結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年10月17日(金曜日)

「週末のこの一品」と米国「ニコラス」グランドオープン・レポート

週末は、盛りだくさん。

①世界経済の話。
②「林廣美のこの一品」
③アメリカ報告「ニコラス・グランドオープン」

株式市場、大混乱。
週明け、暴落から反発したものの、
三度、四度、反落。
日本の基準は、日経新聞の平均株価で表現される。
アメリカは、ダウ・ジョーンズ社。
だから日本は「日経平均」
アメリカは「ダウ平均」

その日経平均、昨日は1089円も下がった。
11%強のダウンで、過去二番目。
平均株価が8458円。

為替市場でも、ドルが下がって、円が上がった。
1ドル99円台前半。

一連の株安によって、
アメリカ・ヨーロッパ・日本で、
時価会計を一部凍結する動きが出始めた。

企業の会計原則を、一時的に、
株式の時価で評価するやり方から、
簿価で評価するやり方へ戻す。

世界の貨幣経済の最大の要素は、株式時価総額で、
それが1年前には40兆ドルあった。
それがこのところの株価暴落で半減した。

これを時価総額で評価していたら、
多くの企業の「企業価値」が半減してしまう。
だから時価評価の会計制度を、一時的に凍結しようというのだ。

すなわち、
「企業価値」の評価が変わりつつある。

株価評価という物差しの転換。

何に?

それは、今のところない。

私は、企業の「信用」が、
何らかのメジャーになるのがよいと思っている。

それは、株価ではなくなりつつある。

マネーではなく、「信用」。

それが今日のニュースの最大のポイント。

さて、今日の第二弾。
「林廣美の金曜日のこの一品」
週末に、この一品をお客様に売り込んでほしい。
その、商品は?

「新米ちらし寿司」

おばあちゃんがつくるようなちらし寿司。
各地域の土産土法のちらし寿司。
「土産土法」(どさんどほう」とは、
その土地でつくったものをその土地の調理法で食べること。

しかも、今の時期は新米を使う。
「新米」のシールを必ず貼ること。

なお、来週、金曜日の24日。
林先生、岩田弘三さん、そして私の、
「3人のビッグセミナー」開催
岩田さんは、ご存知、ロックフィールド社長。
いま、惣菜・中食の世界で最も自信を持って経営している人。
ウェグマンズのカテゴリー・マーチャント吉野邦夫さんをして、
「あのまま持って帰っても、売れる商品ばかり」と言わしめた。
そのロックフィールドの岩田さんの経営、商品、時代の見方。
それらが、全部、分かる。
是非、ご参加を。

さて、今日は、盛りだくさん。
何度も言う

第三弾は、アメリカ・スーパーマーケットのカメラ・レポート。
大好評。

あまり知られていない企業。
たった2店舗の「ニコラス マーケット」。
ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。
現在、「フード・タウン」というバナーで、
800坪のスーパーマーケットを展開。
インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。

ニュージャージーで1943年に、食品店としてスタート。現在、「フード・タウン」というバナーで、800坪のスーパーマーケットを展開。インディペンデントながら、素晴らしい店づくり。

私たちが訪れた10月11日は、
リニューアル・グランドオープンの日だった。
ニコラスチラシ1
ニコラスチラシ2

ニュージャージーの高級住宅地の木陰の中に、
瀟洒な建物が登場する。
ニコラス1
ネイバーフッド・ショッピングセンター。

入り口で、縫いぐるみのライオンが出迎えてくれた。
ニコラス2
楽しいスーパーマーケット。

ロバート・グリーンウェイ店長がインタビューに応じてくれた。

「リニューアルオープンで、店は新しくなった。
最新のマーチャンダイジングを展開している。
プロデュースの部門、サービス・デリの部門が鍵を握る」

現在、120名の店員。
皆、家族的な雰囲気で、
インディペンデントにしか出来ないサービスを提供している。

「Niche(ニッチ)」という言葉は、
その人、その会社の「最適の位置付け」を意味する。

「隙間」という意味だけではない。
アメリカで生き残って、再投資できる独立系の店は、
必ず、ニッチのポジションを獲得している。
それは、自らの「ロイヤル・カスタマー」を確保しているから、
可能となる。

