コーネル・ジャパン、サミット権太坂店の作業システムに感動する
「たちあがれ日本」
平沼赳夫・与謝野馨両代議士を中心とした新党。
朝日新聞がその党名を決める議論を報告している。
「ありがとう日本」
「サムライ日本」
「頑張れ日本」
その中から石原慎太郎東京都知事の案で、
「たちあがれ日本」に決定。
石原さんの文学者センス(?)を活かしたとか。
しかし、とても立ち上がれそうもない党名だ。
こちらは屹立し、飛躍する。
コーネル大学RMPジャパン。
第二期7回目の講義はサミットでオペレーションシステムを学ぶ。
その第二日目。
サミット権太坂スクエア店。
午前8時前に集合し、同店休憩室。
サミット㈱常務執行役の工藤静夫さんが、
どんどん仕切ってくださる。
3班に分かれて、見学し、説明を受けることになっている。
8時に、店舗のレジ前に全員集合。
挨拶と紹介。
説明は、サミット㈱店舗サポート部の面々が担当してくださる。
店舗サポート部は、営業本部長である田尻一社長の直轄部門。
その店舗サポート部は三つに分かれていて、
その第一の機構が生産性向上推進グループ。
右から、生産性向上推進グループマネジャーの赤迫伸一さん、
店舗サポート部マネジャーの増田七延さん、
生産性向上推進グループグロサリー担当の磯川雅樹さん、
同総菜部門担当の坂英明さん、
同精肉部門担当の吉田暁さん、
同鮮魚部門担当の奥田貴さん、
同青果部門担当の椎名跣さん。
朝8時の鮮魚の冷蔵ケース。
商品が何も並んでいない。
店舗奥主通路には、センターから納品された商品が、
カートラックに積まれて並んでいる。
惣菜コーナーの冷蔵ケースもガラガラ。
これが午前8時の段階。
あと2時間で、この売り場が埋まってゆく。
我々は全員がキャップをかぶり、見学開始。
私は第1班に同道。
まずは青果部門から。
椎名さんから青果部門の説明が始まる。
サミットの作業は、作業割り当て表によって、
あらかじめひとりひとりの作業が前日から決められている。
パートタイマーおよび一般社員は作業者に徹する。
部門責任者がその段取りをする。
作業者は走り回ったり、歩き回ったりすることはない。
朝のこの時間は陳列作業に専念する。
だから生産性が上がる。
青果売り場では、サブチーフの陳列作業が開始している。
話もせず、動きもせず、
一定の場所で、決められた作業に専心する。
実に静かな売場作業。
それがサミットのオペレーションの特徴だ。
青果の作業場、冷蔵庫を見て、
説明を受けた後、
鮮魚のバックヤードに入り、
レイアウトと作業についての詳細な解説を聞く。
店舗サポート部の奥田さん自ら説明してくれる。
作業者は、できる限り動かない。
そのためにハードウェアが整い、
カートや備品が周辺に用意されている。
トレイは、作業台の上の棚に、
頻度の高いものがいちばん手に取りやすいように、
並べられている。
これらの設計をするのも、
生産性向上推進グループの役目。
彼らは常に改善を考え、社内に提案し、説明する。
だから私たちへの説明も、実に適切。
鮮魚部門のバックヤードは、向かい合った調理台が2セット。
そして冷蔵庫・冷凍庫。
作業スペースと動線が白線で区切られている。
ハードウェアが整っているから、生産性は上がる。
スーパーマーケットの生鮮バックヤードは、
メーカーの工場そのものである。
サミットのバックヤードは、
この哲学に貫かれている。
精肉のバックヤードでは吉田さんが解説。
一人の作業者には、左サイドの5段カート、
右サイドの8段カート、
調理作業台の下のゴミカートがきちんと配置されていて、
調理作業に必要なものを取りに動く無駄が出ないように設計されている。
見学をしている間も、
黙々と商品化作業は続く。
惣菜のバックヤードの説明は坂さん。
サミットのスタッフの皆さんの説明は、
きびきびしていて気分がいい。
惣菜バックヤードは二つに分かれている。
弁当・惣菜作業場と寿司作業場。
弁当の盛り付けは、棚に貼ってある目の前の作業指示書にそって、
着々と進められている。
作業指示書をつくるのが部門責任者の重要な仕事。
最後は磯川さん。
グロサリーとデイリーの作業説明。
納品口から搬入された商品がズラリと並び、陳列されるのを待つ。
定位置定管理が徹底されている。
店舗グロサリー部門は約5割の売上げを稼ぐ。
しかし人件費は少ない。
だから人時生産性は4万7000円にも跳ね上がる。
サミットのこの部門は完成されたオペレーションである。
店舗の4部門の解説を受けつつ見学をしていると、
時間はあっという間に過ぎる。
朝9時45分、コーネル・ジャパンの見学者一同注目の中、
レジチェッカースタッフの朝礼開始。
挨拶のあと、6人が二人ずつ向き合い、
お互いに指さし確認で服装をチェック。
姿勢をただし、確認事項を聞く。
そして「礼」
「ありがとうございます」
昨年の松戸店でも私は感動した。
声のリズム、姿の良さ、心の一致。
サミットの朝礼には様式美ともいえるものがある。
しかしそれは形式ではない。
毎日の繰り返しのトレーニングが、スピード感をつくり、
それが人を感動させる様式を築き上げる。
「緊張しました」と笑顔で語るレジチーフの「えのもと」さんだが、
見ている者からは、決して緊張など感じられなかった。
開店10分前の鮮魚売り場。
精肉売り場もご覧の通り。
惣菜売り場の寿司コーナーでは最後の品出し作業。
弁当コーナーにはすべての商品が並ぶ。
揚げ物コーナーもご覧の通り。
1時間50分前と比較してほしい。
グロサリー売り場では最後のチェック。
通常は、この時間帯に各部門チーフが品切れチェックをし、
開店直前に、店長が全売り場の100%品揃えが済んでいるかを点検する。
チーフは監督者、
店長は管理者の目で、
ダブルチェックがなされることになる。
朝8時からのサミットのLSP視察を終え、
10時、一同、勉強会場のホテルへと向かう。
これから、伊勢佐木モールの会議室で、
作業システムとレイバースケジューリングに関するレクチャーと討論が始まる。
乞う、ご期待。
今日は、ここまで。
サミット権太坂スクエア店の皆さま、
サミット㈱店舗サポート部の皆さま、
ご協力心より感謝いたします。
ありがとうございました。
<まだまだ、続きます。結城義晴>