結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年11月16日(火曜日)

堺屋太一の「ゼロ戦化現象」と「本気のプロデューサー産業化論」

このブログとホームページに対するアクセス数が、
この1カ月くらい、急に増え続けています。

有難いことです。

すべてのみなさんに、感謝したいと思います。

もっともっと努力して、毎日毎日、
緊張感のあるブログを書く所存ですし、
私だけでなく、様々な方がたのブログも、
増やしていきたいと考えています。

商人舎ホームページは、
ショッピングセンターの店揃えと同じです。
新しいテナント店舗を増やし続ける。

様々な考え方、異なる意見の集積ができる。
それが商人舎ホームページの軌道です。

立冬が過ぎてから、
急に秋めいてきました。
dscn3583-3.jpg
さて、大相撲横綱・白鵬の連勝ストップ。
昭和の名横綱・双葉山の69連勝に届かず、
63連勝で止まる。

スポーツ新聞は当然ながら、全紙が一面トップ。
限りなくスポーツ新聞化している朝日新聞も、
一面左サイドに持ってきた。

双葉山は、連勝ストップのときに電報を打った。
「イマダモッケイタリエズ
(未だ木鶏足り得ず)

双葉山の連勝を阻止したのが前頭・安芸ノ海。
1939年1月15日。
白鵬も前頭・稀勢の里に敗れた。
2010年11月15日。

こういうことは、起こりやすい。
教訓を超えた、ものの真理を見た気がした。

その前頭が徹底して前向きな相撲で横綱を倒した。
これも、落ちつづけていた大相撲の真価を示した。

白鵬は、その稀勢の里の正攻法に、
ちょっと慌てた。

心が慌てると、悪循環に陥る。
あの泰然自若の63連勝中の横綱も、
慌てると我を忘れる。

この姿は、私たちも、
頭に焼き付けておくべきだろう。
自分のこととして。

朝日新聞の一面トップは、
「海上保安官 逮捕見送り」

警視庁、東京地検のあり方が問われる。
警視庁は地方公務、
検察庁は国家公務。

公務が世論や世評を気にし過ぎる国家は、
間違っている。

どうも、変な方向に行っている。

朝日新聞ばかりで恐縮だが、
一面にもう一つの記事がある。
「内閣支持急落 27%」

大衆から拍手を受けやすいような記事ばかり。
この一面構成を見ると、
世論や世評を形づくり、
場合によっては扇動する大新聞に、
衆愚的大衆紙の臭いを感じる。

いずれこの責任は、
自覚してもらわねばならないだろう。

戦前の翼賛体制への迎合の歴史を忘れてはいけない。
今、衆愚的世論への迎合になってはいないか。

さて、昨日は午後から、
東京・東銀座。

第1回パチンコ懇談会。
ゲストスピーカーは堺屋太一さん
作家にして元経済企画庁長官。
dscn3584-3.jpg
パチンコトラスティボード(PTB)有識者懇談会メンバーも、
全員がこの新しいパチンコ懇談会に参加する。
元経団連事務総長の三好正也先生を座長とするボード。
PTBには堺屋太一さんの旧通産省時代の先輩で、
ともに大阪万博を企画した和田裕さんも参加されている。

堺屋さんの30分ほどの講演の後で、80分ほど質疑応答。
予定の午後4時を過ぎても、終わらなかった。

その堺屋さんの講義と質疑。
とても良かった。

PTBはもう5年も、この業界の産業化を議論している。
その5年分の議論を超えるものが、
堺屋さんのレクチャーにはあった。

堺屋太一さん、本名は池口小太郎。
1953年、大阪・住吉高校2年の時、生徒討論会があった。
テーマは 「パチンコは健全娯楽か」
池口少年は「健全娯楽派」で論陣を張った。

その堺屋さんの現状に対する主張。
「最近のパチンコは難しくなった」
「昔のように一球入魂ができなくなった」
これが最大の問題だという。

あらゆる業界に起こることだが、
技術者にまかせておくと、
モノは難しいこと、精巧なことに突き進んでしまう。

これを「ゼロ戦化現象」という。

戦前の1940年ころ、
世界で最も性能がいいのは、
日本のゼロ式戦闘機だった。、
スピードが速い、小回りが利く。
そのうえ耐久性がある。

ただし乗りこなすには、
1000時間の練習が必要だった。
それに対して、ドイツのメッサーシュミットは、
300時間で乗りこなすことができた。
アメリカのグラマンは100時間。

技術者に任せておくと、
性能はいいけれど、
どんどん複雑になる。

ゲームソフトでも、ソニーの機械が断然、性能がいい。
対して、任天堂の生い立ちは花札の製造業。
だからか、ハードでなくソフトで遊ぶことを志向する。
結果、任天堂が当たっている。