店舗入り口では、美しい花が顧客を迎えてくれる。

右手壁面の最初の売場は、バナナとパイナップル。
大きなカットで「試食」を提供。

瑞々しい葉物の売場が続く。

左手壁面はカットフルーツから始まる。

左手は、見事なりんごの売場。
アメリカでは、20SKU以上のりんごがなければ、
強い青果部門とはいえない。

青果売場から、鮮魚部門に続く。
今回、強化した売場。

そして奥の壁面は、ミート、乳製品。

牛肉は、「プライム」の最上級グレードを品揃えしている。

フレッシュ・ソーセージも、このニコラス独特の味。

店舗左側に、チーズの売場。
これもインディペンデントのスーパーマーケットには、
欠かせない売場。

モッツァレラチーズの試食実演コーナー。
これがおいしいし、惜しげもなく試食させてくれる。
顧客はまさに「サンプル・ライフ」。

チーズに続いて、ゲーム・ミートの対面売場。

そして寿司は欠かせない。
ただし、これは問屋の商品。

本格的なデリカテッセン。
対面売場で、顧客の要望どおりの量を包んでくれる。

レジ前には、美しいボリューム陳列のグロサリー。

店舗左手がベーカリー。
このベーカリーも商品とイメージが一致している。
コーネル大学では「ノン・ファンクショナル」という。

最後にデザート・ケーキ売場。
アメリカのスーパーマーケットは食事の順番に、
部門が並んでいる。
部門を回ると、フルコースのディナーが楽しめる。

レジは、フレンドリー。
グランドオープンだからといってぎすぎすしたとこは全くない。

「ニッチ」こそ、生きる道。
そのニッチであることに、誇りを持つ。
それがアメリカのインディペンデントの生き方なのだ。

週末の長編、ご愛読、感謝。

<結城義晴>

2008年10月16日(木曜日)

またまた株価反落、9000円を切るときに思う『岡田屋の家訓』⇒「上げに儲けるな、下げに儲けよ」

日経平均株価は、今日、午前中に、
またまた急落。
980円下げて、9000円を切った。

株式をもっている人は、
居ても立っても居られないだろうし、
仕事に手がつかないかもしれない。

イオンの家訓に、
「上げに儲けるな、下げに儲けよ」
というのがある。

イオンの前身・岡田屋の大正時代の大暴落の時のこと。
生糸、綿糸などの暴落が始まった。
呉服屋の岡田屋は、五世惣右衛門の指示のもと、
すべての商品を現金化した。
五世惣右衛門は、現イオン岡田卓也名誉会長の祖父、
岡田元也社長の曾祖父に当たる。

惣右衛門は言った。
「今年入った丁稚小僧にも、
好きな値段をつけて売らせろ」

丁稚小僧とは12歳から14歳くらいの子供。
商品価値がわかるはずもない。
その丁稚にまで、好き勝手に安い値段をつけさせて、
大売り出しを行った。

在庫を二束三文で売り切ろうと試みたのである。

あまりの安さに、景気が悪いにもかかわらず、よく売れ、
二束三文の商品は、現金となった。

ここで、「にもかかわらずの論理」が登場する。

できた現金をもって、産地に走った。
買っては売り、買っては売りを繰り返し、
岡田屋はこの大暴落に大儲けをしたという。

関東の産地では、現金を見せて、
「商品を買う」と言ったら、
「商品だけでなく、機械まで一緒に買ってくれ」と言われたほど。

『岡田卓也の十章』((株)商業界刊)に、ある。
『岡田卓也の十章』
「金融や相場の大暴落に当たっては、商品をいち早く現金化することが、最も大切である」

この儲けを基にして、
大正15年、岡田屋は資本金25万円の株式会社に改組する。
それが岡田屋の近代経営のスタートとなった。

2008年の今、株式の大暴落と乱高下。
最も確かなものに変えるのが、得策。

しかし、実はそれよりも大切なものがある。
岡田卓也さんは、述懐する。
「信用」である。

事業を展開し、商売を営む者が、
相場や株に手出しすることは、
自ら戒めねばならないが、
この乱高下の時にこそ、
「上げに儲けるな、下げに儲けよ」の岡田屋の家訓は輝く。

