結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年01月09日(木曜日)

孔子の「君子・小人」とAJSパネル討論会の「製配販連携」

カルロス・ゴーン元日産会長。
レバノンでの記者会見。

ああああ。

唯一、許されて会見場に入ったのは、
テレビ東京の記者。
もう少しでいいから、
流ちょうな英語を使ってほしかった。

朝日新聞一面「折々のことば」
第1693回。

子曰、過而不改、是謂過矣
(孔子、『論語』(金谷治訳注)巻第八・衛霊公第十五から)

「子の曰(のたま)わく、
(あやま)ちて改めざる、
(こ)れを過ちと謂(い)う」
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「人はよく過つ不完全な存在。
人の評価はむしろ
過ちと知った後の

身の処し方で決まる。
そこをこそ過つな」

編著者の鷲田清一さんは多分、
カルロス・ゴーンに向けたのだと思う。

「過てば則(すなわ)ち
改むるに憚(はばか)ること勿(な)かれ」

間違ったことをしたら、すぐに、
躊躇せずにそれを改めよ。

孔子の弟子の子夏(しか)。
「小人(しょうじん)の過つや、
必らず文(かざ)る」

「文る」とは言い繕い粉飾して
躱(かわ)そうとすること。

昨日のレバノンでの記者会見を見ると、
ゴーンは小人だったということが鮮明。
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子曰、君子喩於義、小人喩於利。
「子の曰く、
君子は義に喩り(さとり)、
小人は利に喩る」

君子は正しい道や正義を知っているが、
小人は利益を追いかける。

とくに小人は、
自らそれを戒めねばならない。

さて今日は横浜みなとみらい。
横浜ベイホテル東急。

オール日本スーパーマーケット協会。
2020年新年トップ経営研修会。

最初に特別講演。
小池百合子東京都知事。
タイトルは、
「東京2020大会後を見据えた”未来の東京”」

小池百合子さんは同じ年で、
それだけの理由で頑張ってほしいと思うが
講演内容はつまらなかった。

今年は都知事選挙がある。
6月18日に告示され、
7月5日に投開票される。

だからもう少し、
気合の入った話をしたほうがいいが、
名簿で見れば700人だった参加者のうち、
東京都民は何人くらいいたのだろう。

ちなみに小池さんについてきたSPは、
舞台の左右に陣取って、
目立ったし、立派だった。

特別講演の後は、
パネルディスカッション。
テーマは、
「2020年スーパーマーケットのさらなる成長」
サブタイトルは、
「製配販の連携の可能性を探る」
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パネラーは4人。
まず加藤和弥さんと小林寛久さん。
加藤さんは加藤産業㈱社長、
小林さんはカゴメ㈱取締役常務執行役員。

それから岡秀夫さんと服部哲也さん。
岡さんは㈱関西スーパーマーケット常務取締役、
服部さんはサミット㈱取締役専務執行役員。

岡さんも服部さんも、
コーネル大学RMPジャパン修了生。
岡さんが「実行の三期生」、
服部さんが「伝説の一期生」。

コーディネーターは、
協会会長の田尻一さん。
前サミット㈱社長。
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正月らしい和気あいあいの討論会で、
最初のテーマは、
「豊かさとは何か」

それぞれに考え方を述べたが、
カゴメの小林さんが話したのは、
「コト消費からトキ消費、イミ消費へ」
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「北海道余市トマトジュース」が完売した。
原料のトマトは10年がかりで開発した。
それが障がい者の雇用機会を創出し、
地域農業を元気にした。

こういった商品が密かにヒットする。

一方、スモールマス商品の「糖質オフ」は、
eコマースで31%のシェアをもつ。

現在の豊かさは大きな市場ではない。
そう、豊かさの本質は多様化です。

第二のテーマは、
「便利さについて」

関西スーパーの岡さんは、
スーパーマーケットの現場の視点から、
便利な店、便利な売場を論じた。
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サミットの服部さんが強調したのは、
「味、品質、簡便、即食などが、
一気通貫で統一されていること」

「その意味でヨコ連携や部門横断などが、
求められてくる」
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服部さんは将来の取り組みとして、
買い物代行や宅配サービスも挙げた。

