結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年11月09日(火曜日)

商人舎Special Memberとミンツバーグの「マネジャーの仕事」

商人舎ホームページ右段に新しいコーナー。
「商人舎Special Member」

2008年2月1日に発足し、
その年の4月17日に「発足の会」が開催され、
それから2年半。
お陰様で、商人舎はすこしずつ、
社会からも認知され、
小売商業・サービス業、製造・卸売業からも、
行政やマスコミやアカデミズムからも、
「商業の現代化」や「知識商人の養成」というスローガンとともに、
一定の評価をいただくことができるようになってきました。

心より感謝いたしたいと思います。

しかし、商人舎は私、結城義晴ひとりの会社。
そんイメージが確立されています。
実際にここまでのところ、
そうでもありました。

それにもかかわらず、
多くの方々から、
様々なご要望をお受けし、
それにお応えできないこともしばしば。

そこで、従来から、商人舎の趣旨にご賛同いただき、
あるいは商人舎のコンセプトをご一緒につくっていただいてきた皆様に、
「商人舎Special Member」となっていただいて、
正式に活動にご参画いただくことになりました。

そのご紹介ページが、
ホームページ「商人舎Special Member」です。

最高顧問に、流通仙人の杉山昭次郎先生
特別顧問に、元西友商品本部長・物流本部長の萩原政利さん、
海外特別顧問に、私のアメリカのパートナー浅野秀二先生
エグゼクティブ・プロデューサーに、
私の㈱商業界時代からの「相棒」松井康彦さん、
エグゼクティブ・ディレクターに、
これまた最も信頼する川勝利一さん、
そしてチーフ・ツアー・コーディネーターに、
商人舎USA研修会を一手に仕切る鈴木敏さん。

商人舎Special Memberの輪はこれからも、
どんどん広がっていきます。

そして、「商業の現代化」を果たす商人舎の機能は、
強化されていきます。

ご期待ください。

さて、雑誌「danchu」が創刊20周年を迎えた。
現在の編集長・町田成一さんは、
創刊時からのメンバーで、
㈱商業界の『食品商業』に属していた。
私の最初の部下で、私は編集長。

ある日突然、退職願を出してきて、
私は大ショック。
業務上は大きな痛手となったし、
次の編集長の有力候補でもあったのだが、
町田さんがプレジデント社の「danchu」に移って20年。

今では、良かったと思っているし、
祝福したい気持ちでいっぱいだ。

その「創刊20周年の結論。」と題された記念特集。
「いま本当に
食べたいもの、
行きたい店」

これはそのまま小売りサービス業に当てはまる。
あなたの店は、
「いま本当に行きたい店」になっているか。
「いま本当に食べたいもの」を売っているか。

さて、日経新聞スポーツ欄のコラム「スポートピア」。
作家の加藤廣さんが「反管理野球のすすめ」を書いている。

私は、本来、日経というメディアに似合わないはずだが、
この新聞のスポーツ欄のコラムが大好きだ。
豊田泰光の「チェンジアップ」は愛読している。

日本経済は1973年のオイルショックの後あたりから、
厳しい経営管理体制を敷くようになる。

経済界が「管理経営」を進めると、
不思議なもので、野球界でも「管理野球」が大隆盛。
「管理野球」は巨人軍の川上哲治監督が始め、
ヤクルトスワローズ、西武ライオンズの広岡達郎・森昌彦と受け継がれた。

川上・広岡・森の合計監督歴29年のうち優勝回数23回。
なんと79%の成功率だった。

しかし、加藤さんは断ずる。
「この種の教育は間違っていた」

「仕事は一般人の場合、
人生の手段にすぎないのに、
人生を仕事に埋没させ、
その奴隷になることを
上から強要したからである」

経営者たちは「管理野球」を歓迎した。
だが、「働く側(選手)の評判はすこぶる悪い」

もちろんこのころの巨人軍には、
「管理」という概念とはほど遠い存在もあることにはあった。
長嶋茂雄に王貞治。
本当のところ、長嶋・王がいたからこそ、
全体では「管理管理」と称したのかもしれない。
しかしその川上・広岡・森に対してアンチテーゼを掲げるのが、
西鉄ライオンズを率いた三原脩監督。