私は、言い続ける。
「楽して儲けるな!」

そして、今月の商人舎標語。
「だから」を廃し、
「にもかかわらず」を貫け。

<結城義晴>

2008年10月15日(水曜日)

A&P最新フォーマット「Fresh」――斬新さの半面の「形つくって魂入れず」

今回は、珍しく、
時差ボケというか、
疲労蓄積というか。
それとも安堵感というか、
満足感というか。

貨幣経済危機の米国の緊張感というか。

そんなものが私の頭と体に溜まっています。

ノーベル経済学賞のポール・グルーグマン博士は、
米国の住宅バブル崩壊と金融危機を予言し警告を発していました。

そして「国家の破綻は回避できるが、不況は長期化する」と、予告。

フリードリヒ・フォン・ハイエク博士、
ミルトン・フリードマン博士から始まった「小さな政府」路線に、
ひずみが出ていることを指摘。

世界経済の論議も、新しい局面を迎えます。

グルーグマン教授の言葉のように、
「米国の国家的危機は回避」されそうなものの、
「長期化する不況」は避けることができません。

だからこそ「節約、倹約。もったいない」
そして「楽して儲けるな!」なのです。

さて、アメリカ報告の続き。
今日は、The Great Atlantic & Pacific Tea Companyの最新店。
「大西洋と太平洋を結ぶお茶の会社」という大仰な名前。
そんな名前を持つスーパーマーケットチェーン。通称A&P。
その最新店のカメラレポート。

いい店です。
ところが、問題あり。

A&Pは1970年代まで、米国最大のスーパーマーケットでした。
当時の第2位がセーフウェイ、第3位クローガー。
ちなみに米国チェーンストアランキングは、
以下のようになっていました。
1 シアーズ・ローバック
2 A&P
3 セーフウェイ
4 JCペニー
5 クローガー
6 モンゴメリーウォード

いわゆるGMSが3社、スーパーマーケットが3社
A&Pはシアーズに続いて第2位。
このころは2000店を超える巨大チェーンストアだった。

しかし1980年になると、A&Pは第7位で、
スーパーマーケット順位はセーフウェイに抜かれて第2位。
1990年は第9位で、スーパーマーケット第4位。
2000年はベスト20のランク外。
そして、2008年は、第54位。
第52位ホールフーズと第53位トレーダージョーの次。
感慨深いものがある。

なぜか。

一言でいえば、
イノベーションが、
企業の中から消え失せてしまったからです。

それを招いたのは、官僚化した組織。
「変わりたくない」という幹部・社員の気分が、会社に蔓延した。

現在は、
A&P 102店
Waldbaum’s 63店
A&P Liquor 26店
Super Fresh 76店
The Food Emporium 32店
Food Basics USA 9店
Pathmark 139店
合計447店のチェーン。
それぞれの店舗の形態を「フォーマット」という。
名前を「バナー」という。

今回訪れたのは、「A&Pフレッシュ」という最新フォーマット。
ところは秋真っただ中のニュージャージー。
ファサード

店舗入り口は、青果で華やかに。
seika

野菜果物は、店の顔。
店内は、まったく新しいパターン。
青果  

天井のデザインが、斬新なイメージをつくり出す。
青果3

店舗中央にデリの売り場が、円形に設けられている。
tyuuou

店舗右側のコーナーがベーカリー。
このあたり、焼きたてのパンの香りがかすかに漂う。
a&p6

奥壁面は、シーフードからミートへ。
従来の「コの字」型のレイアウトが、基本になっているが、
「コの字」にカーブが付けられた最新タイプ。
a&p8
コストがかかりすぎるとか、回遊しにくいとかの理由もあるだろう。
しかし、斬新な空間を、顧客が求めていることも確か。

そのあたりの折り合いを、どこに求めるか。

ウェグマンズやホールフーズが好例だ。

中央のデリのコーナー。
a&p7

回り込んで、オリーブの対面売り場。
a&p15

さらに回り込んで中央のデリ売り場。
a&p14
店舗中央をぐるりと回ると、
惣菜とサービスデリが買い回れるように設計されている。

そして、コスメティック・ファーマシーの売り場。
このコーナーは、サークル型につくられていて、
カラーコントロールも行き届いて、快適。
a&p11

日用雑貨売り場も美しい。
a&p13
しかし、私はデザイナー優先の売り場に見えた。
えてしてこういう店は、オペレーションに支障をきたしやすいもの。
表面はきれいだが、品揃えや鮮度が堅持されなければ意味がない。