加藤さんは「ストレスレス」を強調した。

第3のテーマは、
「製配販の連携の可能性」

コーディネーターの質問は、
3分の1ルールから、
2分の1ルールへの変更に関して。

サミットの服部さん。
「2分の1ルールに関しては、
全体の設計をきちんとして、
来年度からやっていこうと思います」

そして第4は、
「スーパーマーケットにしかできないこと」

服部さん。
「惣菜やベーカリーが重要になるが、
NBメーカーは業務用チームがやって来て、
“いかようにもできます”と言う。
だがスーパーマーケットの作業場で、
他にない商品ができるかどうかが大事だ」

加藤さんは、
「消費者のストレスだけではなくて、
お店のストレスをいかに解消するか。
それにいかにお手伝いできるか」
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最後のテーマは、
「5年後をどう考えるか」

服部さん。
「腹をくくって、何をするか。
ちゃんとしていない会社は淘汰される。
5年先がどうなるかよりも、
自分たちが何ができるか。
そこから逆算していかねばならない」

岡さん。
「5年後の変化に対処できるかどうか。
専門チームを編成して、
対応すべきだろうと思う」

加藤さん。
「食を楽しむためのスキルが薄れてきたが、
スーパーマーケットはそれを下支えし、
働きかけをしていってほしい」

「物流に関しては、
全体最適を目指さねばならない」
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小林さんが、
「フード・ライフ・バランス」を提案して、
ディスカッションをまとめた。
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このあと、新年の夕食懇親会。
その交流は明日のブログで紹介しよう。

人間は君子と小人の二つに、
区分されるものではない。

多くの人々、ほとんどの人が、
君子であり、同時に小人である。

そして時々君子になったり、
たまに小人になったりする。

カルロス・ゴーンを見ていれば、
それがよくわかる。

だからこそ、
強く意識しなければならない。
「君子は義に喩り、
小人は利に喩る」

〈結城義晴〉

2020年01月08日(水曜日)

経済4団体トップ発言と兼好法師の「財多ければ」

経済団体の新年祝賀会。
昨日の7日、都内で開催。
日経新聞がその発言をダイジェスト。

ここでは、
経済三団体トップの発言を、
さらにダイジェストしよう。

経団連の中西宏明会長。
経団連は一般社団法人日本経済団体連合。
中西会長は㈱日立製作所会長。
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構造変化に対応するために、
「働き方のコンセプトやルールを
変えていかなければいけない」

経済同友会の桜田謙悟代表幹事。
SOMPOホールディングス㈱社長兼CEO。
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「雇用制度は経済成長に資する
という視点が欠けてはいけない」

労働や雇用がさらに問題化される1年。

一方、
日本商工会議所の三村明夫会頭。
日本商工会議所は、
中小企業など約125万社が参加するが、
三村会頭は日本製鉄㈱社友名誉会長。
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雇用など従来の慣行を見直すうえで、
「全体の利点と欠点を
よく対比してから実行する」こと。

巨大企業団体も中小企業の連合も、
働き方、雇用の問題点を指摘した。

一方、自動車工業団体では、
ホンダの八郷隆弘社長。
世界経済の先行きを、
「明るいとは見ていない」

当然だ。

スズキの鈴木俊宏社長も、
「景気動向は全く見通しが立たず
不透明感が増している」

正月明けの1月3日から、
米国トランプ大統領が、
イランのガセム・ソレイマニ司令官を、
無人機攻撃によってイラクで殺害。
ソレイマニ司令官はイランの英雄。

紛争拡大は必至だ。

今年の日本国内の景気は、
東京五輪・パラリンピックによって、
押し上げ効果が期待される。

しかし問題はその五輪後で、
どこまで落ち込むかと懸念される。

東芝の車谷暢昭会長兼CEO。
「前回の東京五輪関係の支出は、
国内総生産(GDP)の約3%だったが、
今回は約0.5%」

だから「大きな反動減はなく、
『晴れのち晴れ』だ」

不正会計で苦境に陥った東芝。
自分の会社がそれを脱しつつあるから、
楽観的なのだと思う。

「晴れのち晴れ」などではなく、
「不透明」が本当のところだ。

いずれの発言も、
いまや創業者がいなくなって、
二世や専門経営者ばかり。
どこか軽い気がするが。

これに対して、
商人舎流通スーパーニュースから。
生団連news|
小川賢太郎会長の2020年年頭所感
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「生団連」は「経団連」の向こうを張る、
「国民生活産業・消費者団体連合会」。

