結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年08月10日(火曜日)

『日経ビジネス』特集「スーパー最終戦争」&『日経トップリーダー』取材と林廣美先生対談

昨日8月9日発売の『日経ビジネス』。
特集は「スーパー最終戦争」hyoshi.gif
サブタイトルは「ウォルマート急襲、迎え撃つ日本勢」

先月の16日金曜日、コーネル・ジャパン卒業旅行の直前に、
小平和良記者からインタビューを受けた。

例によって、私は身も蓋もない話。
しかしそれが真実だと思うから仕方ない。

この特集、プロローグ「北海道、10年の興亡」から始まる。
アークス社長横山清の「クリティカルマス論」。
それにコープさっぽろ理事長・大見英明。

地元勢に後塵を拝するイオングループ。

特集の記事は、コストコとウォルマート西友、そしてメトロ、テスコの、
本格上陸をルポする。

一方、地方スーパーマーケットからの反抗。
スタディはヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン。
さらに神戸物産、バロー。

そしてエピローグは、「さらば“2強”」
セブン&アイ・ホールディングスとイオンが、
ウォルマート、コストコ、テスコといった外資と、
ローカル・スーパーマーケット・チェーンに挟撃され、
「最終戦争」に突入するというSF仕立て。

これは私のプロットではない。
この特集の中で、私は、
「低価格を実現する仕組みを持たない企業は続かない」とのみ、
コメントしている。

私は「自然界の森のような小売業」をイメージしている。
巨木もあれば、雑木も雑草も、高値の花さえ、
共存する自然界の森。

ただしそこに生き抜くのは、
「自らのアイデンティティと自らの論理、
それに見合った自らの生存方法に徹した者だけである」

しかし、ビジネス週刊誌ナンバーワンの『日経ビジネス』の特集だけに、
今後、大いに波紋を呼びそうだ。

ご一読を、 お勧めしたい。

さて昨日正午、今度は、
日経トップリーダー記者の永井学さんが、
横浜の商人舎に来訪。

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同誌は、『日経ビジネス』とおなじ発行元、すなわち日経BP社。

『日経トップリーダー』誌は、昨2009年4月、
『日経ベンチャー』から誌面刷新し、生れかわった雑誌。

この雑誌は、9月に渥美俊一先生の特集を企画している。
永井記者はチェーンストアの取材経験を持ち、
渥美先生にも興味を持った。

そこで私のところに、
「渥美俊一の本質と位置付け」をインタビューに来た。

故倉本長治商業界主幹が「商業近代化の理念」を確立し、
渥美俊一は「小売業・サービス業近代化の理論と実践」を果たした。

その理論の本質は何か。
経営戦略、財務戦略、商品戦略、営業戦略、
そして準備段階の「ビッグストアづくり」など、
1時間半はあっという間に過ぎた。

よく勉強している永井記者の聞き方も上手だったので、
私自身の整理にも、なった。

ピーター・ドラッカー先生も、
外山滋比古先生も、
「話すこと・喋ること」の効用を説いている。

私も、永井さんに話しつつ、
自分の考えをまとめた。

現在、渥美俊一先生に関する文章を、
3本ほど依頼されている。
そのことにも、役に立った。
もちろんすべて違う論調の文章にするつもりだが。
永井さんに、感謝しておきたい。

さて、午後3時、東京・曙橋。
日本フードサービス専門学院。

学院長の林廣美先生と対談。

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商人舎と商人ねっとのコラボレーション企画、
CDオーディオセミナー『知識商人登場』の最終回。

林先生とは、もう28年のお付き合い。
和やかに、軽やかに始まった。

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林先生は雑誌『魚菜』編集長から、惣菜コンサルタントに転身。
第一人者として、もう40年も活躍。

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商業界の『食品商業』には、私が出会ってからの30年近く、
1号も欠かさず原稿を寄稿、執筆してくださっている。

商人舎のホームページでも、毎週金曜日に、
「林廣美の今週のお惣菜」を連載し、
先週末、目出度く「100回記念」となった。

私の標榜する言葉。
「難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く」

これは林先生からご教授いただいたものだ。

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対談は、90分の予定が、
休みなく、よどみなく、
あっという間に95分経過。

