」

原材料価格の高騰や物流費の値上がりが痛い。

2〜3カ月後の先行き判断指数は48.4。
さらに1.1ポイント下がる。

東北のスーパーマーケットのコメント。
「物価上昇により、生活防衛意識が強まり、
消費は緩やかに減少に向かうとみている」

内閣府の街角景気だが、
堺屋さんの意思が入っていて、
内閣府の忖度は混じらない。

だから正確な情報が提供される。

街角景気から、
本来の景気がつくられる。

株価の上げ下げが景気をつくるのではない。

堺屋さんの言葉。
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「幸せというのは、
環境と希望の一致です」

環境は悪化していても、
希望はもとう。

それが環境を引き上げてくれる。

さらにひとこと。
「人間にとっても組織にとっても、
理想を知ることこそが
理想を実現する第一歩である」

理想を考えよう。
理想を知ろう。
理想を語ろう。

それが希望となり、
環境を変える。

リーダーは理想を語る人間である。
総理も社長も部長も店長も。

理想を語れない者は、
退場願うしかない。

〈結城義晴〉


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