結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年11月02日(水曜日)

11月標語「売上高は人材に比例する」と「市場のような組織」

11月に入って今日は、
横浜でも12月並みの寒さ。

一気に晩秋の趣き。

「秋の歌(落葉)」
ポール・ヴェルレーヌ
(Paul Verlaine)

Chanson d’automne  

Les sanglots longs
Des violons
De l’automne
Blessent mon coeur
D’une langueur
Monotone.

Tout suffoquant
Et blême, quand
Sonne l’heure,
Je me souviens
Des jours anciens
Et je pleure.

Et je m’en vais
Au vent mauvais
Qui m’emporte
Deçà, delà,
Pareil à la
Feuille morte.

上田敏の翻訳が素晴らしい。
「落葉」     

秋の日の
ヰ゛オロンの
ためいきの
ひたぶるに
身にしみて
うら悲し。

鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。

げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。
(『海潮音』より)

 紅葉 6
堀口大學の翻訳もいいし、
金子光晴や窪田般彌もいい。

けれど私は断じて、
上田敏を支持する。
この「落葉」に関しては、
上田の前に上田なく、
上田の後に上田なし。

味わいたい。

さて、11月の商人舎標語は、
[Message of November]
売上高は人材に比例する。

人手が足りない。
店が回らない。
猫の手も借りたい。

人が辞める。
人は集まらない。
派遣の手も借りねばならない。

しかし小手先の細工で、
人を募集しようとしても、
思うような成果はあがらない。

ここは安倍晋三に先駆けて、
「働き方改革」を進めねばなるまい。
人材マネジメントを確立せねばならない。

働きがいのある店に人は集まる。
良い職場に人は定着する。
最良の会社で人は育つ。

かつてのチェーンストアでは、
売上高は売場面積に比例した。
企業規模は店の数によって評価された。

しかし現在の小売りサービス業では、
売上高は人材に比例する。
企業価値は人材の数と質によって決まる。

だからこそ、急がば回れ。
一歩一歩、働き方を改革する。
その改革のスピードを上げていく。

それが企業存続の唯一絶対の条件となる。
いま、小売りサービス業を救うのは、
戦略的に人的資源をマネジメントすることだ。

未来を築く力を生み出すのは、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである。
〈結城義晴〉

渥美俊一先生は、
標語のようなものは残さない人だった。

それよりも論理性と情報量で、
圧倒しながら説得するタイプ。

たいていの学者やコンサルタントは、
そちら側の人だ。

一方、倉本長治先生は、
たくさんの言葉を残した。
一つひとつの言葉が、
人々の心を揺さぶった。

ヴェルレーヌや上田敏のように。

ピーター・ドラッカーは、
どちらもできる人だった。

その理論派の渥美先生が、
珍しく残したスローガン。
「売上高は売場面積に比例する」

それが間違っているわけではない。
完全な時代錯誤というわけでもない。
しかし今は、
「売上高は人材に比例する」

私はそう思う。

時代は変わった。

今日はその月刊商人舎11月号の大詰め。
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頑張ります。

さて、今日の糸井重里の『ほぼ日』
作家・塩野米松さんが、
「ほぼ日」のオフィスにやってきて、
ドアを開けた瞬間の感想を述べた。

「ここは市場みたいだと
思いました」

この市場は「いちば」

糸井はこの言葉に、
ひどく喜ぶ。

「だれかに
使われているという感じでなく、
ひとりひとりの人たちが、
じぶんの頭とからだを使って、
くるくると動き回っている、
そんな印象なのだ、と」

「そういう仕事場、
ぼくの理想かもしれない」

まったくの同感。

「山の人は山のものを、
海の人は海のものを、
その場に持ち寄って、
交換をするのが市です」

「煮たり焼いたり練ったりして
市に参加する人もいる。
編んだり織ったり磨いたり
削ったりの人もいる。
やり手もいるし、
どこか覚束ない動きの人もいる。
大声があったり、
ひそひそ声があったりもする。
なにやら相談もあるし、
言い争いだってあります」

市場の表現が的確だ。

「ぼくのイメージする
市場のようすは、
生きものが動き、
ぶつかりあう場面そのものです」
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「ほぼ日」の社内の感じが、
市場に似ていると聞いて、
「まず光栄ですし、
やったねという気持ちになりました」

本当にうれしそう。

商人舎オフィスも、
そうありたいなあ。

「いま、会社をはじめとする
組織のあり方や、
働き方についての考えが、
大きな変わり目にあります」

それが月刊商人舎11月号の特集テーマ。

「変化していくべきところ、
安定が望まれているところ、
主観、客観、規則、自由、
競争、平等、利益、貢献、
いろんな要素が複雑に入り混じって、
考え方の満員電車みたいな
状態にあるんじゃないかな」

糸井は言う。
「市場の創造」を実現する
「市場」を創造していく‥‥?