その間、林先生、喋り詰め。

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私は、インタビュアーに徹した。

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「スーパーマーケットの惣菜とは、
限りなく本物に近い偽物をつくること」

これはパリコレ、ミラノコレクション、東京コレクションなどから、
プレタポルテの量販商品をつくるSPAの発想とまったく同じ。
つまり本物の日本料理、フランス料理、イタリア料理、中華料理に似せて、
「うまくて、安くて、でっかい商品」をつくること。

凄い。

さらに「1グラム1円」の商品づくり。
これまた、林流の凄いコンセプト。

しかし林先生のマーチャンダイジングは、
限りなく「顧客」から発想している。
それをバイヤー、パートタイマー、社長・専務に、
分かりやすく手ほどきし、
結果として生産性を上げさせる。

まさしくマーケティング&テクニカル・コンサルタントの真骨頂。

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この秋の11月16日火曜日に、
「惣菜の年末・年始対策セミナー」を開催することが決まった。
講師は、林廣美&結城義晴二人のビッグセミナー。

乞う、ご期待。詳細は後日発表予定。

最後に、ツーショット写真。

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林先生から料理の手ほどきを受ける結城義晴の図。
テレビ番組みたいで、ちょっと気恥ずかしかったが、
テレビには何度もレギュラー出演している林先生の隣に立つと、
なぜか、気持ちが落ち着いた。

いい対談だった。

そして、いいCDオーディオセミナーのシリーズだった。
全25回。
これにて打ち止め。

ご清聴に、心から感謝。

<結城義晴>

[追伸①]
CDオーディオセミナーは、
インタビュアーが代わって、
今後も継続の予定。
ご愛顧のほど、お願いします。

[追伸②]
先週金曜日・土曜日のRMLCクリニック報告&分析編は、
今週中に掲載予定。
悪しからず。

2010年08月09日(月曜日)

お盆商戦本番の中の「もうちょっとだけの現状否定」

Everybody! Good Monday! [vol 32]

2010年第32週、8月第2週。
今週こそ、
お盆休みとお盆商戦本番。

甲子園では全国高校硬式野球1回戦真っただ中。
全都道府県から出場することもあって、
甲子園1回戦は誰をも郷土意識に目覚めさせる。

それが何よりもよい。

そしてお盆。

「盆」(ぼん)は、祖先の霊を祀る日本特有の一連行事。
仏教用語の「盂蘭盆」(うらぼん)が省略された言葉だが、
その仏教と日本の古神道が融合した風習。

会社はお盆休みを提供し、
商業・サービス業はお盆商戦を展開する。

㈱商人舎も木曜日12日から18日まで、
お盆休暇で営業休止。
そのお盆休みを中心とする夏休み期間、
今年は「国民大移動」復活。

先週末から今週にかけて、
エリアごとに、地域ごとに、地方ごとに、
盆期間の人口急減地区と人口急増地区が極端に分かれる。

商業にとって大事なことは、
人口急増地区は、お盆明けの来週月曜日から、
人口急減地区に変わること。
逆に人口急減地区は、ふたたび人口が急激に元に戻る。

従って、盆商戦において重要なことは、
①客数の予測、
②発注数量の決定、
③人員配置、
これを店舗ごとに、
計画・実行すること。

そして計画が決まっているならば、
迷わずにそれを実行すること。

ただそれだけ。

みんながみんな同じ計画や目標を立てる必要は、
全くない。

それぞれの企業が、
そしてその企業方針に基づいて、
それぞれの店が、
自分の計画を持ち、
自分の計画を実行する。

それが今週。
今週の計画・実行において、
ひとつ提案。
「現状を否定せよ!」

商人舎今月の標語。

私は、故渥美俊一先生の遺言と受け止めている。

かつてダイエーも西友も、
イトーヨーカ堂もジャスコも、
すかいらーくもニトリも、
すべてが「現状否定」からスタートした。

クレイトン・クリステンセンは言う。
「イノベーションによって成功した企業ほど、
新たなイノベーションにチャレンジしなくなり、
その結果、新たなイノベーションを果たした企業によって、
淘汰されていく」

