結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年06月16日(木曜日)

「実行の第3期生」コーネル蓼科合宿でシミュレーション・バトル”Practice comes first!

読売新聞の一面コラム「編集手帳」
作詞家・脚本家の故関沢新一さんの「座右の銘」を紹介している。
「疲れたら休め
彼らもそう遠くへは行ってないはずだ」

「彼ら」とは「ライバル」のこと。

もう一つ、
米国の神経科学会誌電子版に掲載された研究成果。
日本の理化学研究所などが発表。

「運動記憶」は練習の合間、
休憩中に脳に定着する。

それがマウスを使った実験で分かった。

「『疲れたら休め』は技術の上達を図るうえからも
至言であるらしい

コラムニストは述懐する。

「疲れたら休め」
自分に言ってみる。
「疲れたら休め」
あなたにも言おう。

さて昨日から長野県の蓼科。
涼しくて過ごしやすい。

別に、「疲れたから休みに来た」わけではない。
コーネル大学ジャパンの合宿。

実行の第3期生31人が全員そろって、
シミュレーション・ゲームで学ぶ。

コーネル・ジャパンの特長を示すカリキュラム。

2008年10月にスタートした第1期は、25人。
「伝説の第1期生」と呼んだ。
当時、㈱成城石井社長の大久保恒夫さん、
北辰商事㈱副社長の太田順康さんをはじめ、
そうそうたるメンバーが集った歴史的第1期だった。

この中から期中に、
小苅米秀樹さんが㈱ジョイス社長になった。

2009年10月から始まった第2期は満員の30人。
私は「奇跡の第2期生」と名付けた。

第1期の伝説に負けない奇跡を起こして、
第2期生は巣立っていった。

期中に原昭彦さんが大久保さんの後を継いで㈱成城石井社長に、
澤田司さんが㈱ベルプラス社長に昇格。

この期も、
「産業内大学として次世代の経営者をつくる」
という目的を、十二分に果たした。

そして2010年10月から第3期。
31人で、満員を超えた。

ほんとうに申し訳なかったが、
定員を超えたために、
お断りした企業も多数あった。

第1期、第2期、第3期と、
コーネル・ジャパンは業界の期待に応えて、
発展と進化を遂げてきた。

すべての皆さんに感謝したい。

その今期を私は「実行の第3期生」と言い表したが、
まさにキャッチフレーズの通り。

現場で実力を発揮する第3期生によるシミュレーション・バトル。
大いに期待された。
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JR中央線茅野駅から車で30分ほど走ると、
緑に囲まれた蓼科フォーラムが見えてくる。

東京商工会議所が運営する研修・会議施設。
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コーネル・ジャパン6月の講義は、
今年も、蓼科フォーラムを借り切って行われる。

13時半、授業の開始。
初めに副学長のカリキュラム趣旨説明。
毎度毎度、動機づけをし、
学習の目的を明らかにする。
それが学習効果を高める。

授業は階段教室で行われる。
これがまた、いい。
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今回は、31人の第3期生が6チームに分かれ、
スーパーマーケット・シミュレーション・ゲーム(S・S・G)を展開する。
2日間にわたり、大いに盛り上がる。

開発にたずさわった浅香健一先生、森順治先生が、
S・S・Gの趣旨を説明。
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赤字にあるスーパーマーケットを各チームが引き継ぐ。
とりまく環境、諸条件を分析、検討しつつ、
同じ商圏に位置する他チームとの競合に勝つために、
自らの売上高、値入れ、特売などの計画を意思決定していく。

今回は、3カ月間の想定で、
3回の意思決定を競い合う。
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各チームの意思決定数値のそれぞれを、
コンピュータ・ソフトがマーケット全体の動向を勘案しながら、
各店の営業成績として打ち出してくれる。

このゲームはチームのコミュニケーションと、
決定までのプロセスを大切にしているが、
何よりもゲームを楽しむことが大事。

蓼科フォーラムの広いホールに6つのテーブルと
ホワイトボードが設置された。

初めに「自店の強み」やポリシーを決め、
それに応じて経営戦略、店名、組織を決めることからスタート。

着席して話し合う各チームの間を先生方が
いつでも質問や相談に応じられるように歩き回る。
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徐々に各チームが立ち上げり、動き出す。
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30分もすると、
動きはさらに激しくなる。20110616101345.jpg

質問に答える浅香先生。
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副学長の私も、各チームを激励してまわる。
私は各チームを回って、
「自らの強み」とポリシーを明らかにせよ、と説いた。
「組織は戦略に従う」(アルフレッド・チャンドラー・ジュニア)とも、
アドバイスした。
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各チームの戦略がつくられていく。

新聞紙を敷いた上に模造紙を置き、
店名、各人の役職、経営戦略を書いて発表する。
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思わず立ち上がって資料を覗き込んで話し出すチーム。
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早くも模造紙に書きこむチーム。
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なぜか、このチームは立ちあがって議論。
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テーブルの上にのって、書き込むチーム。
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行儀よく、静かに議論するチーム。
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各チーム各様で、おもしろい。