経済三団体と並ぶ、
もう一つの団体と言っていい。

さらにもう一つ、
一般社団法人新経済連盟もある。
こちらはIT企業連盟で、
楽天㈱三木谷浩史社長が立ち上げた。

生団連の小川さんの所感。
「国民生活を大きく
左右するような政策においてさえ、
その多くは国民不在で議論されてきた」

「政策の立案においても、
現場で起こっている個別の事実や
前提条件そのものに対する
十分な検証も行われないまま、
固定観念に基づいた議論に
終始している感があります」

消費増税や軽減税率、
ポイント還元だけではない。

「こうした国民不在の議論に対し、
私たち日本国民が主権者として
その責任を果たしているかといえば、
そこは大いに反省すべきところでしょう。
わが国では国民からの発信としての
ロビーイングはなお未熟です」

国民主権を謳う。

消費者団体でもあるからだ。

「それゆえ、実効性のある
活動を推進する国民団体として、
大きな使命を担う生団連が、
事実に基づいた現状認識と課題設定により
議論を深め、より強い発信力をもって
政・官にその影響力を
行使していく必要があります」

私の持論は、
「ポリティカル・マーチャントたれ」
小川さんはそれを実践している。
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今日の朝日新聞「折々のことば」
第1692回。
財多ければ、
身を守るに惑ふ
(兼好法師)
『新版徒然草』(小川剛生訳注)第三八段から
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「財が多いとそれに囚(とら)われ、
身を保つのが難しくなる」

編著の鷲田清一さん。
「財産の多寡が
人生の幸不幸を決すると思い込むと、
財が目減りしだすだけで
ひどく不安になる」

大企業でも並みのトップならば、
会社の財が目減りするだけで、
不安になる。

「人の評判ばかり気にしていると、
何がほんとうに大事なものかも
見えなくなる」

これは政治家ではない方の、
政治屋に多い。

「財に恵まれない人のほうが
かえって隣人に気前がいいのは、
日頃よく目にすること」

もともと小さな会社から始まったと、
いつも自覚していなくてはいけない。

そこからこそ、
より良い働き方の改革が生まれてくる。

今日も、思う。
「世のため、人のため。
それから最後に、
己のため。」

兼好法師は書いている。
「第一の事を案じ定めて、
その外(ほか)は思ひ捨てて、
一事(いちじ)を励むべし」

第一に大事だと思うことを決めて、
それ以外は捨てて、
そのひとつのことに励め。

これは「選択と集中」である。

吉田兼好は、
ピーター・ドラッカーと、
同じことを言っている。
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その第一の事が、
「世のため、人のため。」である。

〈結城義晴〉

2020年01月07日(火曜日)

接客時マスク禁止論争とゴーン逃走劇の「世のため・人のため」

人日(じんじつ)の節句。
そして「寒」の入り。

「五節句」と言われるように、
1年に5回の季節の節目となる日がある。

節句は奇数月。
1月は7日の人日の節句。
3月は3日の上巳(じょうし)の節句、
5月は5日の端午(たんご)の節句、
7月は7日の七夕(しちせき)の節句、
9月は9日の重陽(ちょうよう)の節句。

ぞろ目の日ばかりだが、
1月は1日が元旦という特別の日だから、
代わりに7日となった。
7日が選ばれたことには諸説あるものの、
腑に落ちる理由はわからない。

しかしいずれも植物が関連付けられて、
人日は七草の節句。
上巳は桃の節句、
端午は菖蒲の節句、
七夕は笹の節句、
重陽は菊の節句。

その、今年の七草。DSCN00680

そして今年の七草粥。   DSCN00800

七草の粥を食べて、
正月明けの気分。

昨日は夕方から、
亀谷しづえさんの母上、
まさ子さんの通夜。
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亀谷は㈱商人舎ゼネラルマネジャー。
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今日が告別式。

ご冥福を祈りたい。

さて朝日新聞社会面で、
「接客時のマスク禁止論争」DSCN00750

第一面右段にアイキャッチコーナー。DSCN00760

この結城義晴の毎日更新宣言ブログでは、
すでに二度にわたって、
この問題を考察し、結論を示した。

昨2019年12月26日(木曜日)
イオンの
「原則的にマスクせずに接客する」
方針の問題について

それから、2019年12月31日(火曜日)、
「マスク論争」に結論出して
[結城義晴の毎日更新宣言]終了します!

