結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年01月10日(日曜日)

ジジの立ち往生[2010日曜版②]

あけまして
おめでとうございます。
正月
でも、もう1週間、
すぎてしまった。

時のゆくのは、
はやい。

ボクは、
シンプル・ライフ。
スロー・ライフ。

ちかごろは、
いつも2階で、
ねてます。
0

カエル君といっしょ。
K

でも、ユウキヨシハルさんが、
よんでる。
3

おとうさん。
2

でかけるみたい。
1

はやく、おりていかなきゃ。
4

と、カイダンを、
おりようとした。
5

でも、カイダン、
ボクは、にがてです。
6

すぐに、おりることなんて、
できません。
7
いちだんずつ、
おりるんです。

スロー・ライフなんですから。

おとうさんは、
ユウキ・ゼミのみんなの論文の、
相談にのる。
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ナゴヤ・フミヒコさん、
ホシヤマ・トモコさん。

卒業論文提出まであと1週間。

はやく、おりなきゃ。
おとうさん、まってよ~。
8
あ~、いっちゃった。

ボクは、どうしたらいいのでしょう。

のぼるか、
おりるか。

それが問題です。

では、また来週。

<『ジジの気分』(未刊)より>  

2010年01月09日(土曜日)

財界賞授賞式でユニクロ柳井正さんから元気づけられてしまった!

トヨタ自動車・豊田章男社長の記者会見。
「嵐は嵐でも暴風雨は抜けた」  
日経新聞が発言を拾った。
昨年6月の社長就任時には、
「お客様第一に商品開発」や「現地現物」など、
トヨタ本来の改革を掲げて、スタート。

その後、まさに暴風雨にさらされた。

しかし2009年の新車販売台数第一位は、
トヨタのプリウスで、前年比185.7%。
2位のスズキ・ワゴンRから、
3位、ダイハツ・ムーヴ、
4位、ホンダ・フィット、
5位、ダイハツ・タント、
6位、トヨタ・ヴィッツまでは、
2008年比マイナス。
しかし6位のトヨタ・パッソが前年比35.9%で好調。

トヨタが暴風雨を抜けたことは、明らか。
エコカー減税など、優遇処置の影響も多大だが、
環境車への人気集中は、それだけではない。

まさに時流をつかんだ。

さて昨日の続き。
1月7日夕方6時、東京會館。
「財界賞・経営者賞授賞式」  
1953年、三鬼陽之助によって創設された由緒ある賞。

冒頭で、主催者㈱財界研究所主幹の村田博文さんがあいさつ。
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メモも原稿も持たず、きわめて正確に、
8人の受賞者のフルネーム・肩書き・功績など紹介。
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私にも経験があるが、こんなこと、
簡単にはできない。

財界に精通した村田さんだからこそ、可能な芸。
先輩として尊敬するジャーナリストだ。

村田さんに続いて、
審査委員を代表して、
作家の堺屋太一さんが選考の理由を披歴。
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「かつてはこの壇上には、
規格大量型産業のお歴々が並んだが、
今回はそうではない人ばかり。
日本は変わった。
これは近代工業社会を超えて、
『知価社会』がやってきたことを意味する」
自分の著書を宣伝しながらのコメントだが、
堺屋さんの「高級」という言葉の連発には、
私、違和感があった。

さらに「財界賞」受賞の茂木友三郎さん。  
受賞のあいさつ。
キッコーマン会長兼CEOにして21世紀臨調の代表。
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「1957年、我々は、米国で本格的なマーケティングを始めた。
そしてアメリカ市場で醤油のビジネスモデルを作った。
今後は、世界中に醤油を広め、グローバル化を図りたい」
茂木さんの話は、
業界のリーダーとしての自信と誇りにみなぎっていた。

そして、「財界賞特別賞」は柳井正さん。  
ファーストリテイリング会長兼社長。
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柳井さんは、冒頭で、
社員・取引先とともに受賞したことを感謝した。

そして、最近の風潮に対してコメント。
「どうも悲観的なことを言う人が多すぎる。
しかし日本は、よく考えると、恵まれている。
何よりもインフラが揃っている。
人がいる。金がある。
情報がある。技術がある。
そのうえ、今後、
大きな成長が見込めるアジアの一員である。
さらにあらゆる面でアメリカに近い。
こんな条件に恵まれた国はない」  