そして50分のディスカッションを経て、
各チームの組織と経営方針の発表が行われる。

廣田亘店長(阪食)が率いるのは「FVH48」店。
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同店は財務を本間正治さん(マルエツ)、
営業を長崎善人さん(ユニバース)、
販促を浜田剛さん(JR東日本ウォータービジネス)、
人事を千木良治さん(国分)が担当する。

基本戦略はマーケット占拠率アップ。
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第2チームは店名を「スーパーこーちゃん」と命名。
店長は岡秀夫さん(関西スーパーマーケット)。
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人事・販促を阿部修店次長(ジョイス)が担い、
生鮮を辻信之さん(シジシージャパン)、
グロサリーを池尾良さん(日本製粉)、
レジおよび財務を村越淳司さん(ランドロームジャパン)が統括する。

コモディティ商品を低価格で販売し、
惣菜、肉は品質重視の方針を設定。
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「ど素人店長」と自ら名乗りつつ、
部下のやる気を引き出すのは第3チーム小竹経一店長(三井物産)。
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店名は高練屋(こうねるや)。
店次長に黒田久徳さん(万代)、
財務管理会計に阿部智則さん(紀ノ国屋)、
営業は松尾直人さん(ラルズ)、
人事・販促は三浦健彦さん(ユニバース) と、
店長をサポートする強力布陣。
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紅一点の高木明子さん(アンデルセン)は、
「ジョイン×ジョイン」店の店長。
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温かい家庭のような、地域のお客様をもてなす店づくりを目ざす。
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店次長が高橋茂幸さん(カスミ)、
営業が行光恒夫さん(いかりスーパーマーケット)、
人事販促が釜萢直人さん(マルエツ)、
財務管理が藤原勇一さん(昭和産業)。

急きょ店長交代が起こったことを物語る青の矢印。
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福嶋繁店長(平和堂)が率いるのは「コーネル生鮮館」。
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財務に高柳智史さん(タカヤナギ)、
営業企画に松尾圭祐さん(いかりスーパーマーケット)、
生鮮に青木繁さん(マミーマート)、
グロサリーに尾関篤さん(国太楼)を配し、
レジを福嶋店長が兼務する

赤字で大きく書かれた基本戦略は「生鮮で勝つ!!」。
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フレッシュ市場「採れたて屋」は小林将人さん(三井物産)が店長。
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海外出張の多い小林店長を支える店次長を
松本剛さん(タカキベーカリー)が、
財務を山口成樹さん(万代)、
営業を羽倉修一さん(伊藤軒)、
人事を横町正俊さん(よこまち)がサポートする。
そしてこの店には顧問として、
ストアコンパリゾン好きの森雅之さん(キョーエイ)がいる。
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業績不振の店を、どう立て直すのか。
経営方針に基づき、各チームが、
150分をかけて、6月の施策を打ち出していく。

スーパーこーちゃんの岡店長は浅香先生に矢継ぎ早に質問。
コンサルティングは5万円の経費がかかるが、
質問はタダ。
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こちらは高練屋。
三浦人事販促担当が浅香先生に熱心に質問する。
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私はその間、窓辺のソファで仕事。
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そうして全チームの6月の施策が出そろった。
森先生と浅香先生は別室で、営業成績の分析にはいる。

一方、18時からは荒井伸也首席講師の講義。
「スーパーマーケット・チェーンにおける
意思決定方法論と会議の持ち方」。
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何度聞いても荒井先生のこの講義はいい。
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夕食をはさみ、いよいよ6月の営業成績の結果発表。
店長と財務担当の二人が、
シミュレーション結果を受けて、
成功の要因と課題を発表する。

FVH48店は売上げ、経常利益ともに好スタート。
財務担当の本間さんが、店長とともに好成績の要因を発表。
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スーパーこーちゃん店は、
高めの予算をクリアできなかったが、
まあまあの売上げを達成。
ただし、粗利益率が低い。
財務担当の村越さんが、そうした課題を発表。
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高練屋は営業担当の松尾さんが、店長とともに発表。
成績は可もなく、不可もなく、手堅いスタート。
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そして最も高い経常利益額を確保したのは、ジョイン×ジョイン店。
高木店長を財務で支える藤原さんが、好成績の要因を発表。
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コーネル生鮮館店は、売上未達で、唯一赤字に転落。
苦しいスタートになった。
財務担当の高柳さんは、懺悔ぎみ。
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売上げが最下位だったのがフレッシュ市場店。
山口財務担当が、店長の不在中、
スタッフがカバーしきれなかったと反省の弁。
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6月の課題をふまえつつ、
いよいよ2カ月目の7月の施策立案。

時間は午後9時を回っている。
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それでも各チームともに真剣な議論が続く。
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好成績だったチームも。
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赤字になった店舗も。
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電卓をたたき、ホワイトボードに書き込み、議論を続ける。
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議論が熱くなると、立ち上がってくる。
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そして10時40分。
7月の意思決定シートを提出し、この日は終了。
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そして深夜11時を回ってからのビール。
ディスカッションをした後ののどに心地よい。
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明日の朝は8時から、再びS・S・G。
ほんとうに充実した一日。
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飲みすぎず、12時にはお開き。
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ということで、
上田惇生先生の番組を見ることはできなかった。