なんでも、必ずゼロ戦化現象が起こる。
そして簡単に使えないから、従来のファンだけとなる。

「固定ファンから流動ファンへ」
これが重要だ。

小売商業でいえば、「マス」の獲得。
「10分あったらパチンコへ」
この気軽さも大事。

堺屋さんのレクチャーは30分、
その後、1時間以上も質疑応答。

最後に、二つの貴重な提案。
第1は「発想を転換する」
第2は「官僚と闘う」

そのために世論を味方にする。

そしてこれらを成就させるために、
まず「本気のプロデューサー」が是非とも必要。

本気のプロデューサーが中核になって、
業界の上位企業が結束する。

ここから業界の産業化は、始まる。
私も、以前からまったく同感だった。

日本のチェーンストア業界には故渥美俊一がいた。
日本のドラッグストア業界には宗像守がいる。

dscn3588-3.jpg

30人ほどの会合には、
もったいないくらいの内容だった。

「世論形成のためにマスコミをいかに活用するか」。
私の質問にも丁寧に答えてくれた。

まず「本気のプロデューサー」。
そして業界のリーダー企業の結束。

大阪万博を成功に導き、
沖縄返還後の観光化を実現させ、
上海万博では日本産業館に人気を集中させた。

自らが本物の「本気のプロデューサー」だったからこそ、
堺屋さんの発言は、リアリティがあると同時に、
ポイントをついていた。
dscn3585-3.jpg

堺屋さんとの質疑内容は、
これから運動体となって、
ダイナミズムを得て、
公然化されていくに違いない。

問題は、だれが、
「本気のプロデューサー」になるか、
なれるか。
この一点に絞られている。

最後に私は思った。
「本気のプロデューサー」には、
私利私欲があってはならない。

口だけの「利他」であってもならない。

堺屋太一が、身を持って、
それを示している。

内容のある一日だった。
本当に勉強になった。

堺屋さんに、心から感謝したい。

<結城義晴>

2010年11月15日(月曜日)

アイデア・発想で「儲ける」ではなく、仕組みをつくって「儲かる」が本道

Everybody! Good Monday!
[vol 46]

2010年11月第3週の始まり。
昨日で、横浜で開催されていたAPECも終了。
横浜は特にみなとみらい地区が厳戒態勢で、
全国から2万人の警察官が配置された。

みなとみらいエリアには熊本県警・千葉県警、
横浜駅には秋田県警、群馬県警、山梨県警など、
地方の警察官が動員されていた。

なにはともあれ、まずは無事に終了した。
菅直人首相の存在感や政治パフォーマンス力には、
種々の批判が集まったが、
ここは「ドヤ顔」でなくてはいけない。
「ウカガイ顔」の菅さんではもともとつらい。

ただし、マス・メディアも何でもかんでも批判・非難ではなく、
日本の主張を紙面や画面で展開しなければならないと思う。

世界から注目されているとき、
自分の大将の批判ばかりでは、
国民全体のバラバラ感が伝わってしまう。

一人ひとりがあくまで誠実で、謙虚で、
それでいて熱意を内に秘めている。

そんな国民性を、世界にアピールしたいものだ。

さて週の初めには、
「常盤勝美の2週間天気予報」
今週もまだまだ小春日和がつづきそう。

いい季節です。

そして今日11月15日は、
「七五三」のお祝い。
ほとんどの家庭内でのお祝いそのものは、
昨日・一昨日に済んでしまっただろうが、
おじいちゃん、おばあちゃんと、
若い夫婦、孫との交流は、
日本が高齢社会に向かっているとは言っても、
ほほえましくて、心温まる光景だ。

高齢社会でなく、長寿社会。
ポジティブにとらえたい。

もっともその長寿も、
このところの行政の怠慢で、
どこまで長寿国なのかには疑問がでてきたが、
それでも日本が長寿国を自ら目指している点は、
世界に広めたいことだ。

その意味でも、七五三は、
本来、子どもの祝いだが、
子を設け、孫を持つ高齢者こそが、
主役の祝いとも考えることができる。
七五三は、3歳、5歳、7歳の子どもの祝い。

3歳は、髪を伸ばす。
5歳は、袴をつける。
7歳は、本仕立ての着物と丸帯を召す。

いずれも大人へのステップを踏んで、
大人としての装いをすることを意味する。

11月は旧暦では、収穫の月、その感謝の月。
この旧11月の満月の日が15日。

この日に収穫の感謝をするとともに、
子どもの成長を願うようになった。

もともと七五三は関東地方の風習だが、
特に千葉県、茨城県地方では、
七五三のお祝いをホテルなどで豪華に行う。
ほとんど結婚披露宴のような場合もある。

私の大学時代の1年後輩・岡野功くんは、
千葉県と茨城県の境にある潮来ホテルの支配人。
この1週間ほどはとても忙しい。

こういった祝いに、
数字が並ぶというのは面白い。

7と5と3に引っ掛けて、
様々なプロモーションが展開される。

単純だが、効果的。

私はこういったシンプルでストレートなものが、
いま、望まれているように思う。

一昨日、昨日、今日の成果はどうだろう。

さて、今週は、七五三が終わると、
来週の火曜日・勤労感謝の日に向けて態勢を整える。

「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
11月は、この精神に徹したい。

今週の私のスケジュール。
今日月曜日はパチンコトラスティボード有識者懇談会。
今回は作家の堺屋太一さんを迎えて講演を聞く。

火曜日16日は、「儲かる惣菜セミナー」
商人舎と日本フードサービス専門学院のコラボレーション。
林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー。
「儲ける」ではなくて「儲かる」
これは無理や無茶をするのではなく、
仕組みをつくるということ。

仕事の中に、
業務の中に、
「自然・必然・当然」のながれをつくる。

「システム化」とも呼ぶ。

だからここに必要とされるのは、
アイデアや発想ではなく、
考え方や政策・ポリシーである。

水曜・木曜は、コーネル大学ジャパン第3期11月の講座。
水曜日に私は、2時限講義する。
そして金曜日は飯能の研修会。

忙しい日々が続く。

もう少し。

「とりあえず今日を乗り切る」
くじけそうになると、この合言葉で、
今年の秋を乗り切ってきた。
もう少し、もうすこし。

「とりあえず今日を乗り切る」

みなさんもいかが?

