結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年02月29日(金曜日)

イオンの新中期計画の骨子を読み取る

桜の枝が、桃色になってきた。
いよいよ春。
芽吹く
今日は、2月29日。
うるう年の、1日多い日。

今日の一日、大切に。
感謝を忘れずに。

太陽暦は、
紀元前のローマで、
ユリウス・カエサルがつくった。

私が、最も好きな歴史上の人物。
その太陽暦の矛盾を補うのが、
4年に1日の今日。

だから私は、ほかの人以上に、
今日を大切にする。

皆さんも。

 

さて、イオンは昨28日、
新しい中期3カ年計画の基本方針を発表した。

イオンの「中計」は、
日本の商業全体に影響を与える。
ウォルマートのそれは、
アメリカの経済全体に影響を与える。

「まだまだ、です」
イオンタワー
中期計画は、3年でなくともよい。
4年でも、5年でも。
ただし、それが連続していなければならない。
そして、中期計画ごとに、
明確な方針がなければならない。

2009年2月からの新中期計画の基本方針を、
その実施の1年前に、内外に発表する。
この姿勢はよい。

だから、日経新聞、朝日新聞などの
「今期下方修正」という記事との抱き合わせは、
中期計画の本質をあいまいにしてしまって残念。

イオンは「緩やかな連帯」を標榜してきた。
いまやグループ企業160社。
それを「堅い一枚岩」にする。
そのために、純粋持株会社に移行する。

ずっと拡大路線をとってきた。
それを収益体質にする。

グループのマーチャンダイジング力を強化する。
共同仕入れ、プライベートブランドを充実させる。

そして投資は、アジアに振り向ける
すなわち国際化をさらに進める。

こんなところが骨子である。

至極全うな基本方針。

日本の商業・消費財産業に大きな影響を与える。
しかし、まことに残念ながら、
日本経済に決定的な影響を及ぼすところまでには、
至っていない。

「日本商業の現代化」を標榜する私としては、
誠に残念ながら。

<結城義晴>

2008年02月28日(木曜日)

「靖ちゃん日記傑作集」届けられる

松崎靖さんから「靖ちゃん日記傑作集」が届けられた。
うれしい小冊子。
松崎さんの本
松崎さんは、群馬県大間々の㈱足利洋品店代表取締役社長。
「店主」という言葉のほうがふさわしいし、
ご本人もそのほうがいいと思っているかもしれない。

私が、一生、付き合っていこうと心に決めている商人だ。

「靖(やっ)ちゃん日記」は、その松崎さんが、
毎月1回、1日に発行している地域情報誌「虹の架け橋」のコラム。
「虹の架け橋」は昨年10月30日のこのブログでもご紹介した

新聞折り込みで、現在、1万部発行している。
下手な業界紙誌よりも部数は多い。

といっても、新聞折り込みだから、
いわゆるフリーペーパー。
別の見方をすると、変形チラシ。
しかし、チラシでは、まったくない。
「松崎靖新聞」、「松崎靖情報紙」といった趣がある。

品格と風情、ユーモアと知性、思いと感性にあふれている。

「靖ちゃん日記」はそのユーモア・コーナーを受け持っている。
しかも「靖ちゃん日記」は、松崎さんの手書き文字で構成されている。
味がある。

今回、送られてきた「靖ちゃん日記傑作集」は、
「虹の架け橋」発刊150号を記念したB6判90ページの小冊子。
表紙は、松崎さんのイラスト。

届いたらまずは読みます「靖ちゃん日記」

表紙に書いてある。
私も同感。

「靖ちゃん日記」編と「小耳にはさんだいい話」編の二部構成。
編集者・結城義晴的にいえば、
目次があれば、もっと親切かな、といった感じ。

しかし、内容は抱腹絶倒。
松崎さんは、「はじめに」で書いている。
「『靖ちゃん日記』のユーモアのパターンは
①ダジャレ、
②下ネタ、
③失敗談」
松崎さんは、
人生を面白くするためのキーワードは、
「感謝」と「感動」、
それに「頂いたご縁を大切にする」ことだという。