しかしこのシミュレーション・バトルこそ、
ドラッカーの教えを実践するもの。
“Practice comes first!”
「実行第一」
明日は、佳境に至る。
乞う、ご期待。

<結城義晴>

2011年06月15日(水曜日)

「イオンはSC・セブン&アイはコンビニ」それぞれの海外戦略と「近い将来と遠い将来のバランス」

昨日は福岡への日帰り。
TERAOKAニューバランスフェアでの講演。
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テーマは「大震災に学ぶこと」

1時間30分のところ、
いつも2時間を超える。

このニューバランスフェアでの講演を、
毎年毎年、私、25年以上もやっている。

だから事務局も心得てくれていて、
存分に語る。

今回は、2時間15分。

「雨ニモマケズ」から始めた。
ご存知、宮澤賢治の詩。
「【新】校本宮澤賢治全集第十三巻(上)覚書・手帳 本文篇」から。

雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイゝトイヒ
北ニケンクワヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ。

小売商業には、もともと、根底に、
この「雨ニモマケズ」の精神が脈打っている。
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最後のまとめは、堺屋太一の「非常時対策」。
このブログではおなじみの5段階。

第1は「救助の段階」
ここには原則がある。
「軽いものから先に」   
1.最も急ぐ軽いものは「情報」。

2.「生活物資」。
生活物資ではまず「飲料と医薬の配布」。
その次が「緊急の食料」。
そしてその次が「燃料と衣料」。

3.「安全な生活空間の準備とそこへの搬送」

第2は「救済の段階」。
この期間は被災後10日が目安となる。
具体的には、
道路、水道、衛生、電力、ガスなどのライフラインの応急処置。
この段階で大事なのは速度。

そして第2段階の最低限のライフラインをつなげるリミットは、
1カ月以内。

第3は「復旧の段階」。
機関の目安は被災後1カ月から。
水道、道路、電力、鉄道などを旧(もと)に復すとともに、
店舗や飲食店を再開させ、日常生活を復元させる。

さらに精神的安定やコミュニティの再建創造を図る時期。

第4は、「復興の段階」。
この段階には、「新しいグランドデザイン」をつくる。
復旧で終わってはならない。

今回の東日本大震災における6月中旬の現段階は、
本来、復興に充てられる時期である。
しかしまことに残念ながら、まだ復旧段階のまま。

菅直人政府の停滞ぶりが批判されるが、
それは復興段階であるべきなのに、
いまだ復旧段階を終えていないことによる。
もちろんフクシマ原発の問題が大きくのしかかっている。

そして最後の第5は「振興の段階」。
私は復興で終わってもいけないと考えている。
堺屋太一さんと同意見。
そしてこの時には、
「世界のモデルとなる」ことを目指すべきだと思う。

㈱むすんでひらいて社長の原田政照さん(私の右)をはじめ、
若い人たちが駆けつけてくれ、聴講してくれた。
心から、感謝。
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原田航太さん(私の左)、将太さん(いちばん右)も来てくれて、
ありがたかった。

さて今朝の日経新聞に、
小売業大手2社の海外戦略が、
対比的に出ていて、面白い。

まずイオンのアジア戦略。
2013年度までにショッピングセンター(SC)を、
約50カ所に増加させる。
これは現在の23カ所の約2倍。

出店先は現在、中国とマレーシア。
新規出店は中国16カ所、マレーシア7カ所。

さらに新たにベトナムに1~2店。

「SCは総合スーパーを核テナントに、
衣料品や雑貨、サービスなど百数十の専門店が入るモール型」。

古典的にはリージョナルSCと称するが、
現在は「モール」と呼ぶ。

大型のスーパーリージョナルSCを、
「ギャラリア」を呼ぶことが多い。

イオンは日本で、SCを約110カ所、運営している。

これには小型近隣型のネイバーフッドSCや、
中型のコミュニティ型SCも含まれるが、
アジアでは人口集中が見込まれる大都市近郊に「モール型SC」を、
逐次、出店していく。
そのスピードは日本国内よりも早い。

一つの理由は、
現地ディベロッパーとのコラボレーション。
現地ディベロッパーが土地・建物を所有、
「イオンは賃借してSCを運営」。

これによって「低コスト&高出店ペース」を実現できる。

2013年度までの3年間の海外投資は、
SCを中心に食品スーパーマーケット、ディスカウントストア出店などで、
約2100億円の計画。

もちろんSC開発はイオンモールが核となるが、
そのイオンモールは2014年度以降、毎年、
海外に10カ所以上のSCを開発する予定。

岡田元也社長は方針を示している。
「10年後には
アジアと日本の売上高と営業利益を
1対1にする」

一方、セブン&アイの海外戦略。
こちらはコンビニエンスストア事業が中心。

海外での事業展開による営業利益は、
2015年2月期に600億円程度まで増やす。

第1にアジアでの加速的出店。
韓国やタイなどアジアを中心に出店強化。

2011年2月期の海外店舗の純増数は、
国内の4倍強の2118店舗だった。
海外店舗数は2万7000店を超え、
国内の2倍強に達する。

第2はアメリカのサウスランド社。
こちらは同業コンビニ企業の買収も企図。
今年3月末にエクソンモービルのコンビニ店舗を買収。
続いて6月中には「ウィルソンファームズ」を買収する。
ニューヨーク州を中心に200店舗弱を展開する企業。