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柳井さんの言葉に、私自身励まされ、
反省もした。

そう、我々は、良いポジションにいる。
そのことを忘れてはならないし、
そのことを活かさねばならない。

元気を出そうよ、それが私の仕事です。
元気を出そうよ、それがあなたの仕事です。

経営者賞の6人の人々のあいさつが終わって、
祝福のあいさつは、伊藤忠商事会長の丹羽宇一朗さん。
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ウォールストリート・ジャーナルの記事を引き合いに出して、
「アメリカを見返せ」と叱咤激励。

女子63キロ級でオリンピック2連覇の谷本歩実選手から花束贈呈。
コマツ会長の坂根正弘さんが経営者賞受賞したこともあって、
谷本選手の登場となった。
そして全員で写真。。
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乾杯の音頭は、ニトリ社長の似鳥昭雄さん。
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軽妙洒脱。
似鳥さんの発声で、「乾杯」
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そして懇親会へ。

柳井さんが壇上から降りてくると、
すぐに人だかりができた。

しかしその人だかりをかき分けて、
三人のそろい踏み。
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柳井さん、
大創産業社長の矢野博丈さん、
そして似鳥さん。
豪華メンバー。
皆さん、商人舎発足の会発起人。
私も、心からお礼申し上げた。

そして、受賞者・柳井さんと固い握手。
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我がことのように、うれしい。
堺屋さんとは違う表現をしたいが、
「重厚長大産業に対して、
大衆の日々の暮らしを支える産業が高い評価を受けている」
これが、これからの日本のひとつの行き方。
「知識商人の時代」  

私も元気を出して、それを推進したい。

柳井さんから、言われた。
「結城さんのブログこそジャーナリズムです。
切った張ったの小手先情報が多すぎる。
ブログは毎日、読んでいます」

これほどにうれしい言葉はない。
お褒めにあずかって、恐縮。

たんす屋の東京山喜㈱社長・中村健一さんも、
会場に来ていて、懇親。
中村さんも、矢野さんも、
やがて壇上に上がる時が、必ず来る。
私はそう信じている。
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最後の最後に、財界主幹・村田さんと固い握手。
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素晴らしい会だった。

悲観的なマインドからは、
何も生まれない。
高い視点、広い視野を持てば、
必ず切り拓かれる。
今こそ、その時だ。

<結城義晴>  

2010年01月08日(金曜日)

コーネル・ジャパンで成城石井・大久保恒夫とUSP當仲寛哲協演

2009年度第3四半期までの連結決算。
イオンは赤字。
セブン&アイ・ホールディングスは32%の減益。  

赤字と減益では、天地の差がある。

しかし売上高はイオンがマイナス4%、
セブン&アイがマイナス12%。
営業利益はイオンがマイナス15%、
セブン&アイがマイナス22%。

ただしどちらのグループでも、
総合スーパーは赤字。  
イトーヨーカ堂が営業赤字、
イオンの総合小売り事業も営業赤字。

その一方で、昨日、
「eビジネス推進連合会」発足が発表された。  
楽天とヤフー日本法人が中核となって、
マイクロソフト日本法人、ミクシィ、
さらにサイバーエージェントなどが参加し、
500社のネット系業界団体が立ち上がる。

時代の趨勢を、そのスピードを、
肌で感じ、読みとらねばならない。
そして、行動。

“Practice comes first!”  

さて、昨日は湯河原で、コーネル大学ジャパン2日目の講義。
三井物産人材開発センター。
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その2階研修室。
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前夜は、したたか飲んだ。
そして早朝、温泉で復活。

8時30分から、今日の第一講義。
講師は成城石井の大久保恒夫社長。 
テーマは「スーパーマーケットの経営数値と生産性」
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この講義、とてもよかった。
大久保さんは、強調する。
「まず、お客様が最初にある。
そのお客様の満足を実現する売り場をつくる。
そのために行動する。
その結果として数字が出る。

この考え方がいちばん大切です」

したがって、はじめに予算数値があって、
それを達成するために行動計画をつくるのは、
本末転倒ということになる。
しかし現実には、そのほうが圧倒的に多い。
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そのほか、大久保さんの講義は、
大切なことばかりだった。