みなさんの組織やオフィスや店も、
「市場」のような雰囲気であってほしい。

市場のような組織風土が、
実際の市場たる店を高める。

それでいい。

十分に詩的でもあります。

〈結城義晴〉

2016年11月01日(火曜日)

イトーヨーカ堂販売冷凍商品「O157検出」とダブルギャランティ

今日から11月、霜月。
Novemberは、
ローマ暦で9番目の月。

2016年のうるう年も、
あと、2カ月で終了。

まだまだ、
ご苦労様だとか、
お疲れ様だとか、
そんな言葉をかける時期では、
まったくないけれど、
ああ、あとふた月か、
といった感慨はある。

朝日新聞『折々のことば565』
鷲田清一編著。

人生山あり、
海ありですよねえー
(都はるみ/長嶋茂雄)

「都はるみさんは
長嶋茂雄さんのラジオ番組に招かれ、
彼のこの発言に唸るように共振した」

実に愉快。

「『谷』に突き落とす重力ではなく、
体を押し上げる『海』の浮力に
うまく乗るお二人の、
つねに向日的な思考がまぶしい」

私たちも11月、12月を、
こんな「浮力」をもつ向日的思考で、
乗り切りたい。

さて、NHKの朝のニュースが報じた。

「冷凍メンチカツからO157検出」
平塚市の食肉販売会社「肉の石川」。
その冷凍食品のメンチカツを食べた17人が、
腹痛などの症状を訴えた。
このうち子ども2人が重症、
入院している。

保健所の調査では、
全員の体内と販売前の製品から、
O157が検出された。

販売したのは、
イトーヨーカ堂の26店舗。
店はいずれも神奈川県と千葉県にある。

この26店舗に、
2010個が納入され、
販売された。

イトーヨーカ堂では、
この製品の自主回収を進めている。

肉の石川の石川嘉男代表取締役。
「多大なるご心配をおかけしたことを
心からおわび申し上げます」

心配をかけたことを詫びる前に、
重症や腹痛を引き起こし、
顧客に迷惑をかけたことを、
まず謝罪せよ。

「販売しているメンチは
十分な加熱が必要な商品で、
規定の調理方法にのっとって
調理していていただければ
問題がありません」

「しかしながら具材が
生肉であることを明示することや、
調理方法をもっと
わかりやすく表示することを
もっと事前に行うことができれば、
このような事態が
防げた可能性があると思うと
悔やまれてなりません」

ん~。

お詫びになっていない。

O157は、腸管出血性大腸菌で、
O抗原が157番の大腸菌。
ベロ毒素を産生する病原性大腸菌で、
感染によって消化器系食中毒症状を起こす。
重篤な全身症状を引き起こすこともある。

十分な加熱で規定の調理方法に則れば、
問題ないとは言えない。

1996年の5月28日、
岡山県瀬戸内市邑久町の学校給食から、
O157食中毒事件が起こった。

私は㈱商業界『食品商業』編集長だった。
雑誌の表紙を急きょ、
カイワレ大根の缶詰でデザインして、
特集を組んで注意を促した。

「具材」や「調理方法」を、
「もっとわかりやすく明示」とするならば、
小売業の販売責任も問われよう。

イトーヨーカ堂のホームページには、
以下のように告知されている。

! 重要なお知らせ
「肉の石川 メンチカツ」を

ご購入されたお客さまへ

「イトーヨーカドーでは既に
当該商品を売場より撤去しておりますが、
保健所の指導に基づき、
お客さまのお手元に
当該商品がございましたら、
現品、または、お会計時のレシートを
ご購入いただいた店舗に
お持ちいただきますよう、
お願い申し上げます。
お品代をご返金させていただきます。
お客さまには
多大なご迷惑をおかけすることを
心よりお詫び申し上げます」

これもお詫びになっていない。

まず、謝罪。
そして補償。

お詫びの言葉や文面に、
ほんのちょっとでも、
官僚的な臭いが漂ってはならない。

誠心誠意、謝罪する。

イトーヨーカ堂のDNAには、
そんな誠心誠意の社風があるはずだ。

私はかねてから、
こういった場合には、
ダブルギャランティ以上のことを、
即座になすべきだと、
主張している。

さて昨日10月31日は、
ハロウィン。
東横線の車内。
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楽しそうだった。

ハロウィンが終わって、
今日は一日、
横浜商人舎オフィス。

ランチはカレーハウス。
「スパイス・ガーデン」
自慢の特大サイズのナン。
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私は温玉キーマカレー。
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そしてドリンクは、
マンゴーラッシー。
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満足して、
入稿業務に勤しむ。

最後に、11月のスケジュール。
今週は月刊商人舎11月号の入稿・責了。

土日曜は福岡で、
亡父の三回忌。

来週火曜日の8日からアメリカ出張。
19日の土曜日に帰国。

21日月曜日は、
大陳コンテスト審査委員会。

21・22日は伊豆で、
合宿コンサルティング。

23日が勤労感謝の日で、
その後はもう、
月刊商人舎12月号の入稿。

今月も、
『少しだけ無理をして生きる』
城山三郎著・新潮文庫。

城山はかつて、
一橋大学の先輩作家・伊藤整から、
言葉をかけられた。

「あなたはこれから先、
プロの作家としてやっていくのだから、
いつも自分を少しだけ
無理な状態の中に
置くようにしなさい」

城山は考える。
「自分を壊すほどの
激しい無理をするのではなく、
少しだけ無理をして生きることで、
やがては大きな実りをもたらしてくれる」

「知らず知らずのうちに、
元の自分では考えられないほど、
遠くまで行けるかもしれない。
自分の世界が思わぬ広がりと深みを
持てるかもしれない」

その通りだと思う。

11月も、これで行こう。
私は、そう決意する。

〈結城義晴〉

2016年10月31日(月曜日)