新規出店も、2012年2月期は1年間で500店舗増加。
設備投資は前期比65%増の809億円の計画。

結果として2015年2月期には、
世界のチェーン全店売上高を10兆円にする。

セブン&アイのコンビニ事業の海外営業利益は、
2010年度に前期比3%減の333億円だった。

しかし海外戦略には円高の影響が大きく反映される。
それを調整すると「3年間で営業利益は4割増」。

イオンとセブン&アイの海外戦略。
共通する第1の特徴は、
「自社の強み」の「業態」で進出すること。

イオンはSC、
セブンはコンビニ。

これは両者の国際レベルの競争力が、
それぞれSCとコンビニにあることを示す。

その意味で、
イオンとセブンは、
違う道を歩き始めている。

それはとてもいいことだ。

「強み」が異なる2社が、
リーダーであるという事実。
それが日本チェーンストアの実力の一端を示している。

第2は、これからの10年の戦略は、
「国内よりも海外」であること。

現状でも国内よりも海外のほうが、
はるかに数字がいい。

今朝の朝日新聞に、
ファーストリテイリングの柳井正さんが登場。
「政治に物申す」と怪気炎を上げているが、
ユニクロも海外戦略を優先させる方針。
正社員も2900人採用し、日本人はその1割。

ピーター・ドラッカー先生は強調する。
自らの「強み」を伸ばせ。

さらに語る。
「ほとんどあらゆる組織にとって、
もっとも重要な情報は、
顧客ではなく非顧客(ノンカスタマー)についてのものである。
変化が起こるのはノンカスタマーの世界である」

イオン、セブン、ユニクロ。
いずれもドラッカーの戦略に沿っているが、
ポール・クルーグマンは言っている。
「小売業・サービス業の生産性を上げなければ、
国民の生活は豊かにならない」

こちらももっともな正論だ。

ユニクロ、イオン、セブンには、
国内と海外のどちらも、
バランスをとってやってもらいたいところだ。

これまたドラッカーの弁。
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最も大事なバランスが、
「近い将来と遠い将来のバランス」

大手小売業が海外にばかり目を向けているとすれば、
国内勢にとってはチャンスが広がる。

<結城義晴>

2011年06月14日(火曜日)

訃報 吉野ストア社長の安川光男さん逝去

6月10日、
安川光男さんが亡くなった。
昭和28年12月6日生まれ、
享年58。

吉野ストア㈱代表取締役社長。

私が㈱商業界の社長を務めていたころ、
アメリカ視察セミナーが開催されて、
初めて安川さんと出会った。

明るくて、好奇心旺盛で、型破りで、
それでいて繊細な経営者。

私たちはすぐに意気投合した。

シアトルでは、
マリナーズのメジャー・リーグを観戦した。

満員のスタンド。
イチローがホームランを放って、
私たちを歓迎してくれた。

ゲームが終わって、
出口に向かって観客がごった返す中、
安川さんだけ行方不明になった。

みな、心配したが、
仕方なくホテルに戻った。

安川さんは一人だけいち早く帰っていて、
ニコニコしていた。

それから安川さんとの交流が始まった。

スーパーマーケットトレードショーの会場で会った。
寺岡ニューバランスフェアの講演会を聴きに来てくれた。
私は何度も、「店を見に行きます」と言った。

それから3年ほどして、2008年秋、
㈱商人舎の第2回アメリカ視察研修会。
私は安川さんに団長をお願いした。

型破りの経営者で、
ちょっと心配だったが、
見事、団員をまとめてくれて、
団員の意見を私に伝えてくれた。
スピーチも上手で、
キリリと締まった特徴的な研修会となった。

解団式のとき、
固い握手をして別れた。

安川さんは、
「吉野の桜、ぜひ、
見に来てください」

その言葉が、今年の4月に実現した。

安川さんから突然、電話が入った。
「今週末に宿をとりました。
吉野に来てください」

私は率直に、この厚意を受けた。
吉野桜の「一目千本」。
感動した。
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吉野ストアにも訪れた。
安川さんがつくり上げた結晶のような店。

ここでも私は感動した。

意欲的な若い取締役が育っていて、
好感が持てた。

「吉野のお客さんのことを、
誰よりもよく知っていて、
誰よりも自分の顧客に奉仕しようとする店」

そんなスーパーマーケットを目指してほしい。

吉野を去る日、
安川さんと電話で話した。

「明日、手術をします。
大丈夫です」

私は安川さんに色紙を書いた。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

ひとつずつ、
すこしずつ、
いっぽずつ。

それ以降も、安川さんは胃癌と闘い続けた。
2年2カ月の闘病だった。
そして逝った。

心から哀悼の意を表したい。

今朝、私は羽田から福岡へ。
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空路、近畿地方あたりにさしかかったころ、
黙祷し、安川さんのご冥福を祈った。

合掌。

さて、日経新聞の経済欄コラム『大機小機』
コラムニストの癸亥氏が、
「日本の株が安い理由」と題して書いている。

「東京株式市場の時価総額は、
バブル末期の1989年末が611兆円、
東日本大震災直前の今年2月末が329兆円」

「市場規模は半分程度にまで縮小」

その理由を三つあげる。
第1は、「企業の責任」。
「大企業の事業資産当たり営業利益率は、
この10年間の平均で4%を下回る。
ここから租税負担を控除すると、
同純利益率は2.4%に届かない」

