結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年01月10日(火曜日)

商人舎1月号「対談特集/’23両利きトレードオン」本日発刊!!

月刊商人舎1月号本日発刊!!
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[対談特集]でそのタイトルは、
’23両利きトレードオン
二兎を追いつつ両立させる「経営と運営」202301_coverpage

[Cover Message]
2023年、一陽来復。
新年号はトップマネジメントによる対談と独白構成である。大久保恒夫西友社長と山本慎一郎カスミ社長、仮想の川野澄人ヤオコー社長と服部哲也サミット社長。そして川野幸夫日本スーパーマーケット協会会長、平富郎エコス会長。
コロナ禍3年を超えて4年目に入る。ウクライナ危機は10カ月を過ぎた。そして値上げラッシュ、電気料金高騰、物流費や建築費の上昇、そのうえ人手不足。難問山積。
コスト削減を突き詰めつつ、付加価値の創造に邁進し、飛躍的に生産性を上げてゆく。そこには『両利きの経営』への挑戦が求められるし、「トレードオン」が必須である。
「トレードオフ」と標準化一辺倒で事足りた20世紀は、遥か遠くへ行ってしまった。

[Contents]202301_contents

新春特別対談は、
大久保恒夫&山本慎一郎。
西友とカスミの両社長。
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12ページを占めて、
2023年の問題を網羅した。

ありがとうございました。
商人舎ならではの対談となりました。

それから、
川野幸夫「2023年の断言」
「本気の生産性改善が存続を決める年だ。」
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この独白への[結城義晴の述懐]
「川野幸夫さんの穏やかな語り口が、
だんだん、だんだん厳しくなってゆく。
そしてきわめてソフトな印象ながら、
実は自信をもって『断言』をしている」

「スーパーマーケット産業はもとより、
チェーンストア産業も食品産業も、
ひっ迫している。
世界がひっ迫しているから、
日本もひっ迫し、
経済も産業もひっ迫している。
そのひっ迫によって生み出された
経営環境と生活環境」

「”少子化”こそ日本の最大の問題だと思う」と
川野さんは言う。同感だ。

「スーパーマーケット産業は
その少子化のなかの子どもたちに
“食わせる産業”だ。
少子化の子どもたちを”育てる産業”だ。
その親たちを”助ける産業”だ。
家族を”豊かにする産業”だ。
だからこそ自己の限界を超えるほどの
画期的な生産性の改善に挑む。
食わせ、育て、助け、豊かにするために、
コストを削減し、
飛躍的な生産性に挑むのだと思う。
それが企業や店が生き残るときの
唯一の考え方である」

「川野幸夫をもって
断言せしむる状況が来ている。
それが2023年である」

それから、
平富郎の「独り語り」
「艱難辛苦の今、上手い方法も近道もない」
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平さんならではの発言。
読者のみなさん、
噛みしめてほしい。

そして[仮想対談]IMG_E87912
川野澄人vs服部哲也
「2割強い店づくり」と「突き抜けて稼ぐ店」

それぞれ別の記者会見の発言を、
テーマごとに対談形式に構成した。
文責は結城義晴。 IMG_E87983
お二人の発言の共通項は、
どの企業にも当てはまるし、
異なる点は実に対比的で、
ポジショニングの違いを鮮明にした。

これも一読の価値はある。

勝手に対談させてしまって、
すみません。

ただし発言は一言一句、
間違いなく記事にした。

もちろん結城義晴の「特集のまえがき」
「あちらを立てて、こちらも立てる」

それが2023年である。

こうしてブログで紹介すると、
読んだ気になるかもしれないが、
中身は雑誌を読まねば知覚できない。

是非、読んでいただきたい。

特別企画は、
店づくりの「変則性」?!  
「建物の2階どころか、3階や4階に店をつくる。
そして繁昌する。
2層のスーパーマーケットをつくる。
駅前商店街の中に埋没しそうな
ショッピングセンターをつくる。
そんな店づくりの変則性が生まれてきた。
店舗開発の許容範囲が広がってきた。
標準化一辺倒の理想の店づくりだけを
追いかけていては出店スピードが上がらない。
基本機能が整えば、変則性は許されるのだ!!」