朝日の記事では最後に、
マスクで風邪が予防できるかに関して、
厚生労働省のコメント。
「のどの保湿はできるが、
すき間などからのウイルス侵入は
防げない」
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接客の専門家・太田章代さんの見解。
「マスクをつけると印象が悪くなるため、
接客業では基本的につけるべきではない」

私は印象が悪くなるというよりも、
接客する人の個性が損なわれると思う。

太田さんも、
風邪の予防のための着用は、
勧めない。

「接客マナーの原則は、
相手の気持ちを一番に考えること」

「ただ若い世代は、
マスク姿の店員への抵抗感が少ないので、
マナーも変わるのかもしれません」

マスク禁止論争も、
「世のため、人のため。
それから己のため。」

「己のため」は最後。
それがとくに接客業の原則だ。

大晦日のブログの結論。
「たった一つの正解しかない、
という時代は終わった。
それがポジショニング戦略時代である」

イオンは「原則的にマスクせず」を選ぶ。
そうでない企業があっても、
もちろん悪いとは言えない。

アメリカのトレーダー・ジョーや、
ホールフーズでは、
長髪はもとより刺青の店員が、
ずいぶん多くレジで接客している。

一方、HEBは、
七三に分けた男子高校生や、
ブロンドをポニーテールにした女子高生が
きびきびと接客してくれる。

長髪や刺青も、
七三やポニーテールも、
これが、どちらも、
「らしく」て、いいんだな。

ブログに書いたように私は、
「原則としてマスクをしない店」が好きだ。

「ただし働く人たちには、
理解してもらわねばならないし、
納得してもらわねばいけない。
そこが大事なポイントだ」

さて、カルロス・ゴーン逃走劇。
元日産自動車会長。
情けない話になってきた。
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英国フィナンシャルタイムズ(FT)までが
社説で取り上げて、問題視している。

「世界でも著名な企業トップが
24時間の監視をかいくぐり、
15億円もの保釈保証金を支払って
保釈された最中に行方をくらまし、
自由を求めてプライベートジェットで
5500マイル離れた場所に逃亡する――」

まるで「サスペンスドラマ」。

「だがこの逃亡により、
落ちたカリスマ経営者は
世界で最も注目される
逃亡者の一人になった」

「ゴーン被告と
日本の司法制度の双方にとって、
その信頼が揺らぐことになる」

FTの社説は、
日本の司法制度への疑問を呈しつつ、
ゴーン被告の行動も批判する。

「ビジネス界のリーダーが、
民主主義の先進国で、
裁判を前に逃亡するのは
容認されることではない」

結論は、
「この異様な事件の真相が
つまびらかにされることが、
全ての関係者にとって最良である」

だから日本の司法当局の責任も重い。

以前にも書いたことがある。
㈱商業界の社長に就任して、
根本的な組織体質改革を企図した時、
私はゴーンの手法を活用した。

クロスファンクショナルチーム。
「CFT」と呼ぶ。

組織の縦割りの悪弊を排除する。
そのために横断的に人財を集めて、
全体最適を目指す。

この改革の考え方は正しいし、
ゴーンという人間の能力の高さは、
疑いようがない。

それでニッサンが立ち直ったからだ。

しかし今回の逃走劇を見てもわかる。

経営において、
仕事において、
自分の生き方において、
必要なものは、
「世のため、人のため。
それから一番最後に、
己のため。」
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「世のため、人のため。」を、
貫徹していけば、
おのずから、
「己のため。」となる。

その真理を知ってほしい。

〈結城義晴〉

2020年01月06日(月曜日)

仕事始めの「世のため、人のため、それから己のため。」

Everybody! Good Monday!
[2020vol①]

1月1日の週をその年の第1週と定めて、
1年間、週の初めの日に、
“Good Monday!”とご挨拶します。

“Good Morning”や”Good Night”と、
挨拶するのだから、
“Good Monday!”もあっていい。

だから月曜日には、
Good Monday!
今年もよろしくお願いします。

2020年第2週。
東京・横浜をはじめとして、
全国的にいい天気。

今日1月6日は「寒の入り」。
二十四節気の「小寒」。

小寒から大寒(今年は1月20日)、
そして立春(2月4日)と、
二十四節気はほぼ15日単位で移っていく。

立春の前日が「節分」だが、
小寒から節分までを「寒(かん)」と呼ぶ。

だから小寒の日は「寒の入り」。
寒が明けると春が立って「立春」。

1年で一番寒い時期の「寒」。
その前半が始まる。

同時に仕事始めの会社が多い。
㈱商人舎も今日から2020年の仕事始め。

今年の商人舎標語は、
「世のため、人のため。」

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球がよくなる。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