「靖ちゃん日記」は、その松崎さんの観察力と文章力で、
一段と素晴らしいものになっている。
下手な編集者より数段上の文章力。

お許しを得て、一つご紹介。

平成十九年 十一月十三日(火)
 今日は二十八回目の結婚記念日。偶然にも社会貢献者表彰の授賞式と重なった。全国で四十三人が選ばれた。授賞式では一人ひとり名前が呼ばれ、美人司会者が受賞理由を読み上げ、ステージの上の大画面に顔写真と活動の様子が映し出された。朝のリハーサル通りに壇上に上がり、三歩進んで右手の常陸宮様ご夫妻に向かって深々と一礼、賞状を頂いてから、会場に向かって一礼して右手から降りる。本番はコチコチに緊張、手が震えて足がもつれた。主催者の計らいで昨夜はホテルに二人で泊った。結婚式以来初めてだった。夕食は「清水の舞台」から飛び降りたつもりで最上階の高級レストランで…、と思ったが入口のメニューを見て目玉が飛び出しそうになった。三十七階は清水の舞台よりずっと高かった。下の階のレストラン街をブラブラして分相応の店で食べて飲んだ。二十八年前の夜はラブラブだったが…、昨日の夜はブラブラで終わった。

 

どうです?

心が温かくなりませんか?

「虹の架け橋」150号、おめでとう。

<結城義晴>

2008年02月27日(水曜日)

日経新聞一面のパートタイマー定年延長の記事は、イノベーション

今日2月27日付日本経済新聞の一面。
「食品スーパー各社 パート定年延長
ライフ70歳・いなげや68歳」

ニッケイ2
昨日のこのブログで登場してもらった岩崎高治社長の
ライフコーポレーション。

現在のパートタイマーの定年64歳を、
6歳上げて70歳とする。

時給は、原則として64歳のときと同様、
労働時間は週16時間以内と短縮して、
健康などに配慮する。

一方、いなげやは現在の65歳の定年を、
3歳上げて68歳とする。

いなげやも、時給や職場などは変えず、
本人の希望を反映させるとしている。
働きやすい環境を維持しつつ、
力を発揮してもらおうという意図。

2006年に雇用安定法が改正され、施行された。
いなげやは、その前に、
パートタイマーの定年を5歳延長した。
そして今回、3歳の延長。

ちなみに、マックスバリュ西日本など
イオンのスーパーマーケットも、
2007年2月に、正社員の定年を65歳に延長するととともに
パートタイマーも65歳まで勤務できる体制をつくった。

現状、ライフは、1300人ほど、
いなげやは400人ほどが、
60歳を超えるパートタイマーである。
この比率は、どんどん増えるに違いない。

世界最大の企業ウォルマート、
5000坪の巨大なスーパーセンターの入り口には、
「グリーター」と呼ばれる高齢のパートタイマーが、
必ず、笑顔でお客を迎えてくれる。
アメリカは、「少子高齢社会」ではない。
そのアメリカでも、
働ける者には、
働くチャンスが与えられる。
機会は提供され、あとは本人次第。

私もこれがいいと思う。

日本は、間違いなく「少子高齢化社会」を迎える。
だからこそ、年齢というものさしによって、
「働く意欲のある人」が職場から去るのは、
もったいないし、悲しい。

同じ年齢でも、フィジカル面・メンタル面で見ると、
個人差が大きい。

とすると、一律に、年齢という尺度でカットしてしまうのは、
本人にとっても、企業にとっても、
もったいない。

ライフコーポレーション、いなげやのこの判断、
柔軟な考え方が、よく分かる。
素晴らしい。

今、会社や店を経営、運営するとき、
頭をやわらかくすることこそ、大切だ。

「それは会社の決まり」
そういう声には、
「そのきまりはなぜあるのか」
と問い直してみるべきだ。
頭を柔軟にして、より良いことを模索する。
この柔軟性が、
企業の「競争力そのもの」である。

それが「イノベーション」を生む。

日経の一面に、食品スーパーマーケットの記事が、
それもパートタイマー定年延長のニュースが掲載された。
商業全体にとって、いいことだ。

<結城義晴>

2008年02月26日(火曜日)

ライフコーポレーション岩崎高治社長、学習院で講義する!