日本海運3社コンテナ事業統合の赤字オールジャパン

Everybody! Good Monday!
[2016vol44]

2016年第45週です。
今日が10月31日の
ハロウィン。
明日から11月。

2016年もあと8週。

なぜか、心の中が、
そわそわしてきます。

たとえてみれば、
テキサス州ダラスから、
ニューヨーク州マンハッタンに、
着いたときの気分。

しかし、それにしても、
ハロウィンの仮装。
妙な日本での盛上がりです。

アメリカでは子供たちが主役。
悪魔払いの年中行事。

日本では若者らが仮装を楽しむ祭。
“聖地・渋谷”は深夜まで、
ハロウィン仮装の渦ができる。

もちろんマンハッタンでも、
グランドセントラル駅などに、
仮装の若者が集まり、
タイムズスクエアでは、
同じような渦ができる。

文化の爛熟期なのか、
それともその退廃期なのか。
次の文化への移行期なのか、
新しい文化の創造期なのか。

いずれにしても商人にとって、
そんな時期は例外なく、
大いなるチャンスのときだ。

ど真ん中に入りこんで、
それを感じ取る。
楽しむ。

そこから新しいビジョンが、
生まれたりする。

さて、プロゴルファー松山英樹。

男子ゴルフ世界選手権シリーズ、
HSBCチャンピオンズで優勝。
通算23アンダーの265。

上海で行われたこの大会は、
準メジャーの位置づけだ。

世界主要ツアーによって、
1999年に創設されたこのシリーズで、
個人戦優勝は日本勢初。

現在、世界ランク10位の松山。
これで間違いなく、
一桁順位にランクされる。

来年のメジャー制覇へ、
一歩前進と考えていいだろう。

プロ野球日本シリーズは土曜日に、
北海道日本ハムファイターズが、
優勝を決めた。

最後は第7戦で、
大谷翔平の投球を、
見たかった気もするが。

一方、メジャーリーグ。
ワールドシリーズは、
シカゴ・カブスが第5戦を勝って、
クリーブランド・インディアンズに、
2勝3敗。

面白くなってきた。

11月に入ると、
夏のスポーツも、
終盤戦を迎えて、
これもそわそわさせられる。

しかし秋も深まっていく。

蓑虫の淋くなれば顔を出す
〈朝日俳壇より 名古屋市・中野ひろみ〉
(長谷川櫂の選評)
淋しさに耐えている者はいないか。
外をうかがう蓑虫(みのむし)。
寂しげな顔(?)が目に浮かぶ。

背を伸ばし足を延ばして秋の声

〈朝日俳壇より 西宮市・近藤六健〉
秋にはそんなところがある。
久しぶりに日経俳壇より。
がんばるばいがんばるけんと障子張る
〈黒田杏子選 阿蘇・井澤俊子〉

阿蘇の人たち、
熊本の人たち、
応援しています。

さて、定期コンテナ船事業が統合。
日本郵船と商船三井、
それに川崎汽船。

三占状態。

来年7月に、
3社共同出資の新会社が設立され、
事業は移管される。

商船三井の池田潤一郎社長。
「競争力のある
オールジャパン企業が
誕生する」

新会社の船隊規模は世界6位で、
世界の全需要のうち7%シェア。

コンテナ船積載量世界ランキングは、
第1位がデンマークの
マースクライン。

A・P・モラー・マースクの中核企業。
マースクは海運コングロマリットで、
海運業界のガリバー。
Fortuneのグローバル500で、
240位の年商403億ドル。

マースクラインのシェアは16%。

世界第2位はスイスのMSC。
メディタレニアン・シッピング・カンパニー。
海のない国の海運会社が第2位。
イタリアに本拠があるから。
そのイタリアには、
かつてヴェネチアの伝統が残る。
シェア14%。