そのうえで感謝。

やはり「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

Now! Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年11月14日(日曜日)

ジジと卒業写真[2010日曜版vol46]

立冬をすぎたのに、
秋まっさかりです。
dscn3522-3.jpg

ボクのしっぽも、
秋、まっさかり。
dscn3523-3.jpg

rikkyoのイチョウも、
秋まっさかり。
20101113150335.jpg

もしかしたら、秋のイチョウは、
地面のしっぽなのかもしれません。
dscn3524-3.jpg
「ね? そう、おもいません?」

そのrikkyo大学に、
ユウキヨシハルのおとうさんは、
毎週、かよっています。
20101113105539.jpg

きのうも、おとうさんは、
一日中、rikkyo。
dscn3526-3.jpg

キャンパスも、
いまがいちばん、
うつくしい。
20101113101058.jpg

朝から、そのキャンパスに、
でかけていきました。
dscn3518-3.jpg

ユーキ・ゼミの卒業写真。
20101113100439.jpg

ことしは、
6人のゼミ生のひとたちがいます。

みんな、きのうまでに、
論文の仮提出をおえて、
ひと安心のようです。
dscn3519-31.jpg

「卒業」というのは、
それをめざしてがんばってきたのに、
それがちかくなると、
なんだかさみしくなるもの。

ふしぎです。

ボクには、卒業のこと、
わかりません。

でも、卒業するひとがいて、
おくりだすひとがいる。

それは、いいことなんだろうと、
かんがえたりします。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年11月13日(土曜日)

タバコ値上げ後の「コンビニの明暗」はマラソン35キロ地点の上り坂を象徴する

日本たばこ協会発表の10月の国内たばこ販売量。
大いに注目が集まった。

結果は前年同月比マイナス69.9%。
なんと7割も売上本数が減ってしまった。

本数にすると急減して61億本となった。
20本入りで換算すると3億箱。

これが3割に当たるから、
前年は200億本、10億箱だった。

タバコ市場全体の2010年度予測は、
販売数量が15%減の約2000億本、
金額ベースでは10%減の約3兆2000億円。

タバコだけで3兆円とは、考えてみると凄い。
しかし、この数年は、
年率4~5%でダウントレンドにあった。

10月1日からの大幅値上げ。
根本にはタバコ増税がある。
9月には駆け込み特需が起こり、
その大反動と、「この際禁煙派」の増大。

一番大きな痛手を受けた小売業はコンビニ。
なにしろ売上高の25%、4分の1ほどを
タバコ販売に依存してしまっていた。

サークルKサンクスがマイナス11.1%
ミニストップはマイナス10.6%、
ファミリーマートもマイナス9.9%。

この3社は二桁レベルの全体売上げダウン。

一方、ローソンはマイナス3.1%、
セブン-イレブンはマイナス2%ほど。

この格差が、実は大きいと見る。

すべてのコンビニが9月から10月と、
「タバコ値上げ対策」を打った。

新製品開発、割引キャンペーンなどなど。

しかし、ペースダウンの痛手には、格差が生じた。

日本コンビニのマラソン競争、
35キロ地点で急な上り坂を迎えた。

ここで一気に、抜け出すものが出てくる。

私は、ずっと言い続けている。
ハナから見方は決まっている。

はてさて、その通りになるものやら。
タバコ需要よりもそちらに興味は傾いてきた。

さて昨日は午前中、
横浜の商人舎オフィスを、
出版界のお二人の大先輩が、
ご訪問くださった。

㈱イースト・プレス取締役編集顧問の前原成寿さんと、
エディターズオフィスK代表の奥平恵さん。

最新の出版事情と、とてもありがたいお話。
恐縮至極。

その後、午後3時から東京・目白。
学習院大学キャンパス。
20101112145239-2.jpg

学習院マネジメント・スクール。
この中に故田島義博先生を記念した「DSCM基礎コース」が設けられている。
その2010年度のグループワーク成果発表会が開催された。rimg0736-3.jpg
4つのチームに分かれて、共同研究が展開され、
その成果が発表された。

第1のチームは「試練の年」。
「FSPデータを活用した仮説による売場構築検討手法の
フレームワーク化に向けた提言」

第2のチームは「SCドM」。
「シニアマーケットにおけるビジネスモデル提案」

第3のチームは「HOTKY」。
テーマは「2030年未来スーパーについて」。

そして第4のチームは「モヤモヤスッキリ」。
こちらはなんと「イオン北海道の勝ち残る戦略」。

それぞれにきわめて興味深かった。
私は、㈱商業界時代から、
このスクール創始者の田島先生にはお世話になった。
さらに学習院大学経済学部長の上田隆穂先生には、
本当に懇意にしていただている。
上田先生がこのスクールの所長。