2月22日、金曜日。
東京・目白の学習院大学キャンパス。
学習院2
故田島義博院長が始められた学習院マネジメントスクール。
その2007年度『DSCM・基礎コース』の最終講義があった。

最終講義は、毎回、話題の経営者の講演と決まっている。
㈱ライフコーポレーション代表取締役社長
岩崎高治さん。

岩崎さん1
タイトルは、
「21世紀の流通業の課題」
ライフコーポレーションの経営戦略と課題。

最初に、学習院生涯学習センター所長湯沢威先生のご挨拶。
湯沢先生は学習院大学経済学部教授。

つぎに私が、「はじめに」と題したライフと岩崎さんのご紹介。
実は、この最終講義、
私が岩崎さんにお願いして実現したものなのです。

私は、この日の朝、お会いしたばかりの
ファーストリテイリング柳井正さんの言葉を修了する学生たちに贈った。
「日本人ほど勉強の好きな民族はいない。
日本人ほどそれを実践しない民族もいない。
皆さんは、是非、ここで学んだことを、
実践していただきたい」

さて岩崎さんの講義。
私、びっくりした。
16時40分から、きっかり1時間。
ライフコーポレーションの経営の現状、
この間に展開してきた「15の改革」と、
これからの3年間で推進する「12の課題」。
その理由と方法。
自信満々で、しかも率直で、謙虚。
この3つの要素を嫌味なく表現できる語り手は、
そう多くはない。

岩崎さん3

岩崎さんは言う。
「小売業は、どこでリスクをとっているか。
売れるかどうか分からないのに、
店を持つ。
売れるかどうか分からないのに、
人を雇う。
売れるかどうか分からないのに、
商品を仕入れる。
売れるかどうか分からないのに、
店を開ける。

店を持ち、人を雇い、商品を仕入れ、店を開ける。
これが、小売業のリスクです」

このリスクを背負って、社会貢献し、利益を上げていく。
そのために、3つのことをやってきた。
1.民主化
2.オープン化
3.自由化

これが「15の改革」を推し進めてくれた。

いまライフコーポレーションは、
年間売上高4220億円、197店舗、食品の売上高比率79.1%。
2011年の50周年には、5000億円、250店舗のビジョンを掲げる。

岩崎さん2

聴衆は、引き込まれるように聞いていた。
日本最大の食品スーパーマーケット企業。
それを率いる若き経営者。
過去最高の売上高と経常利益を出している。

その上で岩崎さん、
「働き甲斐のある会社をつくる」
こう結んだ。
大賛成。

私の唱える「日本商業の現代化」は、
顧客満足と従業員満足の一致をひとつのテーゼとしている。
それはすなわち「働き甲斐のある会社づくり」である。

質疑応答のあと、
学習院マネジメントスクール・ヘッドマスター上田隆穗先生の講話。
そしてDSCM受講生への修了証授与。
修了証書
皆さん、おめでとう。
「学んだことは、実践せよ」

18時20分から、懇親会。
岩崎さんも、忙しいのに残ってくれて、
学生たちも大喜び。
私も固い握手。
岩崎さんと写真ブレブレ、恐縮。

私たちは「商業現代化の同志」なのです。

岩崎さん、ありがとう。

<結城義晴>

2008年02月25日(月曜日)

ファーストリテイリング柳井正さんに貰った「商業現代化」への勇気

Everybody! Good Monday!

2月も終わります。
もう、春がそこまでやってきています。

もちろん日本は、地理的に南北に長い。
だから春が来る地域と、
春はまだ来ない地域と、
ずっと春と夏みたいな地域とがある。

でも、一般的に言って、
春がそこまでやって来ようとしていることは確かです。

それは、手放しで嬉しいこと。
商業者は春がやって来たことを手放しで、
愛でなければならない。
お客様に、伝えなければならない。

伝えるには、自分が信じなければならないし、
自分が春を楽しまねばならない。

「楽しめ」と強要しているわけではありません。

春を楽しむ余裕を持った商人が、
春を伝える資格を得る。
そして、3月の成果を獲得できる。

いい仕事です。

春を楽しむ心の余裕が、
仕事の成果につながる。
三段論法で考えると、そうなってきます。
だから自信を持って。

あと1週間で、その春の訪れ、
「ひな祭り」
いかがでしょう。
皆さんのお店、会社では、
「ひな祭り」への態勢は整っていますか。
昨日、一昨日の土日が、実は大切なのです。

1週間前の週末。
この時に、来週は「ちらし寿司」食べたいと、
サブリミナル効果のようにイメージしてもらっておくこと。
女の子の節句を楽しみたいと、
心に秘めてもらっておくこと。