私は生れが福岡ということもあって、
チームがなくなってしまったいまでも、
西鉄ライオンズ・ファンを自負している。

三原はもとより、中西太、豊田泰光、仰木彬、稲尾和久、
みんな大好きだった。

東京の巨人軍に対して、
田舎の福岡のライオンズ。

その三原の「反管理野球宣言」とも言える名言。
「選手は惑星である。
それぞれが軌道を持ち、
その上を走っていく」

「この惑星、気ままで、
時には軌道を踏み外そうとする。
その時発散するエネルギーは強大だ」

三原は彼ら惑星の力を結集する方法を、
「遠心力野球」と称した。
「遠心力野球とは、それを利用して、
力を極限まで発揮させるものである」

「この結論を得た時に私は、
豊かな気分にどっぷりと浸かることができた」

三原の「遠心力野球」とその時の心境。
三原は述懐する。
「手綱は解放すことだ」

ただし「反管理」と「無管理」はまったく異なる。

「無管理」ではない「反管理」。

これが現代の経営にも通ずる。
いやデフレ時代の閉塞感の中で、
ふたたび「管理野球」にもどる危険性を持つ現在、
忘れられては困るのが三原流。

ドラッカーの後を継ぐとも目されている経営学者
ヘンリー・ミンツバーグ
が、
名著『マネジャーの仕事』の中で、
5つの「仕事の特徴」を整理している。

①マネジャーの仕事は、
ルーチン的であらかじめ設定された仕事と、
予定外に発生する仕事とが入り混じっている。

②マネジャーはゼネラリストでもありスペシャリストでもある。

③マネジャーはあらゆる筋からの情報に頼っているが、
口頭で伝達された情報を好む傾向にある。

④マネジャーの仕事は、瞬間的で、雑多で、
断片的という特徴を持つ活動で構成されている。

⑤マネジャーの仕事はサイエンスというよりもアートであり、
直感的プロセスや何が正しいかの「感覚」に依存している。

「ルーチンの仕事と予定外の仕事」
「ゼネラリストでありスペシャリスト」
「瞬間的で、雑多で、断片的な仕事」
「サイエンスというよりもアート」

それがマネジャーの仕事。
小売りサービス業にするならば、
店長の仕事。

それがどんどん複雑になってきている。
しかもマネジャーは「口頭で伝達された情報を好む」。

どうだろう。
三原脩とヘンリー・ミンツバーグ。
両者を繋ぐ一本の糸が、見えてはこないだろうか。

働く者が、解き放たれる。

これとは別の次元で、小売りサービス業には、
解き放たれたように見えて、実は乗せられて、
「ぎゅうぎゅう」とサービス残業を強いられるケースが散見される。

これは、いけない。

三原の反管理野球は、
独立自営者の野球選手をまとめるための考え方だ。
ミンツバーグのマネジャーも同じこと。
従業員・サラリーマンを、
「反管理野球」のごとく称してサービス残業させるのは、
マクドナルド店長裁判を持ち出すまでもなく、
法律違反である。

この時、経営者と管理者は、犯罪者となる。

万が一にも、そんなことが常態化しているとしたら、
これは「商業の現代化」など、
夢のまた夢となってしまう。

「以って自戒とすべし」である。

<結城義晴>

[追伸]
惣菜コンサルタント林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー
「儲かる惣菜マーチャンダイジング」
いよいよ一週間後の開催となりました。
こちらからインターネットで簡単に申し込みできます。
皆さまのご参加をお待ちしております。

2010年11月08日(月曜日)

「立冬」を過ぎ「冬至」まで、ああ「今日も一日、慌てず急げ」

Everybody! Good Monday!
[vol45]

2010年第45週。
11月の第2週です。

このホームページ巻頭
「常盤勝美の2週間天気予報」
好調です。

商売に役立つ2週間の天気予報は、他に存在しません。
ちょっとのぞいて、ざっと頭に入れて、
仕事に役立ててください。

それから来週火曜日のセミナーが迫ってきました。
「儲かる惣菜マーチャンダイジング」
今年最後の商人舎研修会。
惣菜コンサルタント林廣美先生と結城義晴の二人のビッグセミナー。
申し込みはまだ、間に合います。
申し込みは、こちらをクリックしてください。

林先生ともども、全力を挙げて、準備しております。

それから商人舎ホームページと提携している流通ニュース。
新しい目玉ブログが9月からスタートしています。
「最新店舗レポート」

これまでに7店舗のレポートがアップされています。
ライフ/南千住店
マルエツ/成増南口店
ヨークベニマル/栃木祝町店
ベイシア/古河総和店
東急ストア/武蔵小山駅ビル店
サミット/ライフガーデン浦安富岡店
ベルク/行田城西店