上田先生にはコーネル大学RMPジャパンの講師をお願いしている。

そんなこともあって、
私はこのマネジメント・スクールで、
「流通概論」を講義している。

だから毎回、この成果発表会には参加して、
講評をする。

さて今回は、ちょっと辛口だったか。 rimg0781-3.jpg
今回の共同研究は、全体で見ると、
高齢化社会に広がるシニアマーケットにいかに対応するか、
さらにその中でターゲティングとポジショニングをいかに確立するかに、
テーマが集約された。

とても優れた視点であり、
有益な切り口だった。

ただし、優れて有益であれば、
期待値も大きい。
その意味で、私のやや辛口コメントは、
この後、各人に課されている最終レポ―トに、
活かしていただきたいと思う。

上田先生の最後の総評。
やはり素晴らしい。
rimg0789-3.jpg

論理性をつくりだすには、
いかに考え、いかに問題設定し、いかに分析するか。
それが良く解った。

成果発表と総括が1時間ほど延長して、
それが終了したら、7時から懇親会。

成果発表会で優秀チームの表彰。
受賞はHOTKYチーム。
未来型スーパーマーケットの考察が、
綿密な調査をもとに展開された。

受賞者には、プレゼントが贈られた。
私の著書『お客様のためにいちばん大切なこと』
私は5人の皆さんに、それぞれ異なる言葉を書いて贈った。
2010-11-11jpg.jpg
私の隣から、カルビー㈱小池美帆さん、
㈱成城石井の早藤正史さん、
リーダーの花王カスタマーマーケティング山田耕司さん、
㈱サイバーリンクス高幣昌典さん、
㈱なとり大川昌俊さん。
そして講師の松川孝一さん。

皆さん、おめでとう。

懇親会の最後は、全員で記念写真。rimg0822-3.jpg

学習院マネジメント・スクールには卒業生の会がある。
「桜実会」と称し、もう既に300人を超えるネットワークとなっている。
頼もしい組織だ。

胸を張ってその一員となるためにも、
最後のレポートはより良いものを書いてほしい。
私のやや辛口コメントはそのためのもの。

プロセスは、大事だ。

しかし私は、いつも言う。
「まだ、遅くはない」

最後の作品こそ、
その人の本当の実力だ。

最後の最後まで、あきらめない。
それが、一番最後に、
自分の誇りにつながるのだと思う。

健闘を祈りたい。

<結城義晴>

2010年11月12日(金曜日)

「尖閣映像流出」に関する4人のオピニオンとヤオコー川野清巳社長の「まねする文化」批判

「尖閣映像流出問題」
新聞・テレビが連日の報道合戦。
それが終わると週刊誌が暴露合戦。
その週刊誌暴露ネタをもとに、
またテレビが大放流。

かくて「You Tube」の「オリジナル?」投稿映像は、
繰り返しの繰り返しの大放出で、
守秘すべき秘密でも何でもなくなってしまう。
タイトルも、そのたびに短くなり、
通称化し、「尖閣映像」にまで縮まった。

今朝の朝日新聞「オピニオン」欄の「耕論」。
4人のオピニオン・リーダーがこの問題に丁寧なコメント。
朝日新聞はこういった企画がいい。

まずはジャーナリストの西山太吉さん
「沖縄返還時の日米密約」をすっぱ抜いた元毎日新聞記者。
彼自身の「西山事件」は、最高裁まで上がって裁定された。
自身の体験に照らして、「罰則強化は民主主義の後退」と主張。
しかし、自民党や民主党の権力に対して、
この人は相当に怨念を持っている。

対して、元外務省主任分析官の佐藤優さん
「同情にも称賛にも値しない」と、海上保安官に手厳しい。

「犯行に至る経緯を徹底的に究明し、
形式にのっとって厳正に処分すべきだ」

「『国民の知る権利』に応えようとする者であるならば、
まず、上司に公表を求め、
受け入れられないなら、辞表を提出し、
一私人となってからデータを流す手順が不可欠だった」

あとの二人は学者。
東京大学教授で憲法学者の長谷部恭男さん。
「犯罪捜査の資料が勝手に公開されたわけで、
全面肯定はしにくい」

「ビデオを表に出すかどうかは、
事態に照らして具体的に考えるべきで、
知る権利を振りかざすべきではない」

最後に関西学院大学准教授・鈴木健介さん。
理論社会学専攻で、ネット、サブカルチャーなどの論者。

「一言でいえば、政府のガバナンスの失敗」
しかし「政府の情報管理の甘さだけを批判するのはやや的外れ」

「情報をどこまで出せば国民が納得するか、
それを判断する能力を政府が欠いていたことが本質的な問題です」

組織人としてのあり方からすれば、佐藤優さんの指摘通り。
法的に考えれば、長谷部先生が筋が通っている。
そして「政府のガバナンス喪失」という鈴木さんの見解も妥当。

このあたりで、大放出大会は打ち止めにして、
国際世論が日本を見直すような論議に持って行きたい。
APECも、明日から首脳会議だ。

さて、日経新聞・企業総合欄「人こと」。
ヤオコー社長の川野清巳さんが登場して発言。
「米国にはまねする文化がない」
米国視察で50店舗もスーパーマーケットなどを巡って、
帰国したばかりの感想。