それは、女のお子さんだけではありません。
もちろんそのお母さんだけでも、
お祖母さんだけでもありません。

むしろお父さん、お祖父さん、お兄さんに、
そして男性に、訴えかけておく。
客層を広げていく努力こそ、
商売の本質であり、
成功の近道なのです。

この1週間、まだ遅くはありません。

 

さて、先週金曜日。
東京・九段下。
ユニクロの柳井正さんに会った。
㈱ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。
柳井正さんと
柳井さんとは、2000年秋、
私が『販売革新』編集長に就任した時からのお付き合い。

初対面の時から、妙な感じで意気投合。
私、ジャーナリストとして、
柳井正という商売人に惚れた。

柳井さんは、その「商売人」という言葉が好きだ。

ユニクロは1998年にフリースが大ブレークし、
1999年、東証1部に上場し、絶好調。
私が、柳井さんに最初に会ったのはそんな時だった。

そして、初対面で、私は、
倉本長治師の次の言葉を、柳井さんに伝えた。
実は、商人の魂を持つジャーナリスト結城義晴が、
本気で勝負するときの切り札が、この言葉だったのだ。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」

この言葉が書かれた額は、東京の本部が、
渋谷から蒲田、そして九段下と変わっても、
ずっと柳井さんのオフィスに掲げられている。

その後、永田農法での失敗や、いくつかのミステークもあった。
しかし、私は初対面の時に感じた柳井正の志を信じていた。
柳井さんの信条は「一勝九敗」。
単行本のタイトルにもなっている。
9回失敗しても、1回の成功をめざす。
「現実は1勝99敗くらいです」
柳井さんは、笑いながら言う。

柳井さんは、金曜日にも言ってくれた、
「私が叩かれていた時も、
正しく評価してくれたのは、
結城さんだけです」

2005年2月、商業界ゼミナール。
私が、代表取締役社長をしていた商業界は、
第1回商人大賞を制定した。
そして厳正な審査の結果、
柳井さんに受賞してもらった。

柳井さんは、本当に喜んでくれた。
授賞のご報告の時、私は、切り札の奥の手を出した。
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
店主とともに滅びる」

柳井さんには、再び、受けた。とても。

そして、今度は私が、㈱商業界を退任して、ご挨拶に伺った。
柳井さんは、「商業の現代化」に賛同してくれた。
私の㈱商人舎の構想や志を聞いた後での、柳井さんの言葉。
「日本の商業の一大欠点は、
他人のものを売っていると思っていること」

「だから、中国冷凍ギョーザのような事件の時に、
対応がすっきりしない」
「自分でつくって、自分で売る気概が必要です」
ユニクロはまさにそれをやっている。

「商業は制度疲労を起こしている。
若い人が出てきてそれを打破しなければいけない。
だから魅力的な産業、魅力的な企業にならねばならない」
私たち㈱商人舎は、まさしくこのお手伝いをします。
顧客満足と従業員満足の一体化、
それを実現させる多数の経営者の登場。
それが「商業の現代化」の実態をつくりあげる。

「世界で戦えなければ、
日本でも生き残れない。

その意味で、世界の小売企業がどんどん出てきた方がいい」
世界の小売業、流通業の勉強も必要。

「日本人ほど勉強が好きな民族はいない。
しかし日本人ほどそれを実践しない民族もいない」

柳井さんは、ものすごい読書家である。
その柳井さんが、
「実践しないことは、学ぶことすら害になる」
と断言する。

大変な量の勉強をして、それを次々に実践・実行する。
だから必然的に1勝99敗となる。

しかし柳井正の本質は、
「失敗したら誰よりもきっぱりと、すばやく止める」
ここにある。

すなわち自己完結する。

大量の勉強。
勉強したことは、取捨選択。
選択したことは、必ず実践・実行。
失敗を直感したら、すぐさま撤退。
これらが自己責任のもと、自己完結。
だから必然的に成功がやってくる。

どうだろう。

勇気が出てこないだろうか。

柳井正流を、今、この瞬間に、
勉強したあなたは、
すぐに実践・実行してみたいと考えないだろうか。

柳井正さんに、今回も、心より感謝しつつ、
柳井さんと2
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2008年02月24日(日曜日)