これはイノベーションを成し遂げた組織が、
「現状否定」をしにくくなることが原因。

セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さんの言葉では、
「過去の成功体験を捨てよ」となる。

過去の成功体験に頼っているから、
現状を肯定したくなり、
その結果、持続的・継続的イノベーションができなくなる。

だからいつも「現状否定」を志向する。

それが現代社会のビジネスに求められている。

「現状を否定せよ」
今月の商人舎標語。
よろしく。

さて、お知らせが二つ。
ひとつは、毎週金曜日の大好評連載
「林廣美の今週のお惣菜」。
祝! 100回記念。

「6大カテゴリー別全メニューカタログ100一挙掲載」

是非、ご覧ください。
凄いものです。
林先生が、今週末に売り込む惣菜メニューを、
コツコツと毎週、提案し続けて、2年。
それがこの「メニューカタログ100」となりました。

今日、午後3時から、
その林先生との対談。
CDオーディオセミナー「知識商人登場」
2年余り続いたこのCDオーディオセミナーも、
林先生の回をもって、一旦、終了となります。

それが9月15日発行号になります。
長らくのご愛聴、ありがとうございました。

林廣美と結城義晴の「二人のビッグセミナー」は、
11月開催予定。
「2010年末・2011年始商戦対策」です。

詳細は近日発表の予定。
乞う、ご期待。

お知らせのふたつめ。
商人舎USA研修会スペシャル・コース。
10月5日からの1週間で「経営戦略」を学ぶ。
テキサスとニューヨークの定番大好評コース。
お申込み締め切りは、8月20日。

昨年のこの「ニューヨーク・テキサス」コースのブログも覗いてみてください。

さて毎日は、忙しい。
その中で、現状否定までせよと、
結城義晴は言う。

そんなことできるのか、と思う。
私はどうしているか。

小さな現状否定を続ける。
やりやすい現状否定でよい。

例えば、このブログ。
毎日書いている。

しかし去年の今日のブログとは違う。
「お盆商戦」の提案。
去年の提案とは違う。

毎日、ある練習をしている。
欠かさない。

しかしそれも、昨日とは違う。
ちょっとだけ違う。

そのちょっとが「現状否定」

故夏原平次郎さんの「もうちょっとだけ」。
すごくいいので、ふたたび引用。
「商いとは『あきまのないこと、すきまのないことといわれます。
つまり、現状よりも、もう少し、
きめ細かなことをやっていかなければならないということ」

「小さなことに関心を持って、
小さなことを見逃さないことが大切になってきます」

「そのために『もうちょっとだけ』と、
日々反省をしてみる必要があります」

「もう一度『これでいいのか」と考え直す、
そして小さいものが変わってくれば、
だんだん大きなものが変わってきます」

だから今日も、
「もうちょっとだけの現状否定」。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年08月08日(日曜日)

ジジと夏祭り[2010日曜版vol32]

ジジです。
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ヨコハマに、
すんでいます。
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夏です。

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空が、雲が。

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でも、すこしずつ、
すこしずつ、
かわっています。

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よくみていると、
それを、しることができる。
かんじることができる。

たとえば、ゆうがたの空。

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夏のゆうがたの空、
すこしずつ、
かわってきました。
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木々は、
それをしっています。

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ゆうぐれの空に、
ゆうぐれの木。

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ボクも、
しっています。
なんというか、
わかるんです。

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日がくれはじめると、
木々は、やすらかになる。

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夜がくると、
なつまつり。
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潮来のギオン祭りはダシ(山車)のお祭り。
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こちらも山車。

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なつまつりは、季節が、
すこしずつかわったことを、
みんなに、おしえてくれる。
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「の」の字まわし。
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3回から5回、
まわします。