第二期生には、ひとつ残らず、一言も漏らさず、
習得してほしいものだ。

ちなみに、3月9日(火曜日)に、
大久保さんと私とのセミナーが開催される。
商人舎3年目記念「二人のビッグセミナー」  
詳細は近日中に発表。
乞う、ご期待。

大久保さんの講義を聴講し終わって、
学習院の上田隆穂先生、荒井伸也先生、
中間徳子さんと写真。
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上田先生、ありがとうございました。
わざわざ湯河原まで来てくださって、
その上、1泊して交流会にまでご参加くださった。

第二講座・第三講座は、
USP研究所所長の當仲寛哲さんが講師。
當仲さんのテーマは、
「情報システムとデータ分析(基本と応用)」  
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この講座は、昨年も大好評だった。
これまでの情報システムやコンピュータ活用の考え方と、
まったく異なる。

しかし昨年、この講義を聞いた第一期生の大久保さんが、
すぐに成城石井にこの仕組みを導入して、
大きな成果を上げた。

アシスタントは、USP出版編集人の鹿野恵子さん。
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當仲さんが講義し、
鹿野さんがデモンストレーションする。

そのコンビネーションで、
受講生からもたびたびため息が漏れた。
第二期生もまた、「目から鱗」を何度も経験した。

當仲さんはLINUXを活用して、
小売業が自分でプログラムをつくることを推奨し、
その教育・訓練をし、指導している。

もちろん専門家に外注する機能と、
自社制作して内製化する機能の仕分けが必要。

しかし何から何まで外注化して、
膨大なコストをかけることには、
問題がある。
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最後に、特別公開で、
成城石井の情報システムの一端を、
デモンストレーションしてもらって、
講義を終了。
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人間が知恵を活かしてやっていた仕事を、
コンピュータに置き換える。
知恵が進化したら、またそれをコンピュータに置き換えて、
スピードアップする。

この繰り返し。
それがイノベーションである。

當仲システムは、それを可能にしている。

さて1月最後の講義は、
「食肉の生産と流通」  
講師は、昨年同様、
伊藤ハム・マーケティング研究所所長の大西徹男さん。
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伊藤ハムの全社的な情報網を駆使した最新数値が、
次々に公開された。
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90分はあっという間に終了。

その後、全員、急いでバスに乗り込んで、
熱海駅へ。

二日間のまとめは、
バスの中で。
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まるでアメリカ・セミナーのよう。
しかし、よく学び、よく睦みの二日間だった。

私たちは、そのまま新幹線で、東京へ向かった。
富士がきれいだった。
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もう暗くなってから着いたのが、
東京會館。

月刊『財界』が主催する「平成21年度 財界賞・経営者賞」授賞式。
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壇上に、ズラリ、選考委員が並んで、
受賞者が一人ひとり登壇。

財界賞は、茂木友三郎さん。  
キッコーマン会長兼CEO。
財界特別賞は柳井正さん。  
ファーストリテイリング会長兼社長。

かつては重厚長大産業のトップが並んだこの壇上。
現在は、食品産業と小売業の代表。

私はそれが、心の底から嬉しかった。
そして受賞者のスピーチが、また、
素晴らしかった。

明日に続く。

<結城義晴>  

2010年01月07日(木曜日)

コーネル・ジャパン湯河原で充実の合宿講座

昨日の日経MJは保存版にしたいくらい。
インタビューも粒ぞろい。

ファーストリテイリング柳井正会長兼社長、
ヤマダ電機・山田昇会長。  

柳井さんは強調する。
「今こそグローバルマインドが経営者にも、
個人のビジネスマンにも必要。
一国で閉じようとか、
昔に戻ろうとか考えると自滅する」  

「グローバルで売れるようにしないと、
日本でも売れない」

シンク・グローバル、アクト・ローカル。
いや、シンク&アクト・グローバル。

決してユニクロだけの話ではない。

山田さんは、デフレ基調に対して反論する。
「むしろ日本は価格下落が抑えられている。例えばテレビ。
米国や中国では32型が円換算で3万円台で売られており、
メーカーも小売りも利益が出ない。
当社はセール品でも5万円」