サミットストア踊場駅前店
(3階1フロア609坪)
生鮮・惣菜の店内製造力で「確実に稼げる店づくり」を標榜202301_summit1

冷凍食品売場には変化が付けられた。
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西友和光市駅前店(2層477坪)
24時間営業・EDLPに商品開発力・販売力をトレードオン!
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プライベートブランドの集合売場。
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イオンタウン旗の台 (3層・511坪)
超小型都心SCの核店舗はウエルシア&ビオセボン
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ビオセボンは核店の役目を果たせるか。
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3店ともにふんだんに写真を使って、
変則性を有しながら、
基本を貫徹している店を紹介し、分析した。

2023年を見通す商人舎1月号。

そのMessage of Januaryは、
両利きの歌
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右利き? 左利き?
いいえ、両利き。
もともと左利きの人が、
両利きになりやすい。

コロナ感染拡大を抑えて、
経済と営業の活性化を図る。
ディスタンシングを堅持しつつ、
ホスピタリティを高める。

経費上昇要因に事欠かず、
利益増加要因は一本足打法。
コスト削減と粗利益増加。
その両立をあなたは求められる。

Ambidexterityは、
双面性、両利きの経営。
Compatibilityは、
両立性。

あちらを立てて、
こちらも立てる。
こちらを立てて、
あちらも立てる。

トレードオフは、
気楽で呑気な20世紀人。
トレードオンは、
強靭で思慮深い21世紀人。

右手のイトーヨーカ堂、
左手はセブン-イレブン。
左手を使って右手を叱咤するがごとし。
鈴木敏文の両利き経営。

成熟事業と新規事業。
リアル店舗とネット販売。
人間力経営とデジタル改革。
矛盾を包含し、かつ尊重する態度。

両利き経営の最大の課題は、
リーダーシップである。
トレードオンの最大の課題は、
胆力と論理性である。

あちらを立てて、
こちらも立てよ。
こちらを立てて、
あちらも立てよ。〈結城義晴〉

2023年01月09日(月曜日)

成人の日の「王将戦」と「ヘッドアップの定義」と良寛「手まり」

Everybody! Good Monday!
[2023vol②]

毎週月曜日の”Good Monday!”
もう2回目となりました。

2023年の第2週。

そして今日は成人の日。

今年成人の人。
将棋の藤井聡太竜王。
現在、五冠。

今日はその藤井竜王の、
王将位防衛戦第一局2日目。
相手はレジェンド羽生善治。
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注目が集まった対局だが、
91手で藤井王将が快勝した。

私は羽生九段も応援していたが、
残念ながら及ばなかった。

対局後の感想戦では、
52歳の羽生が藤井から真摯に学んでいた。

この態度は見習いたい。

羽生はまだまだ自分を、
成長させたいと考えている。
いくつになっても、
将棋を極めたい。

だから32歳も年下の藤井から学ぶ。

羽生善治は1996年に七冠を独占し、
2018年には永世七冠を達成。
国民栄誉賞を受賞した。

その羽生が学び続ける。
成長を志す。

素晴らしい。

商売や仕事や経営。
若い人たちからも、
学びたい。

それを忘れてはいけない。

私はこの成人の日に、
ゴルフラウンド。

令和名人会のつもりだったが、
オリジナルメンバーの鈴木國朗さんが、
急用で欠席。

代役は平野一郎さん。
ブルーチップ㈱フード事業部事業部長(左)。

それから、
ブルーチップ社長の宮本洋一さんと、
商人舎GMの亀谷しづえさん。IMG_85182

今日はバックティーからプレーして、
私は宮本プロに学んだ。
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最終18番ホールのティーショット。 スイング2