「多くの企業は没個性化し、市場並みに振る舞っている」
「競争企業をあえて後追いせず、
技術力、経営力で世界を席巻する個性的企業」

「天才への渇望」をコラムニストは指摘する。
「優等生は年を経ずして凡庸に戻る。
しかし、天才は時を超越する。
天才を輩出してこそ、日本市場に覇気が戻ろう」

コラムニスト癸亥氏は第2に、
「投資家にも責任がある」という。
そして第3に、
「政府にも責任がある」と追い打ちをかける。

企業、投資家、政府。
みんなに責任があり、
天才の出現が沈滞の突破口となるというのだが、
こんな論には意味がない。

平凡な人々が平凡に仕事して、
非凡な成果を上げる。

その仕組みをつくる。

サム・ウォルトンが言い放った言葉だが、
私も含めて凡庸な人々の価値ある仕事ぶりにこそ、
私たちは大きな期待と夢を抱くべきである。

もしも凡庸な人々の努力の結晶が、
株価に反映しないとしたら、
株式市場の存在にもまったく、
意味はない。

<結城義晴>

2011年06月13日(月曜日)

ドラッカーのマッサージ法「理想を求め、 手持ちの道具で、 ケースバイケース。 一歩一歩」

Everybody! Good Monday!
[vol24]

2011年第24週、
6月第3週です。

昨日から、九州・近畿に激しい雨。
土砂災害や河川の増水が起こりそう。
そして全国的に雨模様。
したがってむし暑い夏日になる。

週の後半になるにしたがって、雨模様。

内閣の内側からも、
菅直人首相の退陣を促す声が出始めた。
これはもう、末期症状。

ならば早いところ、
手術したほうがいい。
放置するのが一番、いけない。

そして6月の第3週日曜日は、
「父の日」

アメリカで始まった「ファザーズ・デー」
6月第3日曜日を父の日にする国が圧倒的に多い。
アメリカ合衆国、イギリス、フランス、カナダ、
日本、中国、インド、エトセトラエトセトラ。

始まりは1909年。
父親の男手ひとつで育てられた娘が、
教会の牧師に嘆願して、
父の誕生月に礼拝してもらった。
娘の名はソノラ・スマート・ドッド。
ワシントン州スポーケンの人。

翌年の1910年6月19日に、
最初の父の日の祝典が開かれ、
1916年には、第28代大統領ウッドロー・ウィルソンが、
スポケーンを訪れて父の日の演説を行い、
父の日が認知される。