「日本のスーパーマーケットは、
品揃えがどこも似通って商品力がない」

こう、断じる。

アメリカやヨーロッパに比べて、
日本は「真似文化」が行き過ぎている。
もちろん、「模倣」が悪いわけではない。

私は自著『メッセージ』に「模倣と創造」という文章を書いている。

「ベストプラクティス」とは、
最良の実践成功例を意味します。

だからベストプラクティスは常に、必ず、
その手法を、さまざまな他者から学びとられてしまいます。

学ぶ側は、最良の実例と同じ手順を踏むことで、
同じような結果を享受することができます。

このノウハウの学習と蓄積によって、
時間短縮と経費削減の成果が生まれます。

しかし、成果獲得の結果主義に頼りきってしまうと、
今度は停滞と後退が訪れます。
突き詰めればそれは、模倣だからです。

模倣には、失敗の経験がありません。
創造の苦しみもありません。
百を目指している限り、
決して千にも一万にもならないのです。

それでは私たちはなぜ、
歴史が好きなのでしょう。
なぜ歴史を学ぶのでしょう。

そこには経験的法則と進化の軌跡が存在するからです。

そうです。
まず、現状を否定してかかる。
現状を肯定的に支えている成功要素を拒否してみる。
同時に、身近な事例の歴史に学び、
小さな経験法則を探る。

すべては現状を客観化するために、
過剰に現実を評価するところから始まる。

そのうえで、模倣によって、
スピードアップとコストダウンの改善を果たす。
創造によって、市場の拡大と技術の革新を図る。

模倣と創造。
イミテーションとイノベーション。
経営のスピードと運営のコスト。
成功体験と経験法則。

進化とは、階段をひとつ登っては、
しばらく停滞することの繰り返しによって、
成し遂げられるものです。

そのために私たちは、
模倣を過度に恥じることはないし、
創造だけをことさらに尊ぶこともないのです。
<第6章 「イノベーション」より>

倉本長治は『商売十訓』において、
「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」と諭した。
ただし、「真似」の比重が高すぎると、
「今度は停滞と後退が訪れる」

ヤオコーも一時期、ヨークベニマルを、
徹底的にベンチマークした。

そのうえで、ヤオコー・スタイルを生みだした。
さらに今、〈イノベーション〉にチャレンジしている。

だからこそ川野さんの発言は、
小気味いいし、時宜を得ている。
「販売不振はもう景気の問題ではない」
イノベーションという「脱マネリング」を川野さんは訴える。

さて昨日は、午後1時から東京・銀座。
パチンコチェーンストア協会。
第81回拡大人事問題研究部会で講義。
dscn4572-3.jpg

テーマは「やり甲斐とやる気をいかに高めるか?」
dscn4578-3.jpg

マネジメントの系譜を分かりやすく体系化し、
そのうえで、「モチベーション論」のセオリーをちょっと詳細に。
2時間講義して、1時間ほど質疑応答。
dscn4582-3.jpg
昨日はスーパーマーケットの戦略論。
今日はサービス業のモチベーション論。

あっちこっちテーマは飛びまくっているが、
結城義晴が中核に座っているから、
何とか持っている。

あっちこっちのテーマを求められる。
これにも感謝しなければならない。

今月の標語を思い出しつつ。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

<結城義晴>

2010年11月11日(木曜日)

首都圏店舗クリニック埼玉・千葉編は「レイクタウンvsららぽーと」にヤオコー・サミット・オーケー

中国漁船衝突映像流出事件に新展開。
第五管区海上本部の神戸海上保安部海上保安官が、
「投稿は自分だ」と上司に告白。

「鼠小僧次郎吉」の正体が明らかになって、世論騒然。

国家公務員法守秘義務違反容疑が確定されれば、
逮捕される見込み。

保安官が次郎吉だった。
この事件自体はシンプルだが、
投稿したのが中国との国際問題をはらんだ例のビデオ。
これが守秘義務違反の情報だったか否かで、
識者が駆り出されて論議が展開される。

国会でも、菅直人首相が、
「最終的責任は私自身にもある」と発言。

義賊であろうが無かろうが、
日本の行政府のマネジメントレベルの低下を、
つくづくと感じさせられる。

公僕だけでなく、
様々な民間企業にも、
この症状が出ているのではないか。

私は、そんなことの方を強く思う。

日本人のもつ誠実さ、真摯さ。
それが失われていくことは、
私自身の問題として我慢がならない。

さて、昨日は、首都圏店舗クリニック2日目。
dscn4513-3.jpg
私たちの乗り込んだバス。
ドライバーはツノダさん。

良いドライビングをしてくれた。
まずは感謝。
日本はいい。
欧米と比べて、
この面のマネジメントレベルは一級だ。

大宮のホテルを出発して、
朝一番で向かったのは、
越谷のイオンレイクタウン。
dscn4447-3.jpg

今回のパートナーの浅香健一先生とツーショット。
dscn4449-3.jpg

まだショッピングセンター全体は朝のオープンをしていないが、
核店舗のジャスコは開店している。
dscn4450-3.jpg

朝一番の売場づくり。
良い状態。

総合スーパー・ジャスコのオペレーションレベル、
私は今回、ちょっと見直した。
現場の地道な努力が、
少しずつ少しずつ実ってきた。

この店はセルフレジを設けている。
dscn4453-3.jpg
早朝のこの時間、セルフレジの方が顧客が多い。
不思議。

午前10時きっかり。
モールゾーンがオープン。
dscn4456-3.jpg
全テナントで、店員さんが店の前に立って、
お出迎えタイム。
顧客が店の前を通過すると、
丁寧なお辞儀をする。
dscn4455-3.jpg