ヘッドアップして、
左に引っ掛けた。
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荒井伸也さんは、
何でもゴルフに喩える名人だが、
ゴルフスイングにおける「ヘッドアップ」を、
「利益を追い求めすぎること」と定義した。

秀逸。

私のこのスイングは、
目の前の利益を求め過ぎた。

そしていいショットにはならなかった。
まだまだ修行が足りない。

しかし、いい1日だった。

夕日は美しかった。IMG_85222
ありがとうございました。

マルクス・トゥッリウス・キケロ。
紀元前106年生まれ、紀元前43年没。
共和政ローマ末期の政治家、哲学者。

「老年について」においても、
ラテン語の模範文章を残している。

「仮りに、われわれは
不死なるものになれそうにないとしても、
やはり人間はそれぞれふさわしい時に
消え去るのが望ましい」

「自然は他のあらゆるものと同様、
生きるということについても
限度を持っているのだから」

それでも精いっぱい、
私たちは生きる。

「因みに、人生における老年は
芝居における終幕のようなもの。
そこでへとへとになることは
避けなければならない、
とりわけ十分に味わい尽くした後ではな」

へとへとになることは、
避けましょう。

そして良寛の「手まり」。

冬ごもり 春さりくれば  飯(いい)乞ふと
草のいほりを 立ち出でて
里にい行けば  たまほこの
道のちまたに  子どもらが
今を春べと 手まりつく
ひふみよいむな
(な)がつけば  吾(あ)はうたひ
あがつけば  なはうたひ
つきてうたひて 霞立つ
長き春日(はるひ)を 暮らしつるかも
(唐木順三『良寛』より)
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あなたがつけば、
わたしがうたい、
わたしがつけば、
あなたはうたう。
ついて、うたって、
ながい春の日、
くらしていましたとさ。

そんな日々、とてもよろしい。

では、みなさん、今週も、
仲良く。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年01月08日(日曜日)

99%の失敗は460回繰り返せば成功率99%になる。

正月三が日を例外にすれば、
2023年最初の三連休。

週末の土曜・日曜と月曜の成人の日。

私など成人の日は、
1月15日がしっくりくる。

日本の祝日は年間に16日ある。

①1月1日(日)元日
今年は元旦が日曜だから、
1月2日(月)が 振替休日となる。
②1月9日(月)成人の日
③2月11日(土)建国記念の日
④2月23日 (木) 天皇誕生日
⑤3月21日 (火) 春分の日
⑥4月29日 (土) 昭和の日
⑦5月3日 (水) 憲法記念日
⑧5月4日 (木) みどりの日
⑨5月5日 (金) こどもの日
⑩7月17日 (月) 海の日
⑪8月11日 (金) 山の日
⑫9月18日 (月) 敬老の日
⑬9月23日 (土) 秋分の日
⑭10月9日 (月) スポーツの日
⑮11月03日 (金) 文化の日
⑯11月23日 (木) 勤労感謝の日

このリストを見ていると、
働く人も消費者はワクワクしてくるだろうし、
商売をする側も期待が膨らむ。

このブログには何度か書いたが、
世界で一番祝日が多い国は、
タイで23日。

二番目が中国の21日。
春節は1月24日~2月2日の10連休、
5月には労働節の5連休、
10月には中秋節の8連休。

三番目が韓国とインドとコロンビアの17日。

日本はそれに次ぐ祝日が多い国だ。

欧米は祝日は少ないけれど、
個人的に夏のロングバケーションをとる。

その日本に今年、
3連休は8回やってくる。

これも私の提案で、
何度かこのブログでも書いているが、
三連休を大きな商機ととらえて、
その組み立て方を確立しておきたい。

⑴1月7日(土)~1月9日(月)成人の日
⑵5月3日(水)~5月5日(金)
・憲法記念日・みどりの日・子どもの日の黄金週間
・週末の土日曜を入れると5連休になる。
⑶7月15日(土)~7月17日(月)海の日
⑷8月11日(金)山の日~8月13日(日)
⑸9月16日(土)~9月18日(月)敬老の日
⑹10月7日(土)~10月9日(月)スポーツの日
⑺11月3日(金)文化の日~11月5日(日)
⑻12月30日(土)~1月1日(月)元旦