最後にレジのコーナー。

しかし、10月11日土曜日の午後。
ドライグロサリーのゴンドラには、あちこちに、穴があいていた。
a&p12

店舗のリモデルをしている。
そのためのレイアウト変更。
a&p9

形だけ斬新でも、
買いやすい売り場づくりになっていなければ、
顧客は買わない。
だから売り場変更しなければならなくなる。
a&p10

A&Pには「フード・エンポリアム」というアップスケールタイプがある。
これも、ウェグマンズやホールフーズには遠く及ばない。

この「フレッシュ」という新フォーマットは、
セーフウェイの「ニューライフスタイル・タイプ」をモデルにしているが、
形つくって、魂入れず。

A&Pの苦悩は続く。
リモデルが成功することを祈るばかりだ。

「自ら、変われ!」私は、言い続けている。

しかし、形が変わっても、
お客様に受け入れてもらえなければ、
意味がない。

どう、変わるのか。
それが問題。

まずは、人間のビヘイビアが変わらねば。

<結城義晴>

 

2008年10月14日(火曜日)

米国からの帰国第一声は「楽して儲けるな!」

Everybody! Good Tuesday!

帰国しました。
収穫は、大きかった。

私自身は、コーネル大学のリテールに対するものの見方を、
明確に意識しながらの「考える視察研修」でした。

私の商業観と、コーネルの思想が一致していたことには、
驚きもありましたが、当然だという自負もありました。

それが私にとって、大きな収穫でした。
もちろん違いもありました。
「業態論・フォーマット論」は、
そのひとつの重大なテーマです。

もっともっと整理して、
2週間後の「商人舎USA特別研修会」では、
さらに筋の通ったアメリカ流通論を展開したいと思います。
ご期待ください。

さて、火曜日も夕方、
体育の日は、どうだったでしょうか。
今回アメリカにご一緒した店長さんたちも、
この3連休の実績をずいぶん気にしていました。
「でも、店長不在のときに、
成績が良過ぎたら、
複雑な気持ちだなあ」

そんな声もありました。

アメリカのマンハッタンやその周辺のニューヨーク近郊を見る限り、
金融危機が実体経済を直撃する様子は、
それほど顕著ではありませんでした。
それが私たちに、大衆の強さを感じさせてくれました。

Everybody GoodsとEveryday Goods。
このふたつを扱うのがチェーンストアであり、
スーパーマーケットです。
これは大原則です。
ウェグマンズにもホールフーズにも、トレーダージョーにも、
これらは共通しています。
We1
Everybody Goodsエブリボデー・グッズは「大衆品」と訳され、
Everyday Goodsエブリデー・グッズは「実用品」と呼ばれます。

これらが支持されることは、貨幣経済危機の今も、変わりません。
むしろ景気が悪くなったら、大衆品・実用品が輝きだす。

これを、あらためて「ベーシック」と呼びましょう。
A5
今、「ベーシック」こそ、最重要商品です。
「ベーシック」には、「コモディティ」もあれば、
「ノンコモディティ」もあります。

「ベーシック・コモディティ」と、
「ベーシック・ノンコモディティ」がある。

この概念が、これから鍵を握る。

ところで今週、最も心配されていた連休明けの東京株式市場。
貨幣経済のさらなる急落。

日経平均は反発し、9400円まで戻しました。
過去最高の1100円の上げ幅。

先週末に主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議が開催されました。
その結果を受けて、世界主要各国が、
公的資金の投入に踏み切る見通しが立てられたからです。
アメリカ政府は、25兆円の公的資金投入を決定しました。

「楽して儲かる」と大勘違いされたサブプライムローン。
そこに群がった金融機関。
かれらの一部を公的資金で救済する。

これが収まったら、その検証はしっかりしなければなりません。

そして、私たちも、
「楽して儲かる」ものには、決して群がってはならないことを、
肝に銘じなければなりません。

「楽して儲けるな!」

これがアメリカから帰ってきたばかりの結城義晴の第一声です。

それが「ベーシック」の追求にもつながる。

そのための姿勢はもちろん、今月の標語。
「だから」を廃し、
「にもかかわらず」を貫け。

Everybody! Good Tuesday!