ひとつつくれば、
ひとつだけ価値が生じる。

ひとつ運べば、
ひとつだけ経済が回る。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

街のため、
国のため。

母のため、
父のため。

子のため、
孫のため。

妻のため、
夫のため。

愛する人のため、
未来の人のため。

2020年代の初頭、
令和2年のはじまりに。

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球がよくなる。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

己のため。〈結城義晴〉

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1年間、よろしくお願いします。

商人舎流通スーパーニュースも、
今日からスタートする。

さらに月刊商人舎webコンテンツ、
月曜朝一/2週間販促企画。
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2週間分の販促スケジュールや企画案を提案する。
明日7日(火)は「七草粥」。
人日の節句の7種の野草の粥。
せりなずな
ごぎょうはこべら
ほとけのざ

すずなすずしろ
これぞ七草

このブログのシリーズの中に、
【日曜版・猫の目博物誌】がある。
その29[春の七草]は2017年1月8日付。
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せりは芹、
なずなは「薺」と書いて、ペンペン草。
ごぎょうは「御形」で母子草、
はこべら(繁縷)ははこべ、
ほとけのざ(仏の座)は、
いまはコオニタビラコという名称。
すずなは蕪(かぶ)で、
すずしろは大根。

現在は「七草粥セット」は必須の品揃え。
先週土曜日くらいからは、
青果部門の「一丁目一番地」の商品だ。

そして今週末から早くも3連休。
土曜・日曜と月曜の13日が「成人の日」。

その土曜11日は鏡開き。
正月に床の間に飾った鏡もちを、
割って開いて食べる。

こういった風習は、
できるだけ続けたい。

店はそれを地域に広く提案したい。
「日本的な慣習」を守ることは、
社会の公器足る店の責任だと思う。

さて昨日の日曜日5日から、
卸売市場は開場された。

初セリが行われた。

東京中央卸売市場の豊洲市場は、
一昨年2018年10月に築地から移転。
したがって今年は2度目の初セリ、
令和の初セリだった。

午前5時10分から始まったマグロは、
青森県大間産の本マグロが、
1億9320万円で、
競り落とされた。
「すしざんまい」の㈱喜代村。

木村清社長は「でも、高いね」

宣伝効果で元は取れるが。

さて今週のスケジュール。
木曜日9日からまず、
日本ボランタリーチェーン協会賀詞交歓会。
シェラトン都ホテル東京で、
第一部(14:30~16:00)は記念講演。
㈱サンキュードラッグ平野健二社長。
第二部(16:30~18:00)が賀詞交歓会。

同じ9日には、
AJS新年トップ経営研修会。
AJSはオール日本スーパーマーケット協会。
〈写真は昨年〉
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横浜ベイホテル東急で、
13:00に受け付け開始。
こちらの特別講演は小池百合子東京都知事。
そのあとパネルディスカッションもある。
夕食懇親会終了は19時30分。

私はこの40年ほど毎年、
AJSに参加しています。

VC協会のみなさん、
申し訳ありません。

そして10日金曜日は、
月刊商人舎新年1月号発刊。
ご期待ください。

この日から私はアメリカ出張。
San FranciscoとNew York。
帰国は20日の月曜日。

その間にも新年会がある。
新春全国セルコグループトップ会は、
15日(水曜日)に、
新横浜国際ホテルで、
13:30~15:00の特別講演会は、
片山善博早稲田大学院教授。
15:30~17:00が懇親会。
〈写真は2018年〉
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日本チェーンストア協会賀詞交換会は、
17日(金曜日)に帝国ホテル東京。
17:30~19:00。
〈写真は2016年〉
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すみません。
どちらも今年は欠席です。

商人舎からは、
松井康彦プロデューサー、
あるいは亀谷しづえGMが、
参加します。

こうしてスケジュールを確認するだけで、
仕事始めから一気呵成に、
2020年が過ぎていく。

それに流されずに、
しっかりと生きていきたい。

世のため、人のため。
そしてそれが、
(おのれ)のためにもなる。

〈こちらは結城義晴個人の手書きの年賀状〉
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では、皆さん、今年も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年01月05日(日曜日)