第3位はフランスのCMA CGM。
こちらは1996年に、
フランスのCMAとCGMが経営統合。
2005年にはさらに、
フランスのバルマスも糾合。

第4位は台湾の、
エバーグリーン・マリンで、
第5位は中国遠洋(コスコ・グループ)。

日本の3社はこの次に入ってくる。
アメリカもイギリスも、
ドイツも上位にはない。

世界の海運業の潮流は、
国内統合、国際統合だ。

だから三菱グループの日本郵船と、
三井グループの商船三井が、
コンテナ船事業だけでも、
経営統合する。

ちなみに現在の6位は、
ハパックロイド+CSAV。
2014年2月にドイツのハパックロイドと、
チリのCSAVが経営統合している。

池田さんには悪いが、
オールジャパンといっても、
競争力があるわけではない。

2017年3月期見通しは、
日本郵船が連結最終損失2450億円、
商船三井も30億円の赤字、
川崎汽船も940億円の赤字。

合わせて3420億円の、
赤字オールジャパン。

1995年には、
日本郵船が世界第5位、
商船三井が7位、
川崎汽船も11位だった。

この20年の失われた日本。
妙な喪失感もある。

しかし総合商社は、
世界の第5位までを日本が独占し、
そのトップの三菱商事は、
2017年3月期に3200億円連結黒字。

弱者連合は統合し、
強者たちは競争する。

それがくっきりと出てきた。

さて、今日は一日、
横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎11月号の入稿、執筆。

明日も明後日もそれは続き、
水曜日が責了。

その今日、
2冊の機関誌が届いた。
O
AJSネットワークと、
明治マーケティングレビュー。

どちらも9年近く、
連載を書き続けている。

前者のタイトルは、
「チェッカーズの笑顔が見たい」

後者は、
「ウォルマート対アマゾンの
空中戦、その後」

お手元に届く方は、
ご愛読をお願いします。

今日の商人舎マガジン

Weekly商人舎の、
日替り連載・月曜朝一。
2週間販促企画。

Daily商人舎は、
9月の家計調査。

消費支出は平均で、
26万7119円、7カ月連続減少。
食品は6万9425円、2カ月連続減。
野菜・海藻8770円、
果物3001円、
魚介類5667円、
肉類6724円、
そして調理食品9012円。
外食費は1万1172円。

服飾が8129円。

家計調査の大体の感覚。
青果部門が1万2000円、
外食が1万1000円、
惣菜が9000円、
肉が6500円、
魚が5500円。
そして衣料費が8000円。

そんなところ。
このくらい、
頭に入れておきたい。

最後に今月の商人舎標語を、
復習しておこう。

今日で終わりだけれど。

実行せよ、実行せよ、
実行せよ。

仮説を立てる。
実行する。
検証する。
改善して実行する。

Plan⇒Do⇒Check⇒Act。
計画、実行、評価、改善。
エドワーズ・デミングらの提唱。
成果を上げる黄金のサイクル。

DATAを活用するときには、
このPDCAサイクルは必須だ。
Big DATAを活用するときには、
PDCAサイクルは高速回転する。

トヨタのカンバン方式も、
セブン-イレブンの単品管理も、
ユニクロのSPAも、
PDCAの実現度で群を抜いたものだ。

しかし、言葉は恐ろしい。
「仮説・検証」が独り歩きする。

仮説を立てる。
実行する。
検証する。
改善して実行する。

重要なのは、
二番目と四番目である。
実行する。
改善して実行する。

Practice comes first!
実行第一、実践躬行。
「仮説・検証」を言い続けた鈴木敏文は、
毎週の業革会議で実行の徹底を求めた。

言葉は恐ろしい。
「仮説・検証」だけが独り歩きした。

だから仮説せよ。
実行せよ、実行せよ。
検証せよ。
改善して実行せよ、実行せよ、実行せよ。

では、みなさん、
Practice Comes First!

今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2016年10月30日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その22】大塚国際美術館

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は美しいものの裏側を見る。
そんな猫の目で見る博物誌――。
美術館シリーズ第2弾。

日本が世界に誇るミュージアム。
それは大塚国際美術館。
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徳島県鳴門市の鳴門公園内にある。
陶板複製画を中心とした博物館。

1998年開設。

延床面積2万9412m²で日本第2位。

世界三大美術館。
フランス・ルーブル美術館は6万㎡、
メトロポリタンは5万6600㎡、
ロシア・エルミタージュは4万6000㎡。

ルーブルの半分くらいで、
これはまさに国際級。

世界25カ国・190余の美術館所蔵の、
絢爛たる名画が1075点。

大塚オーミ陶業㈱開発の特殊技術によって、
名画を陶器の板に原寸で焼き付けたもの。

陶板複製画は災害に強い。
光による色彩の退行にも非常に強い。
2000年以上にわたって、
そのままの色と形で残る。

だから写真撮影が可能。
直接、触ることもできる。
屋外に展示しても、変色しない。

展示室は5フロア。
地下3階から地上2階まで。
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展示手法の特徴は3つ。
第1が環境展示。
環境空間を再現する。

第2が系統展示
古代から中世、ルネサンス、バロック、
そして近代から現代まで。

ここでは美術史的に理解できる。

そして第3がテーマ展示。 
人間にとっての普遍的主題ごとに集められる。

複製は「完全コピー」
それを陶板に焼き付けた。

入り口を入ると、
長いエスカレーター。
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地下3階から展示スタート。

トップバッターは、環境展示。
システィーナ礼拝堂
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バティカンの礼拝堂の再現。
天井画と壁画は見事。
もちろん作者は、
ミケランジェロ・ブオナローティ

上階の地下2階から見下ろすと、
礼拝堂そのものが再現されている。
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天井画の中央には、
神によるアダムの創造。
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そして天国と地獄。
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中央はミケランジェロ自身の投影画。