「客は安さだけを見ているのではない」
「安さ優先の人にも対応するが、
価格にこだわらない顧客も確保し、
その中間で利益を出すのが経営だ」  

コモディティとノンコモディティの、
プロフィット・ミックス。  

それが経営の極意。
私の持論。

さて昨日から、
コーネル大学ジャパンの講座。
今回は、湯河原で合宿。  

午前11時に熱海駅に集合。
相模湾が美しい。
湯河原

バスに乗って、研修所へ。
バス

湯河原の一番奥にある研修所。
1

三井物産の人材開発センター。
2

その模型。
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宿泊施設、食事施設、研修施設、それに温泉付き。

到着するとすぐに、ランチ。
カレーピラフにサラダとスープ。
4

そして12時30分から講義開始。
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まずは副学長が新年のあいさつ。
5
脱グライダー人間づくりを標榜してスタートした第二期。
しかし考えてみると第二期生は皆、自分のエンジンを持っている。
グライダー人間など一人もいない。

だから、コーネル・ジャパンは、
そのエンジンを磨くこと、
他のエンジンを知ること、
そのうえで編隊飛行を経験すること。
この三つを研鑚する場である。

そんなあいさつ。
今年もよろしく。

はじめは講座ナンバー25・26。
「52週マーチャンダイジング1・2」  
おなじみ鈴木哲男講師。
定評のある素晴らしい講義。
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講義内容は、昨年のブログ、
コーネル大学ジャパンのホームページを参照願いたい。

ずいぶん52週マーチャンダイジングを導入する企業が増えている。
しかし間違ってはいけないこと。
「1年間に52回のプロモーションを考えることではない」
それを鈴木さんは強調した。
「52週のお客様の暮らしに合わせて、
マネジメントやマーチャンダイジングを展開すること」
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鈴木さんとは、30年来の付き合い。
「横浜会」という若手勉強会があった。
二人ともそれに参加していた。
鈴木さんは、イトーヨーカ堂のRE。
リテール・エンジニアリング担当。
私は『販売革新』編集記者。

互いに年をとった。
そしてコーネル・ジャパンにご協力願っている。
感慨深い。
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90分の講義を2本分。
まだ話し足りない感じの鈴木さんと、
荒井伸也主席講師、
中間徳子FMIジャパン事務局長。

夕方から、上田隆穂講師。  
学習院大学経営学部教授で、
学習院マネジメント・スクールのヘッド・マスター。
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上田先生にも2講座。
講座ナンバー27と28。
「流通新時代における価格決定」と
「プロモーション開発と未来店舗フォーマット開発を考える」
上田先生は、学生に質問を繰り返しつつ、
講義を展開。
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講義が終了したのは、7時40分。
合宿だから、時間は自由。
徹夜してでも研修したいところだが、
食事もしなければいけないし、
交流もしたい。

上田先生にも心から感謝。

そして7時50分から、
立食パーティ方式の交流会。
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乾杯の音頭は、これまた副学長。
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2日目の講師のUSP研究所所長の當仲寛哲さん、
USP出版編集人の鹿野恵子さん。
そして、毎日更新ブログの同志・谷康一さん。
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谷さんのブログは「一日一麺
これが優れモノ。
谷さんは、毎日必ずラーメンを食べる。
そして毎日必ずブログを書く。
昨年まで、ラーメンブログ日本一。
現在、日本第2位。
ぜひ覗いてみてください。

立食パーティが終了すると、
部屋を変えて、二次会。
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講師陣も加わって、
深夜まで。

私、したたか飲んだ。

コーネル・ジャパンは、よい。
学生時代のような気分になる。

かくて、湯河原の夜は更ける。
そして明日へ続く。

<結城義晴>  

2010年01月06日(水曜日)

長谷部恭男・杉田敦両教授の多元性理論と伊藤元重教授の三つの生き残り法

今朝の新聞各紙は充実している。
正月休みが、完全に明けたことを証明している。

全紙一面トップの藤井裕久財務大臣の辞意表明は、
鳩山内閣の波乱万丈を予感させるが、
それ以外のニュースやインタビュー、
対談、コラムなどに、見逃せない記事が並んだ。
2010年の今を読み取って、
時代を考えるのに好適の教材がそろった。