<結城義晴>

[追伸]
AJS米国東部SM視察セミナーにご一緒して下さった皆さん、
ありがとうございました。
今回も、いいチームで、いいセミナーでした。
皆さんの、今後のご健闘、祈念します。応援します。

「自ら、変われ!」
明日から、これを、すぐに、
Behaviorで表してください。

自ら変わらなければ、店を変えることは出来ない。
自ら変わらなければ、職場を変えることは出来ない。
自ら変わらなければ、会社を変えることは出来ない。
そして自ら変わらなければ、社会を変えることは出来ない。

Good luck!

2008年10月13日(月曜日)

アメリカチェーンストアの好調組WWCの3カ月実績と貨幣経済危機の関係はいかに?

[Good Monday]の月曜日ですが、
今日、日本は体育の日。祭日。

だから、明日、[Good Tuesday]となります。
悪しからず。

今、ニューヨーク時間で、
13日午前4時45分。

もう、帰国です。
かつては、2週間のツアーや10日間が、
アメリカ視察のパターンでした。

それが最近は、1週間。
実質、6日間。

岡田卓也イオン名誉会長が、最初に
アメリカを訪れたのは昭和34年だったそうですが、
そのころは、1カ月の長旅でした。
羽田空港から、皆に送られつつ、
タラップを上ったといいます。

現在は、スピード時代。
しかし、いつだって、あっという間に、
アメリカセミナーは終わってしまう。

名残惜しさが残ります。

そしてアメリカ視察の終わりの方は、
怒涛の臨店ラッシュなのですが、
それを十分にご報告できないままに、
日本での日常に、突入してしまいます。

だから今回は、帰国してからも、しばらく、
アメリカ報告を続けたい。

さて、この3カ月の、
アメリカ小売業の趨勢。
貨幣経済危機の中で、実体経済はどれくらい影響を受けているのか。
数値は以下の通り。
①9月の売上高前年同月比
②8月の売上高前年同月比
③7月の売上高前年同月比

百貨店は、皆、直撃された。

ノードストローム
①▲9.6% ②▲7.9% ③▲6.1%
超高級百貨店ニーマン・マーカス。
①▲15.8 ②▲0.5 ③▲1.7%
老舗百貨店サックス・フィフス・アベニュー。
①▲10.0% ②▲5.9% ③▲5.3%

ジュニアデパートで好調組だったコールズも、
①▲5.0% ②▲5.0% ③▲10.0%

GMSと呼ばれたJCペニー
①▲12.0% ②▲4.0% ③▲6.0%

ファッションチェーンは軒並み、ダウン。

かつての王者リミテッド。
①▲6.0%  ②▲7.0% ③▲5.0%
強者ギャップも。
①▲11.0% ②▲8.0% ③▲11.0%

あのアバクロンビー&フィッチも、
数字はどんどんひどくなる。
①▲14.0% ②▲11.0% ③▲7.0%

ドラッグストアは好調。
ウォルグリーン ①4.7% ②0.9% ③4.1%

ライトエイド ①1.7% ②1.1% ③1.2%

好調から不調への境目が、
オフ・プライスストアのTJX
①▲1.0%  ②0.0%  ③3.0%
7月まで、前年対比売上高がプラスだったのが、
8月にプラマイゼロになり、
9月にマイナスに転じた。

業態として好調だろうと思われるのが、
ディスカウントストアとスーパーセンターだが、
明暗分かれている。
王者ウォルマート
①2.0% ②2.8% ③3.0%
W5
対抗ターゲット
①▲3.0% ②▲2.1% ③▲1.2%

メンバーシップ・ホールセールクラブは絶好調。
ウォルマートグループのサムズクラブ
①4.6% ②4.2% ③3.5%
独走コストコ
①8.0% ②9.0% ③10.0%

