結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年02月23日(土曜日)

2008スーパーマーケットトレードショー③「最後の一口の試食」

2月22日、日本最大の食品フェアが終了した。
フランスのSIALもスタート時点では、
フランス小売業協会が主催していた。
フェア自体は隆盛し続けたが、
運営は途中から出版社兼メッセ企業が引き継いだ。

しかしスーパーマーケットトレードショーは、
日本セルフ・サービス協会が主催を続け、
なおかつ21世紀に入ってから、
驚くべき成長を遂げている。

日本のスーパーマーケット業界全体をみると、
成長というよりも淘汰が始まっている。
企業や店舗の淘汰、統合が進行している。

しかしスーパーマーケットトレードショー自体は、
重要性が増している。

これは、次のことを示している。

スーパーマーケットの社会的機能は、
ますます重要になっている。
しかしその機能を担う企業数が、
減少している。

だからスパーマーケットに関連する企業群が、
トレードショーに参集してくる。
エキジビター(出展者)もビジター(来訪者)も、
増加することになる。

私は、これは社会的進化であると考えている。
従って進化の過程で、主体者には、
それを提示する責務が生まれる。

だから日本セルフ・サービス協会は、
今年の協会設立50周年を機に、
「新セルフ・サービス宣言」を発する。
これはセルフ・サービスとスーパーマーケットが、
今後、いかに進化するかという内容を具象化するものである。

さて、この2008のトレードショーの出展社のブースを、
少し見てみよう。

寺岡精工は、毎年、強大なスペースに、
全国の営業マンを参集させて、営業を展開する。
今年は、セルフレジに力を入れた。
さらにネットワークシステム、環境機器を中心に、
ソリューションを揃えた。
寺岡

岡村製作所のテーマは、省エネルギー・省力化。
バックヤードから冷凍冷蔵ショーケース、ゴンドラまでの、
トータルシステムが特徴。
おかむら

日進工業は、ショーケースとカートシステムが特徴。
省力化は今年の大テーマとなる。
日進工業

福島工業では、惣菜の焼き物製造のシステムの説明を受けた。
工程を減らし、時間を減らす様々な工夫が、
スーパーマーケット企業の実験で明らかにされた。
フクシマ

伊藤園は、カテキン緑茶に絞り込んで訴求。
食品や飲料メーカーの、トレードショー戦略は、面白い。
この伊藤園の考え方「絞り込み」が一つ。
この春に向けて伊藤園は、意欲的に開発商品を増やした。
その中からスーパーマーケット・フォーマットにはこれ、
と絞って展開。
伊藤園

一方、国分は、総合化で迫る。
当然ながら総合問屋だけに、その総合性を、
8万人に近い来訪者に、誇示しようとの戦略。
国分

グリコは、タレントを起用して、
驚くべき人だかりをつくっていた。
グリコ

一流メーカーに対して、
県別のブースの盛況ぶりが今年の特徴。
島根県や静岡県。
北海道も元気。
世界のトレードショーのトレンドは、
中小生産者やローカルブランドが、
檜舞台に登場することにある。
そのためのトレードショーである。
パリのSIALもケルンのアヌーガも、
小さな村のソーゼージやハム、ワインやリキュールが、
世界からのバイヤーに、直接食べてもらい、
直接聞いてもらって、訴求される。
それに意味がある。
日本のスーパーマーケットトレードショーもそうなってきた。
この島根県のブースを見れば、それがよくわかる。
島根県

菓子問屋17社が参集したエヌエス。
アイテム数1500、PB商品取引高235億円のグループ。
グループの冨士屋本店社長・谷上浩司さん、
タケイ社長の武井康浩さんと写真。
エヌエス

バリラ・ジャパン社長の豊田安男さんは、
トレードショー主催者VIPスペースに隣接したブースを確保し、
しかも、バリラのパスタ・レストランを開設。
トレードショーのなかで差異性を出すことに成功、と私は見た。
このパスタ・レストランの味、そん所そこらにはない。
そして、その味を、特定顧客に提供した。
しかも、「完食」してもらう作戦。
バリラ
私は、常々、思っている。
スーパーマーケットで行う「試食」。
一般に、量が少なすぎる。
もっと大目にすべきだ。
だからスーパーマーケットトレードショーの実行委員会でも、
「試食の量は大目にしよう」と呼び掛け続けている。
最も優れた試食は、1食分全部食べてもらうこと。
顧客は、最初の一口においしさを感じる。
しかし最後の一口に満足感を感じるものなのだ。
最初の一口が旨くとも、最後の一口が不味ければ、
リピート客にはなってくれない。

バリラ豊田さんの作戦は、1食全部食べてもらうこと、
すなわち、「最後の一口まで食べてもらう試食」である。
これは、しかし8万人のビジター全員には提供できない。
だから顧客を選ばせて頂いた。
すぐれた「差異化」戦略。
アメリカのホールフーズもウェグマンズも、
フードサービスを併設している。
セルフサービスの店頭で販売しているものと全く同じ商品を、
「完食」してもらう。
最後の一口まで試食してもらう。
それがホールフーズとウェグマンズのフードコートの本当の意味である。

買い物に来てくれたお客様が、
おなかがすいたから食べるところではない。
休むところでもない。

「最後の一口を、自分の金で試食してくれるところ」なのだ。
トレードショーのバリラ・ジャパンのブースは、
それを体現していたのだ。

これ、みんな、私の、勝手な推理。
外れていたら、すみません、豊田さん。

 

さて、そんなこんなで、トレードショーは終了。
私は3日間駐在。
しかし、開催前夜から、右目に異変をきたし、
病院通い。
初日前夜の午前1時には点滴を受けて、
タクシーでホテルに戻った。

大事な時にすみません。

最終日は、トレードショーが始まる前に、
ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんとの、
アポイントが入っていた。
お会いしてから病院に行ったら、
レーザー処置が必要だとか、
手術だとかの騒ぎになった。
何とかそれらをずらしてもらっているうちに、
トレードショー終了。
そしてその後、夕方、学習院大学マネジメントスクールで、
ライフコーポレーション社長岩崎高治さんの講演。
私は冒頭のご挨拶。
これには出なければと、病院から直行。

なんとも慌ただしい3日間だった。

お会いできた人、できなかった人、
ありがとう、ごめんなさい。

来週、柳井正さんの話、
岩崎高治さんの講演、
このブログでご紹介の予定。
乞う、ご期待。
良い週末を。

<結城義晴>


0 件のコメント

  • 目の調子ゎ大丈夫ですか???
    あまり無理をしないで下さい。

    岩崎社長の話ゎ凄い楽しみです!

  •    目は持病なのです。

       岩崎さんの講演、楽しみに。

  •  今月福井の会合で知って以来、残念ながら『毎日』ではありませんが拝見させてもらっています。毎日更新している結城さんに失礼ですね。毎日拝見する様頑張ります。
     『体』何物にも変えられない『資本』でもあり貴重な『財産』です。日々お手入れを。

  •    ゴトウさま、ありがとうございます。
       「ほぼ日」の糸井さんのような感じ、
       それがいいのでしょう。

       長いおつきあいを、お願いします。

       私の体、仰るように唯一の資本であり、
       かけがえのない財産です。
       大切にします。
       お約束します。

       感謝します。

       

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