セブン超えの「イオン時価総額」と最後発のイズミ「ゆめイチ」

夏の高校野球甲子園大会。
準決勝の2ゲーム。
リアルタイムで見ることはできなかった。
第1試合は日大三校(西東京)が、
延長10回タイブレークで、
県立岐阜商業を破った。
14年ぶりの決勝。
スコアは4対2。
第2試合は沖縄尚学高校が山梨学院高校を、
逆転で破って夏の大会は初の決勝進出。
スコアは5対4。
決勝戦は1日空けて、
23日土曜日午前10時から行われる。
楽しみな一戦だ。
さて、日経新聞電子版の記事。
「イオン時価総額、初のセブン超え」
こういう報道は気づきにくい。
もともとは、
明治9年(1876年)創刊の「中外物価新報」。
それが中外商業新報に変わり、
戦後の1946年、日本経済新聞に名称変更した。
イオンの時価総額が今日5月21日次点で、
5兆1922億円となった。
株価が5662円まで上昇し、
上場来高値を更新。
セブン&アイ・ホールディングスは、
時価総額5兆1765億円。
株価は1988円。
株価は2.85倍、時価総額はわずかに、
イオンが上回った。
初めてのことだ。
小売業トップはファーストリテイリングで、
時価総額15兆5387億円、
株価は4万8980円。
図抜けている。
時価総額は[株価 × 発行済株式数]
上場企業の企業価値を端的に表す指数だ。
イオンの株価上昇の理由は、
⑴業績
25年第1四半期(3〜5月期)の営業利益は、
18%増の562億円、最高額を更新。
イオンnews|
第1Q営業収益2兆5669億円/過去最高収益も最終純損失
⑵グループ再編の期待
首都圏と近畿圏でスーパーマーケットを再編する。
首都圏はSMLHに、近畿圏はダイエーに。
イオンnews|
首都圏はUSMH・近畿圏はダイエーにSupermarketを統合
2月にはイオンモールとイオンディライトを、
完全子会社にすると発表。
12月にウエルシアホールディングスと、
ツルハホールディングスが経営統合する。
この2つの期待が株価を押し上げた。
かつては両者には5兆円超の差があった。
このところの約20年間の平均でも、
2兆円程度の差があった。
しかしこの7月以降、状況は一変した。
イオンは株価が27%高と高騰。
セブン&アイは14%安、
ファストリも1%安。
悪いけれど「低収益」がイオンの代名詞だった。
それが少しずつ改善されている。
逆にセブン&アイは、
アリマンタション・クシュタールの一件などがあった。
故伊藤雅俊さんは、
「誠実な商い」を言い続けたが、
一方でいつも時価総額を気にかけていた。
それが逆転してしまった。
しかし株価は移り気だ。
この先どうなるかはわからない。
イオンも油断はできない。
やるべきことをやる。
株価と時価総額はその結果だ。
さてさて商人舎流通SuperNews。
イズミnews|
新PB「ゆめイチ」9/11から発売/50アイテムでスタート
イズミが9月11日(木)から、
新しいプライベートブランドを売り出す。
その名も「ゆめイチ」
3種類。
コンペティティ部ブランドの「プライス」
エコノミーブランドの「レギュラー」
クオリティブランドの「プレミアム」
アイテム数は当面プライス48アイテム、
レギュラー2アイテムの計50。
プレミアムは順次発売する予定。
「最後発のPBだから最高のPBを目指す」
その心意気や良し。
ステートメントは、
「地域を知る私たちだからこそつくれるものを。
経験豊富なバイヤーが自信を持ってお届けできるものを。
メーカーだけでは決して生み出せないものを。
誰もが手に取りやすい価格帯のものを。」
先日のニチリウバイヤーセミナーにも、
イズミから参加してくれた。
そして班別の発表のときにも、
各チームをイズミのバイヤーがリードした。
楽しみな商品開発だ。
「最後発だから最高を目指す」
後発の優位性。
それは後進の先進性でもある。
1978年8月20日、ダイエーが、
日本初のノーブランドを発売した。
ホワイトブランド、ゼネリックと呼ばれた。
私が商業界に入社して、
1年経過したころのことだった。
イトーヨーカ堂もジャスコも、
ニチイもユニーもすぐに、
次々にノーブランドを開発した。
西友が無印良品をリリースしたのは、
一番遅くて1980年だった。
西友は堤清二さん、上野光平さんを中心に、
「異なるポジショニング」のノーブランドをつくった。
後発の優位性を活かした。
後出しジャンケン負けるべからず。
そして今やMUJIしか残っていない。
「ゆめイチ」がそうなれるか。
最後発だから最高を目指せ。
ガッカリさせないでくれ。
〈結城義晴〉