これは絶対に見逃せない記事です。

さて、昨日の日曜日は、「立冬」でした。
だから土曜日の7日は「節分」

各季節の始まりの日を「立〇」といいます。
「立冬・立春・立夏・立秋」
日本語では「冬が立つ」と表現します。
いいですね。

この「立つ日」の前の日を「節分」といいます。
「節分」とは読んで字のごとく、「季節を分ける日」のこと。

江戸時代から、特別にうれしい春が立つ日の前日を、
通称して「節分」と呼ぶようになりました。

先週の水曜日・木曜日と、
関西スーパーマーケット社長の井上保さんとご一緒しましたが、
「今週土曜は節分です」とうれしそうでした。

関西では、立冬の前の節分も、イベントに組み込んで、
顧客とともに楽しむ。

いいことです。

その井上さんからブドウが贈られてきました。
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「猛暑・酷暑・炎夏」だったせいで、
すごく甘くておいしいブドウとなった。
ありがとうございました。

話はながくなりましたが、
昨日がその立冬。

立冬は秋分と冬至の真ん中で、
これから特に、急に夕方が短くなります。
その意味では、
ひどく「時間」が短く感じられるようになります。
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働いていると、夕方の短さなど気づかないかもしれませんが、
しかし私たちのお客様の中には、
そういった気分を満喫して生活している人がいます。

私は、小売商業やサービス業は、
そんな季節の移り変わりを、
商品やサービスを通じて、
自分の顧客に伝え、味わってもらうのが、
役目の一つだと思っています。

私たちは「暮らし」を売っているのだから。
私たちは「生活」を提供しているのだから。

その意味で、今週から、
目いっぱい「冬が立つ」気分。

やっぱりおでんが食べたくなるし、
鍋物を囲みたくなる。

久しぶりのセーターなども懐かしいし、
ちょっと寒ければコートも着たい。

冬への気持ちの切り替えは新鮮で、
生きる活力となります。

それが店にあふれていなければならない。

さて、昨日の夜は、
プロ野球日本シリーズの第7戦が行われて、
千葉ロッテマリーンズが優勝。
人気のないシリーズだとか言われていましたが、
私は、とてもよかったと思う。

小売流通業に限らず、
「ポジショニング」が最も重要なことだと、
最近は考え、言い続けていますが、
中日ドラゴンズもマリーンズも、
地元密着でポジショニングを確立した球団。

だから、日本シリーズに進出できたのだと思う。

そしてその両者のポジショニングのぶつかり合い。
見ごたえがありました。

昨日から横浜では、
APEC2010がスタート。
アジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation)は、
環太平洋地域における多国間経済協力を進めるためのフォーラム。

7日、8日、9日に事務局レベルの調整が行われ、
10日、11日の閣僚会議、
13日、14日の首脳会議で、
「横浜宣言」が発せられる。

横浜は厳戒態勢で、
全国から警察官が動員され、
その意味では現在、
横浜みなとみらい地区の街頭は、
制服警官の方言のるつぼ。
そのこと自体、なんだか、
いい雰囲気です。

今回の主要テーマは、
「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想。
きっかけは「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」

日本がまとめている計画原案が了承される見込みのようですが、
私もワンアジア財団評議員の一人として、
ひとつのアジアに向けて、
歴史的な議論をお願いしたいものです。

行きつ戻りつではあるけれど、
試行錯誤の連続ではあるけれど、
時には時代錯誤もあるけれど、
経済三流・政治五流と揶揄されてはいるけれど、
私たちはすこしずつ、進歩しています。

少なくとも、自分の周辺には、
その実感を確認したい。
今週も、時間が短く感じられるけれど、
「今日も一日、慌てず急げ」
「今日も一日、優しく強く」

そして今月の標語。
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年11月07日(日曜日)

ジジと立冬[2010日曜版vol45]

ヨコハマのジジです。
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ひざしが、すこしずつ、
かわってきました。
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ボクは、「家猫」ですが、
ひざしのちがい、
わかります。
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うつくしくて、
しかもするどくなった。
けれど、ひざしは、
たしかによわくなった。
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きょうは、「立冬」です。
冬が立つ日。
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ベランダの花も、
よわよわしく、
さいています。
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それでも、こんな日を、
「小春日和」といいます。

そんな日には、
そとの空気を、
すうのがいい。
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赤い花は、センニチコウ。
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おうちのなかも、
立冬らしくなってきた。
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ブドウがおくられてきました。
秋からのおくりもの。
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ありがとうございます。