天井画の中のマグダラのマリア像。
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その現物が地上に展示される。
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近くに寄って見る。
横に広がった絵柄となっている。

横長の鏡に、
自分の姿を映したごとし。

これを天井に据えると、
下から見て自然な姿となる。

ミケランジェロは天井に、
そこまで計算して、
横に広がった絵を描いた。

地下3階には、
「フェルメールの部屋」
バロック時代のオランダの画家。
ヨハネス・フェルメール。

牛乳を注ぐ女。
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手紙を読む女。
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部屋の右サイドにある。

左サイドは、
デルフトの小路。
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この絵がいい。

デルフトの眺望。
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そして真珠の耳飾りの少女。
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別名、青いターバンの少女。

地下3階には環境展示が多い。
エル・グレコの部屋。
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上階のフロアから見る。
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聖マルタン聖堂。
その壁画。
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これも環境展示の、
聖ニコラウス・オルファノス聖堂。
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屋外展示の貝殻のビーナス。
外光にも強い陶板だからこれができる。
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そして圧巻は、
屋外のクロード・モネの水蓮。
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パリ・オランジュリー美術館所蔵の大作。

地下3階は古代、中世の環境展示。
地下2階のルネサンス。

ルートの最初に出てくるのは、
「受胎告知」の展示。
世界各地の美術館に点在する名画が、
集中的に鑑賞できる。

レオナルド・ダ・ビンチの受胎告知。
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ティントレットの受胎告知。
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天使ガブリエルが聖母マリアに、
イエスを身ごもったことを告知する図。

そしてルネッサンス期の天才、
ラファエロ・サンティ。
有名なアテネの学堂。
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中央はプラトンとアリストテレス。

その対面に、これも大画、
ラファエロの聖体の論議。
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ルネサンスの秀才、
サンドロ・ボティチェリ。
その代表作2点がある。
ラ・プリマべーラ(春)。
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チェーザレ・ボルジアが私蔵して、
ベッドサイドに飾った。

ビーナスの誕生。
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ボティチェリは、現代画としてみても、
秀逸の斬新さ、繊細さをもつ。

地下2階の愁眉は、
最後の晩餐。
もちろん、
超天才レオナルド・ダ・ビンチ。
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この美術館全体の価値を高める展示。

この1498年製作の巨大絵画は、
1999年に修復されて、
原画の美しさが再現。

その修復前と修復後の絵画が、
対面に並んで展示され、
それらを比較鑑賞できる。

これこそ本物を超える展示。

地下1階のバロックに移って、
大工の聖ヨゼフ。
ラ・トゥール作。

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レンブラント、べラスケス、
リューベンスと並んで、
最後はフランシスコ・デ・ゴヤ。
着衣のマハと裸のマハ
これも並んで展示。
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素晴らしい。

地下1階には、
その後の近代の印象派まで、
よだれが出るほどの名作ぞろい。

ただし、印象派などの小型絵画は、
ちょっと陶板では物足りない。

接吻
グスタフ・クリムト。
オーストリア美術館蔵。
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家族。
エゴン・シーレ。
これもオーストリア美術館。
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そしてこのフロア最後は、
エドヴァルド・ムンク作品群。
ノルウェーの画家。
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病める子、メランコリー、
そして叫びと続く。
そのなかの思春期。
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2階は現代画。
モディリアニ、ユトリロ、ピカソ、
シャガール、マティスから、
現代抽象画まで。

最後に1階に下りて、
テーマ館。

ピカソのゲルニカがすごい。
陶板画としても秀作。
20110816203635.jpg

ポール・ゴーギャン。
長いタイトルの大作。
われわれは何処から来たのか?
われわれは何者であるのか?
われわれは何処へ行こうとしているのか?

20110816203648.JPG
この絵とこのテーマだけは評価している。

そして最後の最後は、
キリストの磔刑(たっけい)。
20110816203659.jpg
ディエゴ・ベラスケス。

エドゥアール・マネは、
スペインのベラスケスを、
「画家中の画家」と呼んだ。

複製画の美術。
いわば究極の模倣。

しかし模倣から、
新しい価値が生み出されると、
それには大きな評価が下される。
ただの模倣は真似に過ぎない。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目はそれを正しく見ている。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2016年10月29日(土曜日)

ボブ・ディランの“I’m right here, I’m Not There.”

“Well, I’m right here”
「俺はここにいるさ」112292401-bob-dylan-large_trans++_NJ62v2ZFDvrR1Z2dUS5zC6cK4NgNgQiuwxJtzM-s6A

ボブ・ディランが、
沈黙を破って発言。

イギリスのThe Telegraph。
その電子版の記事。
World exclusive。

タイトルは、
Bob Dylan
I’ll be at the Nobel Prize ceremony
… if I can
「可能ならば、
ノーベル賞セレモニーに出るよ」

うれしいニュース。

ジャン=ポール・サルトルのように、
拒否するのも、
ディランらしいかもしれないが。

記事にはある。
Dylan confides,
“amazing, incredible.
Whoever dreams about something like that?”
「素晴らしい、信じがたい。
だれが夢見るだろう、
こんなことを」