朝日新聞では二人の学者が対談している。
長谷部恭男東京大学法学部教授は憲法学者。
杉田敦法政大学法学部教授は政治学者。
「政治主導と民主主義の行方」がタイトル。  

杉田さんが言う。
「今の主流は、一元的な権力観です」  
民主党や鳩山・小沢のことを示している。

「権力一元化の論理は歴史的に見ても危険がある。
権力が偏在して政治が硬直化する恐れがあるからです」

「自由民主主義体制は、
権力一元化の論理と、
それを制約する論理の合わせ技で、
なんとか維持されてきました」  

「私は人々の多様な意見を代表するために、
権力は常に多元性を持ち続けるべきだと思っています」

その通りだ。

長谷部さんも続ける。
「憲法に権力一元化の直接の手掛かりはありません。
憲法が定めているのは多元的な統治システムです」  

「議会が制定した法律について裁判所が憲法違反だという。
それが長期的には国民の利益になるという考え方」

両者そろって、結論付ける。
「政治改革以来の民主主義のとらえ方は問題を残している」
「日本の民主主義は、まだ過渡期にある」

私は議論を、いつも企業経営にスライドさせる癖がある。
企業経営にとって、権力一元化は果たして有益なのか。
企業経営にとって、民主主義は果たして有効なのか。  

この論議の中で交わされたこと。
「権力一元化の論理」と、
それを「制約する論理」の「合わせ技」。  

これで「なんとかやってきた」政治体制の、
「なんとか」のリアリティこそ、
企業経営なのだと思う。

企業内における経営者と労働組合の「合わせ技」など、
その好例だろう。

ただし、優れた経営者が必要であると同時に、
賢い労働組合が不可欠だ。

権力一元化の論理も、
それを制約する論理も、
どちらも論理的でなければいけない。

そしてその合わせ技で、
「なんとか」やっていくのが、
2010年だとも思う。

ただし、経営者と労働組合の企業経営のメカニズムが、
政治体制とダブる時代は終わった。

つまり、資本家と労働者との「対立構造」では、
問題の根本解決は図れないことが判明した。

それでも、「権力一元化の論理」と「制約を与える論理」、
あるいはさらに進めて多元的なシステムや組織の多元性は、
もっともっと検討されるべきだろう。

ルネッサンスの政治学者マキアベッリなど、
「良いカリスマ」の存在こそ、
もっとも優れた統治システムだと断言する。
チェーザレ・ボルジアを指している。

マキアベッリも企業経営にこそ、
当てはめてとらえるべき教材だろう。

中小企業においては、
マキアベッリの『君主論』は有益だからだ。

しかし現代国家や巨大企業では、
統治システムの多元性は、必須のものだと思う。

今朝の新聞からもう一つ。
日経MJが、よい。
その中で、伊藤元重東京大学大学院教授の連載コラム。
「ニュースな見方」  
伊藤さんの持論がわかりやすく展開される。

企業存続の三つの条件。
①もっとがんばる
②他の企業とちがうことをする
③競争相手が消滅するように仕組む  

わかりやす過ぎて、疑いたくなるくらいだが、
これは一つの重要な考え方。
伊藤さんは、言う。
「すべての企業がこのどれかに当てはまる」

①の「もっとがんばる」は、
「日本経済が右肩上がりの時」の常とう手段。
そして中国などアジア市場では、
現在もこのパターンが生きる。、

③のパターンは、今年、国内で先行する。
「過剰供給、過剰企業の状況」の多くの分野では、
「いかに早く競争相手に退出してもらうのか、
あるいは戦略的に合併・吸収・リストラなどを断行して、
産業全体として適正規模を実現するかが鍵だ」
伊藤さんは極めてクールだ。

もっとも期待されるのが②のパターン。
「新たな分野で新規需要を切り開く企業」
その登場を、伊藤さんは希求する。

最後に伊藤さんが強調すること。
「個々の企業が3つのどれかを徹底して行う必要がある」

まあ、大抵の企業は、
①と②を徹底して実践・実行することである。

すなわち、
もっと頑張れ、
他と違いを出せ。  

私の言葉にすれば、
「徹底する」
すなわち「詳細に、厳密に、継続する」  
そして「差異が価値を生む」  

この時、同時に組織の多元性を、
是非とも体内化してほしいものだ。

<結城義晴>  

2010年01月05日(火曜日)