なつまつりは、
夏のピークにおこなわれますが、
それはいい夏だったね、
夏はもうすぐおわるよ、と、
ボクたちに、
おしえてくれるものなのです。

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ことしの夏は、
モウショ、コクショだった。

でも、お盆がきて、
やがてそんな夏がおわる。

夏がきて、夏がおわる。
そのことに、ボクたちは、
感謝しなければなりません。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年08月07日(土曜日)

商業経営問題研究会夏合宿・千葉&茨城店舗クリニックと潮来祇園祭りの抒情

夏祭り、花火大会、
全国的に真っただ中。

山形花笠まつり、
秋田竿燈祭り、
青森ねぶた祭り。
仙台七夕祭り。
新潟・長岡の花火大会。

来週火曜日の10日からは、
高知よさこい祭り。

木曜日の12日からは、
いよいよ徳島阿波踊り。

日本に生まれてよかった。

猛暑日が続くが、
そんな感じ。

そして今日から、
全国高校硬式野球甲子園大会。

FIFAワールドカップ以来、
ちょっと忘れられていた熱狂が、
日本列島に戻ってくる。

人々の心が躍動し、
消費はそれによって活性化するに違いない。

さて昨日は、午前11時に、JR千葉駅に集合。
商業経営問題研究会夏合宿。
RMLCと略する。
Retail Management Learning circle。

毎年夏には、店舗クリニックをする。
今回は、杉山昭次郎先生も参加され、
都合10人が集まった。

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まず、ベイシア・スーパーセンターちば古市場店。
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第二番目に、ショッピングセンターのユニモちはら台。
核店舗にヤオコーが入っている。
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第三は、イオンタウンおゆみ野。
マックスバリュ、ヤマダ電機が核店舗。
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マックスバリュ店内で、
㈱キングストア専務の臼井旬さんと。
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さらにせんどう・ちはら台店。
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MrMaxちはら台店。

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東金に移動して、
タイヨーのマックスバリュ東金店。
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その向かい隣りにカスミ・フードマーケット押堀店。
隠れた実験店。
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その後、ベイシア・スーパーセンター東金店に寄って、
メガ・ドンキ ラパーク成東店。
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充実のクリニック。
実に面白く、勉強になった。

それぞれの店舗評価は、来週のこのブログで。
乞う、ご期待。

夕食は、佐原の「山田」で鰻。
これが絶品。
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店舗を回ったので、それぞれ見解を披露しようと、議論沸騰。

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その後、茨城県潮来に宿舎をとって、
潮来祇園祭り。
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町内ごとに山車が出て盛況。
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山車の上には、人形からくり。
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日本の祭りの情緒を楽しむ。
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飯能の仙人・杉山昭次郎先生には、
このたび、㈱商人舎最高顧問に就任していただいた。
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潮来の山車祭り。
「のの字回し」といわれる。
山車を「の」の字を書くように、
時計回りに3回から5回、回す。
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この時、山車の上部にぶら下がっている提灯が揺れてはだめ。
提灯を揺らさないように山車を回す。

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周りでは若い女性たちが、
大きな扇子を仰ぎながら「わっしょいわっしょい」
声をかけて景気をつける。

若い男性たちが、
汗をかきながら、
腰を入れてひたすら山車を回す。

地方都市の夏祭りの熱気と情緒。

日本に生まれてよかった。

そんな感慨を抱くRMLCの夏合宿だった。

<結城義晴>

2010年08月06日(金曜日)

故夏原平次郎氏平和堂グループ合同葬で学んだ「もうちょっとだけ」

[お知らせ]
2008年9月に始まった「林廣美の今週のお惣菜」、
本日で100回を迎えました。
100回を記念して、スペシャル・ページができました。
「6大カテゴリー別全メニュー100」 (←こちらをクリック)

今まで登場したお惣菜メニューがすべてが並んでいます。
圧巻です。
ぜひご覧ください!