三連休の商売は、
ホップ・ステップ・ジャンプか、
序破急(じょはきゅう)か。

前者は欧米で生まれた、
陸上の三段跳びのセオリー。

後者は日本の「雅楽」の楽曲構成上の三区分。
「序」は最初の部分で、
拍子にはまらないのが特徴。
「破」は曲の中間の部分で、
音楽は拍子にはまるがゆるやかな速度。
「急」は最後の部分で、
序や破にくらべると急テンポ。

考え方として、
こういった定石がある。

三連休も、
ただ単に3日間の連続と考えるのではなく、
緩急をつける。

それは買う人たちに対しても、
売る人たちに対しても、
どちらも必要だ。

禁欲円と享楽円を、
どう組み合わせるか、
どう塩梅するか、
私はそれが大事だと見ている。

さて、今日の毎日新聞「余禄」
「99%は失敗する試みでも、
2回続ければ0.99の2乗で
98%に下がる」

「460回ほど繰り返せば
成功する確率99%、
失敗1%と完全に逆転する」

㈱ユーグレナ創業者CEOの出雲充さん。
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「机上の確率論ではなく、
創業時の困難に裏打ちされた経験則」

藻の一種「ミドリムシ」の学名が、
「ユーグレナ」。

ユーグレナの「豊かな栄養素を生かして
途上国の食料問題解決に貢献したいと、
2005年に起業した」

世界に先駆けて大量培養の技術を開発した。
しかし販路開拓では困難を極めた。

いくら企業を回っても、
「実績がない」と断られた。

「前例がないから画期的だというのに」

「気力も資金も尽きかけたころ、
大手商社から声がかかった。
501社目だった」

成功確率は1%に届かなかった。

コラム。
「無駄を惜しみ、
不確実性を避けたいのは人情だ。
早めの見切りが必要な時もある」

「ただ、回を重ねて、
経験値や技能が高まれば
成功に近づくのも確かだ」

「失敗を繰り返してこそ
得られるものもあろう」

その通り。

日々の商売は、
小さな失敗が許される。

それは商業の強みだ。

ピーター・ドラッカーは言った。
イノベーションの芽は、
「予期せぬこと」にある、と。
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その予期せぬ出来事が日々、
生まれる仕事が商売である。

ちなみにノーベル賞受賞者の天野浩さん。
青色LEDの開発研究者。
実験で1500回失敗しても
あきらめなかった。
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余禄。
「上には上がいる」

商売のホップ・ステップ・ジャンプも、
序破急や禁欲円・享楽円も、
460回繰り返せば、
成功率は99%になる。

仕事や商売は面白いなあ。

〈結城義晴〉

2023年01月07日(土曜日)

人日(じんじつ)の節句に「人時・人日」と「MM生産性」を思う

年賀状でのご挨拶も、
松の内まで。

一陽来復。
本年もよろしくお願いします。2023年賀状

1月7日、人日(じんじつ)。

人日は五節句の一つ。
七草の節句でもあって、
七草粥を食べる。

五節句は中国から伝わった。

古来の中国では、
正月の7日までを、
それぞれ動物の日として、
動物の占いをしていた。
そしてその日には、
その動物を殺さないようにしていた。
その日にはその動物を食べないということだ。