「カンブリア宮殿」の小沢一郎と「虹の架橋」の鍵山秀三郎

朝日新聞と日経新聞。
その経済欄のコラム。
「経済気象台」と「大機小機」。  
どちらも私の好きな、よい観点の記事が多い。
その本日版。

経済気象台のコラムニスト深呼吸氏は言う。
「景気回復なんて訪れない、
今後も不況が続く」という視点。  

だから経済対策だけでなく、
「不況を前提とした現実的で抜本的な取り組み」が必要。
例えば、ワークシェアリングの一般化など。

一方、大機小機のコラムニスト三角氏。
「このまま緩慢な衰退を続けるか、
再成長へカジを切るか、勝負どころだ」
そのために「新成長戦略の行動計画がポイント」と力説。  
これは民主党が7月の参議院選前に策定するもの。
「参院選の最大の焦点は成長戦略」とコラムニストは、
民主党にプレッシャーをかける。

果たして、
どちらが正しいのか、
どちらが必要なのか。

昨日、カンブリア宮殿というテレビ番組に、
小沢一郎民主党幹事長が出ていた。
「田中角栄、竹下登、金丸信の三人の先輩を、
尊敬はしているが、パラダイムが変わった」  

そんなことを、最後に言った。

司会の村上龍は、まとめた。
「口下手、演説下手、シャイな政治家。
しかし論理的で、筋を通し、頭のよい『最後の政治家』」

私もこの評価に賛成だし、
小沢流のモノの見方にも賛同する。

先の経済気象台と大機小機の立脚点と理論の対立は認めよう。
しかし二者択一で、コトが済む時代は終焉した。  
トレードオフも必要な局面がある。
しかしオクシモロンの問題解決こそ、
ここぞという時には要求される。

絡み合った糸を、
丁寧に、丹念に、機敏に、
常に優先順位を入れかえながら、
小さなイノベーションの連続展開を図りつつ、
解きほぐす。  

それが、2010年の現在である。
この時に必要なのは全体最適である。
そのための「無私」である。

小沢一郎は最後の最後に言った。
「政治家は、みんなのために仕組みを作る仕事」  
私は小沢一郎のファンではないし、
特別の政党の支持者でもない。
念のために。

さて、昨日のこのブログでも登場していただいた松崎靖さん。
群馬県大間々の足利屋洋品店社長。

その松崎さんは、毎月一回、地域新聞を発行している。
名称は「虹の架橋」、発行部数1万部超。  
折り込みチラシのように新聞にはさんで届けられる。

元旦の上毛新聞、読売新聞にも虹の架橋は挟まっていた。
元旦の松崎さんのメールにある。
「どちらの新聞もチラシの1番前面に虹の架橋がありました。
お願いしているわけではないのですが朝日、日経も含めて、
ここ数年、虹の架橋がいつも1番前です」
ありがたいことに、多くのチラシが挟まってくる元旦の新聞の、
一番上に、足利屋の「虹の架橋」が挟まっていた。

「折込業者経由ではなく、
私が現金を持って新聞店に毎月届けているお陰だと思っています。
新聞店のご夫婦やパートの人たちも大切なお客様であり、友人です。
小さなことでも続けていると感動をいただくことばかりです」

松崎さんのコメントは、感謝と感動に終始する。

その2010年1月版に「虹の架橋」の中の、
「小耳にはさんだいい話」というコラム。  
松崎さん自身で執筆している。
鍵山秀三郎先生の著書「人生の作法」からの引用。
「賞味期限の短い商品から買う」という話。
そのまま再度、引用させていただく。
「例えば食料品を買う場合、大抵の人が賞味期限の長いほうを選びます。
今晩口にする食べ物であるにもかかわらず、です。
その結果、賞味期限の短い商品は売れ残り、廃棄されます」

「果たして自宅の冷蔵庫を開けた時、
賞味期限が長いほうから手にする人はいるでしょうか。
だれもが例外なく賞味期限の短いほうを選んで食べるはずです」

「ところが一歩『自分』を離れると、
不必要なまでに賞味期限の長いほうを選ぶのは、
私たち人間の身勝手な行動だと思います」

「せめて自宅の冷蔵庫から取り出すときのように、
お店でもできるだけ賞味期限の短いほうを選ぶ。  

そういう買い方をする人が一人でも多くなれば、
どんなに食料の無駄がなくなるでしょう」

私も、この鍵山先生の言葉に感動した。
「自分の行動に、自分をはさまない」  

混迷の時代に必須なのは、
「あちらを立ててこちらも立てる」オクシモロンの問題対応と、
そのために両者から信頼を得る「無私と利他」である。

<結城義晴>  

2010年01月04日(月曜日)