ゆったりと、
時間がながれていきます。
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ジャスミンティも、
いいかおり。
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こんなときには、
だれだって、
ものをかんがえます。
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ユウキヨシハルのおとうさんも、
ちょっとおちついてきて、
いろいろな本をよんでいます。

たのしむのは、これ。
シオノ・ナナミさん。
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冬がくるからなのか、
ボクは食欲旺盛で、
ちょっとふとりました。

それが悩みのタネなんです。
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おとうさんにも、
からだには気をつけてほしいけれど、
ボクもすこしだけ、
じぶんのことを、
かんがえてみようとおもいます。
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冬が立つと、
やがて年の瀬がやってきて、
そして来年。
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なんというか、
時のながれが、
はやくかんじられます。

立冬から立春までの時間も、
これまでよりもはやく、
すぎてゆくのでしょうか。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2010年11月06日(土曜日)

「尖閣沖中国漁船衝突ビデオ事件」への朝日、読売、日経、毎日、産経、東京、神奈川各紙の一面コラム批評

「尖閣沖中国漁船衝突ビデオ投稿事件」

一億総評論家状態。

主要新聞各紙の一面コラムでも、
ズラリ、取り上げられた。

こういったニュースの切り口の鮮明さ、鋭敏さで、
その新聞の「格」のようなものが決まってしまう。
そのメディアの存在意義や奥の深さも決する。
だからコラムニストは社運をかけたような心持ちで記事を書く。

そして大抵の場合、故事や言葉を引用してくる。
それが、その新聞、そのコラムニストのセンスとなる。
今朝の朝刊から、それを拾ってみよう。

第1に、朝日新聞「天声人語」。
朝日は、中国の荀子を引いてきた。
「性悪説」の荀子。

もうここで、皮肉屋の朝日のスタンスが現れる。
「口と耳の間はわずかに四寸」。
「『ご内密に』『ここだけの話……』といった紳士淑女の『協定』は、
まず守られぬのが相場となる」

そして皮肉を言う。
「国家組織の耳目と口も、油断ならず近いらしい」

最後に、もうひとり引用。
鉄の女サッチャー元英国首相が政治に対する厳しさを述べたもの。。
「予期せぬことが起きると、いつも予期していなければならない」

朝日新聞は最後に総括する。
「民主政権は同好会的なぬるさを克服できようか。
下手も絵になるのは、草野球だけである」

まあ、皮肉に徹したコラムというところか。

第2は、読売新聞「編集手帳」。

こちらは 長州藩士・藩政改革に手腕を振るった村田清風から。
〈来て見れば聞くより低し富士の山 釈迦も孔子もかくやあるらん〉

それをもじって、
〈見てみれば聞くより酷(ひど)しわが領海…北方領土も かくやあるらん〉。

「情報管理のゆるみは目を覆うばかりだが、
それ以上に菅政権の希薄な領土意識が気に掛かる」

第3に、日経新聞「春秋」。
こちらは芥川龍之介『侏儒(しゅじゅ)の言葉』から引用。
「政治的天才とは彼自身の意志を民衆の意志とするもののこと」

そして「事の発端から首相の意志がみえない」となじる。
日経新聞は、社説では、
「菅政権は混乱を避けるため、この際、
ビデオの公開に踏み切るべきだ」と迫る。

こちらは、ずっと民主党政権に手厳しいし、
菅直人政府にはとりわけ「我慢ならん」といった感情むき出し。
それが表れていて、皮肉屋レベルを超えてはいる。

第4に、毎日新聞「余録」。
こちらはYou Tubeに焦点を当てた。
「豪メルボルンの聖パトリック大聖堂のバロン司祭」

「聖堂前でスケートボードをする若者をしかっていた」が、
とうとう、「ある日、若者らの挑発に激怒し、
司祭が口にすべきではない汚い悪態を連発」

「あまつさえ一人の頭をたたき、
アジア系若者の目の細さをののしる人種差別発言まで口にした」

そのビデオが「ユーチューブ」で公開された。

結論は「世界の人々がユーチューブで見たのは、
若者のワナにはまった司祭にも増してわきの甘い日本政府の実態」

これも、たとえ話を借りた政府批判だが、
「わきの甘さ」で終わってはつまらない

第5は、産経新聞の「産経抄」。
はるか昔に見た新東宝映画『明治天皇と日露大戦争』。
その「日本海海戦のシーン」。
「黒い煙をはいて両国の艦隊が進み、高い波に上下されながら砲弾を浴びせ合う」
コラムニスト氏は「その迫力に思わず拳を握った」。