この世紀のショッピングセンターは、
2008年10月2日オープン。
敷地面積26万1633㎡、
延床面積36万4843㎡、
店舗面積21万8483㎡。

モール総延長、なんと1,090m。
端から端まで1㎞を超える。
建物は地上3階建、
駐車場約8,200台、
駐輪場約6,200台。

この世紀のショッピングタウンは二つに分かれる。
イオンモール㈱が経営する[kaze]。店舗面積8万0736㎡。
dscn4473-3.jpg

イオンリテール㈱が運営する[mori]。店舗面積13万7747㎡。
dscn4466-3.jpg

核店舗は、ジャスコレイクタウン店。
dscn4476-3.jpg
ジャスコの店舗面積12万1918㎡。

越谷レイクタウンビブレ。3527㎡。
dscn4458-3.jpg

それにマルエツ越谷レイクタウン店。
dscn4462-3.jpg
マルエツの店舗面積2069㎡。

さらに食品では成城石井が入っている。
dscn4463-3.jpg

車30分のアクセス範囲を一次商圏とすると、
約330万人、140万世帯の巨大商業集積。

オープン以降、丸2年が経過するも、
客足は衰えず。
11月第2週水曜日の午前中というのに、
来店客は多い。
もちろん、どれだけ買っているかは分からないが。

今回はメーカー・問屋の若手・中堅の研修会。
視察中でも質問が出ると、
できる限り現場で答える。
dscn4460-3.jpg
私にはとても良い勉強になる。
ある概念やある経営体系、ある技術を説明するときに、
これでいいのかといつも自問している。

亡き渥美俊一先生も、「説明の仕方」をいつも考えられていた。
商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生は、
年齢が渥美先生のひとつ下の同世代コンサルタントだが、
同じように「いかに説明するか」をいつも意識している。
その説明の仕方を私に教えて下さったり、
失敗談を話して下さる。

訳のわからない言葉や言い回し、
論理的でない説明の仕方で、
煙に巻いているコンサルタントも多いが、
渥美先生・杉山先生の姿勢には、
私は感心させられることばかりだった。
だから私も、努力する。

さて、11時に越谷レイクタウンを去り、
私たちはららぽーと新三郷に向かった。
dscn4482-3.jpg

2009年(平成21年)9月17日、
レイクタウンから遅れること約1年。
こちらはイトーヨーカ堂食品館を核店舗として開業。
地上2階建て(一部地上4階、地下1階)は、
越谷レイクタウンの3層構造よりシンプル。
敷地面積約8万5,200m²、
店舗面積4万6,822m²、
店舗数178店舗。
駐車台数は3,262台、駐輪台数1,235台。

こちらも堂々たるリージョナル・ショッピングセンター。
しかも越谷から車で10分の距離。

越谷レイクタウンの1次商圏が30分だから、
完全に競合ショッピングセンター。

このららぽーと新三郷を挟んで、
イケアがデンと構える。
dscn4481-3.jpg
正反対の位置にはコストコ。
その意味で、このららぽーと新三郷は、
アメリカのパワーセンターの要素も持ち合わせている。

核店舗のイトーヨーカ堂は、「食品館」として、
スーパーマーケット出店。
dscn4509-3.jpg

スーパーマーケットとして、良くできている。
欧米ではハイパーマーケットという業態でくくられる日本の総合スーパー。
その食品売場だけ切り取っても、
スーパーマーケットにはならない。
スーパーマーケットとしての完成度が不足してしまう。
イトーヨーカ堂は、さすがにそれをこなした。
dscn4511-3.jpg
もちろん、私の目で見ると、足りない部分も散見される。
しかし、「良くできました」のハンコは押せる。
特に青果・鮮魚部門は、今、
日本のスーパーマーケットに欠けている要素に果敢にチャレンジ。

コモディティ・グッズのマーチャンダイジングを、
いま一段、検討すると、もっと良くなると思うが、いかが?

隣にはマツモトキヨシ。
dscn4512-3.jpg

さらにユニクロと無印良品。
dscn4493-3.jpg

ニトリも入り口はせまいが、
奥の広い売場で、
これは安定した力を発揮している。
dscn4506-3.jpg

こうなると、今や「曖昧総合」と化したイトーヨーカ堂のハイパーマーケットを、
このショッピングセンターに持ってくる意味は薄い。
セブン&アイ・ホールディングスの意図は明確だ。

テナントにはH&Mもあるし、ZARAもある。dscn4507-3.jpg

ロフト、アカチャンホンポ、ライトオン、石丸電気といったテナント構成も、
越谷レイクタウンに対抗していて、顧客にとっては選択肢が違っていて良い。

ただし、こうなるとイトーヨーカ堂は今後、どうするのだろう。
日本の商業全体にとっても重要な課題が見えている。

さて私たちは、ここ埼玉県から、
1時間かけて千葉県を目指す。

最後に、新浦安のスーパーマーケット競合を視察するため。
今回は意図を持って、視察店舗の設定をした。
年商2000億円級のスーパーマーケットをコンパリゾンの中心においた。
それも「ポジショニング」の鮮明な3社。