ジジの気分[日曜特別版]ジジの命日と子年/うるう年/Olympic

昨日の1月4日。

ジジの命日だった。
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2016年1月4日に死んだ。
五回忌はないが、
あるとすれば五回忌。DSCN8971-5-4-10-448x336

自分の絵を描いてもらって、
それを見たりしていた。
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この結城義晴のブログ[毎日更新宣言]では、
「ジジの気分[日曜版]」のタイトルで、
444回も連載が続いた。

前の子年から一巡して12年。

十二支。
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今年もネズミの年のうるう年。
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ちなみにうるう年は、
子年、辰年、申年と決まっているし、
そのうるう年に、
夏季オリンピックが開催される。
もちろん夏季パラリンピックも開かれる。

そして子年は十二支の頭。
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ジジはまだ若かった。
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ネコは十二支に入れられていない。

そのくせネズミとも仲が良かった。DSCN2002-3
このとき、ジジはつぶやいた。

「来年のこと、
将来のこと、
いつも、
考える。

主役、
じゃなくてもいい。
十二支というのにも、
入らなくていい。

でもネズミ君と、
友だちになろう。

ボクは、
シンプル・ライフのままで。

仕事している人たち、
頑張ってください。
応援しています。

お店の人たち、
商売繁盛、
祈ってます。

ボクは、
シンプル・ライフだけど。
祈ることは、
できるのです」

今は、絵の中にいる。DSCN8963-2016-4-10-2222-448x316

毎年、三が日が終わると、
ジジを思い出す。

そんなとき、訃報です。

亀谷しづえさんのご母堂が、
亡くなられた。

1月4日、18時48分、
川崎市立井田病院。
86歳、肺がんだった。

亀谷は㈱商人舎ゼネラルマネジャー。

リンゴのすりおろしを口にしたあと、
亀谷の腕の中で永眠されたという。

安らかな顔だった。

ご冥福を祈りたい。

なお、こちらでは身内で弔い、
あらためて宮城県角田市で、
骨葬が行われる。

合掌。

〈結城義晴〉

2020年01月04日(土曜日)

初売りの「鼠一匹」と松原隆一郎教授の「リスクと世代交代」

ああだこうだと騒いでも、
結局、大したことはない。

大山鳴動して鼠一匹。
そういえば今年は子年。

初売りの話だ。

スーパーマーケットなどが、
1月1日・2日に休業し、
一部コンビニエンスストアも、
実験的、あるいはストライキで、
元日の営業を休止した。

コンビニはほんの一部だから、
全体にはさして影響はないだろうが、
営業していたセブン‐イレブンなど、
2日や3日の夜には品切れが続出した。
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全体に緩んでいる印象だ。

それでも車で横浜の街を流してみると、
イオンのまいばすけっとが目立つ。

もちろんセブンやローソン、
ファミリーマートが明かりをつけている。

一方、百貨店や総合スーパーの初売り。
日経新聞が3日の記事で報じた。

「初売りは比較的順調なスタートとなった」

「高島屋の主要5店、松屋銀座店、
イオンリテールの首都圏店舗などで、
昨年並みだった」

三越伊勢丹ホールディングスは、
昨年、3日からの営業だったが、
三越銀座店など首都圏の5店は、
初売り開始日を2日に前倒しした。

あべのハルカス近鉄本店は、
2日の午前4時から顧客が並び始めた。
開店前には約6000人の列。

イオンモールに出店する専門店などが、
約500万個の福袋を用意した。

埼玉県の越谷イオンレイクタウンでは、
開店前に約1万2000人が待った。

イオンリテールの約400店は、
元日から営業したが前年並み。

逆にイトーヨーカ堂の元日は、
全体で昨年をやや下回った。

スーパーマーケットなどが休業するので、
ちょっと増えるかと思ったが、
意外に変化は起きない。

大山鳴動して鼠一匹。

さて昨年12月30日の日経新聞。
連載「逆境の資本主義」

松原隆一郎教授。
現在、放送大学教授、東京大学名誉教授。
『消費資本主義のゆくえ』は、
サブタイトルが「コンビニから見た日本経済」
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私が㈱商業界で編集責任者をしていた頃、
雑誌にご登場願った。

流通にもプロレスにも詳しい。

この日経の記事タイトルは、
「AI時代、組織で知識生む仕組みを」
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まずAIの労働に及ぼす影響。