「黒い煙」のところが、尖閣沖中国漁船衝突ビデオに似ていて、
「その迫力は、それに決して負けていない」と評する。

「政府がやるべきこと」として、
第1に「中国漁船の真の姿を知らせず、
国際世論に訴えようともしなかった不始末への反省」
第2に、「中国に抗議する姿勢」とともに、
海上保安庁の職員たちに「ご苦労さまでした」の一言。

終わり方が、がっくり。

第6は、東京新聞の「筆洗」。
ここは、『南総里見八犬伝』。

「八犬士の一人が持つ『仁』の字の玉が不思議な“移動”をする話」
玉が土中から八犬士の懐に戻る。
「中国漁船衝突事件の様子を収めたビデオ映像も土中ならぬ、
関係機関の金庫などに、しかと“封印”されていたはずである」

ところが、「インターネット動画サイトに流出してしまった」

「一体、この国の情報管理、“封印”はどうなっているのかと、
国民も諸外国もあきれていよう」

そして最後に皮肉。
「まさか、これが、菅首相言うところの『オープンな政治』ではあるまい」

さてついでに最後に、
私の地元神奈川新聞の「11月6日付け照明灯」。
「岡ちゃん、本当に胸のすく思いだったよ」。

サッカーワールドカップで代表監督を務めた岡田武史さん、
かつてのマラソン五輪代表瀬古利彦さん、
レスリング五輪銀メダリストの太田章さんのトークショーの話題。

大らかでよろしいが、さて神奈川新聞の「格」はいかに。

新聞各紙一面コラム。
軍配を上げるつもりもないし、
順番をつけることも意味がない。

大切なのは、それぞれの「ポジショニング」
わが紙の他との違いが、いかに鮮明になったか。

神奈川新聞のおおらかさは問題外かもしれないが、
日経の「公表せよ」との断言を除いて、
どの新聞も似たり寄ったりの「皮肉屋ジャーナリズム」の域を出ていない。
つまりは情報のコモディティ状態。

これは、民主党のだれが首相になろうと、
自民党が政権奪回しようと、
似たり寄ったりの政治コモディティ現象に似たり。

日本が、そんなふうになっていることをこそ、
私たちは自分のこととして再認識しなければなるまい。

<結城義晴>

2010年11月05日(金曜日)

小売業「実践躬行のマネジメント」と「上げる・下げる・一定に保つ」三志向経営

深夜から夜明けの時間帯に勃発したニュース一色。
「尖閣諸島沖中国漁船衝突事件ビデオ流出」
海上保安庁が記録した映像が、
インターネット動画サイト「You Tube」に流出し、
それがテレビ各局で報道された。
考えてみるとテレビの方がはるかに大放出。
中国国内を除く世界中に氾濫してしまった。

東海大学海洋学部教授の山田吉彦さんは、
電話に出づっぱりで生解説。

こうなると、政府のこれまでの対応が、
トンチンカンなものと映る一方、
You Tubeに投稿した登録名「sengoku38」なる人物が、
ある種のヒーローとして、国民の喝采を浴びることとなってしまう。

「sengoku38」とは明らかに、
仙石由人官房長官を揶揄したものだが、
こういった「鼠小僧的現象」は、
あまり健全なものではないと思う。

「あなたの会社でこういった事件が起こったら、
どう思いますか?」

さらに朝日新聞一面トップでは、
「西友元社外取締役」のインサイダー取引疑惑事件。

2007年に、西友はウォルマートによって、
株式の公開買い付けで買収された。
その公開買い付け前に、
社外取締役の一人が家族に西友株を買わせ、
公開買い付け公表後に売却して、
1000万円程度の利益を得た。
絵に描いたような「インサイダー取引」。

インサイダー取引自体、卑怯千万だが、
1000万円の「はした金」もひどく情けない。
私も非常勤取締役や企業顧問の仕事をしていて、
そういった情報に触れることも少なからずあるが、
ここは、ドラッカーの言う「integrity」の問題だ。

ちなみに私は、株式取引はしない。
確実に利益が出ることがわかっていても、
株式による利得には、一線を引いている。

ジャーナリストの矜持である。

さて今日は、東京品川。
ロンドンのリーゼント・ストリートのような品川駅。dscn4386-3.jpg

その南口を出ると、東京コンファレンスセンター品川。
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Inforum Japan 2010が開催された。
主催は日本インフォア・グローバル・ソリューションズ㈱。
登録参加者は650人。