率直に喜んでいるのが、
また、いい。

オクラホマ州でコンサートツアー中、
インタビューに応じた。
逃げも隠れもしていなかった。

ノーベル賞事務局が、
会いに行かなかっただけ。

記事の中に、
ディランの絵が掲載されている。
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Theater, Downtown LA by Bob Dylan

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Endless Highway 3
by Bob Dylan

112309705_dylan_art-large_trans++ul3cbh_MppG0d2mmKYF7sag2i2iQLur4US4VmqwefxE
Classic Car Show, Cleveland, Ohio
by Bob Dylan

これらも、なかなかいい。

ところで冒頭の言葉。
連想されるのは、
2007年のアメリカ映画。
“I’m Not There”

監督はトッド・ヘインズ(Todd Haynes)。
ボブ・ディランの伝記映画。

脚本もトッド・ヘインズ。

6人の俳優が、
成長するディランを演じ分けた。

第64回ヴェネツィア国際映画祭で、
審査員特別章受賞。

映画では、
“I’m Not There”

ノーベル賞受賞のときには、
“I’m right here”
映画に呼応した返答だった。

洒落ている。
わかる人には。

しかし、よかった。

今日の私は、
本当に久しぶりに、
完全休養。

一歩も外に出ずに、
映画を見たり、
本を読んだり、
パソコンに向かったり。

Wowowで
昨年夏の『ミッション:インポッシブル』
「ローグ・ネイション」を放映していた。
レベッカ・ファーガソン。
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スウェーデン人女優。
いいなあ、実に。

ところで、
球聖ボビー・ジョーンズ。
「ゴルファーにとって
もっとも難しいのは、
“精神のうえで”常に、
目をさましていることである
〈『ゴルフの神髄』より〉

つまり、いつも、
もう一人の自分をもつこと。
そのもう一人の自分が、
現実の自分をみていること。

それが「目を覚ましていること」だ。

これは、
“I’m Not There”
と考えることもできるだろう。

おなじタイトルの、
『ゴルフの神髄』という本。
日本の故中部銀次郎が書いている。

いちばん多い質問。
「上手になるうえで、
一番大事なことは、
なんですか」

中部はよく考えて、
こう答えることにしていた。
「とにかく、
自分自身を知ることです」

これはディランに言わせると、
“Well, I’m right here

久しぶりの私の休日。
私もまさしく、こうだった。
“Well, I’m right here,
I’m Not There.”

〈結城義晴〉

2016年10月28日(金曜日)