「AIを使い始めると
人がやることがなくなってくる」

なくなってくるというより、
減ってくる。

「決められたルールのなかで
問題を解く作業で人はAIに勝てない。
AIを使うルールを決めるのは
人が手掛けるとしても、
それはかなりの知識労働だ」

「その作業に特化しなければ
人が利益を稼ぎ出せないとなると、
現役世代分をまかなうだけの利益が出て、
賃金として配分できるかわからない。
AIの与えるショックは大きい」

ただし、今朝の朝日新聞、
「天声人語」

初釜やいまぞ生きよと富士の土
空青く子供育てし注連(しめ)飾りこれらの句を詠んだのは一茶。
と言ってもあの小林一茶ではない。
俳句を詠む人工知能「AI一茶くん」北海道大学の川村秀憲教授が、
3年前に開発した。「江戸から現代まで古今の名句と、
季語にちなむ写真を覚えこませた。
句題か写真を示すと、
それに即した俳句を詠むことができる」俳句のディープラーニングだ。「何十万もの既存の句を学び続け、
3カ月で味わい深い句を詠むようになった」

しかし1時間に14万もの句をひねり出す。

川村教授。
「残念ながら玉石混交です。
だれか人の手を借りて選ばないと、
多すぎて句会が台無しになります」

14万句から選ぶという知識作業は、
人間の達人がやらねばならない。

AIと人間との関係をよく示している。

松原隆一郎教授は強調する。
「知識労働は今後、一層、
クリエーティブにならなければ
稼げなくなるだろう」

しかしやがてAIが「この一句」を、
自分で選ぶ時代が来るかもしれない。

小売流通の仕事に関しては、
逆に大いに助かる部分が出てくる。
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組織づくりも変わる。
「互いに示唆を与え合い、
新しい発想を生み出すことができる
組織作りが重要になる」

つまり人間とAIが互いに作用しあう。

だからといって、
「必ずしもフラット化した組織が
求められるわけではない」

「中間管理職が
情報の伝達役や
抑圧的な上司にすぎないのなら
必要はない」

ミドルマネジメントの役割は重くなる。

「知識の触媒としての役割を
果たすことができる存在が必要になる」

知識の触媒。

私が唱える「知識商人」は、
知識と知恵を持ったうえで、
松原教授の言うように、
知識と知識の仲介役とならねばいけない。

しかしもともと日本は、
「組織で新しい発見を生み出してきた」

教授はトヨタ自動車を例に挙げる。
「上層部の指示を待たずに
現場で不具合を見つけて
解決する仕組みを生み出した」

「一方、米国のテーラー方式では
ホワイトカラーとブルーカラーが分離し、
上の指示に下が従うだけだった」

「日本にテーラー方式が
本格的に入ってきたのが00年代で、
正社員から非正規に
切り替えた時期と重なる」

ここでいう「00年代」は、
2000年代。

「現場は上に言われたことを
肉体労働としてこなすだけになった。
組織や人間関係のなかで
知識を生み出して利益をあげるという
日本の成功モデルが崩れてしまった」

古典的チェーンストア理論では、
ゼネラリストやスペシャリストと、
ワーカーとを峻別して、
ワーカーに完全作業を求めた。

これは「日本の成功モデルを崩した」

ああ。

最後にこの連載の本題。
日本の資本主義のあり方。
「株主や金融機関から資金を調達して
事業をするべき企業が
貯蓄主体になっている。
これは資本主義ではない」

「もともと日本企業は
株主への配当よりも事業投資を優先し、
借り入れ過剰の状態だった。
バブル崩壊後は逆に
過剰に後ろ向きになり、
負債を返し終えても
投資をしなくなった」

「日本はもっと、
世代交代を進めるべきだ」

賛成だ。
国のトップを含めて。

「将来
何が起こるか分からないところで、
投資してうまくいけば
リターンを得る仕組みが
資本主義だ」

したがって、逆に、
「失敗したら結果責任をとるべきだが、
不確実なことに対して
責任を取る人がトップでなければ
世代交代が進まず、社会が停滞する」

現在の日本の社会や組織の問題を、
リスクを負うことと世代交代だという。

昨年の商人舎標語。
そして[Message of January]
「リスクを冒せ。」
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時代が大きく変わるときに、
仕事にも経営にも
求められるものがある。
それはリスクを恐れないことだ。
リスクを冒すことである。