ジジと目薬[日曜版]

「春らんまん」とかいうそうです。
うちのなかにはいってくる光がちがいます。

きのうは、つよい風がふきました。
それは「春いちばん」だそうです。
ジジ02241

まどのそとの光も、
「春らんまん」でしょうか。
春らんまん1

ベランダの光も、
「春らんまん」でしょう、きっと。

この光を見ることができる。
それだけで、しあわせです。
春らんまん2

でも、ユウキヨシハルさん、
目がひどくなりました。
先週の火曜日の夜。
ボクも、心配です。
ジジ2242

右目にかすみがかかったのです。
それで、東京池尻の東邦大学付属大橋病院に、
タクシーで行った。
お台場の有明ワシントンにとまっていたそうです。
スーパーマーケットトレードショーがはじまる前の日。
大橋病院
病院で、1時間テンテキをうけて、
ガンアツをさげて、夜中の2時に、
タクシーでホテルにかえってきた。

それから3日間、病院にかよいながら、
仕事した。

いまは、毎朝、毎晩、
目ぐすりと飲みぐすり。
ボク、みています。
目ぐすりを目にいれるところ。
ジジと目薬

眼ぐすりは、5つ。
リンデロン、
エイゾプト、
ミドリン、
チモプトール、
キサラタン。
目薬1
まちがえないように、
ちがう色のふくろにはいっている。

いつもは、
小さなかごのなかに、
いれてある。
目薬2
ユウキヨシハルさん、
目ぐすりが、鼻のほうにぬけないように、
ていねいに、鼻のうえのほうをおさえて、
目ぐすりをさす。
ボクは、それをみています。

そのときは、
メガネを、
メガネケースに入れておきます。
寝るときもメガネケースにいれます。
ボクは、ふまないように、
気をつけています。
眼鏡ケース

3月に手術するかもしれません。
ボク、心配です。
仕事も、ものすごく、
忙しそうだし。
ジジ2243
でも「春らんまん」の光、
みられなくなるのも、さみしいのでしょう。

光を感じることは、
生きているあかしですから。

ボクも、ユウキヨシハルさんも。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年02月23日(土曜日)

2008スーパーマーケットトレードショー③「最後の一口の試食」

2月22日、日本最大の食品フェアが終了した。
フランスのSIALもスタート時点では、
フランス小売業協会が主催していた。
フェア自体は隆盛し続けたが、
運営は途中から出版社兼メッセ企業が引き継いだ。

しかしスーパーマーケットトレードショーは、
日本セルフ・サービス協会が主催を続け、
なおかつ21世紀に入ってから、
驚くべき成長を遂げている。

日本のスーパーマーケット業界全体をみると、
成長というよりも淘汰が始まっている。
企業や店舗の淘汰、統合が進行している。

しかしスーパーマーケットトレードショー自体は、
重要性が増している。

これは、次のことを示している。

スーパーマーケットの社会的機能は、
ますます重要になっている。
しかしその機能を担う企業数が、
減少している。

だからスパーマーケットに関連する企業群が、
トレードショーに参集してくる。
エキジビター(出展者)もビジター(来訪者)も、
増加することになる。

私は、これは社会的進化であると考えている。
従って進化の過程で、主体者には、
それを提示する責務が生まれる。

だから日本セルフ・サービス協会は、
今年の協会設立50周年を機に、
「新セルフ・サービス宣言」を発する。
これはセルフ・サービスとスーパーマーケットが、
今後、いかに進化するかという内容を具象化するものである。

さて、この2008のトレードショーの出展社のブースを、
少し見てみよう。

寺岡精工は、毎年、強大なスペースに、
全国の営業マンを参集させて、営業を展開する。
今年は、セルフレジに力を入れた。
さらにネットワークシステム、環境機器を中心に、
ソリューションを揃えた。
寺岡

岡村製作所のテーマは、省エネルギー・省力化。
バックヤードから冷凍冷蔵ショーケース、ゴンドラまでの、
トータルシステムが特徴。
おかむら

日進工業は、ショーケースとカートシステムが特徴。
省力化は今年の大テーマとなる。
日進工業

福島工業では、惣菜の焼き物製造のシステムの説明を受けた。
工程を減らし、時間を減らす様々な工夫が、
スーパーマーケット企業の実験で明らかにされた。
フクシマ

伊藤園は、カテキン緑茶に絞り込んで訴求。
食品や飲料メーカーの、トレードショー戦略は、面白い。
この伊藤園の考え方「絞り込み」が一つ。
この春に向けて伊藤園は、意欲的に開発商品を増やした。
その中からスーパーマーケット・フォーマットにはこれ、
と絞って展開。
伊藤園

