結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年03月11日(火曜日)

小麦3度目の値上げ⇒「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」

私のパソコン、ハードディスクに障害が発生した。
本当に困った。
しかも今日から、石川県に出張。

単行本の締め切りが過ぎようとしている。
雑誌の締め切りも、待ってもらっている。

来週まで、立て続けに講演が3本。

4月17日の「商人舎発足の会」の準備も、
ピークを迎えている。

それらを済ませてから、3月22日、入院。
24日手術。

しかし、こんな状況でも、私は、
何とかなると思っている。

自分の力だけではない。
みんなの力を合わせて、
やれることだけやる。

ここまでもってくれば、
あとは本当に何とかなる。

さて、食品の原材料・小麦の3度目の値上げが
日清製粉から発表された。
昨2007年の5月、11月に続いて、4月25日から。
これによって、小麦を原料とするコンシューマー商品が、
次々に値上げされる。

それでいて、消費者の感覚は、
値上げされると生活が苦しくなる。
だからそれを声に出す。
大手新聞やテレビなどのマスコミが、それを煽る。

そこで出てくる現象。
「川上インフレ・川下デフレ」

川上とは、製造業・生産地。
川下とは、小売業。
川中は、卸売業。

製造業は、インフレで、小麦は3度の値上げ。
小売業は、消費者・マスコミの声に煽られてデフレ。

それが「川上インフレ・川下デフレ」

そこで、この要請に真っ向から応えるのが、
「消費者代位機能」である、
それが本物の商人の仕事である、

という論理が出てくる。
これはこれで、正論だろう。

しかし、私は、「川下デフレ」は、
コモディティグッズの分野において、
大きな影響がもたらされると考えている。
コモディティは、消耗品で、毎日使うもので、
しかも価格が安いことに価値を有する商品だからである。
ガソリンなど、コモディティの典型である。

ノンコモディティグッズは、
川下の値上げが、
顧客によって許容される商品群である。

「価格=価値」ではない。
価値とは、価格と同列に並べて語られるものではない。

原材料が値上がりしたとき、
その原材料を使ってつくられる新しい価値が高まれば、
新しい価値には、新しい価格がつく。

新しい価値が生み出せない商品は、
原材料が上がるままに、価格が上がる。
「川上インフレ・川下インフレ」
しかしそれは消費者に許されない。
そんな商品は、「川下デフレ」に甘んじなければならない。

だから、俯瞰すると、こうなる。
「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」

大半の小売業の生きる道は、
従って、「ノンコモディティの経営戦略」となる。

ごく限られた、選ばれた小売企業が、
「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」と、
消費者代位機能を果たしつつ、奮闘することとなる。

私は、どちらにもエールを送るものである。

<結城義晴>

 

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