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昭和20年の今日、広島に原爆が落とされた。
私たち自身、65年前のこのことを忘れてはならないし、
世界の人々に、忘れさせてはいけない。

野菜が高騰している。
今日の「流通ニュース」では、
イトーヨーカ堂が明日・明後日の土日で割引セールし、
「通常の約2倍の販売量1000トンを計画」していることを伝えている。

野菜高騰は、7月の「大雨と猛暑の影響」。

地球規模で見ると、ロシアが酷暑と熱風で干ばつが起こり、
小麦の生産が3割もダウン。
そこでプーチン首相は穀物の輸出禁止の政令にサイン。
これを受けて、シカゴの穀物相場はストップ高。

当然ながら、 日本の穀物相場にも影響は出る。
だから食品の値上げが起こる。

来週日曜日の8月15日の盆商戦のピークまで、
商品値上げトレンドが進む。

その中で、いかに客数を伸ばしていくか。
そのために今日何を企画するか、
明日・明後日何を展開するか。
来週はどうするか。

そのシナリオを確認しておきたい。
今は、それだけ。

年末商戦でもそうだが、
ここまできたら、やれることをきちんとやる。

その中で緊急対応ができるイトーヨーカ堂。
やはり、凄い会社だ。

さて昨日は、まず東海道新幹線で米原まで。
富士は雲に隠れて姿を見せず。

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「昨年の今ごろ、私は富士の八合五勺に泊まった。
翌日、富士山頂を制覇した」

そんなことを思い出していると、
富士は雲間に姿を現してくれた

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米原から東海道線に乗り換えて、南彦根へ。

そこからシャトルバスで5分。
ひこね市文化プラザ。立派な施設。

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故夏原平次郎氏の平和堂グループ合同葬。

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夏原平次郎氏、6月15日ご逝去。享年91歳。
昭和32年、「靴と鞄の店・平和堂」を創業。

「商人は正人である」を標榜し、
2009年年商4000億円に至る平和堂グループを築き上げた。
葬儀委員長は㈱滋賀銀行取締役会長の高田紘一氏、
喪主は㈱平和堂代表取締役社長の夏原平和氏。

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私の席はA44で、
お隣は日本リテイリングセンター事務局長の宮本田鶴子さん。
そう、渥美俊一先生の奥様。

葬儀は粛々と進み、
導師入場、開式の辞、三奉請、導師焼香、導師表白。

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弔辞は、嘉田由紀子滋賀県知事、
獅山向洋彦根市長の後、
㈱ライフコーポレーション清水信次代表取締役会長兼CEO。

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謝辞を述べる夏原平和氏。

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「経営理念を守って、地域社会になくてはならない会社になる」
強い決意を表明した。

『感謝でご奉仕』という小冊子が会葬者に配られた。
その中から、夏原平次郎氏が大切にした言葉の数々。

「一生を貫く仕事」
人間は一生を貫く仕事を持つことこそ、
幸せである。

「対立と調和」
「対立ばかりでは争いと破壊を招き、
調和ばかりでは沈滞し進歩がありません。
対立し調和するところに、発展があり繁栄があると信じています」
これはまさしく「オクシモロン」

「もうちょっとだけ」
「商いとは『あきまのないこと、すきまのないこと』といわれます。
つまり、現状よりも、もう少し、
きめ細かなことをやっていかなければならないということ」

「小さなことに関心を持って、
小さなことを見逃さないことが大切になってきます」

これはサム・ウォルトン“Retail is Detail”

「そのために『もうちょっとだけ』と、
日々反省をしてみる必要があります」

「もう一度『これでいいのか」と考え直す、
そして小さいものが変わってくれば、
だんだん大きなものが変わってきます」

これこそ「小売業の極意」。

この真夏に夏原平次郎さんの葬儀。
学ぶことばかりだった。

合掌。

<結城義晴>

2010年08月05日(木曜日)

「ネットスーパー情報漏れ事件」とハーバード白熱教室の「難題」

真夏の空は、ますます青い。

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まずお知らせ。
商人舎ホーム―ページで好評連載
「林廣美の金曜日のお惣菜」。
今週金曜日の掲載で、目出度く100回目を迎えます。