私は「ポジショニング競争」の時代であることを、
強く主張している。

それを実証したいがためである。
ただし、APEC開催中ということもあって、
予定通りにはバスが動かない。
ご迷惑をおかけした。
まず、ヤオコー浦安東野店。
dscn4515-3.jpg

一昨日、訪れた相模原下九沢店は最新の店だった。
しかし、最新店ばかり訪れても、
その企業の実力は測れない。

ヤオコーにおけるその典型がこの店。
さすがにヤオコー。
良い売場づくりだった。

次に訪れたのが、サミットストアライフガーデン浦安富岡店。
dscn4524-3.jpg

この店はこの9月に「リブレ京成」跡地へ出店した最新店。
年商目標26億1000万円という凄い数字を掲げている。
この数字が掛け声だけでないことは、
良好なオペレーションと店内の活気が物語っていた。
千葉周郎店長のもと、モチベーションの高さがうかがわれた。

従業員数87.0人(正社員33.0人、パートタイム・アルバイト社員54.0人)
1次商圏内世帯数は3520世帯で人口9230人、
2次商圏は1万2824世帯、3万1208人。
3次商圏2万8722世帯、6万6608人。

部門別取扱品目は青果329、鮮魚310、精肉380、
さらに惣菜200、日配1495、加工4687、菓子967、
そしてベーカリー70、家庭用品5616の合計1万4054品目。

サミットの現時点の最高水準の店舗だった。

このクリニック最後の店は、オーケー新浦安店。
dscn4554-3.jpg

2008年11月28日オープンで、
もう2年経過している。
売場面積は2874m²(869坪)。
駐車場355台。

オーケーとしては清水の舞台から飛び降りるほどの大型店。
従って、その大型売場面積をややもてあまし気味。
しかし「高品質・Everyday Low Price」を標榜する店づくりは健在で、
オーケーの新しいフォーマットへの意気込みがぷんぷんにおう店ではある。

この日も、完全に予定通りの店舗を巡り、
私たちは大きな収穫を得て、東京・日本橋へ戻る。

午後4時、日本スーパーマーケット協会会議室を借りて、
最後の総括セミナー。
dscn4565-3.jpg

まず浅香先生から、立地を始めとする根本的な競争力に関するレクチャー。
dscn4555-2.jpg

そして私のまとめ。
dscn4556.JPG

2日がかりの視察を終えてのセミナー。
どうしても力が入る。
dscn4561-3.jpg

Doing things betterとDoing better things。
どちらも重要だが、日本もアメリカも、
小売業は前者に傾きがちとなる。

両者の間に最大のパフォーマンスを導き出す。
それが「知識商人」の仕事である。

ご清聴を感謝したい。

セミナーが全部終わって、解散。
残った協会に大塚明専務理事。
2日間、店を巡り、語り、
至福の時を過ごして結城義晴。
大塚さんがいれば、喉をうるおしたくなるのは、当然の成り行き。
dscn4569.JPG
呉服橋龍名館。

大塚さんとの議論。
dscn4567.JPG

これも至福の時だった。
ありがとうございました。

それにしても最後に再び思った。
「亡き父よ、店見るたびに見るたびに」
合掌。
< 結城義晴>

2010年11月10日(水曜日)

首都圏店舗クリニック東京・神奈川編は隣接競合「三和vsオーケー」&「イトーヨーカ堂vsジャスコ」そしてサミット、ヤオコー、オオゼキ

一昨日のニュース。
10月の景気ウオッチャー調査。
「足もとの景気実感を示す現状判断指数」。
9月から1.0ポイントの3カ月連続ダウン。

エコカー補助金終了、たばこ増税など、
個人消費の落ち込みが大きい。

この指数を構成している3大項目は、
①家計、②企業、③雇用。
10月にはすべての数値が低下してしまった。

2~3カ月先の先行き判断指数も出しているが、
それは9月段階から0.3ポイントのダウン。
これは2カ月ぶりの悪化。

しかし2カ月先となると、12月、
3カ月先となると1月。

すなわち年末年始の先読み指数は、
良くはない。

心してかかるべきだ。

さて、昨日から今日にかけて、
首都圏店舗クリニック。

メーカー・卸売業の中堅・若手社員41名とともに、
スーパーマーケット、総合スーパーの優良店をウォッチング。

昨日は、首都圏の外環状線国道16号の西側を探索。
朝11時に新横浜集合。
Apec警備厳重な横浜。

まずは、サミットストア町田旭町店。
dscn3501-3.jpg

1階にダイクマ、2階にヤマダ電機、
地階にサミットストアのスーパーマーケット。
dscn350-30.jpg

21世紀に入る前から、サミットはこの地区で、
ディスカウントストアのダイクマと、
コラボレーションで出店してきた。
サミットが開発した物件にダイクマが参加する。
ダイクマが手当てした物件にサミットが乗る。

そのダイクマは、イトーヨーカ堂の傘下にあったが、
ヤマダ電機に売却されてしまった。

しかしサミットと組んで出店した店は残っている。
それがこの町田旭町店。

古い店だが、良くメンテナンスされ、
なおかつ最新型にリニューアルされて、
状態はすこぶる良い。

店舗クリニックの場合、
日本でもアメリカ、ヨーロッパでも、
その日の最初に訪れる店は重要。

後の店の基準になるからだ。

サミットストア町田旭町店は、その意味で、
最良の店ではあった。

次に訪れたのが、
三和とオーケーの激戦地。
dscn4390-1.jpg
「オセロ主義」を出店戦略の核とする三和は、
4つのフォーマットを持っている。
そのうちのディスカウントタイプ「フード・ワン」。
もともとレギュラー型のスーパーマーケットだったが、
隣接地にオーケーが進出してくるというので、
対抗型のフード・ワンにフォーマット転換した。