1966年、第36代大統領リンドン・ジョンソンが、
父の日を称賛する大統領告示を発し、
1972年、正式に国の記念日に制定。

大統領の人気取りのようでもあるが、
「アメリカの父たち」からも、
母や娘、息子たちからも、
おおいに歓迎された。

私も喜んで「父の日」を祝いたいと思う。
だから今週は「父の日」一色。

考えてみると昨年の今頃は、
南アフリカのサッカー・ワールドカップ一色だった。

今年はそれがないが、
「父の日」。

とりわけ東日本大震災で被災した「父」たちに、
心のこもったプレゼントをしたい。

小売業やサービス業は、
そのお手伝いに精を出したい。

話題は変わるが、
昨夜、タイ古式マッサージをしてもらった。
2時間たっぷりと。
そして堪能した。

ひとことで言えば、
タイ古式マッサージは、
ストレッチのお手伝いである。

ちょっと激しいし、痛いけれど。

被術者の私はマッサージのコースの間に、
多くのヨガと同じ体位をさせられた。
私が受けたのは「チェンマイスタイル」と呼ばれ、
ストレッチ動作が多い。

私は自分でも、
ストレッチを日課にしている。

ストレッチとは、
体のある筋肉を引っ張って伸ばすこと。

筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げる。
様々なメリットがもたらされる。

毎朝起きると、
簡単な運動をする。

まず仰向けになって、
両手で右足を抱え込ん深呼吸5回。
次に左足を抱え込んで深呼吸5回。
さらに両足を抱え込んで深呼吸5回。

最後に精一杯伸びをする。

これだけ。

しかしタイ古式マッサージを受けて、
自分だけのストレッチも大切だが、
ときどきこのマッサージを受けることの効用を自覚した。

これは体のメンテナンスの問題だけではない。

心のメンテナンスにも、
マッサージが必要だし、
仕事や勉強にも、
スポーツや芸術にも、
専門のマッサージ師のような存在が必要だ。

考えてみると、
私が商人舎や大学院でやっていることは、
このマッサージ師のようなものだ。

会社では上司は部下のマッサージ師の役を果たす。

ドラッカー先生も上田惇生先生も、
マネジメントする人間をマッサージする。

マッサージはフランスで生まれた。
「直接皮膚に求心的に施術する手技療法」
それによって主に、
静脈系血液循環やリンパ循環が改善される。

それを言葉や態度で、
人の心に施す。

コーネル・ジャパンの講義で、
上田先生が繰り返したドラッカーの言葉、考え方。

理想を求め、
手持ちの道具で、
ケースバイケース。
一歩一歩。

これこそドラッカーのマッサージ法。

今週の私のスケジュール。
今日、月曜日はPCSAチャリティゴルフ大会。
千葉県の立野クラシックゴルフ倶楽部。
被災地への義捐金を集めます。

夕方、池袋の立教大学でF&Bマーケティングの講義。
夜の9時45分まで3時間、授業します。

火曜日14日は、福岡。
TERAOKAニューバランスフェアで記念講演。

テーマは「大震災に学ぶこと」
いつもの博多スターレーンで午後1時から。
皆さんおいでください。

なお15日は、 林廣美先生が講師
ご存知、日本フードサービス専門学院学院長。
惣菜マーチャンダイジングで日本の第一人者。
同じく博多スターレーンで午後1時から。
テーマは「原材料の値上がりに対抗せよ」
マル秘製造テクニックとマル秘調理技術を公開
こちらもお越しください。

その15日、16日は、
コーネル大学RMPジャパンの講義。

今回は蓼科で合宿し、
大好評のシミュレーション・ゲームで学ぶ。
浅香健一先生、森順治先生。
荒井伸也先生と私が審査員になって、
優勝チームを決定します。
ご期待ください。

今月の商人舎標語。
「顧客からのスタート」

理想を求め、
手持ちの道具で。
ケースバイケース。
一歩一歩。

では今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年06月12日(日曜日)

ジジと『店ドラ』[2011日曜版vol24]

ジジです。

梅雨なのに、
むし暑いというかんじは、
まったくありません。
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おかげさまで、
よくねむれます。
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来週の日曜日は、
父の日。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
さいきん、うれしいことが、
つづきました。
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アメリカでのシゴト、
ほんとうに大成功。
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うれしそうでした。
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それから立教大学。
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日経新聞の「東京・首都圏経済」版に記事がのりました。
「立教大、シンボルの本館耐震工事に着手 設備も更新」
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「れんが造りの外観はほぼ変えずに耐震補強する」
記事に書かれています。
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その立教に、きのう、
結城ゼミOB会が発足しました。
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大学院でゼミを担当しはじめて、
3年目をむかえます。

おくりだした卒業生は、
まだ11人で、
ことしのゼミ生は7人ですが、
とにかく、OB会が発足。

うれしいことのようです。

それから、本。
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『店ドラ』(てんどら)とよばれて、
うれています。

ドラッカー先生のかんがえを、
わかりやすく解説した本。
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ざんねんながら、
いま、本屋さんには、
ならんでいません。

うりきれてしまったからです。
大至急、印刷しています。

でも、『店ドラ』とよばれるのは
とても、うれしいようです。

ボクは、
おとうさんがよろこんでいるところ、
すきです。
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『店ドラ』で、
なんだか、
ボクも、
うれしくなります。

<『ジジの気分』(未完)より>

2011年06月11日(土曜日)

震災後アンケートと消費者動向調査で明らかになった「人々は働きたがっている」――これこそ日本再生の原動力だ!

3月11日の、
あの大津波・大震災から、
3カ月が経過した。

新聞もテレビも、このニュースを取り上げ、
政治の混迷をあげつらう。

朝日新聞が一面トップで取り上げたが、
「雇用と仕事」が最大の問題であると思う。

朝日新聞が被災した42市町村長にアンケートをした。
「6割余りが被災者の生活再建の見通しが立っていない」と回答。
最優先課題の回答は約7割でトップが「雇用の確保・創出」
次が、「被災者の生活資金支援」
第3位が「仮設住宅など住まいの確保」。

ただし福島県内の首長は15人中13人が、
「原発事故の早期収束・安全確保」と回答した。

仕事ができないと収入がない。
だから生活できない。

これも大きな問題ではある。

しかし仕事がないと、
生きがいを持てない。

これこそ深刻な問題だと思う。

どんな人間も仕事を持つことが、
生きるエネルギーとなる。

利益を上げたり儲けたりの仕事でなくとも、
地域にお役立ちする仕事、
ボランティアの仕事、
社会に貢献する仕事。

だから「仕事」の問題。
「雇用」とはその仕事をつくり、
与え、雇うことだ。

生活は、例えば国や自治体が、
一定期間、ある程度、面倒を見ることもできる。

しかし仕事こそ、
人間が生きるために必要なもの
だと、
私は思う。

この震災にあって、
ご主人を亡くしたヨークベニマル中浦店のベーカリー・マネジャー。
「毎日、仕事している方がいい」と言って、
元気に働いた。

仕事が、
つらい出来事を忘れさせてくれる。

仕事に没頭することで、
自分を取り戻せる。
自分を維持することができる。

その仕事を、
一人ひとりの被災者に、
準備し、提供する。

いま、私たちがやらねばならないことは、
これだと思う。

地元の小売業やサービス業が優先すべきは、
仕事を提供することだ。

さて、5月の消費動向調査。
一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は、
前月比1.1ポイント上昇の34.2。
これは消費者心理を示す指標だが、
4カ月ぶりの改善。