一方、国分は、総合化で迫る。
当然ながら総合問屋だけに、その総合性を、
8万人に近い来訪者に、誇示しようとの戦略。
国分

グリコは、タレントを起用して、
驚くべき人だかりをつくっていた。
グリコ

一流メーカーに対して、
県別のブースの盛況ぶりが今年の特徴。
島根県や静岡県。
北海道も元気。
世界のトレードショーのトレンドは、
中小生産者やローカルブランドが、
檜舞台に登場することにある。
そのためのトレードショーである。
パリのSIALもケルンのアヌーガも、
小さな村のソーゼージやハム、ワインやリキュールが、
世界からのバイヤーに、直接食べてもらい、
直接聞いてもらって、訴求される。
それに意味がある。
日本のスーパーマーケットトレードショーもそうなってきた。
この島根県のブースを見れば、それがよくわかる。
島根県

菓子問屋17社が参集したエヌエス。
アイテム数1500、PB商品取引高235億円のグループ。
グループの冨士屋本店社長・谷上浩司さん、
タケイ社長の武井康浩さんと写真。
エヌエス

バリラ・ジャパン社長の豊田安男さんは、
トレードショー主催者VIPスペースに隣接したブースを確保し、
しかも、バリラのパスタ・レストランを開設。
トレードショーのなかで差異性を出すことに成功、と私は見た。
このパスタ・レストランの味、そん所そこらにはない。
そして、その味を、特定顧客に提供した。
しかも、「完食」してもらう作戦。
バリラ
私は、常々、思っている。
スーパーマーケットで行う「試食」。
一般に、量が少なすぎる。
もっと大目にすべきだ。
だからスーパーマーケットトレードショーの実行委員会でも、
「試食の量は大目にしよう」と呼び掛け続けている。
最も優れた試食は、1食分全部食べてもらうこと。
顧客は、最初の一口においしさを感じる。
しかし最後の一口に満足感を感じるものなのだ。
最初の一口が旨くとも、最後の一口が不味ければ、
リピート客にはなってくれない。

バリラ豊田さんの作戦は、1食全部食べてもらうこと、
すなわち、「最後の一口まで食べてもらう試食」である。
これは、しかし8万人のビジター全員には提供できない。
だから顧客を選ばせて頂いた。
すぐれた「差異化」戦略。
アメリカのホールフーズもウェグマンズも、
フードサービスを併設している。
セルフサービスの店頭で販売しているものと全く同じ商品を、
「完食」してもらう。
最後の一口まで試食してもらう。
それがホールフーズとウェグマンズのフードコートの本当の意味である。

買い物に来てくれたお客様が、
おなかがすいたから食べるところではない。
休むところでもない。

「最後の一口を、自分の金で試食してくれるところ」なのだ。
トレードショーのバリラ・ジャパンのブースは、
それを体現していたのだ。

これ、みんな、私の、勝手な推理。
外れていたら、すみません、豊田さん。

 

さて、そんなこんなで、トレードショーは終了。
私は3日間駐在。
しかし、開催前夜から、右目に異変をきたし、
病院通い。
初日前夜の午前1時には点滴を受けて、
タクシーでホテルに戻った。

大事な時にすみません。

最終日は、トレードショーが始まる前に、
ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんとの、
アポイントが入っていた。
お会いしてから病院に行ったら、
レーザー処置が必要だとか、
手術だとかの騒ぎになった。
何とかそれらをずらしてもらっているうちに、
トレードショー終了。
そしてその後、夕方、学習院大学マネジメントスクールで、
ライフコーポレーション社長岩崎高治さんの講演。
私は冒頭のご挨拶。
これには出なければと、病院から直行。

なんとも慌ただしい3日間だった。

お会いできた人、できなかった人、
ありがとう、ごめんなさい。

来週、柳井正さんの話、
岩崎高治さんの講演、
このブログでご紹介の予定。
乞う、ご期待。
良い週末を。

<結城義晴>

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