林先生の日本フードサービス専門学院も商人舎スタッフも、
「祝100回記念」を企画しています。

ご期待ください。

さて「ネットスーパー」で顧客情報流出事件。
とうとう起こってしまった。

顧客情報を大量に扱うビジネスモデルは、
その顧客データの安全管理に万全を配さねばならない。

Pマーク取得などその対策ではあるが、
外部から意図的に情報盗みを画策する動きは絶えない。

今回は、小売企業7社が委託したネオビートが被害を受けた。
被害とは、顧客のクレジットカード情報の一部流出。
ネットスーパーのサイトは閉鎖されたまま、
復旧のめどは立っていない。

すなわち閉店状態。

7社と、それぞれの被害件数は、
まずユニーが6272件、
イズミヤ4720件。

この2社が圧倒的に多い。

以下、大近395件、
マルエツ237件、
琉球ジャスコ187件、
不二商事179件、
フジ125件。

日経新聞は報じる。
2009年段階のネットスーパーのマーケットは、
食品販売で約300億円。

前年比で3割の伸びを示す。

ただし、小売企業に、
ネット販売のための情報システムや物流管理システムがない。
つまり「業務システム」がない。

そこで外部委託をすることになるが、
その情報が漏れたということ。

顧客あっての商売。
これはリアル店舗もネット販売も同じ。

顧客情報管理の業務システムに責任を負えなければ、
そんなビジネスを展開する資格はない。

朝日新聞のオピニオン欄にマイケル・サンデル氏が登場。
ハーバード大学政治哲学教授。

NHK教育テレビ『ハーバード白熱教室』が話題になり、
著書「これから『正義』の話をしよう」(早川書房)は22万部売れた。

サンデル教授の講義は対話形式。
「知の千本ノック」を学生に浴びせかけ、
難題に対して自ら考え抜くことを教える。

教授が投げかける難題のひとつが、
朝日新聞に載っている。
「嵐の後の便乗値上げ」

「ハリケーンの被害を受けた街で、
物資が不足し、便乗値上げが横行した。
州知事は『被害に見舞われた人々が気の毒』と、
便乗値上げ禁止法に基づき必需品や宿泊料を値下げさせた。
これに経済学者が反発し、
『需要が高まって物価が高騰するのは当然』と、
知事を批判した。どちらを支持するか」

日本の商業者、倉本長治や渥美俊一を知っている者ならば、
これは「難題」でも何でもない。

しかしアメリカ人やハーバード大学の学生にとっては「難題」であるらしいし、
サンデル教授も「難題」と考えた。

私にはこの点が面白かったが、
しかしサンデル教授の「justice」と、
コミュニタリアニズム(共同体主義)には賛同すべきところが多い。

さて昨日は一日、横浜市西区北幸の㈱商人舎オフィス。
午前中から、訪問者あり。

㈱電通ストラテジック・プランニング局の土井弘さん。
ご存知、大電通きっての流通専門家。
それにユニバース㈱代表取締役の清岡祥治さん、
同営業部の佐藤傑さん。

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清岡さんと佐藤さんは「料理教室」の先生1500人以上を組織している。
このネットワークをビジネスのお役に立てられないかという相談。

大いに可能性あり。
応援します。

午後からは、㈱イノウエ代表取締役の井上文明さん。

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神奈川県愛甲郡愛川に本社を持つ小売企業イノウエ。
その社長。

面白い経歴の持ち主で、
しかも、「商才と算盤」を持つ商人。
話をしていて、勉強させられることも多かった。
固い握手。

最後に夕方には、㈱寺岡精工取締役の片山隆さん。
現在、フードインダストリーシステム事業部長だが、
ずっと同社海外事業を担当し、欧米流通業の「超」専門家。

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イギリスのスーパーマーケット事情について、
ご教授いただいた。
心から感謝。

今日は、久しぶりに商人舎オフィスにいたら、来客多し。
暑い暑い横浜だったのに、ご足労いただき本当に有難い。

商人が集う舎(とねり)。
だから商人舎と名付けた。

本当にありがたい。
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写真も忘れなかったし。
サンデル教授ではないが、
「商売の正義」に関しての話ばかりだったし。