大震災後の自粛ムードは解消されつつある。
身の回り品の価格上昇もひとまず落ち着いた。

それでも、被災地を中心に、
「収入や雇用の先行き不安」は拭い去れていない。

消費者態度指数は4項目を調べる。
その4つの指標がすべて上向きとなった。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それが良い方向に向かいつつある。

4つの指標のうち、「暮らし向き」は1.6ポイント上昇。
「耐久消費財の買い時判断」は2.6ポイント改善。
しかし、「収入の増え方」と「雇用環境」は、
0.2ポイントの向上にとどまる。
どうやら日本中の問題点は、
「雇用と収入」。
それを裏付ける「仕事」に、
収れんされてきた。

人々は働きたがっている
これこそ日本再生のうれしい原動力だと思う。
一方、昨日の日経新聞の『消費のなぜ』
保存食が好調な売れ行きを続ける。

保存食とは缶詰やレトルト食品など。

東日本大震災の直後、備蓄用に売れた。
買い溜めされた。

日経新聞は分析する。
「もしもの時の備えに加え、
日ごろの食卓の『もう1品』として、
活用される場面が増えた」
〝二つのニーズを持つ商品”というわけだ。

サミットとマルエツの事例が紹介される。
サミットでは震災直後の3月、
缶詰が前年同月の1.7倍に増加。
5月に入っても10%以上の売れ行きが続く。

サミットは顧客データ付ID-POSシステムを導入しているから、
どんなカスタマーがどんな缶詰を購入し続けているかは、
わかっているはずだ。

売れ筋はコンビーフやサンマ、サバなど。
おかずに使える「味付け缶」。

マルエツでは、レトルトや冷凍食品が、
3月に前年の1.5倍以上、
5月も同1割ほど上回る水準で売れている。

投稿・公開サイト「クックパッド」では
「缶詰」の検索数が震災後に約1.6倍になった。

「備蓄用に買った缶詰の活用法に気づいた主婦らが、
日々の料理に積極的に使い始めた」

日経記事は最後に、日本缶詰協会の推計データを公開。
缶詰の市場規模は2009年が約2500億円。
「近年は頭打ち傾向」ではあったが、
震災後は「便利なもう1品」となるか。

この記事が、広告タイアップ企画でなければよいのだが、
そうだとしても「保存食」の味の見直しや簡便性のニーズに、
消費者が再び目覚めたことは確かだろう。

震災後の変化に商機がある。

今週もこのブログを読んでくださって、
心から感謝。
よい週末を。

<結城義晴>

2011年06月10日(金曜日)

『店ドラ』2週間で3刷とAJS第49回総会模様と味の素伊藤雅俊社長の「安定供給なくして効率化なし」

おかげさまで『店ドラ』(てんドラ)、
本日、3刷決定しました。
新たに5000部が6月20日に刷り上がる予定。
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次々に大量のお申し込みをいただいて、
5月28日発行以来、2週間で3刷です。

著者として、本当にうれしい。
ありがとうございます。

さて商人舎ホームページも充実し続けています。

まず新設ブログは、
「五十嵐ゆう子の米国日記」
「浅野秀二のアメリカ寄稿」の中から独立しました。
体験小説「Thank You 命をありがとう」でも、
多くの感動を呼んだゆう子さんのブログ、
ぜひご愛読ください。

今回は、ラスベガスの「グレイザーズ」に関してのレポートです。
インディペンデント・スーパーマーケットですが、
イノベーションにあふれた店です。

それから金曜日恒例の「林博美の今週のお惣菜」
今日は「初夏の鯖寿司」。

立教結城ゼミ「ブルティンボード」ブログにも久しぶりに投稿。
今年3月に卒業した渋木克久さんが、
吉野家ホールディングス社長の安部修仁さんの講演を聴いて、
その内容に感動しつつ、
自分の修士論文に関するコメントを書いています。

それから商人舎何でもリンク集「知識商人の輪」には、
新しく加わったブログが掲載されます。

最新ブログは「ホスピタリティおやじの独り言」
コーネル・ジャパンの講師も務めていただいている田中実さんのブログ。

それから「千田直哉のPaper Blog+」
『チェーンストアエイジ』編集長の毎日更新ブログ。
最新版は「オール日本スーパーマーケット会長に荒井伸也氏再選」。

さらに松崎靖さんの『あなたへの手紙』
6月7日版で『店ドラ』を紹介してくださっています。
ありがとうございます。

それから『燃える豆魂日記』
山下リツ商店社長の山下浩希さんのブログ。
2月以降、ツイッターを書いていて、
ブログは開店休業状態だったが、
5月から復活し、毎日更新。

何でもリンク集はこれからも増やしていきます。
その都度、ご紹介します。
よろしくお願いします「知識商人の輪」を。

さて、昨日は朝から、滋賀県彦根に出張。
平和堂の米国視察チームへの事前講義。
「理念と心構え、考え方」を丁寧に丁寧に語ったため、
米国チェーンストア事情は、少し時間を割愛。
しかしそれは向こうに行ってから徹底的にレクチャーする。

夕方、帰横して、みなとみらいで、
オール日本スーパーマーケット協会第49回定期総会に出席。
場所はパンパシフィック横浜ベイホテル東急。

今回の定期総会では、
第50期に向けた役員改選が行われた。
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会長は引き続き、荒井伸也さん。
役員の顔ぶれも変わらず、
50周年事業に向けた布陣となった。