結城義晴ドクターズ杯優勝と糸井重里の「魔法は使えない」

グレートアイランド倶楽部。DSCN9617-6
開業1993年の会員制ゴルフリゾート。
設計は故本庄正則さんと戸張捷さん。
本庄さんは㈱伊藤園の創業者。

上の写真は18番ホールだが、
17番と18番はグリーンの左側に、
池が待ち構える。

伊藤園レディスが開催される、
チャンピオンコース。

その今年の伊藤園レディスは、
11月の11・12・13日に開催される。

昨年はイ・ボミが優勝。

そのグレートアイランド倶楽部を舞台に、
伊藤園レディスに先立って、
「ドクターズ杯」
が開催される。

スーパーマーケット経営者の、
小さなゴルフコンペ。

マスターは修士のことで、
ドクターは博士のこと。

つまりドクターズとは、
あの「マスターズを超えるもの」
という意味。

不肖、結城義晴の命名。

その第15回マスターズ杯。
前夜祭も盛り上がった。IMG_9812-6

1番ホールは、
フラットな342ヤードパー4。DSCN9613-666

1日ラウンドして、
最後はちょっと雨模様。

それでも、実に快適な秋のゴルフ。

私が第2回に続いて、
二度目の優勝。

アウト42、イン39の81。
自分としては驚異的なスコアとなった。

ハンディキャップ制のコンペだが、
私は今回、ハンディ17で回ったので、
ネット64。

次回は一気にハンディ6になる。

準優勝の神崎彰道さんと握手。
IMG_9815-6
神崎さんは第1回優勝者で、
㈱千葉薬品代表取締役社長。

神崎さんは、
伊藤園ディス・プロアマの晴れ舞台、
17番ショートホールで、
ホールインワンを達成した達人。

今日は神崎さんと、
一緒のパーティでラウンドして、
先導してもらった。

心から感謝したい。

しかし結城義晴のゴルフ、
まだまだです。

技術を磨き続けねばならない。

ちなみに私は、
短くて重いクラブを持っている。
DSCN9623-6
一番上の黄色いシャフトのクラブ。
その下はピッチングウェッジと、
7番アイアン。

アメリカ出張の際も、
この短い素振り用クラブを、
トランクに入れて持ち歩き、
ホテルの部屋で素振りする。

技術を上げるには、
不断の努力がいる。

さて日経新聞『私の履歴書』の今月は、
プロゴルファー樋口久子。
その第17回は、
「全米女子プロ 悲願のメジャー初優勝」

「米ツアーでもメジャー大会は特別だ。
コース設定は厳しいし、
選手の意気込みもふだんとは違う。
張り詰めた雰囲気が漂っている」

1977年6月の全米女子プロ選手権。
サウスカロライナ州の
ベイツリー・ゴルフプランテーション。

初日、樋口は4位。
2日目は、
「ベストスコアの5アンダー、
67をマークして首位に並んだ」

3日目は、ドタバタで焦りながらも、
パープレーでしのぎ、
首位グループに踏みとどまった。

運命の最終日。
「今日こそ
リーダーボードを見ないで
回ろう」
最終組でスタート。

プレッシャーもなく、
前半で2打伸ばす。

しかし、
「16番からしびれて
体が思うように動かない」

「ティーショットは当たり損ねで、
難しい3番アイアンの距離が残った」

「よりによって、こんな場面で」
「自分が試されているような気がした」

「当たりは薄かったが、
バンカーのへりではね2オンし、
パーでしのぐ」

魔法か、奇跡か。

17番パー3は、
4番アイアンで乗せパー。

18番パー5は、
「ドライバーショットでしびれて右林へ」

樋口は、しびれてばかり。

「木の根元だったが、
運良くスイングできた。
グリーン右サイドには
林の中からクリーク(小川)が流れ、
池が待ち構える。
左バンカーの手前に刻み、
得意の9番アイアンのハーフショットで
ピン左2メートルにつけた」

グリーンに上がりボードを見た。
2位に3打差をつけ、トップ。

「3パットでも勝てる」

「同組の2人が、
プレーを終えるのを待つ間、
いろんなことが走馬灯のように
頭をよぎった」

そのパットを沈めて、
通算40勝目。
樋口は述懐する。
「一瞬、
『これでゴルフをやめてもいいな』
と思った」

このメジャー優勝は、
男子も含めて日本人初。
その後も誰も達成していない金字塔。

私のドクターズ優勝など、
較べるべくもないが、
しかし少しだけ、
樋口とおなじ、
「しびれ」のようなものを感じた。

ああ、快感。

糸井重里の『ほぼ日刊イトイ新聞』
その10月12日の巻頭エッセイ。

「魔法」についての考察。

「魔法は使えないという前提で、
ものは考えないといけない」

「できることはできるし、
できないことはできない」

「偶然はある。
偶然はあるから、
それがあるとして考えてもいい」

偶然は多くの場合、
私たちを助けてくれる。

「奇跡でさえ、ないわけではない。
ないわけではないけれど、
それはあるのほうに
勘定していてはいけない」

そう、奇跡を、
勘定に入れてはならない。

「すばらしい能力というものはある。
ふつうじゃない力を発揮する人はいる。
そういうチームもあるかもしれない。
その人や、そのチームが、
そこにいるのかどうかが問題だ」

そう、すばらしい能力は、
それをもつ人がいなければならない。

「事実を見るようにする。
事実ではなく、
真実を語ろうとしてはだめだ。
真実は、よく嘘つきが
語ろうとするもの」

そう、嘘つきは、
事実を見ない。

嘘つきは、
真実を語るがごとく、
根拠のないトレンドなど、
ひけらかす。

「魔法は使えないのだ。
魔法の練習をすることさえも虚しい」

魔法のようなことを、
真似するのも、
練習するのも、
実に虚しい。

「大地に落ちたどんぐりが、
大樹になることはあるけれど、
それは魔法のせいでもなければ、
偶然でも奇跡でもない。
そういうふうにできていることだ」

そういうふうにできている。

「どんぐり一個をどうするかは、
どんぐりと、あなたとの相談だ」

「さて、なにがしたい、
なにができる。
生まれたときから死ぬまで、
ずっとそれが問われているのだけれど、
人は、まだ魔法をあてにしている」

魔法をあてにしてはならない。
魔法は使えない。
肝に銘じよう。

「人から魔法に見えるようなことは、
魔法じゃなくて技術さ」

そう、それが技術だ。
技術は研鑽し、
磨き上げる能力である。

すぐに役立つことは、
すぐに役立たなくなる。(橋本武)

〈結城義晴〉

2016年10月27日(木曜日)