講演協力ユーザー企業の中に、
小売業・サービス業がある。
㈱エコス、㈱JIMOS(小売流通業パネルディスカッション)
㈱ファーストリテイリング(勤怠管理システム事例)

私は、特別講演と小売流通パネルディスカッションのモデレーター。dscn4352-3.jpg

午後、1時30分からの特別講演は、
「流通小売業・実践躬行のマネジメント」dscn4353-3.jpg

マネジメントの定義から入って、
時流の経営戦略と週次の実行・改革が核心テーマ。
前者が”Doing better things”
後者が”Doing things better”
両者のパフォーマンスの最大化がマネジメントそのものとなる。dscn4355-3.jpg
さらに「think small」の考え方と、
クォータリー&ウィークリー・マネジメントの提唱。

とりわけて、現場に関しては、
ウィークリー・オペレーションの効用は計り知れない。

すべてのセッションが45分単位で、私の講演も45分。
私には当然、足りない時間割で、最後は例によって、
早送りレクチャーとなってしまったが、
お許しいただきたい。

レジュメに丁寧に書いておいたので、復習に使ってほしい。
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私の主張は、現場のリーダーたちも、
貸借対照表による経営を実践してほしいということ。

「売上げ上げろ」「粗利を上げろ」、
あるいは「売上げ上がった・粗利上がった」の大合唱。
これを「売上至上主義」と称する。

もちろん、それも大事で、
それを無視しても良いとは言わない。
さらに進めれば、
営業利益を基準にした「利益経営」も必須だ。

しかし、さらにさらに、そのうえで、
人材を含めた経営資産を、
いかに有効に活用するかというマネジメントの基本を、
リーダーには忘れてほしくはない。

「人が大事だ、人が主役だ」と言葉だけ繰り返しても、
「実践躬行のマネジメント」にはならない。

数字という厳然とした触媒を使って、
バランスシート経営を実践する。
そうしなければ、
「躬行」すなわち「口で言う通りを実際に行うこと」にはならない。

指標には三通りのものがある。
故渥美俊一先生の貴重な教え。
「上げる指標・下げる指標・一定に保つ指標」

体育会系の経営は、「上げろ・上げろ」志向になりやすい。
ニヒルな経営は、「下げろ・下げろ」志向に陥りやすい。

あるべきは、
「上げる・下げる・一定に保つ」三志向の経営。

この中で「一定に保つ指標」がとりわけ大事。
なぜならば、見落とされがちだから。

例えば、労働分配率は、
一定に保たれねばならない。
そうしなければ、
「店は客のためにあり、
店員とともに栄える」にはならない。

そういったことが、例えば「予算・実績」管理には、
貫かれていなければならない。

私の特別講演の後は、
パネルディスカッション。
「経営と現場双方が利益を意識して活動する経営管理とは?dscn4366-3.jpg

パネラーは、三人。
㈱エコス取締役経営企画室長兼情報システム管掌の三吉敏郎さん(写真右)、
㈱JIMOS執行役員の中川昌史さん(中央)、
そして、㈱ジール代表取締役社長の山本秀典さん(左)。
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エコスはご存知、首都圏のスーパーマーケット・チェーン。
JIMOSは福岡に本拠を置く大手通信販売企業。
ダイレクト・マーケティング・カンパニーといったほうがいい。
ジールは、情報システムのビジネスインテグレーター。
エコスとJIMOSのシステム開発を担当した会社といったほうがわかりやすい。

これも45分のセッションで、とても語りつくせない内容だったが、
皆さん、役割を十二分に意識して、
簡潔にして的確なコメントを発する優秀なパネラーを演じてくれた。

心から感謝したい。
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聴講していただいた皆さんにも、ご清聴を感謝したい。

何しろ、今月の商人舎標語は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

パネルディスカッションも終了して、
司会の㈱inforの小泉潤一さんも加わって写真。
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会場には、立教大学大学院・結城ゼミの猪股信吾君も参加してくれて、
しっかり勉強していた。
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こういうのは、とても嬉しい。

「実践躬行のマネジメント」、
そして「上げる・下げる・一定に保つ」三志向経営。

今日は、とても大切なことを語ったし、
語りつつ、あらためてこのことの重要性を認識した。

<結城義晴>

2010年11月04日(木曜日)