専務理事はもちろん松本光雄さん。
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総会後の記念講演は金美齢さん。
「日本再生への提言」がテーマ。
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金さんは台湾に生まれ、早稲田大学の文学部に入る。
それから台湾の民主化運動を支援、
政権を批判したことで、ブラックリストに載る。

それから31年間、故郷に帰ることができなかった。

しかし2000年の政権交代後は、
台湾の国策顧問に就任する。
まさに「私の歴史はアップ&ダウンだった」。

しかし、「自らの信念を変えなかったことが、
今の自分のポジションをつくった」

「軽佻浮薄さが日本の衰退の原因」

「本質を見分ける眼、本質を学ぶ姿勢、
そしてぶれないことが、大切なこと」

金さんの話は、テレビで政治や政治家を斬るより、
ややトーンは柔らかかった。

さて、3・11の東日本大震災後、
多くの会合が延期され、あるいは中止されているが、
そんな中で開かれたAJSの定期総会と懇親会。

プログラムにも、会場にも、
さまざまな工夫がなされていた。

会場の外のホワイエでは、
被災地復興支援のために、
被災県の観光パネルと資料が用意されていた。
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もちろん、コプロの「生活良好(くらしりょうこう)」の商品も展示。
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さらに、受付の横には書籍販売コーナーが設けられた。
左に西山寛商事の西山進社長の新刊『人生の正体』(商業界刊)、
真ん中は荒井伸也会長の『小説スーパーマーケット』(講談社刊)、
そして右が話題の(?)『店ドラ』(イーストプレス刊)。
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ほんとうにありがたいことです。

そして、懇親会。
実は私は、この懇親会からの合流となった。
開会のあいさつは、二人の正会員経営者。
東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市のスーパーマーケット。
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右が㈱片浜屋専務取締役の佐藤俊夫さん、
左が㈱マルニ代表取締役社長の伊藤栄吾さん。

「気仙沼は200世帯のうち180世帯が、
きれいさっぱり流された。
しかし我々は、
みなさんが思っている以上に元気です」

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伊藤さんの言葉に、
聞いていた私たちが元気づけられた。

メニューには、東北・北関東の食材が使われていた。
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せっかくの食材を美味しく食べようとしてか、
この日の名刺交換会はいつもより遅かった。

そしていつもより控えめな懇親。

荒井伸也会長と、伊藤社長、佐藤専務の4人で写真。
必ず近いうちに、お二人に会いに気仙沼に行きます。
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㈱伊藤園副社長の本庄周介さん(左)と同じく副社長の江島祥仁さん。
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㈱菱食代表取締役会長の後藤雅治さん。
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そして同じく取締役副社長執行役員の中嶋隆夫さん。
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㈱寺岡精工専務の高野公幸さんと営業企画室部長の萩原真さん(左)。
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中締めはご指名によって私。
光栄なことです。
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「東日本大震災の後、
スーパーマーケットはまさにライフラインの役目を果たした。
ライフラインとは平時には当たり前の存在。
しかし有事にこそ素早く復旧して活躍しなければならない。
そのために、これからどう行動していくか。
勉強を続けなけばならないと思う」

三本締めは、すべての皆さんのご協力のもとに、
きれいに決まった。
心から感謝。
そして最後に松本専務理事と写真。

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松本さんは前松坂屋ストア社長。
スーパーマーケットの社長が専務理事の協会、
それがこの協会の「強み」である。

ところで、今日の日経新聞『人こと』欄に、
味の素の伊藤雅俊社長が登場。

東日本大震災によって、
「食品の重要性が再認識された」

どこのメーカーもそうだったが、
被災地へ商品を無償提供した。
さらに首都圏などで起きた「買いだめ」に関して、
「生きるために必要な商品をつくるメーカーとしての責任を痛感した」

それから重要な考え方を披露。
「安定供給なくして効率化はあり得ない」
つまり「効率優先で集約してきた工場や物流拠点の再分散化」が、
検討されねばならないとの指摘。
震災を教訓に「今後の事業の在り方を再構築」する。

ジャスト・イン・タイムの高度なサプライチェーンは、
いわば中央集権的な全体システムである。
それに対して「分散型・在庫型」の製造や物流も、
仕組みの中に入れられないか。

かつては、そして今でも、
ジャスト・イン・タイムのシステムはやさしくはない。
しかしそれを成し遂げたうえに、さらに、
次の課題を付け加えて解決する。
難しいけれども、重要なイノベーションである。

ピーター・ドラッカーいうところの両者のバランス
私流にいえば「オクシモロンの問題解決」。

「言うは易し、行うは難し」
けれども、地震列島の上で生活し、
ビジネスを営む私たちは、
この難題に取り組まねばならない。

昨日、伊藤園副社長の江島さんとも同感した。
伊藤園は全国の営業所に一定の商品在庫があった。
そこですばやく震災対応できた。

平時には無駄なもの、
有事には有用なもの。

「バランスを考え、
優先順位をつける」

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それが仕事の本質であり、
マネジメントの真髄である。

<結城義晴>

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