サムズクラブは、ウォルマートの1業態。

だから、すべてのフォーマットの中のチャンピオンは、
コストコ。

それに続いて、ウォルマート。

そしてウォルグリーン。

かくて、
CWWが実体経済を支えていることになる。
ゴロが悪いから、WWC。

さて、ディスカウント型フォーマットが好調のように見えるが、
その中でも、仕分けが進む。

私は「寡占から複占へ」と言い続けてきた。
すなわち、そのフォーマットの大規模企業は、
数社から2社になると。

しかし、この数カ月、
2社ではなく、1社に絞られてきた。

そしてその次に来るのは、
業態フォーマット最強企業同士の「業態間対決」か。

貨幣経済のクライシスは、
歴史の独楽の早送りを生み出す。

業態の変遷が、走馬灯のように見える。

おもしろいことなのだろうが、
不安にもなる。

全体として見た、実体経済はどうなるのだろうかと。

こんな時にこそ、
革命的な業態が誕生するに違いない。

それが、ウォルマートの新フォーマット「マーケットサイド」なのか。

「何の変哲もない店」でありながら、
「顧客の暮らしに欠かせない店」
そんな店であったら、
これは、革命的なフォーマットだろう。

帰国します。
バスが待っている。

<結城義晴>

 

2008年10月12日(日曜日)

ジジのお留守番[日曜版]

jj6
ユウキヨシハルのお父さん、
出張です。

アメリカ。

この秋は、いそがしい。

ボクは、おるすばん。

デトロイトの空港。
タイムトンネル。
デトロイト

ニューヨーク。
マンハッタン。
ニューヨーク

うらやましいけど、
ボクは、空をとぶのが、
こわい。

だから、おるすばん。
jj3

お父さん、
パーク・セントラルというホテルに、
とまった。
シンガポール航空
シンガポール航空のおねえさんたち。

コロンバス・サークルの大きな像。

どこに行ったの?
jj3

「昼は、たくさん、お店を見たよ。
夜は、タイムズ・スクェア」
タイムズスクェア

きいろいタクシー。
地面からユゲ。
タクシ

きっと、
おいしいもの、
食べたんでしょ?
jj2

「いつものように、サンプル・ライフだよ」
サンプルライフ
[サンプルライフとは:試食のサンプル商品を食べて、お腹を満たすライフスタイル。
ノブ・ミゾグチさんが言いはじめた]

「でも、ドライ・エージド・ビーフの
ステーキハウスにも行ったよ」
ステーキハウス

「シーフード・レストランもね」
s

「それ、ジマン?」

ボクは、おるすばん。
いつものように、寝ながら。
jj5

でも、はやく帰ってきてほしいな。
いつものように、無事に。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年10月11日(土曜日)

ウェグマンズは極めてオーソドックスで高度なチェーン・オペレーションを展開している!

9日の朝、アメリカ小売業の講義で、
メイシーズが、ほとんどの米国百貨店を統合し、
従来の伝統的デパートメントストアは、
ノードストロームだけが残ったという話をしていた。
(コールズ、ディラードは新興百貨店、
ノードストローム以外に残った都市型百貨店はサックスだけ)