オセロ主義とは、出店エリアを2㎞の升目に区切り、
オセロのようにその升目すべてに自社店舗を埋めていく作戦。
オセロ主義をとると、必然的にマルチ・フォーマットとなる。
4平方㎞ごとに標準化した物件が確保できるはずもないからだ。
隣は、オーケー。
「高品質  エブリデー・ロー・プライス」を標榜する
dscn4387-1.jpg
2008年にオープンしたディスカウント・スーパーマーケット。
この隣接競合、日本有数のケーススタディ。

ディスカウント型2店舗の競争は、
近隣同業に強いインパクトを与える。
この2店舗から、少なからず影響を受けているサミットが、
いかに対抗し、対応しているかも、知ることができる。

この3店舗は、必見の競争を繰り広げている。
その後、国道16号線を北上して、
JR横浜線の古淵駅近隣の総合スーパー隣接競合地区へ。
イトーヨーカ堂古淵店。
dscn4398-1.jpg

そしてジャスコ相模原店。
dscn4394-1.jpg

前にも書いたが、私が『販売革新』編集長の頃、
「イイ戦争・古淵の闘い」という特集を組んだ。

どちらも箱型の「日本型GMS」と呼んだりする一時代前の総合スーパー。
オペレーション力はイトーヨーカ堂が優れているはずだが、
隣り合わせで毎日毎日、競争していると、
追いかける者が少しずつ追いついてくる。

今や、それほどの遜色のない売場となっているから不思議。

イトーヨーカ堂が旧来タイプの箱型GMSであるのに対して、
ジャスコはちょっとだけショッピングセンタ―志向で、
それが総合力となって、互角の戦いを見せている。

一方、イトーヨーカ堂もテナント揃えの重要さをジャスコから学んで、
その後、ショッピングセンターのアリオ開発につなげた。

競争は、競争する者たちを進化させる。
そのことが、良く分かるケーススタディとなっている。

バスの中で、ずっと解説。
dscn4407-1.jpg
私はもう、アメリカ視察モード。
メーカー・問屋の中堅・若手対象ということもあって、
説明はいつも以上に懇切丁寧になる。
国道16号をさらに進むと、
相模原のアイワールドへ。
ロヂャース、ダイクマ、アイワールド。
1990年代に関東の非食品ディスカウンター御三家だった。

ロヂャースは太田順康副社長が、
スーパーマーケット店舗に転換させた。
ダイクマはヤマダ電機に売却された。

そしてアイワールドは、
1階にオオゼキを誘致し、
上階にはダイソーを導入して、
何とか生き延びている。
dscn4414-11.jpg

この多層階商業施設は、
いまやオオゼキによって持っている。

結局、バッタ仕入れの非食品ディスカウンターは、
長続きはしなかった。

私の言う「ディスカウンター1000億円限界説」を、
この3社は証明することとなった。

アメリカのウォルマートやターゲット、Kマートのように、
仕組みでディスカウントできる企業体をつくり上げるしかない。

オオゼキの店舗入り口で展開されていた「号外セール!」レタス98円。
dscn4413-1.jpg

昨日の最後は、ヤオコー相模原下九沢店。
dscn4416-11.jpg
「ザ・マーケットプレイス」と名づけられている。

この10月26日にオープンしたばかりで、
現在、ヤオコーの実験店との位置づけ。
何を実験しているかというと、
従来のライフスタイルアソートメントのヤオコーに、
「エブリデー・ロー・プライス」の要素を組み入れる趣旨。

21世紀に入って、アメリカのウェグマンズは、
「コンシステンシー・ロープライス」を採用した。

すなわちこれは、
ウォルマートの「エブリデー・ロー・プライス政策」の取り込み。
どうやらヤオコーも、その域に入ってきたということ。

実に良い店で、視察者一同、満足。

その後、中央高速道路を走り抜け、
埼玉県大宮市のホテルへ。

そして、夕方の6時半からセミナー。
dscn4432-11.jpg

8時40分までのレクチャー。
dscn4435-11.jpg

ゲスト講師は、リテイル・マーケティング研究所社長の浅香健一先生。dscn4445-1.jpg
浅香先生は立地論の専門家。
「集める立地・集まる立地・近寄る立地」の持論と、
業態・フォーマットとポジショニング論。

松嶋奈々子型企業、大竹しのぶ型企業など、
たとえ話がとても面白くて、勉強になった。
私の話は、業態・フォーマット論と「店舗・商品論」。
メーカー・問屋の中堅・若手に「商品構成グラフ」の考え方を、
これまた丁寧に解説。
dscn4440-1.jpg

かくて、首都圏店舗視察初日、順調に終わった。
浅香先生とホテルの中華料理で乾杯。
dscn4446-1.jpg

お疲れ様でした。

しかし店を回るのは楽しい。
アメリカでもヨーロッパでも、
日本でも。

今回も、思い出した。
「亡き父よ、店見るたびに見るたびに」

合掌。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第2回 バイヤー研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.