バラク・オバマに言おう。「元気を出そうよ、それがあなたの仕事です」

バラク・オバマ米国大統領の敗戦の弁。
「私が悪かった」
素早かったし、潔かった。
しかし、どこか元気がなかった。

米国の上下両院議員と州知事を選ぶ中間選挙結果は、
下院で民主党が60議席以上の大幅減、
野党共和党が多数派を奪還。
上院は民主党がぎりぎり過半数を死守。

オバマ大統領の政権運営に対する中間総括は、
極めて辛口なものとなった。

その理由は「経済政策」に対する失望感。
巨額の景気刺激策も、
失業率の高止まりを食い止めることができず、
画期的な医療制度改革も、
逆に財政を逼迫させるとして批判されている。

2年足らずにして、
バラク・オバマも、
崖っぷちとなってしまった。

アメリカ合衆国は大統領制を敷いて、
その権力構造が揺るぎにくくしてある。
つまり難局に耐えうる仕組みを持っている。

それでも民意は中間選挙で、
反オバマを鮮明にした。
恐ろしいことだ。

率直に謝るしかない。
そんなところか。

しかしお詫びにも、
元気のいいお詫びというものがあるはず。

一方、韓国は絶好調。
一昨日の朝日新聞「経済気象台」

韓国経済は2年連続5%前後の成長だという。
アメリカも日本も、ヨーロッパも、
その経済状態は悪いのに、
韓国だけが景気拡大。

コラムニスト柴犬氏はその理由の第一に、
「韓国の人々の自信と楽観」をあげる。

「当局者だけでなく、
ビジネスマンたちも自信と楽観を深めている」

この次がいい。
「心配事もたくさんあるはずだが、
悲観や国内での足の引っ張り合いは少ない」

そう、悲観論や足の引っ張り合いが、
わざわざ自分たちのマインドを、
自分たちで落としめてしまう。
「景気の『気』は天気の『気』と同じで『不思議な力』という意味」

「その時々の国民の気分は経済に大きな影響を及ぼす。
消費や設備投資が増えるも減るも、
一人ひとり、一社一社が将来をどう見るかで決まる」

そして韓国と対比的にアメリカを見る。
「今の米国は悲観が広がって経済が推進力を失っている。
米国の回復は国民心理のコントロールにかかってきている」

さらに最後に日本を取り上げる。
「悲観論を『賢い見方』と考えがちな日本は、
こういう場面に弱い」

バラク・オバマは、
国民の気分に、
どう影響を与えられるか。

日本国総理大臣菅直人しかり。

ここで私の著書『メッセージ』から。
「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を出そうよ。
それがあなたの役目です。

冷夏・残暑で売れなかった。
それはお客さんの元気がなかったからか。
暖冬でまたまた売れなかった。
お客さんたちが買うことに疲れたからか。

いいえ、そうではありません。
お客さんには欲しいものが見出せなかった。
買いたい気分が生まれなかった。
商品やサービスにがっかりした。

あなたの元気は商品に乗り移る。
あなたの元気は店を活気づかせる。
あなたの元気はお客さんを励ます。
仲間を、取引先を勇気づける。

元気とは心の躍動です。
元気とは強いコミュニケーションです。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目で
す。
<第1章・元気と勇気より>

「消費や設備投資が増えるも減るも、
一人ひとり、一社一社が将来をどう見るかで決まる」

「悲観論」好きな日本人を前に、
脅しにかかる輩も出てくる。

悲観論を「賢い見方」と考えがちな日本人は、
そういった類の脅しに弱い。

考えてみると、消費とは、
顧客が一人ひとりがどう動くかで決まる。
顧客一人ひとりに元気をつける。
そのために、自分が元気を出す。
すべてはここから始まる。

合衆国大統領にも、
それが求められている。
だから私は、
バラク・オバマに言おう。
元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。

<結城義晴>

2010年11月03日(水曜日)

吉野家・安部修仁の「新しい風情の商品」と「損益分岐点半分のフォーマット」開発

今日は「文化の日」。
1946年に日本国憲法が公布された日が、
『祝日法』によって「国民の祝日」とされた。

趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」こと。

今日は皇居で、
文化勲章授与式が行われる。
今年は、7人。
原子核物理学の有馬朗人さん、
建築家の安藤忠雄さん、
有機合成化学の鈴木章さんと根岸英一さん、
演出家の蜷川幸雄さん、
服飾デザイナーの三宅一生さん、
そして日本中世史の脇田晴子さん。