1日は「鶏の日」、
2日は「狗(犬)の日」、
3日は「猪(豚)の日」、
4日は「羊の日」、
5日は「牛の日」、
6日は「馬の日」。

そして7日目に人間を占って、
「人の日」として、「人日(じんじつ)」と呼んだ。
この日は犯罪者を処刑しなかった。

ちなみに8日は「穀」を占った。

面白い。

現代では「人日」と記すと、
「にんにち」と読んで、
作業量を表す単位のことを意味する。

人日は〈1人で1日にこなせる作業量〉のことだ。

この仕事は何人日かかると言えば、
1人でやれば何日かかるか、
1日で終わらせるには何人必要か、
を意味する。

小売業やサービス業では、
人時(にんじ)が一般的だが、
これは欧米から学んだ概念だろう。

日本の職人は「人日」だった。

さらに「人月」(にんげつ)の単位もある。
〈1人が1カ月にこなせる作業量〉のこと。

私は㈱商業界の食品商業編集長のころ、
「MM生産性」という概念を、
勝手に考え出して予算をつくった。
そして編集局長を説得していた。

「人月」と同じ考え方だ。

マン・マンス(Man Month)の生産性。
略してMM生産性。

商業界の給与体系は、
年齢給一本やりで、
男女の差はまったくなかった。

残業も月間40時間を上限としていた。

だから月刊誌の編集作業量を論じるには、
MM生産性がぴったりだった。

MM生産性で月間の粗利益を計算すると、
圧倒的に高い数値を弾き出した。

残念ながらこの考え方は、
編集部全体に普及もしなかったし、
編集局長もそれを採用しなかった。

私の提案は暗黙のうちに拒絶された。

もう30年以上も前のことだ。

アメリカの企業の給与体系は、
たいてい3種類に分類される。
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第1がマネジャーの給与で、
月給である。

第2が週40時間以上働くフルタイマーで、
彼らは時給である。
日本の正社員にあたる。

第3が週40時間未満のパートタイマーで、
彼らも時給である。

店舗などでは、
マネジャーは一握りしかいなくて、
ほとんどが時給労働者となる。

だからアメリカでは、
生産性を論じるときに、
マンアワーが普及した。
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把握しやすく、
確認しやすく、
計算しやすい。

日本はほとんどが月給である。
それが通常の給与体系の場合、
人月やMMも都合がいいと思うのだが。

もしかしたら、
「人週」もありかもしれない。

人日の節句の今日、
なぜか「MM生産性」のことを思い出した。

一方で、人日の節句は、
「七草の節句」でもある。

(まな)板の染(し)むまで
(なずな)打ちはやす

〈長谷川かな女〉

朝日新聞「天声人語」が取り上げた。

七草粥(がゆ)をつくるために、
青汁が出るまで薺をきざむ。

江戸時代には「薺打ち」の行事があった。
七つの調理道具を使って、
薺を打ち、囃(はや)す。

かな女は明治20年生まれの女流俳人。

コラム。
「七草の風習は、
時代とともに移ろってきた」

半世紀ほど前に提唱されたのは、
「近代七草」だったという。
私は覚えていないけれど。

三つ葉、春菊、レタス、キャベツ、
セロリ、ホウレン草、ネギ。

おいしく食べられそうだが、
どうも定着しなかった。

けれど七草粥はしぶとく生き残った。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、
ほとけのざ、すずな、すずしろ。
これぞ七草。
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「時代の荒波にもまれても、
正月の暴飲暴食と胃腸の疲れは
なくならなかった」
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胃腸の疲れをいやす七草の日に、
生産性の単位のことを考えてしまった。

今年1年は生産性との闘いだ。

ときどき七草粥を食べたほうがいいかもしれない。

〈結城義晴〉

2023年01月06日(金曜日)