いい日はいいな。
<結城義晴>

2010年08月04日(水曜日)

アマゾンとバーンズ&ノーブルの「網が紙を乗っ取る」現象と「仕事の神は細部に宿る」

真夏の空は、あくまで青い。

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気象庁発表の今年7月の天候の特徴、ふたつ。

①気温が平年より2度以上高かった。
北日本で7月上旬に平年比プラス2.9度を記し、
東日本で同月下旬に同2.1度を記録した。
東京都心では猛暑日が4日間、なんと真夏日が22日間。

②降水量は例年の2倍になった地域が多かった。
北海道で平年の198%、沖縄では219%。

一言でいえば、例年より「高温多湿」

天候をはじめとする環境が大きく変わると、
商売の結果に格差が出る。

変化に対応しきった者は、
驚くほど高い実績を残す。

逆に、対応しきれなかった者は、
惨憺たる結果を招く。

天候などは、毎日のことだから、
少しずつ少しずつの対処が、
1カ月、四半期、1年で大きな格差となる。

商売とは、そういったものなんですな。
詰まるところ。

アメリカの書店チェーン「バーンズ&ノーブル」Barnes & Nobleが、
売却されるかもしれない。
日経新聞の記事。

2007年度の年商52億6125万ドル(1ドル100円換算で5261億円)、
これでも前年伸び率3.1%だった。
純利益は1億5077万ドル、店舗数793店。

それが2008年には、全米チェーンストア順位65位で、
年商54億1100万ドルに伸びたものの、純利益は1億3580万ドルと9.8%減、
店数はわずか5店舗増の798店。

さらに2009年には年商51億2100万ドルでマイナス5.3%、
純利益7500万ドルでマイナス44.1%、
店舗数は20店減の778店。

この3年間、店数は微減、
売上高は伸ばして、減った。
利益は微減から激減へ。
これでは、売却などの立て直しが必要となる。

一方、アマゾン・ドット・コムは、
2009年度米国チェーンストアランキング19位に躍進。
年商191億6600万ドル(同1兆9166億円)、前年比プラス29.2%。
純利益6億4500万ドル、前年比35.5%増で、
店舗数0。

2008年度年商は、148億3500万ドル、伸び率38.5%、
純利益4億7600万ドルで150.5%増。
店舗数は0。

800店近くのリアル店舗での販売が、
0店のインターネット販売に追い越され、
売上高にして3.64倍となった。

さらに、そのアマゾン・ドット・コムの直近4半期の成績では、
初めて書籍販売冊数をデジタル書籍販売冊数が上回った
その比率1対1.8。

私の表現だが、
「カミがアミにとって代わられる」

カミとは紙、
アミとは網、すなわちネット。

もちろん紙が絶滅するわけでは、
決してない。
誤解無きよう。

しかし大事なことは、
少しずつの変化が、
だんだん急速、急激になって、
大きな潮流と変わった点。

小さな、少しずつの変化を、
絶対に見過ごしてはならない。

これをウォルマート創業者のサム・ウォルトンは言った。
“Retail is Detail”と。
「小売りの神は細部に宿る」

しかし私が言い換えよう。
「仕事の神は細部に宿る」

さて、昨日、清里から帰ってきました。

宿舎とゼミ室は、長野県清里のキープ自然学校。

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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の結城ゼミ第二期夏合宿。

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立教大学のフィールドスタディ岡田ゼミと映像身体学科長田ゼミが同宿。

若くて元気な学部生たちに交じって、 社会人大学院生の結城ゼミ。
それでも、多大な成果が上がった。

帰りには、清泉寮に寄って…。

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名物の「ソフトクリーム」。

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長い行列ができていた。

そして最後の写真。

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第一期生・第二期生合同のゼミ合宿。

皆さん、ご苦労様でした。
楽しかったし、有難かった。
来年もやりましょう。
今度は20人くらいになります。

「網が紙を乗っ取る」時代、
少しずつの変化を見通す目を持ち続けたい。

商人舎の知識商人も、結城ゼミも。

<結城義晴>

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