「七草」と「節目」と「前近代的で同時に現代的なもの」

Everybody! Good Monday! (Vol1)

2010年最初の月曜日です。
今年から、Good Monday!に通し番号を付けることにしました。

Good MorningやGood Nightがあるのだから、
Good Mondayがあってもよい。
そう考えて、毎週月曜日の朝、
ご挨拶代わりにこの言葉を使い始めて、
116回目となります。

Good Mondayには、この1週間、
よりよく生きてください、
よりよく仕事してください、
そんな意味があります。

年の初めのGood Monday。
よい1週間を。  

初めにお礼。
横浜市西区北幸の商人舎オフィスにも、
横浜市港北区の私の自宅にも、
たくさんの年賀状を頂きました。
心から感謝いたします。

この場をお借りして、
お礼申し上げます。

皆様の近況や今年にかける意気込みなど、
ひしひしと伝わってきました。

元気をいただきました。
ありがとうございました。

さて、もう1月の商戦は、
まずまずだった、「初荷・初売り」が終わり、
正月気分の中、
7日(木曜日)の七草(ななくさ)。  
そして今週末からの成人の日3連休に向かっています。

私は、七草の風習が大好きです。
大きな祭りの後始末のような小粋な習慣とでもいったらよいか。

七草は、「人日の節句」すなわち1月7日の風習です。
この日の朝、7種の野菜が入ったかゆを食べる。

「せり なずな
ごぎょう はこべら
ほとけのざ
すずな すずしろ
これぞ 七草」  

五七五七七で、こう歌われて、
現在も普及しています。

せりは、「芹」、セリ科
なずなは「薺」で、 ぺんぺん草のこと。 アブラナ科。
ごぎょうは「御形」と表し、 母子草(ははこぐさ)、キク科。
はこべらは「繁縷」と表記し、はこべのことで、これはナデシコ科。
ほとけのざは「仏の座」と書き、こおにたびらこ。キク科。
そして、すずなは「菘」と記し、これは蕪(かぶ)のこと、アブラナ科。
最後にすずしろは「蘿蔔」と綴り、大根(だいこん)。アブラナ科。
(Wikipedia参照)  

スーパーマーケットの定番商品としては、
カブ、ダイコン、セリといったもの。
これらは欠かせません。

お正月の料理に飽きて、
こういったさっぱりしたものを、
朝食に採ってから、
仕事に向かう。

日本人に生まれてよかった!  

そんな感じ。

これこそ小さな喜び、
ささやかな幸せ。

七草が終わると、成人の日。

よくできています。

さらに月末に向けて、
盛り上がりに欠けつつ、
2月3日の節分へとつながる。

まだ真冬なのに、「新春」と称する如く、
「春を待つ」の気分。

昨年末から言い続けています。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。  

今年の1月はまさに、そんな31日間です。

1月は、年末年始の出費の反動で、
顧客の支出もきわめて低くなる。

だから売り手側も、
経費をしっかりコントロールして、
無駄を省いていきます。

2月末決算、3月末決算の会社が多いでしょうから、
年度決算や実地棚卸の準備もしなくてはいけない。

きちんきちんと仕事しましょう。
今月の商人舎標語。
“Practice comes first!”  
実践躬行・実行第一  
リーダーは、率先して、実践・実行。

さて、1月元旦の午前8時に、
足利屋の松崎靖さんから、
メールをいただきました。  

松崎さんは、私と同年で、商人舎発足の会発起人のお一人。

イオンの岡田元也さんやファーストリテイリングの柳井正さんと並んで、
私たちの会社の恩人です。

私は、「商業の現代化」を掲げていますが、
それは会社が大きくなることや、
すごい成長をすることだけで、
達成されるものではありません。

松崎さんのような商人、
足利屋のような店があってはじめて、
「現代化」は成し遂げられるのだと、
私は考えています。

松崎さんのメールは、こう始まります。
「大晦日、1年の仕事が無事に終わって、ホッとしたところで、
「結城義晴の[毎日更新宣言]Review《2009年12月》を拝読いたしました」
私は商人舎発起人の皆さんに、
毎月、このブログのダイジェスト版の冊子をお送りしています。
それが「結城義晴の[毎日更新宣言]Review」です。