スーパーマーケットの「例外ない減益」と「見えない経費」

商人舎流通SuperNews。
2023年度版は今日から発信開始です。
流通SuperNews

この[結城義晴の毎日更新宣言]ともども、
1年間のご愛読をお願いします。

ウィークデーに毎日、
20本くらいのニュースを配信します。
流通業、小売業に絞り込んで、
専門性の高いニュース報道を志向します。

外食は取り上げません。

ときには私のブログに、
流通SuperNewsのページを張り付けて、
その記事の背景や真相、
大局的な見方を解説します。

より詳細な内容に関しては、
SuperNewsをご覧いただくようにします。

1月6日のSuperNewsには、
決算記事があります。

ベルクnews|
第3Q営業収益2277億円・経常利益100億円の増収減益

アークスnews|
第3Q営業収益4188億円・経常利益7.4%減

北雄ラッキーnews|
第3Q売上高277億円・経常利益16.0%減

サンエーnews|
第3Q営業収益1576億円3.6%増・経常利益7.4%増

天満屋ストアnews|
第3Q営業収益89億円減・経常利益6.8%減の減収減益

アオキスーパーnews|
第3Q営業収益688億円・経常損失1.8億円

薬王堂news|
第3Q売上高968億円・経常43億円/利益率0.2ポイント改善

良品計画news|
第1Q営業収益1369億円11.4%増・経常利益53.5%減

ハニーズnews |
第2Q売上高261億円14.2%増・経常利益59.6%増の増収増益

スーパーマーケット企業は、
すべて減益となった。
利益には厳格なベルクまで増収減益。
電気代の高騰は大きな打撃を与えている。

総合スーパーを中核とするサンエーは、
営業収益1576億円(前年同期比3.6%増)、
営業利益75億5500万円(23.4%増)、
経常利益78億0900万円(7.4%増)。

しかも営業利益率4.8%で、
経常利益率5.0%。

さすがというほかないが、
沖縄県では外出機会が増加し、
それによって衣料品の販売が増加した。
観光客も戻ってきた。

しかしサンエーにも、
不透明な経営環境は続く。

サンエーは人財力と仕組み力、
そして商品力の向上に取り組む。

さらに重要なことだが、
引き続き企業理念の浸透、
七大基本の徹底とともに、
既存店の活性化、効率化を図り、
顧客満足度の向上に努めた。

理念と基本の徹底は今、
最も重要なことだ。

顧客満足度を高め、
既存店の生産性向上を図って、
コスト増を吸収できる企業だけが、
生き残ることができる。

当たり前のことだが、
企業の体力とはそういうことだ。

商人舎流通SuperNewsは、
必要なニュース、興味のある話題だけ、
拾い読みしてください。

よろしくお願いします。

さて今日は、
「セルコレポート」が届きました。
富士山の表紙の1月号。
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結城義晴の連載は「艱難は商人を鍛える」
その第9回は、
「試練」と「艱難」と「外套」
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新年号なので特別の記事となりました。

ロシアの作家ニコライ・ゴーゴリの短編小説、
『外套』を取り上げました。

平井肇さんの翻訳が、
「青空文庫」で公開されています。

さらにYouTubeには、
「シャボン 朗読横丁」に「外套」があって、
1時間50分ほどの朗読を聴いて、
楽しむことができる。

できれば岩波文庫を読んでみてください。
文体はちょっと古い感じがするけれど、
とてもいい短編です。
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今日は冬の1日。
今年は日本海側の大雪を除けば、
全国的に暖冬。
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木々を見ていると、
春を想像することができる。
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商人舎スタッフ揃って初詣。
撮影は亀谷しづえGM。
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商人舎オフィスから歩いて5分。
浅間神社。

編集スタッフの鈴木綾子が、
手水を使う。
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小さな拝殿に参拝。
二礼二拍手一礼。
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狛犬は元気そうだ。
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ランチはグリル・アラベルで。
結構、有名なハンバーグレストラン。IMG_87572

名物のハンバーグ。IMG_87562
満足しました。

朝日新聞「折々のことば」
1月5日の第2606回。

見えないことは
存在しないことではない
(『わかる 身につく 交通教本』[今年度版]から)
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編著者の鷲田清一さん。
「裏返していえば、
可視化されるものだけが
存在するのではない」

「哲学の本みたい。
免許の更新時に配布される
冊子にある注意事項だ」

「”見えない”とは”わからない”ということで、
この自覚がないと事故が起こる」

「そして車の構造、位置、運転の慣れなど
死角の生じる原因を列挙する」

「事故ならぬ自己の“反省”の書」

鷲田さん、すごい。
交通教本からも教訓を導き出す。

電気代に関しても、
「見えないこと」は「わからない」

可視化されるものだけでなく、
見えないことにも、
死角の生じる原因を列挙し、
全員で徹底して無駄を省く。

それが年間を通して求められる。

〈結城義晴〉

2023年01月05日(木曜日)