私は、いつものように言った。
「日本でいえば、高島屋がほとんどの百貨店を統合し、
伊勢丹だけが残ったようなもの」

その直後、高島屋とH2Oリテイリングの3年後の統合が発表された。
パルタックとアライドの合併も。
そして大和生命保険の経営破綻。

こちらの新聞にも、こんな見出しが躍った。
「Confidence Cracks」
「信頼の崩壊」

「信用にもとづいている金融システムの、
その信用が喪失した」
こんな表現も。

今、ニューヨークのパークセントラルホテル。
ホスピタリティで世界一のシンガポール航空の職員の定宿。
エキゾティックな風貌の客室添乗員が集団で出入りする。

アメリカの衝撃に、日本の企業も、動いている。

毎度のことのように言うが、
1929年の世界恐慌の翌年に、
マイケル・カレンの
スーパーマーケットは登場した。

1979年の二回目のオイルショックの翌年、
サム・ウォルトンが
エブリデー・ロープライスを始めた。

2008年の金融破綻の今、
何かが起こるに違いない。

それは、何か。

全身をアンテナにして、
この世界の中心・ニューヨークで、
感じ取ることにしよう。

しかし、そのニューヨーク、
意外なほど、活気がある。

ニュースや情報は、リアルタイムで世界を駆け巡る。
しかし、大衆は強い。
大衆の暮らしは、
そんなに劇的な変化をし続けるものではない。

実体経済は、ゆったりとしている。
貨幣経済の影響が、実体経済を直撃し、
実体経済まですぐにガタガタになることはない。

Moneyに踊り、Moneyに踊らされる者が、
「信用」を喪失し、破綻を迎える。

さて、ウェグマンズ。
予定を変更して、
ロチェスターで、4店舗を回った。
We1

良い店ばかり。
最新オープンの店舗。
話題の基幹店舗。
最古の大繁盛店舗。
そして、その間の店舗。

つくづく、感じた。

ウェグマンズは、
標準化の整ったチェーンストアであることを。

オーソドックスなスーパーマーケットであることを。
we2
(入口は全店同じ平台展開)

その大前提の上に、従業員のモチベーションがある。
we3
(ハロウィンの楽しい展開)

もちろん店内には、遊びの要素が満載。
we4
しかし、楽しい遊びがあることは、
チェーンストアのコンセプトとは反しない。

美しいプレゼンテーション。
うぇ6
これもチェーンストアの原則に反するものではない。

チェーンストアは、すべて、
ディスカウントを志向しなければならないわけではない。

チェーンストアはすべて、
ローコスト・オペレーションでなければならないわけではない。

もちろん、経営の原則として、
顧客に対して、大きなご利益を提供しなければならないし、
獲得した粗利益よりも経費を大幅に削減すれば、
営業利益は大きくなる。

その有力な手段が、
ディスカウントであり、
ローコスト経営である。

ウェグマンズも、
「コンシスタント・ロープライス」を、
積極展開している。
we5

これは、1980年に、第二次オイルショックの直後、
サム・ウォルトンがはじめた経営革命の手法だが、
ダニエル・ウェグマンが、2000年に意を決して、断行したもの。
「コンシスタント」⇒一貫していること。
「ロープライス」⇒低価格。

なにを?

コモディティ・グッズを。

そのうえで、生鮮食品の充実。
フードサービスと呼ぶ「惣菜・デリ」の圧倒的魅力。
これは「ミールソリューション」とも表現される。
we7
アメリカでは、この経済危機に端を発した消費不況の中、
カジュアルレストランが、壊滅的状況となった。

その分の消費が、
ミールソリューション型のスーパーマーケットに、
ほとんどすべて流れた。

ウェグマンズは、高度なチェーンオペレーションで、
この流動した消費を、ごっそり奪い取った。

もちろん、「ごっそり」が一番得意なのは、
ウォルマートである。

ロチェスターで、「ごっそり」を実現させたのが、
この2社。

そのあおりを受けて、
「トップス」という2番手スーパーマーケットは、
クリティカルマスの基準値17%を切って、
マーケット・シェア16%に落ちてしまった。

ウェグマンズとウォルマートの、
WW、ダブル・ダブリューのサンドイッチとなった。
低価格・コモディティのウォルマートの、
さらに低価格・コモディティ&ローコストのアルディは、
同じ皿にのってはいるが、
そのサンドイッチの付け合わせのピクルスのようなものだ。

それらを、不況の中の客たちが、
喜んで食べている。

それがロチェスターの競争である。

2007年のロチェスター地区のマーケット・シェア(←2006年)
①ウェグマンズ 23店舗49.0%(←24店49.4%)
②トップス   19店舗16.0%(←21店21.7%)
③ウォルマート・スーパーセンター 8店舗13.5%(←6店8.8%)
 ……
⑦アルディ   12店舗1.8%(10店1.4%)

ウェグマンズを誤解してはいけない。
大商圏型のグルメスーパーマーケット。
日本のデパ地下のようなマーチャンダイジングを展開している。
それは、木を見て森を見ない論議である。

<結城義晴>

[追伸]
急遽、<11月28日出発⇒12月3日帰国>の、
ウェグマンズ&ニューヨーク
「米国クリスマス商戦視察研修会」

開催することにしました。
お知らせしておきます。
商人舎まで、ご予約申し込みだけでも入れてください。
少人数10名ほどで閉め切ります。
 

 

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
ミドルマネジメント研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.