12月14日の『仕事の種類と年中無休の仕事』は、
当日ブログを拝読したときも昨日も深く考えさせられました」

「さくらもーるは今年も1月1日を休ませてもらいました。
さくらもーるは、オーナーだけで営業している店、
オーナー夫婦とパートさんだけの店、
パートさん2人だけで営業している店、なども多いです」

松崎さんの足利屋洋品店は、
大間々の商店街の本店と、
さくらもーるというショッピングセンターとの2店舗を経営しています。
さくらもーるは地域主導型商業施設で、
地元の商業者が共同で運営しています。

正月元旦から営業する大型店が増える中で、
さくらもーるは1月1日を休みました。
松崎さんは言い続けています。
『364日は営業しても1月1日だけは休もうよ』  

その理由は、「節目を大切にすること」
さらに「1月1日はオーナーもパートさんも家族そろって迎えてほしい」から。

私は、この考え方に大賛成です。
七草も成人の日も、「節目」です。
家族や親しい人たちと、
ともに迎える大切な日です。

とりわけ元旦は、家族にとって最も大切な節目。
だから「私たちは店を休む」
この主張は、とてもきっぱりとしていて、
よいと思います。

元旦に営業する店あり。
それもよし。
元旦に休業する店あり。
それもよし。  

顧客満足と従業員満足のバランスをいかに取るか。
この「あちらを立てればこちらが立たず」のオクシモロンの課題に、
きっぱりと解答を出していかねばならないのが、
現代です。
それをするのが現代化です。

だから松崎さんの考え方は、
まさしく商業の現代化そのものです。

私は「商業の現代化」を掲げてきました。
現代化とは英語で言うところの「ポスト・モダン」。

外山滋比古さんが『思考の整理学』(筑摩書房)の中で述べています。
「第一次的現実の思考の結晶したもっとも通俗なものが、
先にものべたことわざである。
これは本の中から生まれたものでない点、
前近代的であって、同時に現代的である」  

商売もまさしく、
前近代的なものと現代的なものをあわせもっています。
そして現代化の地平を見ようと、
必死で近代化を果たしてきた。

近代化の中で、前近代の重要なものを落としてきた。

「前近代的であり、同時に現代的なもの」  
ここに、「商業の現代化」の鍵が隠されています。
そして商売には、そんなことがたくさんあります。

私は、正月早々、「現代化」のヒントを一つ見つけて、
爽快な気分です。

さあ、1月4日。
三が日が明けて、
「商業現代化」に向けた2010年の始まりです。

Everybody! Good Monday! (Vol1)

<結城義晴>  

[追伸とお知らせ]
既報のように今年度から、
商人舎のアメリカ視察研修会が新装開店しました。
三つのコンセプトに分けることになりました。

①Basic
②Hot
③Special  

①Hotは、最新潮流・最新情報編。  
こちらは3月16日から22日の7日間。
42万6000円。
最もホットなエリアで、
新実験店・最注目企業を学びます。
アリゾナ州フェニックス・スコッツデールと、
カリフォルニア州サクラメントとサンフランシスコ。

ウォルマートのマーケットサイド、スーパーメルカド、
ハーフサイズスーパーセンター、環境対策最新型など、
さらにテスコのフレッシュ&イージー、
セーフウェイの最新ライフスタイル店舗とザ・マーケット最新型。
さらに働きたい企業ランキング第10位に入ってきた「ナゲットマーケット」。
それにホールフーズ、トレーダージョーズ、アルディ。

ローカルチェーンの生き残り策を学び、
アメリカ小売業全体のベクトルを明示します。

②Basicは、もちろん原理原則・基礎基本編。  
5月23日から28日の6日間。
価格は、29万8000円。

アメリカ小売業の一から十まで、
全体像や体系を網羅的に勉強する研修会。
理念・ロマン・ビジョンから、業態・フォーマット・バナー、
店づくり、売り場づくり、プロモーション、商品づくり、その見方。
そしてショッピングセンター開発の在り方など。
現在、その最適エリアのラスベガスに居座って、
じっくり学びます。

③Specialは、10月予定。  
こちらは中長期経営戦略を追求するための特別編。
テキサス州とニューヨーク。

このほかにSpecial編は、ご要望にお応えして、
新しい企画も検討中。

HotとBasicは、すでに募集中。
是非のご参加を。
お申込みはこちら

(㈱商人舎)  

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