ドラッカー「フィードバック分析」と金子兜太「肉体年齢」

松の内の間は、年賀状でご挨拶。
2023年賀状
1月7日の七草までを「松の内」という。

正月には「年神」という神様がやって来る。

「年神」は日本神話に記されている神。
すなわち「神道」の神である。

家々に新年の幸せをもたらすために、
正月元旦に高い山から神様が降りてくる。
それが「年神様」だ。

「正月様」「歳徳神(としとくじん)」などと呼ばれる。

その年神の神霊は、
「依り代」(よりしろ)に宿る。
この神霊が依(よ)り憑(つ)く対象物を、
依り代という。

神木などがその依り代の例だ。

古代神道では、
あらゆる物に神霊が宿ると考えられた。
自然崇拝である。

「古事記」や「日本書紀」の人格神は、
中が空洞の物体に依り憑くことが多いとされる。

だから年神を迎えるために、
家々の門前には門松が設えられるが、
門松には竹が使われる。

依り代である門松を飾っておく期間を、
「松の内」という。

そして「松の内」には、
年神様が滞在している。

寒中見舞いを出すのは、
松が明けてからとされている。

さて、松の内でも、
生活は日常に戻っていく。

この年明けの日常に戻るとき、
なんとなく好きだな。

まったくの日常でもないし、
かといって正月気分でもないし。

まだ今年への期待を抱きつつ、
「さあ、やるぞ」といった気持ちもある。

ドラッカーが奨めた、
「フィードバック分析」は、
この松の内の時期にやるのがいい。

「強みを知る方法は一つしかない。
フィードバック分析である」

「何かをすることに決めたならば、
何を期待するかをただちに
書きとめておく」

「9カ月後、1年後に、
その期待と実際の結果を照合する」

「私自身、これを50年続けている。
そのたびに驚かされている」

「これを行うならば誰もが、
同じように驚かされる」
『プロフェッショナルの条件』
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ドラッカーのセルフマネジメント手法である。

「書きとめておく」

そして時間が経過したら、
期待と結果を照合する。

期待と結果が一致していることこそ、
自らの「強み」である。

期待と結果が一定期間を経て、
一致していないことは、
「強み」ではない。

そこで「強み」に「全集中」をする。
すると成果は飛躍的に大きくなる。

「行なっても成果があげられないことは
行なわない」

「努力しても並みにしかなれない分野には
無駄な時間を使わない」

「強み」を知る方法が、
フィードバック分析である。

ドラッカーは書いている。
「自らについて知りうることの中で
この強みこそ最も大切だ」

松の内は、
自分の強みを知る、きっかけとなる期間だ。

ぜひ、試してほしい。

私もフィードバック分析を繰り返している。

中日新聞の巻頭コラム「中日春秋」
1月3日のコラム。

「雑煮食ぶ暦年齢は虚なり」
金子兜太の87歳の正月の句。
200906000309

「その年齢はウソだと決め込んでいる」

本当の年齢に対する金子の持論は、
「女性の場合は実際の年齢の七掛けとし、
男性の場合は八掛けとする」

金子はこれを「肉体年齢」と呼んで、
「その年齢を信じて元気に暮らそうよ」と語る。

金子兜太さんは2018年2月に、
98歳で逝去された。

今年40歳の男性は32歳、
女性は28歳。

このあたりの人たちは、
あまり気にしなくていいだろう。

今年50歳の男性は40歳、
女性は35歳。

今年還暦の男性は48歳。
女性は42歳。

そしわが身は56歳。

丁度いい感じだ。

この気分で1年を過ごす。

「フィードバック分析」に書きとめておこう。

〈結城義晴〉

2023年01月04日(水曜日)