関西スーパー&H2O資本業務提携と商人の本籍地・現住所

関西スーパーが、
エイチ・ツー・オーリテイリングと、
資本業務提携する。

日経新聞が報じて、
両社がホームページ上で、
ニュースリリースとして発表した。

そのうえで、
関西スーパーマーケットの福谷耕治社長は、
大阪市内で記者会見して、
意思決定を明らかにした。

いい判断だと思う。

福谷さんは、
コーネル大学ジャパン伝説の一期生で、
実にしっかりした考え方をしている。

資本提携の内容は、
関西スーパーがまず、
320万株の第三者割当増資を実施する。
それをH2Oリテイリングが引き受ける。

シンプル。

期日は今年11月14日、
発行価額は1株につき1616円で、
結果として総額は51億7120万円となる。

関西スーパーにとっては調達資金となり、
H2Oにとっては出資額となる。

日経新聞は、
H2Oが「第2位株主」と報じたが、
これは間違いで、
10.02%保有の筆頭株主となる。

筆頭株主にならねば、
H2Oにとってメリットはない。

第2位株主は、
関西スーパー取引先持株会9.04%、
3番目にオーケー株式会社7.23%。

今年の夏、オーケーが、
関西スーパー株の5.60%を取得、
9月2日には保有比率を8.04%に引き上げ、
取引先持株会に次ぐ2位株主に急浮上。

そのうえで、オーケー側は、
資本業務提携を打診したもよう。
これには将来的な経営統合も、
視野に入っていた。

しかし、関西スーパーは、
H2Oとの資本業務提携を選択した。

福谷さんのコメント。
「今後の成長戦略の中で
関西に基盤をおく企業同士で
相乗効果が見込めると判断した」

これがいい。

関西経済圏での、
相乗効果を志向する。

その中で、
関西スーパーらしさを追求する。

オーケーのやり方は、
資本の論理が優先されて、
関西スーパーにとって好ましいものとは、
受け止められなかった。

ちなみに11番目に、
従業員持株会が入っているが、
私は今後、この比率を、
上げていったらいいと思う。

業務提携の内容は今のところ6点。

第1に、H2Oの商品を取扱う。
品ぞろえの強化だ。

第2に、商品の共同仕入れを行う。
規模のメリットを生かす。

第3に、H2Oの「Sポイント」を導入する。
先にセブン&アイ・ホールディングスと、
H2Oリテイリングが提携していて、
関西セブン-イレブンでも導入されるから、
関西スーパーにとっても有利になる。
その店数は2000店。

第4は、次世代型レジスターを共同開発する。
これも実務改善に貢献する。

第5は、中元・歳暮商品を取扱う。
関西スーパー店頭で、
H2Oブランドのギフト商品が販売される。

第6は、その他両社間におけるシナジーの創出。

さらにこの資本業務提携の一環として、
相互に人材交流や共同研修等を行う。

これも関西スーパーにとって、
有益な内容だ。

そしてこれらのために、
業務提携推進協議会が設置される。

H2Oのスーパーマーケットは、
阪急オアシス。
イズミヤもその傘下にある。

関西スーパーは当面、
このグループに入って、
企業の再生に取り組む。

そしてそのリーダーは、
千野和利阪急オアシス会長。

千野さんのリーダーシップは、
関西経済界でも高く評価されている。

それが関西スーパーにとって、
一番の利点だと考えることができる。

阪急オアシスには、
かつてのニッショーストアが、
今や完全に同化している。

そしてニッショーは、
オール日本スーパーマーケット協会に加盟、
関西スーパーと研鑽した仲間だ。

少なくともオーケーと提携するよりも、
いいだろう。

関西スーパーは、
兵庫県伊丹市に本部を置く。
故北野祐次さんが1959年に創業して、
「関西スーパー方式」を生み出した。

いわば日本のスーパーマーケット近代化の、
草分けのような会社だ。

もともと、
イノベーションを、

そのDNAとしている。

現在66店舗だが、
このところ低迷。

問題はDNAとしての、
イノベーションのマインドを、
取り戻すこと。

千野さんはそれを、
後押ししてくれるに違いない。

H2Oリテイリングは、
中期計画を策定している。
ネーミングは「GP10-IIフェーズ1ver.2」
関西ドミナント化戦略を骨子として、
関西における生活総合産業の構築を推進。
その中核に「食」が位置付けられている。

関西スーパーとの資本業務提携は、
この中期計画推進に大いに貢献する。

両社のマリッジは、
幸運なものになるだろう。

私は1978年の春、
関西スーパー広田店で、
1週間の研修を受けて、
スーパーマーケットに目覚めた。

北野さんをはじめ、
二代目社長の故井上保さんなど、
多くの人にお世話になった。

関西スーパーのDNAが復活することは、
そのライバルたちにとっても、
切磋琢磨の砥石となる。

最後に二つ。
結城義晴の見解。

第1は、「商人の本籍地と現住所」の問題。
本籍地の価値を強く持ち続けてほしい。
そして現住所を愛してほしい。

第2は、ホールディングカンパニーの、
マネジメント力。

こちらはアメリカのクローガーが、
一番のお手本になるだろうが、
事業会社のインディペンデント性は、
何よりも優先されねばならない。

今回、関西スーパーがH2Oの、
連結子会社や持分法適用会社に、
なるわけではないけれど。

さて、私は朝一番で東京タワーの下。DSCN9610-6

愛宕ヒルズも秋晴れの空に輝く。
DSCN9612-6
カスタマー・コミュニケーションズ㈱へ。
恒例の取締役会。

今日はミッションの重要性を強調した。

それから一度、
横浜商人舎オフィスに戻って、
さらに松井康彦さんの車で、
千葉県へ。

夕方の空。
DSCN9616-6

夕焼けに映える。
DSCN9614-6

名門グレートアイランド倶楽部。
DSCN9613-6

オール日本スーパーマーケット協会の、
経営トップ有志の会。
「マスターズ」を超える「ドクターズ」
IMG_9812-6
かつては井上保さんも、
この仲間のひとりだった。

商人の本籍地と現住所。

飛び切りの料理と酒を堪能しながら、
私はそれを考えていた。

〈結城義晴〉

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