同時に、秋の叙勲受賞者も発表された。
瑞宝大綬章に、清成忠男先生。
流通問題にも造詣が深い元法政大学総長。

瑞宝章は、こう定められている。
「国及び地方公共団体の公務または公共的な業務に
長年にわたり従事して功労を積み重ね、
成績を挙げた者を表彰する場合に授与する」

勲章を拒否するという人もいるが、
自分のことだったら私もちょっと考えるかもしれないが、
知り合いのこととなると、素直に喜べる。

おめでとうございます。

さて文化の日に、うれしい贈り物。
dscn3504-2.jpg

㈱ロックフィールド社長の岩田弘三さんから次郎柿。
「今年も柿が実った静岡ファクトリー。
緑化優良工場として表彰されました」

ちなみにこのファクトリーのデザインは、
今年、文化勲章受章の安藤忠雄さん。

その静岡ファクトリーの有機栽培品。
dscn3507-3.jpg
美味しくいただきました。
心から感謝。

その文化の日。
「晴れの特異日」でもある。
英語で「singularity」というが、
天気のこととて、当然ながら地域によって異なる。

東京地方では、
1月16日、3月14日、6月1日、そして今日11月3日が、
そのシンギュラリティの日。

ただし、この特異日にも変化がみられる。
11月は、明日の4日、18日、21日が、
「特異日」程度に晴れる場合が多いという。

さて、中国尖閣列島問題につづいて、
ロシアとの北方領土問題が表出。
メドベージェフ大統領の国後島訪問に対して、
前原誠司外務大臣が、
河野雅治駐ロシア大使を帰国させると発表。

「内憂外患」ならず「南憂北患」。

もちろん菅直人首相を始めとする政府の決定だが、
前原外相の「口」に関して、様々な批判も出ている。

エッセイストの米原万里さんは、
元ロシア語同時通訳として活躍した人だが、
その抱腹絶倒エッセイに「有名な小噺」が出てくる。

外交官がyesと言ったら、それはmaybeの意味である。
外交官がmaybeと言ったら、それはnoの意味である。
外交官がnoと言ったら、その人はすでに外交官としては失格である。

女性がnoと言ったら、それはmaybeの意味である。
女性がmaybeと言ったら、それはyesの意味である。
女性がyesと言ったら、その人はすでに女性としては失格である。

ところで最近、女性の外交官が増えてきたが、
では、女性の外交官がyesと言ったら、あるいはnoと言ったら、
それはどういう意味なのだろうか。

前原氏はどうも、外交官としては、
そしてその外交官の長(おさ)としての外相としては、
失格ということになってしまう。

米原さんが紹介してくれた小噺に倣えば、
蓮舫女史あたりを外務大臣にした方がいいかもしれない。

今日の日経MJ一面に特集。
「吉野家、復活へ両面作戦」
9月に販売開始した「牛鍋丼」(並盛280円)と、
この11月1日からスタートした「牛キムチクッパ」(280円)が好調。

メイン商材の「牛丼」そのものは値下げせず、
新商品の「新価格」ですき屋、松屋に対抗する作戦。

安部修仁社長がインタビューに応えて、述懐。
「15%程度売上高が落ち込んだ窮状から、
早期に脱却するための緊急対策だった」

そして、言い切る。
「低価格商品はこれで打ち止めにする」

「結果的に低価格競争に見えるかもしれないが、
価格競争をするつもりはない」

そのうえでのあたらしい方針が二つ。
第1に「新しい風情の商品」、
第2に「新しい店のフォーマット」。

商品に関しては、
「丼物とは違う風情」のものや、
400円台の主力メニューなど。

重要なことは、それによって、
メニューのバラエティが構築される点。

従来の店舗では、今後、
「プロダクト・ミックス」の戦略性が、
強調される。

新フォーマットは、
「損益分岐点が半分」のタイプ。

フォーマットとは「業態の分化した店舗のカタチ」。

不動産費など固定費は、大幅には下げにくい。
そこで、変動費を下げることができる店舗フォーマットが、
視野に入ってこなければならない。

その背景にあるもの。
「市場全体は供給過剰にあり、
デフレの影響もある」

「デフレや市場の縮小に耐えながら利益を出す体質」
安部さんが志向する企業像が、
この言葉に表れている。

ガンガン売上げを伸ばす「売上高至上主義」は、
現在の思考方法ではない。

今日は文化の日。
今月の標語を思いながら、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

<結城義晴>

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