「経済活動とは、現在の資源を未来に、
すなわち不確実な期待に
賭けることである。
経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

このピーター・ドラッカーの言葉は、
大きく変貌を遂げる2019年に、
心と頭と体に
自覚させておかねばならない。
――リスクを冒せ。

〈結城義晴〉

2020年01月03日(金曜日)

今年の商人舎標語「世のため、人のため」と「己のため」の意味

三が日までは年賀状でご挨拶。
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日本では、
「おめでとうございます」という。

「目出度い」と書くが、
これは当て字。

「愛でたい」が本筋で、
実用日本語表現辞典では、
「たいへんよろこばしく、
また幸せを感じているさま。
祝うべき様子」

英語は、
“Happy New Year”
あなたの新年が幸せでありますように。

日本語にすると、
「良いお年を」の感じ。

フランス語では、
“Bonne année”
シンプルだ。

Bonneは良い、
annéeは年。
つまり「良い年を」

西洋人は、
「あなたにとってよい年を」
「あなたの新年が幸せでありますように」

日本人は、
世間一般に「幸せでありますように」
「喜ばしいことですね」

言葉にその国や地域の考えが表れる。
西欧人は個人を優先する。
日本人は社会、集団、組織を考える。

今年の商人舎標語は、
「世のため、人のため」
これは極めて、
日本的な概念に見えるかもしれない。

しかし一方で、
日本の近江商人の三方良しは、
売り手良し、買い手良し、世間良し。

言い換えると、
私良し、あなた良し、天も良し。

考えてみるとこれは、
欧米的な思考法だと言える。

だから日本人にとって、
新鮮に感じられるのかもしれない。

それとも、
商売というのは、
初めから「個人的」「わたくし的」なもので、
だから近江商人はあえて、
自分の生業(なりわい)を、
社会的なものと位置づけた、
と考えられるかもしれない。

月刊商人舎2019年10月号。
[特集]Big Data×Marketing4.0
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[Cover Message]
令和と元号が変わった。若い象徴天皇が誕生した。消費税は4度目の増税で10%となった。初めての軽減税率が導入された。キャッシュレス決済がいよいよ広がっていく。ポイント制度は日本人のDNAとなりそうな勢いだ。置いてけぼりを残しつつ、変化は急進する。そしてその変化がまた「ビッグデータ」を膨大なスケールで変貌させる。こまごまとした事象の、無数とも言える変化。そのデジタル化されたデータは、こまごまと無数に近く記録され、活用を待っている。日本の流通産業はいまだマーケティング2.0の段階であるにもかかわらず、神様フィリップ・コトラーはマーケティング4.0のデジタル世界を喝破し、象限だけは4.0へと進む。この混沌こそが2020年へ向けた大潮流の本質である。そこで焦点となる「データドリブン経営」と「生活ルネサンス」を提案しよう。

お陰様で完売です。
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その[特集のまえがき]
Marketing4.0の時代観と価値観
201910_yuuki
この記事の中で冒頭に紹介したのが、
マーケティングの発展的なコンセプト。
5段階説。
⑴生産志向コンセプト
(2)製品志向コンセプト
(3)販売志向コンセプト
(4)顧客志向コンセプト
(5)社会志向コンセプト

マーケティングそのものが、
西欧的な考え方だが、
そのマーケティングも、
「個人」から「社会」へと、
発展する。

「三方良し」の思考回路と同期している。

だから今年の標語、
「世のため、人のため」こそ、
究極のマーケティングということになる。

ただし、大事なことは、
マーケティングコンセプトの発展は、
前段階を捨ててしまう考え方ではない。

前段階を包含しつつ、
進化発展する。

製品志向コンセプトは、
生産志向コンセプトを併せ持つ。

販売志向コンセプトは、
生産志向+製品志向を前提とする。

顧客志向は、
生産+製品+販売をベースとする。

そして社会志向は、
生産+製品+販売+顧客志向の上に、
構築されるものである。

しかし私は考えた。

世のため、
人のため。

(おのれ)のため。

マーケティングの発展説は、
循環するのではないか、と。

振り子が「己のため」の極点まで行くと、
また「世のため、人のため」の極点へと、
ゆっくりと振れていく。

つまりマーケティング発展説も、
アウフヘーベンの繰り返しで、
循環していくのではないかと。

それが今年の標語の意味するところだ。

〈結城義晴〉

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