社長になろう、と思ったから、社長になった。

松の内は年賀状でご挨拶。2023年賀状
昨年7月1日、山本恭広さんが、
商人舎編集長に就任。

今年5月には月刊商人舎が10周年を迎える。
さらにさらに充実した内容の記事をお届けします。
宜しくお願いします。

1月元旦のFacebookに、
稲垣佳伸さんから投稿があった。
㈱ドゥ・ハウスファウンダー。
「実は年末に
写真整理してたら出てきました。
たぶん45年前。
僕の結婚披露パーティでの一コマ。
ここに公開プレゼントします。」
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45年前の25歳の結城義晴。
ずいぶん痩せていて、髪もフサフサ。
懐かしい。

今日は一般的に仕事始めの日。
証券取引所は大発会。

3が日を正月休業とした小売業も、
今日は初売り、初荷。

㈱商人舎はまだ正月休業。

しかし私は午後、オフィスにやって来た。
年賀状を見たり、郵便物を確かめたり。
ちょっと、ゆっくりした。
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自撮りで動画のメッセージを試みた。
出来が悪いので公開するのをやめた。

それでも誰もいないオフィスは、
仕事が捗る。

朝日新聞「折々のことば」
編著者の鷲田清一さんには、
今年もお世話になります。

今日の第2604回。
「計画したことの八割は
できません」
(柳川範之東京大学大学院経済学研究科教授)

柳川さんは1963年、埼玉生まれ。
父親の転勤でシンガポールやブラジルへ。
ブラジルでは高校にも通わず、
参考書や教科書を買い込んで独学で勉強した。
帰国後、大学入学資格検定を受け、
慶應義塾大学経済学部の、
通信教育課程を受講して、
独学で大学を卒業。
その後、東大の大学院で博士課程まで行って、
経済学博士となった。

「目標とはそもそも達成できないもの、
とくに完璧をめざしたりすれば
“こなす”ことが目的にすり替わる」

独学の人だけに実感がある。
完璧を目指す必要はまったくない。

「二割の達成でも無意識に
それ以上を学んでいる」

そう、そう。

「新年から日記をつけると決めた人の
三日坊主も十年経てば”立派な記録”だ」
(『独学の教室』所収)
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朝日の「天声人語」も今日、
三日坊主を取り上げた。

「願いごとのために、
3年間は酒を断とうと男が誓った」

「ところが明くる日にはもう、
赤ちょうちんの仲間のところへやってくる」

「お前、もうおしまいかい」
「いや3年を6年に延ばして、
かわりに夜だけは飲むことにした」

「だったら、いっそ12年にして
昼から飲め」

古い小ばなし。

三日坊主はジョークになりやすい。

「やみくもに頑張るのではなく、
目的や目標、手段を
はっきりさせることが肝心」
(野口吉昭著『コンサルタントの習慣術』)

コラム子。
「書きながらお恥ずかしいが、
そう理路整然とこなせるか、
当方は自信がない」

これにも同感。

それでも、
やろう、と思うから、
2割でもできる。

やろう、と思わなければ、
なにもできない。

コラムはジョークで終わる。
「禁煙なんて簡単なことだ。
これまでに千回もしてきた」

柳川範之教授。
「苦しい学びは続かない」

同感だ。

私も16年前、
ブログを毎日書こう、と思った。

そして「毎日更新宣言」を、
タイトルにした。

やろう、と思って、
それを公言する。

結果は、2割でもいい。

正月だから、
独学で何かを始めるのがいい。

やろう、と思うべし。
やろう、と思わなければ、
なにもできない。

私も25のとき、
社長になろう、と思った。

そしてひどく酔っ払ったときなど、
大言壮語していた、らしい。

亡くなった小森勝さんが、
それを教えてくれた。

そして本当に小さな会社だったが、
社長になった。

それは何事にも代えがたい経験だった。

やろう、と思うべし。

先輩として、
若い人たちに言っておこう。

私もいま、
やろう、と思うことがある。
そして、やろう、と思った。

〈結城義晴〉

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